BUSINESS LAWYERS COMPLIANCE 導入事例
第11回 「答え合わせができない仕事」に確信を。実務経験豊富な弁護士のロールプレイ研修で磨いた、グループ全体の内部通報対応力PR
法務部
シリーズ一覧全9件
- 第1回 年間ロードマップに組み込んだ「全社を巻き込む」研修とは
- 第2回 「受講率が不明」な手作り研修からの脱却。IPO準備を加速させた「全従業員に届く」コンプライアンス体制の作り方
- 第3回 コンテンツ内製の限界。「半月がかりのパワポ作成」から脱却し、担当者の工数削減と従業員の「満足度」を両立させた研修
- 第4回 動画による研修を通じて、全社員のコンプライアンス知識の底上げを実現
- 第6回 マンネリ化した研修から脱却。「分かりやすさ」で従業員の心を掴み、コンプライアンス意識を底上げした方法
- 第7回 「コンプライアンス浸透」の 課題解決の鍵は“リーダー制度”と“ドラマ研修”にあった
- 第8回 妥協なき講師選定で現場が納得する研修を。形式的運用から脱却し、実務に直結させるまで
- 第9回 「部門任せ」の研修体制から脱却。顧客の信頼を守る、全従業員3,000名へのコンプライアンス浸透の仕組みづくり
- 第11回 「答え合わせができない仕事」に確信を。実務経験豊富な弁護士のロールプレイ研修で磨いた、グループ全体の内部通報対応力
目次
「日々事案に対応していても、自分のやり方が合っているのか、なかなか答え合わせができない」。内部通報の現場を担う担当者の多くが抱える切実な悩みです。グループ会社を含めた内部通報対応体制の運営を担う千代田化工建設株式会社の法務部もまた、特に通報件数の少ないグループ会社の担当者をどう育てるかという課題に向き合っていました。
今回お話を伺ったのは、コンプライアンスセクションを統括する工藤 悠香里様と、内部通報対応にあたる島村 秀夫様。両名が選んだのは、「BUSINESS LAWYERS COMPLIANCE 講師派遣サービス」(以下、本サービス)でした。なぜ汎用的な集合研修でもオンライン教材単体でもなく、講師派遣だったのか。「答え合わせのできない仕事」に指針を授けた研修の中身と、その効果について詳しくお聞きしました。
千代田化工建設株式会社
設立: 1948年1月20日
従業員数:3,489名(連結)、1,661名(単体)(2026年3月31日現在)
事業内容:総合エンジニアリング事業(ガス、電力、石油、石油化学、一般化学、医薬品等の設備並びに公害防止・環境改善・保全及び災害防止用等の設備に関するコンサルティング、計画、設計、調達、施工、試運転及びメンテナンス等、石油・天然ガスその他鉱物資源の開発、関連事業に関する投融資)
工藤 悠香里 様(セクションリーダー)
所属部署:人事総務本部 法務部 コンプライアンスセクション
担当業務:コンプライアンスセクション全体のマネジメント。グループ全体のコンプライアンス推進、内部通報制度の運用統括などを担う。
島村 秀夫 様
所属部署:人事総務本部 法務部 コンプライアンスセクション
担当業務:内部通報対応、輸出管理、建設業法、人権などのコンプライアンス領域に加え、法務セクションの保険グループも兼務。
課題:通報対応の機会が少ない担当者を、どう育てるか
まず、本サービスを導入された背景にあった課題について教えてください。
工藤様:
私たちのグループでは、本社が運営するグループ共通窓口に加え、各グループ会社にも独自の窓口を設けて、しっかりと内部通報に対応していこうという体制を取っています。ただ、本社のグループ共通窓口にはある程度の件数が寄せられる一方で、グループ会社のなかには会社の規模によっては通報件数がかなり少ないところもあるのです。担当者として通報対応を経験する機会が少ないと、いざ通報があったときに適切に対応できるのか不安が残ります。
担当者の経験不足が課題だったということですね。
工藤様:
はい。内部通報は、会社の中で生じた問題が発覚するきっかけとなる重要なツールです。担当者の対応の質が、制度そのものへの信頼に直結します。だからこそ、担当者に事前にきちんと知識を身につけ、スキルを磨いてもらうための研修が必要だと考えました。当社グループとして通報が求められるような事態が少ない状態が理想的であること議論の余地はありませんが、実際に通報があった際の対応の質を高めることは必須と考えています。
実際に現場で対応されている島村様は、どのような難しさを感じていましたか?
