Legal Update

第25回 2024年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向

法務部

シリーズ一覧全44件

  1. 第1回 2022年4月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
  2. 第2回 2022年4月・5月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
  3. 第3回 2022年6月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
  4. 第4回 2022年7月以降も注目 企業法務に関する法改正と最新動向・対応のポイント
  5. 第5回 2022年6月公表の「骨太方針」、開示に関する金融庁報告書、および7月のCGSガイドライン再改訂に関する対応のポイント
  6. 第6回 2022年3月〜6月の医薬品・医療に関する法律・指針等に関する日本・中国の最新動向と対応のポイント
  7. 第7回 2022年5月〜6月の人事労務・データ・セキュリティ・危機管理に関する企業法務の最新動向・対応のポイント
  8. 第8回 2022年9月に押さえておくべき企業法務に関する法改正と最新動向・対応のポイント
  9. 第9回 2022年10月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
  10. 第10回 2022年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  11. 第11回 2022年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  12. 第12回 2023年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  13. 第13回 2023年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  14. 第14回 4月施行の改正法ほか2023年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  15. 第15回 2023年4月施行の改正法を中心とした企業法務の最新動向
  16. 第16回 6月施行の改正法ほか2023年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  17. 第17回 2023年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  18. 第18回 2023年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  19. 第19回 2023年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  20. 第20回 2023年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  21. 第21回 2023年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  22. 第22回 2023年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  23. 第23回 2023年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  24. 第24回 2024年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  25. 第25回 2024年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  26. 第26回 2024年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  27. 第27回 4月施行の改正法ほか2024年4月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  28. 第28回 2024年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  29. 第29回 2024年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  30. 第30回 2024年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  31. 第31回 2024年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  32. 第32回 2024年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  33. 第33回 2024年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  34. 第34回 2024年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  35. 第35回 2024年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  36. 第36回 2025年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  37. 第37回 2025年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  38. 第38回 2025年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  39. 第39回 4月施行の改正法ほか2025年4月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  40. 第40回 2025年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  41. 第41回 2025年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  42. 第42回 2025年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  43. 第43回 2025年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  44. 第44回 2025年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
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目次

  1. 金融商品取引法の改正
  2. 公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ報告の公表
    1. 公開買付制度のあり方
    2. 大量保有報告制度のあり方
    3. 実質株主の透明性
  3. 「インサイダー取引規制に関するQ&A」の改訂
    1. 中止が想定されている知る前契約・計画
    2. 株式報酬総額の見込み額の公表
    3. 株式報酬としてのリストリクテッド・ストックの自己株式処分の方法による付与
  4. 「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 最終報告書」の公表
  5. 「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の公表
  6. 消費者庁「内部通報制度導入支援キット」の公表
  7. 文化庁「AIと著作権に関する考え方について(素案)」の公表
  8. 令和6年度税制改正大綱による税制適格ストック・オプションの要件緩和
  9. 企業・株主間のガバナンスに関する合意、企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意、財務上の特約の開示(2023年12月22日付け企業内容等の開示に関する内閣府令の改正)
    1. 企業・株主間のガバナンスに関する合意
    2. 企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意
    3. ローン契約と社債に付される財務上の特約

 2023年11月29日に公布された「金融商品取引法等の一部を改正する法律」の主な改正内容と施行日を整理しています。この法改正は、四半期報告書の廃止に関する改正など、早期に影響が生じてくるものが含まれます。


 同年12月25日、金融庁の金融審議会は、公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ報告を公表しました。ワーキング・グループで検討された各内容を反映する金融商品取引法の改正案が、2024年通常国会に提出されることが見込まれます。

 同年12月8日、金融庁・証券取引等監視委員会から、「インサイダー取引規制に関するQ&A」の改訂版が公表されました。改訂版で追加された、知る前契約・計画の要件および株式報酬に係るインサイダー取引規制の適用に関するQ&Aの3問について概説します。

 同年11月30日、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」が最終報告書を公表しました。報告書では、現行の技能実習制度を廃止し、人手不足分野における人材確保と人材育成を目的とする新たな制度の新設など、技能実習制度・特定技能制度に関する議論を経て様々な提言がなされています。

