Legal Update
第54回 2026年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
法務部
シリーズ一覧全54件
- 第1回 2022年4月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
- 第2回 2022年4月・5月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
- 第3回 2022年6月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
- 第4回 2022年7月以降も注目 企業法務に関する法改正と最新動向・対応のポイント
- 第5回 2022年6月公表の「骨太方針」、開示に関する金融庁報告書、および7月のCGSガイドライン再改訂に関する対応のポイント
- 第6回 2022年3月〜6月の医薬品・医療に関する法律・指針等に関する日本・中国の最新動向と対応のポイント
- 第7回 2022年5月〜6月の人事労務・データ・セキュリティ・危機管理に関する企業法務の最新動向・対応のポイント
- 第8回 2022年9月に押さえておくべき企業法務に関する法改正と最新動向・対応のポイント
- 第9回 2022年10月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
- 第10回 2022年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第11回 2022年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第12回 2023年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第13回 2023年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第14回 4月施行の改正法ほか2023年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第15回 2023年4月施行の改正法を中心とした企業法務の最新動向
- 第16回 6月施行の改正法ほか2023年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第17回 2023年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第18回 2023年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第19回 2023年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第20回 2023年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第21回 2023年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第22回 2023年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第23回 2023年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第24回 2024年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第25回 2024年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第26回 2024年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第27回 4月施行の改正法ほか2024年4月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第28回 2024年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第29回 2024年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第30回 2024年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第31回 2024年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第32回 2024年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第33回 2024年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第34回 2024年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第35回 2024年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第36回 2025年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第37回 2025年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第38回 2025年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第39回 4月施行の改正法ほか2025年4月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第40回 2025年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第41回 2025年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第42回 2025年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第43回 2025年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第44回 2025年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第45回 2025年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第46回 2025年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第47回 2025年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第48回 