島村様:
相手が被害者なのか、加害者として訴えられている側なのか、関係者なのかによって接し方や態度を変える必要があると感じています。被害者の方にはできる限り気持ちに寄り添う。関係者の方には、連絡をするときに「あなたが加害として訴えられている事案ではないですよ」とお伝えし安心していただいた上でヒアリングをする。そういった一つひとつの対応が、果たして合っているのか合っていないのか、日々の実務ではなかなか答え合わせができないのです。
島村様:
自分なりに気をつけてやっているつもりでも、「本当にこれでいいのか」と思いながら対応している部分はずっとありました。

決め手は「インプット×アウトプット」と「実務経験豊富な弁護士による質の担保」
本サービス導入の一番の決め手は何でしたか?
工藤様:
一番大きかったのは、インプットとアウトプットのバランスがしっかりと取れる設計だったことです。汎用的なオンライン研修も、知識を体系的に学ぶうえでは大いに活用できます。ただ、双方向のやり取りを通じて疑問を解消したり、実際の場面を想定して習得した知識を実践することまではできません。日々の実務で「こういうときどうしたらいいんだろう」と感じる疑問に、講師から直接フィードバックをもらえるというのは、対面のロールプレイならではの大きな価値だと感じました。
オンライン教材についてはいかがでしたか?
工藤様:
制度の目的から事案のカテゴリー別のポイントまで、これだけ詳しく体系立てて説明してくれる教材はなかなかないと思います。動画は11本あってボリュームはあるのですが、通勤時間などにじっくり見ました。担当者として必要な知識を一通り押さえられる、土台作りに最適な教材です。
島村様:
私も受講前に視聴必須の動画を中心に見つつ、プラスアルファでも視聴しました。動画でインプットしてから、対面でアウトプットする。この流れがあるからこそ、知識が実務に定着すると感じています。
オンライン教材だけではなく、弁護士などの専門家を派遣してもらうサービスを導入した理由は何でしょうか。
工藤様:
実務経験豊富な弁護士の先生にご協力いただけるという点に、大きな安心感がありました。担当者の対応は、制度の信頼に直結する部分です。法的な観点を押さえながら、実務的なスキルまで指導することは、社内のリソースだけでは絶対に実現できないことだと思います。今回ご紹介いただいた弁護士の先生は実務経験が豊富で、プログラムの内容も我々の課題と実務上のポイントを踏まえて提案してくださったので、絶対的な信頼感がありました。
島村様:
以前に渥美坂井法律事務所の先生のセミナーを受講したことがありましたので、知っている事務所の先生からレクチャーいただけるというのはそれだけで安心感がありましたね。
サービスの導入にあたって社内承認はスムーズに通ったのでしょうか?
工藤様:
はい、スムーズでした。実は当初の予算を少し超えていたのですが、それだけの価値があるサービスだと判断できたので問題ありませんでした。普段から「内部通報制度がコンプライアンス体制上いかに重要な機能か」を上長やCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)と共有していて、年間計画・予算にも従事者向け研修を最初から組み込んでいたんです。「継続的にやることが重要なんだ」という共通認識ができていたこともプラスに働いたと考えています。
効果:「答え合わせ」ができ、自信を持って実務に臨めるように
実際の活用方法を教えてください。
工藤様:
本社のメンバーに加えて、国内の各グループ会社で内部通報を担当している従事者を対象に実施しました。事前にオンライン教材で必要な知識をインプットしてもらった上で、当日は弁護士の先生による講義と、ロールプレイ形式のワークショップに取り組む、という流れです。
受講後の手応えはいかがでしたか?