 同年11月29日、内閣官房および公正取引委員会は、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表しました。わが国の雇用の7割を占める中小企業が賃上げ原資を確保できるよう、政府一体となって労務費の適切な価格転嫁による取引環境の整備に取り組まれている中において、本指針が策定されました。

 同年12月4日、消費者庁は、「はじめての公益通報者保護法」ページを新設し、内部通報制度導入支援キットを公開しました。経営者向けの動画やパンフレット、内部規程例等、企業が内部通報制度を適切に整備・運用していくにあたって参照できる資料が掲載されています。

 同年12月20日、文化庁は、「AIと著作権に関する考え方について(素案)」を公表しました。生成AIがオリジナルに類似した著作物を生成する懸念など、AIをめぐり、クリエイター等の著作権者、AIサービスの事業者や利用者の懸念を解消していくため、現行の著作権法の考え方との整合性を踏まえた論点整理の作業が行われています。

 同年12月14日、「令和6年度税制改正大綱」が公表されました。スタートアップ・エコシステムの抜本的強化の必要性を踏まえた、税制適格ストック・オプションの要件緩和に関する内容が示されています。

 同年12月22日、金融庁は、「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正を公表しました。「企業・株主間のガバナンスに関する合意」、「企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意」および「ローン契約と社債に付される財務上の特約」が締結されている場合は、「重要な契約」として有価証券報告書等において適切に開示することが義務付けられます。

 編集代表:菅原 裕人弁護士(三浦法律事務所)

本稿で扱う内容一覧

日付 内容
2023年11月29日 第212回国会成立「金融商品取引法等の一部を改正する法律」の公布
2023年11月29日 内閣官房・公正取引委員会「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の公表
2023年11月30日 法務省「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 最終報告書」の公表
2023年12月4日 消費者庁「内部通報制度導入支援キット」の公表
2023年12月8日 金融庁・証券取引等監視委員会「インサイダー取引規制に関するQ&A」の改訂
2023年12月14日 「令和6年度税制改正大綱」の公表
2023年12月20日 文化庁「AIと著作権に関する考え方について(素案)」の公表
2023年12月22日 企業内容等の開示に関する内閣府令の改正
2023年12月25日 金融審議会「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」報告の公表

金融商品取引法の改正

 執筆:所 悠人弁護士

 2023年11月20日、第212回(臨時)国会において、「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」(以下「本改正法」といいます)が成立し、同年11月29日に公布されました。本改正法による主な改正内容と施行日は以下のとおりです。

主な改正内容 施行日

① 顧客本位の業務運営の確保

最善利益義務の規定の新設
  • 金融事業者や企業年金等関係者に対する、最終的な受益者である顧客や年金加入者の最善の利益を勘案しつつ、誠実かつ公正に義務を遂行すべき義務(最善利益義務)の新設
公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日
実質的説明義務の規定の新設
  • 金融商品取引業者の義務として、顧客の属性(具体的には、顧客の知識、経験、財産の状況および金融商品取引契約を締結しようとする目的)に応じた説明義務の新設(内閣府令から法律のレベルへの引上げ)
公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日

② 企業開示制度の見直し

四半期報告書の廃止
  • 上場会社が期中の業績等の開示として原則として3か月ごとに提出する義務を負う四半期報告書の廃止(第1・第3四半期の開示は、四半期決算短信に一本化)
  • 代わりに事業年度開始から6か月の事業等に係る半期報告書の提出義務
2024年4月1日
ただし、経過措置として、同日前に開始した四半期に関しては、現行法に基づく四半期報告書を提出
公衆縦覧期間の延長
  • 半期報告書、臨時報告書、発行登録書等の公衆縦覧期間(各3年間、1年間、最大2年)を5年間に延長
2024年4月1日