2026年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第49回 2026年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第50回 2026年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第51回 4月施行の改正法ほか2026年4月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第52回 2026年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第53回 2026年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第54回 2026年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
目次
本稿で扱う内容一覧
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年3月31日 | 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」の公表 |
| 2026年4月1日 | 女性活躍推進法改正の施行:男女間賃金差異・女性管理職比率の情報公表義務化 |
| 2026年4月9日 | 経済産業省「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き」の公表 | 2026年4月10日 | 「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」の公表(特定投資家への移行要件の緩和) |
| 2026年4月28日 | 労働安全衛生規則の改正(産業医の辞任時等の報告の義務付け) |
| 2026年5月29日 | 消費者庁「公益通報保護制度Q&A」の公表 |
編集代表:坂尾 佑平弁護士(三浦法律事務所)
女性活躍推進法改正の施行:男女間賃金差異・女性管理職比率の情報公表義務化
執筆:花城 凪弁護士、田中 太郎弁護士
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法。以下「法」といいます)の改正法が2025年6月11日に公布され、2026年4月1日より施行されました。今回の改正では、情報公表の対象となる企業および必須項目が拡大され、新たに女性管理職比率の公表が義務付けられるとともに、公表義務の対象企業が広がりました。
公表義務の対象拡大
これまで従業員数301人以上の企業に義務付けられていた「男女間賃金差異」の公表が、従業員数101人~300人の企業にも拡大しました(法20条2項)。また、新たに「女性管理職比率」についても101人以上の企業に公表が義務化されました(同条1項・2項)(従業員数100人以下の企業は、努力義務の対象です(同条3項))。
| 従業員数 | 301人以上 (法20条1項) |
101人~300人 (法20条2項) |
100人以下 (法20条3項) |
|---|---|---|---|
| 公表内容 |
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男女間賃金差異
男女間賃金差異は、①すべての労働者、②正規雇用労働者、③非正規雇用労働者の3つの区分に分けてそれぞれ公表することが必要です。
具体的な算出方法は以下のとおりです(令和8年2月18日雇均発0218第2号「男女の賃金の額の差異の算出及び公表の方法について」第4(1))。
- 賃金台帳、源泉徴収簿等を基に、正規雇用労働者、非正規雇用労働者及び全ての労働者それぞれについて、男女別に、
- 原則として直近の事業年度の賃金総額を計算し、
- 当該事業年度に雇用したそれぞれの区分の労働者の数(人員数)で除することにより、平均年間賃金を算出する。
- その上で、正規雇用労働者、非正規雇用労働者及び全ての労働者それぞれについて、女性の平均年間賃金を男性の平均年間賃金で除して100を乗じて得た数値(パーセント)を男女間賃金差異とする。当該数値は、小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までのものとする。
女性管理職比率
ここでいう「管理職」とは、「課長級」と「課長級より上位の役職(役員を除く)」の合計を指します。また、「課長級」とは、次のいずれかに該当する者を指します(令和8年2月18日雇均発0218第3号「管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の算出及び公表の方法について」第3(1))。
- 事業所で通常「課長」と呼ばれている者であって、その組織が二係以上からなり、若しくは、その構成員が10人以上(課長を含む。)のものの長
- 同一事業所において、課長の他に、呼称、構成員に関係なく、その職務の内容及び責任の程度が「課長級」に相当する者(ただし、一番下の職階ではないこと。)
比率の具体的な算出方法は次のとおりです(令和8年2月18日雇均発0218第3号「管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の算出及び公表の方法について」第4)。なお、特段の事情のない限り、公表時点で得られる最新の情報を用いる必要があります。
- 「管理職」に該当する労働者全体の数と、「管理職」に該当する女性労働者の数をそれぞれ計算し、
- 「管理職」に該当する女性労働者の数を「管理職」に該当する労働者全体の数で除して100を乗じて得た数値(パーセント)を女性管理職比率とする。当該数値は、小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までのものとする。
公表の方法・時期等
公表の時期としては、改正法施行後(2026年4月1日後)に最初に終了する事業年度の実績について、その次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に行う必要があるとされています。たとえば、2026年4月末に事業年度が終了する場合、おおむね同年7月末までに公表する必要があります。その後は、1年に1回以上、最新の数値について公表する必要があります。
公表の方法としては、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」の活用が推奨されていますが、自社ホームページへの掲載も可能とされています。
会社として対応すべき事項