島村様:
私自身、自分なりに気をつけてやっていた部分について、「ここは合っている」「ここはもう少しこうしたほうがいい」というのが非常にクリアになりました。「答え合わせができない世界」にいる中で、これは大きな収穫でしたね。
特に印象に残った点があれば教えてください。
島村様:
一番印象に残っているのは、「言葉では分かっていても、いざやってみるとこんなに難しいのか」と痛感したことです。研修では、自分たちが取り組んだロールプレイのシナリオに対して、先生がお手本となる対応を共有してくださいました。自分の対応と、実務で何百件・何千件と対応してこられた先生のお手本を比較できたことでことができたことで、まさに「答え合わせ」ができました。日々の実務で抱えていたモヤモヤした不安が、初めて具体的な改善ポイントとしてクリアになったと感じています。
通報件数の少ないグループ会社の担当者の方々の反応はいかがでしたか?
工藤様:
「非常に有効な研修なので、定期的にやってほしい」という声をいただきました。普段の業務ではなかなか実務スキルを磨く機会がない方々にとって、内部通報対応に精通した弁護士から直接フィードバックをもらえる場は、何より貴重だったようです。
担当者として、本サービスのメリットはどこにあるとお考えですか?
工藤様:
自社のリソースだけでは実現できない研修ができた、という点に尽きます。公益通報従事者向けの研修は、私たちが講師になって内製化できるかというと現実的ではありません。担当者の対応の質は制度の信頼に直結するので、ここは多少のお金をかけてでもしっかり対応できる人材を育てる――そういう判断は外せませんでした。
島村様:
受講者側の目線で言うと、痒いところに手が届く設計だなと感じました。オンライン教材で基礎を体系的に学べて、対面のアウトプットの場で「自分のやり方」と「専門家の視点」をすり合わせられる。経験の浅い方も、ある程度実務を重ねた方も、それぞれにとって学びがある仕組みになっていると思います。

展望:「保険」としての先行投資。担当者育成こそ、内部通報制度の信頼の源
本サービスをどのような企業に勧めたいですか?
島村様:
費用対効果という意味では、起きていないことに対する備えなので、定量的には測りにくい部分があります。そのため、保険のように考えていただくのがいいのかなと思っています。万が一のことが起きたときに、しっかりとダメージコントロールができるか、被害の拡大を抑えられるかは、担当者の対応のスピードや質にかかっています。そうした担当者の対応のスピードや質を担保するための先行投資としてご判断いただく価値は十分にあるはずです。初めて担当される方も、経験を積まれている方も、受講してプラスになるのは間違いないと思います。
工藤様:
内部通報がきちんと機能していることは、コンプライアンス遵守を担保するうえで本当に重要なことです。そして、制度を機能させるには、担当者がしっかり対応できることが不可欠です。コンプライアンス遵守を基盤として企業価値を向上させていきたいのであれば、ここにお金をかけて質を担保するのは、決して高い投資ではないと思います。会社全体のこととして考えていただけるといいのではないでしょうか。
今後、どのように研修を継続していきたいですか?
工藤様:
定期的に続けていきたいと思っています。担当者の入れ替わりもあるので、基礎的な部分は共通する内容になるかもしれませんが、毎年同じだとやはりもったいないと考えています。年ごとに少しずつ要素を変えながら、プラスアルファの学びを積み上げていきたいですね。グループ全体で、本社だけでなく国内外のグループ会社まで含めて、内部通報制度にしっかり取り組んでいる――そういう体制をこれからも磨いていきたいと思っています。

「日々の対応が合っているのか、なかなか答え合わせができない」。内部通報という仕事の本質を捉えた島村様の言葉が、とても印象的でした。 グループ全体での内部通報体制の運営という、一筋縄ではいかないテーマに向き合う千代田化工建設株式会社様。「担当者の対応の質が制度の信頼、会社の信頼そして会社の価値に直結する」という確固たる信念のもと、実務経験豊富な弁護士による質の担保と、ロールプレイによる実践的フィードバックを組み合わせ、本社・グループ会社の担当者の対応力を一段引き上げる研修を実現されました。 内部通報担当者を育てるとは、単に知識を授けることだけではなく、「正解の見えにくい仕事」に向き合う担当者1人ひとりに、確かな自信と指針を持ってもらうこと。コンプライアンス担当者の育成に悩む多くの企業にとって、今回の事例は「先行投資としての研修」の意義を改めて教えてくれるものではないでしょうか。
シリーズ一覧全9件
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- 第11回 「答え合わせができない仕事」に確信を。実務経験豊富な弁護士のロールプレイ研修で磨いた、グループ全体の内部通報対応力