③ デジタル化の進展等に対応した顧客等の利便向上・保護に係る施策

ソーシャルレンディング等に関する規定の整備
  • ソーシャルレンディング等の運用を行うファンドを販売する第二種金融商品取引業者に関して、運用報告書に関する規定の整備
公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日
トークン化された不動産特定共同事業契約に係る権利への対応
  • ブロックチェーンによりトークン化された権利に関して、金融商品取引法上のみなし有価証券として同法上の販売勧誘規制を適用
公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日
掲示情報等のインターネット公表
  • インターネット利用者の利便向上や保護のため、金融商品取引業者等に対するウェブサイトの開設および当該ウェブサイトにおける営業所に掲示する標識と同内容の情報公表義務を新設
公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日
審判手続のデジタル化
  • 虚偽の財務書類の開示を行った企業やインサイダー取引を行った者などに対する課徴金納付命令に関する審判手続のデジタル化
公布の日から起算して3年6月を超えない範囲内において政令で定める日

 特に、四半期報告書の廃止に関しては、たとえば、3月決算の会社については2023年12月期(第3四半期)に係る四半期報告書(2024年2月14日まで)が最後に提出するものとなり、12月決算の会社については2024年3月期(第1四半期)に係る四半期報告書(2024年5月15日まで)が最後に提出するものとなることから、早期に影響が生じてくるため改正内容を急ぎ把握する必要があります。

 なお、四半期報告書の廃止に対する東京証券取引所の対応を含む、本改正法に関する詳細な解説については、弊所のNote記事「ポイント解説・金商法 #9:2023年金融商品取引法等の改正案【前編:四半期報告書の廃止等】」、「ポイント解説・金商法 #10:2023年金融商品取引法等の改正案【後編:顧客本位の業務運営の確保、デジタル化対応】」、「ポイント解説・金商法 #11:2023年金融商品取引法等の改正成立と東京証券取引所による「四半期開示の見直しに関する実務の方針」公表」をご参照ください。

公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ報告の公表

 執筆:豊島 諒弁護士、峯岸 健太郎弁護士

 2023年12月25日、金融審議会「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」報告が公表されました。

 同報告では、①公開買付制度のあり方②大量保有報告制度のあり方③実質株主の透明性という大きく3つのテーマについて、ワーキング・グループにおける審議の結果を報告しています。

 各テーマについて、同報告では主に以下のような提言がなされています(同報告概要を参照)

公開買付制度のあり方

  • 資本市場の透明性・公正性を確保するため、市場内取引を通じて企業支配権に重大な影響を与える場合にも、公開買付けの実施を義務付けるべき。
  • 企業支配権に重大な影響を与えるか否かの閾値を、議決権行使割合や諸外国の水準を踏まえ、「議決権の3分の1」から「議決権の30%」に引き下げるべき。
  • 買付予定数に上限を設定した公開買付けを実施する場合、公開買付け後の少数株主との利益相反構造に対する対応等について説明責任を果たさせるべき。
  • 実態に即しない画一的な運用を避けるため、個別事案ごとに例外的な取扱いを許容する制度を設けるとともに、それを可能とするために当局の体制を強化すべき。

大量保有報告制度のあり方

  • パッシブ投資家が企業と深度ある対話を実施できるよう、①「企業支配権等に直接関係しない行為」1 を「目的」とする提案行為を、②「企業経営陣に採否を委ねる」という「態様」で行う場合には、報告書の提出頻度を緩和する特例 2 を受けられるよう明確化すべき。
  • 協働エンゲージメントを促進する観点から、複数の機関投資家が一定の合意 3 を行わない限り、「共同保有者」として保有割合を合算する必要がないこととすべき。
  • 現金決済型のエクイティ・デリバティブ取引について、潜在的に経営に対する影響力を有するものや潜脱する効果を有するものを規制の対象とすべき。

実質株主の透明性

  • 実質株主を効率的に把握できるようにするため、①機関投資家の行動原則として、株式の保有状況を発行会社から質問された場合にはこれに回答すべきであることを明示し、②法制度上義務付けることを検討すべき。

 上記のほかにも、現行の公開買付制度・大量保有報告制度に関する複数の課題について、今後の適切な対応策が提言され、実務上重要な示唆を含んでいます。

 提言において記載された内容は、2024年通常国会への提出が見込まれる金融商品取引法の改正案、改正の成立後の同法施行令・内閣府令・Q&A等の改正案により反映されることになるため、今後の改正動向については注視が必要です。

 同報告の要点は、弊所のNote記事「ポイント解説・金商法 #13:公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ報告【前編:公開買付制度のあり方について】」、「ポイント解説・金商法 #14:公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ報告【後編:大量保有報告制度のあり方・実質株主の透明性について】」をご参照ください。