今回の改正により、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表義務は、従業員規模101人以上のすべての企業に拡大されました。いずれも必須公表項目として位置付けられましたので、法務担当者としては、①自社が対象となるか、②何を公表すべきか、③自社の事業年度に応じた公表期限はいつか、を確認し、遅滞なく対応できる体制を整えておくことが重要です。
総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」の公表
執筆:南 みな子弁護士、小倉 徹弁護士
2026年3月31日、総務省および経済産業省から「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」が公表されました。AI事業者ガイドラインは、AIの安全安心な活用が促進されるよう、わが国におけるAIガバナンスの統一的な指針を示すものです。
本記事では、2025年3月28日付けの第1.1版から第1.2版への主な更新内容を説明します。
AI技術の動向の反映
まず、AIエージェントおよびフィジカルAIについて、以下のとおり定義されました。
| AIエージェント | 特定の目標を達成するために、環境を感知し自律的に行動するAIシステム |
| フィジカルAI | センサ等によるセンシングを通じて物理環境の情報を取り込み、AIモデルによる処理を経て、設定された目的を達成するための最適な方策を自律的に推論・判断し、アクチュエータ(駆動系)等を介して物理的な行動へとつなげるシステム |
また、便益・リスク・留意事項が以下のとおり追加されました。
| 便益 |
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| リスク |
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| 留意事項 | AI開発者 |
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| AI提供者 |
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| AI利用者 |
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AIによるリスクの記載の見直し
「AIによるリスク」の記載が以下のとおり整理・拡充されました。
| リスクベースアプローチの追記 | AIの利用目的・利害関係者、発生し得るリスクの影響の大きさ・発生可能性などを踏まえて、対策の優先順位を決定する考え方を追加 |
| リスクの更新 | マルチモーダルな生成AI・カメラ・音声認識活用時のプライバシー権侵害リスク、有資格者に限定される業務を無資格で行うものと評価される法令違反リスク、AIを悪用した攻撃によって金銭的負担が発生するリスク等を更新 |
主体区分の整理
開発・学習・主体区分等、多義的に捉えられる事項について、定義が追加されました。
| AI開発者の定義の補足 |
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| 主体ごとの役割の見直し |
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特定単語の整理・見直し
多義的に捉えられる単語の定義や表現が見直されました。
| 学習 | AIモデルのパラメータを決定または改善するプロセス(In Context-Learningは学習には含まれない) |
| 推論 | 学習済みモデルに未知のデータを与え、出力を得るプロセス(RAG等を介して外部データを参照する行為も推論に含まれる) |
| データ | より一般的な表現へ見直し(例:妥当性確認データ→検証データ、評価用データ→テストデータ) |
AIガバナンスに関する動向の反映
人工知能戦略本部等の国内動向や広島AIプロセス等の国際動向において、注視するべき最新状況等が追記されました。
経済産業省「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き」の公表
執筆:森本 悠暉弁護士、舘﨑 友輔弁護士
2026年4月9日、経済産業省は、「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き」(以下「本手引き」といいます)を公表しました(本手引きの概要資料はこちら)。本連載では、本手引きの案が公表された時点でも取り上げましたが、公表資料に基づき、改めて解説します。
本手引きの目的および検討対象
生成AIの登場以降、事業領域での利活用が拡大する中で、損害発生時の民事責任につき裁判例の蓄積や統一的見解が乏しいことが、AIの社会実装を躊躇させる一因となっているとの指摘もありました。
そこで、AIを用いたサービスやシステムが事故に寄与した基本的な想定事例を題材に、既存の民事責任ルールに基づく解釈適用の方向性を示し、これにより、AIの開発・提供・利用に関わる当事者の予測可能性を高め、AI利活用の推進および損害発生時の円滑な解決に資することを目的として、本手引きが作成されました。
なお、本手引きは、①AIの「開発者」や「提供者」、②AIの「利用者」(AIを利用する事業者)、③「第三者」を想定したうえ、第三者に損害が生じた事例を対象に、特に、契約等の明確なルールが及ばない状況下で適用されるデフォルト・ルールとして、不法行為責任を中心的な検討対象としています。
AIの利用形態の類型に応じた責任判断の方向性
本手引きは、AIの利用形態を以下の「補助/支援型AI」「依拠/代替型AI」の2類型に分類したうえで、各主体の責任についての基本的な考え方を整理しています。
| 補助/支援型AI | 依拠/代替型AI | ||
|---|---|---|---|
| 該当性 | 利用者の判断の補助ないし支援としてのみ用いられ、最終的に人の判断や行動を介在させることが予定される類型 例)配送ルート最適化AI |
人の判断や行動の全部または一部を代替する前提で提供され、AIの判断に依拠しながら用いることが予定される類型 例)自律走行ロボット(AMR) |
|
| 基本的考え方 | 利用者の責任 | AI利用有無によって注意義務の水準は左右されず、個々の状況下で適切な判断や行動を行うことが求められる。 | 注意義務の対象は、AIシステムを適正に用いるための体制構築およびその運用へと転換される。 |
| 開発者・提供者の責任 | 権利侵害との間に利用者の判断が介在するため、第三者に対して責任を負う場面は限定的である。AIの性能限界や重要なリスク等についての説明や、AI利用者による予見・対処が容易でないリスクについて一定の設計上の措置が求められる。 | 安全性を発揮・維持するために合理的に可能な設計上の措置に加え、リスクコントロール上重要な情報を利用者に提供する説明上の措置が求められる。 | |
そのうえで、本手引きは、①配送ルート最適化AI、②弁護士業務支援AI、③画像生成AI、④取引審査AI、⑤外観検査AI、⑥自律走行ロボット(AMR)、⑦AIエージェントによる計7つの想定事例を用いて、上記の枠組みを具体的に当てはめています。