「インサイダー取引規制に関するQ&A」の改訂

 執筆:新岡 美波弁護士、大草 康平弁護士

 2023年12月8日、金融庁・証券取引等監視委員会から、「インサイダー取引規制に関するQ&A」の改訂版(以下「本Q&A」といいます)が公表されました。
 本Q&Aは、「基礎編」と「応用編」により構成され、「基礎編」ではインサイダー取引の基本的事項について初心者向けにわかりやすく解説し、「応用編」では実務上問題となる論点に関する法令解釈の指針等を示すものとされています。

 今回公表された本Q&Aの改訂版では、知る前契約・計画の要件および株式報酬に係るインサイダー取引規制の適用に関する「応用編」問6~8の3問が追加されています。

中止が想定されている知る前契約・計画

応用編(問6)
上場会社の役職員等が、自社や取引先の株式を売買するための契約を結び又は計画を策定した後に重要事実を知った場合、当該契約・計画を中止することはインサイダー取引規制との関係で問題がありますか。

 問6の解説では、知る前契約・計画を締結・策定したが、今後、ある未公表の重要事実を知れば当該契約・計画を中止することが当該契約・計画の策定時点で想定されている等の場合には、当該契約・計画に基づく売買等はインサイダー取引規制の適用除外(金融商品取引法166条6項12号)の対象にはならない旨が示されています。
 また、ある契約・計画について、仮に複数の契約・計画の場合であったとしても、全体として当該複数の契約・計画のうち有利なもののみを履行または実行し、不利なものは履行または実行しないことが想定されている等の場合、一体のものとして評価されることになる旨示されています。

株式報酬総額の見込み額の公表

応用編(問7)
上場会社において、役職員等に対する株式報酬として新株発行又は自己株式処分を行うことが内部的に決定されました。払込金額の総額は割当決議日までに変更される可能性がありますが、当該内部的な決定が行われた時点においては、その時点における株式報酬の総額の見込み額を所定の方法で公表することにより「公表」がされたことになるのでしょうか。

 問7の解説では、払込金額の総額が割当決議日までに変更される可能性があるとしても、上記内部的な決定が行われた時点における株式報酬の総額として合理的に見込まれた額を公表すれば、当該決定をしたことの「公表」(同法166条4項)がされたことになる旨が示されています。
 また、上記内部的な決定が行われた時点において、一部の役職員等に対する株式報酬の具体的な払込金額が確定していない場合であっても、当該株式報酬を含め、その時点における株式報酬の総額の上限額として合理的に見込まれた額を所定の方法で公表すれば、当該決定をしたことの「公表」がされたことになる旨が示されています。
 ただし、当該公表後、合理的に見込まれた額につき重要な変更があれば、変更後の当該額を公表するまでは当該決定をしたことの「公表」にあたらない旨も併せて示されていますので、ご注意ください。

株式報酬としてのリストリクテッド・ストックの自己株式処分の方法による付与

応用編(問8)
上場会社が、役職員等に対して、その職務執行の対価として一定期間の譲渡制限が付された現物株式(リストリクテッド・ストック)を自己株式の処分の方法により付与する場合、インサイダー取引規制との関係で問題がありますか。

 問8の解説では、一定の譲渡制限期間や無償取得事由の設定された一般的な内容の譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)の付与であれば、①当該付与が株式報酬の一種であること、②当該株式の処分に相当の期間を要することから、情報の非対称性に基づく取引による市場の公正性・健全性の阻害という事態は基本的には想定されないとして、未公表の「重要事実」があったとしても、当該付与が当該「重要事実」と無関係に行われたことが明らかであれば、インサイダー取引規制違反にはならない旨が示されています。

 上場会社が未公表の「重要事実」(同法166条2項)を有している場合には、株式報酬として役職員等に対し付与する譲渡制限付株式を含め、自己株式の処分の方法により株式を割当先に移転することは「売買その他の有償の譲渡若しくは譲受け」(同法166条1項柱書)に該当し、インサイダー取引規制への抵触を慎重に検討する必要があるところ(問8の解説および2011年12月公表の金融審議会「インサイダー取引規制に関するワーキング・グループ」報告書5頁参照)、譲渡制限付株式の交付時期に留意が必要です。

 今後、応用編(問8)の内容に従い一般的な内容の譲渡制限付株式を役職員等に交付するにあたっては、(インサイダー取引規制の対象外である新株発行の方法によるのではなく)自己株式の処分の方法による場合にも、より柔軟に交付時期の設定が可能となると考えられます。

 本Q&Aの改訂は、知る前契約・計画および株式報酬といった実務対応に関する内容の追加であり、知る前契約・計画の策定方法や株式報酬に関する開示・交付時期等に対し一定の影響が考えられるため、企業における実務担当者の方は、一読されることが望まれます。

「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 最終報告書」の公表

 執筆:岩崎 啓太弁護士、菅原 裕人弁護士

 2023年11月30日、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」(以下「本有識者会議」といいます)が最終報告書(以下「本報告書」といいます)を公表しました。
 本有識者会議は、技能実習制度・特定技能制度に関する課題の洗い出し等を目的として、2022年11月に設置されたものであり、本報告書においては約1年におよぶ本有識者会議での議論を経て様々な提言がなされています。また、本報告書では外国人の人権保護の観点でも検討がされて、いわゆるビジネスと人権の観点からも注目に値する報告書となっています。

 本報告書の提言は多岐にわたりますが(全体像については最終報告書(概要)を参照)、最も大きな変更点として、現行の技能実習制度を廃止し、人手不足分野における人材確保と人材育成を目的とする新たな制度を新設すること(提言1-①)が述べられています。

 外国人人材の受入れにおいて、現行の技能実習制度は、人材育成を通じた開発途上地域への技能移転による国際協力を目的とする制度であり(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律1条)、労働力の需給調整手段ではないとされていました。
 他方、特定技能制度は、特定の分野における深刻な人手不足への対応を目的として一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れるものであり、両制度はその制度目的が異なっていました(その他の両制度の違いについては、出入国在留管理庁「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」(令和5年12月更新)8頁参照)。
 しかし実態としては、技能実習生も国内企業等の貴重な労働力として受け止められており、制度目的と運用実態の乖離が指摘されていたところでした。

 この問題に対し、本報告書は、現行の技能実習制度を実態に即して発展的に解消し、未熟練労働者として受け入れた外国人を、基本的に3年間の就労を通じた育成期間において計画的に特定技能1号の技能水準の人材に育成することを目指す新たな制度を創設することを提言するものであり(提言1-①、1-②)、従前の技能実習制度とは大きく異なる制度となることが予想されます。

 新たな制度の詳細については、本報告書において概ね以下のような提言がなされています。

受入れ対象分野 特定技能制度の受入れ対象分野(特定産業分野)に限定し、そのうち人材育成になじまない分野については、新たな制度の対象とせず、特定技能制度でのみ受け入れる。 提言2-①
人材育成・評価 外国人が従事できる業務の範囲を特定技能の業務区分と同一とし、その中で修得すべき主たる技能を定めて計画的に育成・評価を行う。 提言2-②
受入れ見込数 受入れ対象分野ごとに受入れ見込数を設定し、受入れの上限として運用する。 提言3-①
転籍 現行の技能実習制度で認められている「やむを得ない事情がある場合」の転籍条件を拡大・明確化するとともに、一定の要件を満たす場合には、本人の意向による転籍も可能とする。 提言4-①~4-③
日本語能力 新たな制度での就労開始時、特定技能1号移行時などにおいて、一定の日本語能力試験への合格を要件とする。 提言9-①

 企業、とりわけ現行の技能実習制度に基づく雇用形態を採用している企業としては、今後の法改正の動向を注視し、新たな制度に適切に移行・対応できるよう準備を進めることが求められます。

「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の公表

 執筆:渡邊 隆之弁護士

 2023年11月29日、内閣官房および公正取引委員会は、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」(以下「本指針」といいます)を公表しました。本指針は、2021年12月27日に公表された「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」の一環として、公正取引委員会が行った価格転嫁に関する特別調査の結果、特に労務費の転嫁が進んでいないことが明らかとなった状況を踏まえ、その適切とされるあり方についてとりまとめられたものです。