その他
その他、本手引きは、AIの専門技術性や証拠の偏在に伴う立証上の困難に対応するための論点(文書提出命令、過失・欠陥の事実上の推定、因果関係の認定)や、国際的な紛争に関する手続上の論点(国際裁判管轄、準拠法等)についても整理しています。
労働安全衛生規則の改正(産業医の辞任時等の報告の義務付け)
執筆:河尻 拓之弁護士、菅原 裕人弁護士
厚生労働省は、2026年4月28日、産業医の辞任時等における労働基準監督署への報告を事業者に義務付ける「労働安全衛生規則の一部を改正する省令」(令和8年厚生労働省令第86号。以下「本改正」といいます)を公布しました。本改正は、同年8月1日から施行されます。
本改正は、現行制度上、常時50人以上の労働者を使用する事業場に産業医の選任時の報告義務が課される一方、辞任時等には報告義務がなく、労働基準監督署が産業医の選任状況(空席の有無)を的確に把握できないという課題を踏まえたものです。2025年度国会における「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案に対する衆議院附帯決議」において、産業医の解任が行われたことを労働基準監督署が把握できる仕組みの検証等が求められたことを受け、所要の改正が行われました。
本改正により事業者に新たに義務付けられる事項の概要は、以下のとおりです。
産業医の辞任、解任または退任(以下「辞任等」といいます)があった場合に、所轄労働基準監督署長に対し、次の事項を遅滞なく報告すること。
- 辞任等をした産業医の氏名
- 辞任等の年月日 等
なお、事業場の労働者数が50人未満となり産業医の選任義務がなくなった場合の辞任等は報告義務の対象外ですが、通達(令和8年4月28日基発0428第4号)において、選任状況の適切な把握の観点から、報告を行うことが望ましいとされています。
また、報告は原則として電子申請によることとされていますが、当分の間の経過措置として、所定の事項を記録した書面(廃止前の労働安全衛生規則様式第3号を使用可)による報告も可能とされています。
事業者においては、産業医の交代に際し後任者の選任報告と併せて前任者の辞任等を報告すれば足りますが、後任の選任が遅れる場合等には、辞任等のみを単独で遅滞なく報告する必要が生じる点に留意が必要です。報告は原則として電子申請によることとされているため、産業医の交代・離任時に報告漏れが生じないよう、社内の対応フローや管理体制をあらかじめ整備しておくことが望まれます。
「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」の公表(特定投資家への移行要件の緩和)
執筆:藤﨑 大輔弁護士
2026年4月10日、金融庁から「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」(以下「本改正案」といいます)が公表されました。
2025年9月に公表された日本証券業協会・金融庁共催「スタートアップ企業等への成長資金供給等に関する懇談会」の報告書において、スタートアップ企業等への資金供給の促進策として今後期待される取組み等が取りまとめられる中で、特定投資家(いわゆるプロ投資家)への移行要件の緩和について提言がなされました。
本改正案は、これを踏まえ、特定投資家による投資の活性化を図る観点から、特定投資家に移行可能な個人の要件を緩和するための改正を行うものです。
具体的には、特定投資家への移行を申し出ることのできる個人はいくつかの類型に限定されているところ(金融庁「特定投資家に関する情報」2.を参照)、そのうちの一類型について以下のとおり改正がなされます(金融商品取引業等に関する内閣府令62条1項3号)。
| 改正前 | 改正後 |
|---|---|
承諾日前1年間における1月当たりの証券・デリバティブに関する取引契約等の平均的な契約の件数が4件以上である場合において、以下のいずれかに該当し、かつ、最初に移行申出に係る契約の種類に属する契約を締結した日から1年を経過している個人
|
承諾日前1年間における証券・デリバティブに関する取引契約等がある場合において、以下のいずれかに該当し、かつ、最初に移行申出に係る契約の種類に属する契約を締結した日から1年を経過している個人
|
今後、本改正案に対するパブリックコメントの結果の公表後、本改正案が公布・施行されることとなります。
消費者庁「公益通報保護制度Q&A」の公表
執筆:坂尾 佑平弁護士
消費者庁は、2026年5月29日時点のものとして「公益通報者保護制度Q&A」を公表しました。このQ&Aは、以下の項目の下で、86頁にわたり、全268問のQ&Aが掲載されています。
| 公益通報者保護法に関するQ&A(基本的事項) | 15問 |
| 通報対象事実(通報の内容)に関するQ&A | 7問 |
| 公益通報者に関するQ&A | 11問 |
| 通報先に関するQ&A | 15問 |
| 保護要件に関するQ&A | 13問 |
| 不利益な取扱いに関するQ&A | 12問 |
| 内部公益通報対応体制の整備、労働者等に対するその周知その他の必要な措置に関するQ&A | 65問 |
| 従事者に関するQ&A | 17問 |
| 事業者における通報対応に関するQ&A | 12問 |
| 行政機関向けQ&A(全般) | 26問 |
| 行政機関向けQ&A(内部の職員等からの通報) | 12問 |
| 行政機関向けQ&A(外部の労働者等からの通報) | 30問 |
| 罰則その他事項に関するQ&A | 15問 |
| フリーランスに関するQ&A | 18問 |
このQ&Aは、2026年12月1日施行予定の令和7年改正公益通報者保護法、およびこの法改正を踏まえた「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」(令和3年内閣府告示第118号)と「公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)の解説」の改正を踏まえたものです。
これらの法改正や法定指針等の改正については、弊所note記事「【速報】内部通報UPDATE Vol.15:令和7年公益通報者保護法改正を踏まえた法定指針・指針の解説の改正版の公表」をご参照ください。
このQ&Aは、企業の担当者が令和7年改正公益通報者保護法を踏まえた対応を進める中で生じた疑問を解決するために役立つ資料であるため、積極的な参照・活用が望まれます。
シリーズ一覧全54件
- 第1回 2022年4月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
- 第2回 2022年4月・5月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
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