 なお、これに関連して、2022年にも、原材料価格、エネルギーコスト等の上昇も含めた価格転嫁の実態に関する緊急調査が実施され、同年12月27日には調査結果とともに、転嫁のための協議をしなかったなどとして該当事業者名も公表されるに至りました(独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に関する緊急調査の結果について)。

 本指針の具体的な内容は、大要、以下のとおりであり、発注者および受注者の双方に対して行動指針を示しています。

発注者に対する行動指針
  1. 価格転嫁を受け入れる方針の決定、周知および状況報告について経営トップが関与すること
  2. 受注者からの要請を受けなくとも、発注者側から価格転嫁についての定期的な協議の場を設けること
  3. 労務費上昇の説明や根拠資料を求める場合は、一定の公表資料に基づくものとし、公表資料に基づく転嫁希望額を合理的なものとして尊重すること
  4. 直接の取引先である受注者がその先の取引先との取引価格を適正化すべき立場にいることを意識して、サプライチェーン全体での適切な価格転嫁を行うこと
  5. 受注者からの要請があれば協議のテーブルにつき、取引停止等の不利益な取扱いをしないこと
  6. 受注者からの申入れの巧拙にかかわらず受注者と協議を行い、必要に応じ労務費上昇分の価格転嫁に係る考え方を提案すること
受注者に対する行動指針
  1. 交渉方法について各種相談窓口を活用し、積極的に情報を収集すること
  2. 交渉で使用する根拠資料について、最低賃金の上昇率などの公表資料を活用すること
  3. 定期的な価格交渉の場や受注者の交渉力が比較的優位になるタイミングを活用して交渉すること
  4. 発注者からの価格提示を待たずに自ら希望する額を提示し、自社の労務費だけでなく自社の発注先などの労務費も含めて考慮すること
双方に対する行動指針
  1. 定期的にコミュニケーションをとること
  2. 価格交渉の記録を作成し、発注者と受注者と双方で保管すること

 上記の行動指針は、1つでも遵守していなければただちに独占禁止法における「優越的地位の濫用」や下請法における「買いたたき」に該当することを意味するものではありませんが、公正取引委員会は、2023年11月8日付け事務総長定例会見において、協議を経ない取引価格の据置き等が認められた事業者について、今後も事業者名の公表を行っていく方針を示しています。この事業者名公表は、独占禁止法に違反することまたはそのおそれを認定するものではないという前提で行われるものの、重大なレピュテーションリスクを来す可能性を有するといえ、発注者としては、交渉方針の検討をあらかじめ進めておく必要があります。

 また、サプライチェーン全体の中では、多くの事業者が発注者と受注者の双方の立場を有するといえるため、事業規模を問わず本指針全体に対する理解が必要になります。

消費者庁「内部通報制度導入支援キット」の公表

 執筆:坂尾 佑平弁護士

 2023年12月4日、消費者庁は、「はじめての公益通報者保護法」ページを新設し、内部通報制度導入支援キットを公開しました。

 2022年6月1日に改正公益通報者保護法が施行され、多くの企業で内部通報制度の「整備」(新設・見直し)を行ったうえで、新たな制度を「運用」してきたものと思います。詳細については、下記の記事をご参照ください。

 内部通報制度導入支援キットは、経営者向けの資料として、「【動画】経営者向け!5分でわかる公益通報者保護法」、「内部通報制度を活用して信頼度UP~公益通報者保護法をご存じですか?~」と題するパンフレット、内部規程例(サンプル)、従事者指定書(サンプル)、および従事者向け研修動画および従事者用受付票(サンプル)が公表されています。

 内部規程例のサンプルの冒頭に「本サンプルはあくまでも例であり、各事業者における内部規程の内容は、各事業者の実態に合ったものとしなければなりません」と注記されているように、企業としては、これらのキットを参照しつつ、自社の内部通報制度を適切に整備し、運用していくことが望まれます。

文化庁「AIと著作権に関する考え方について(素案)」の公表

 執筆:橋爪 航弁護士

 2023年12月20日、文化庁(文化審議会著作権分科会法制度小委員会)より、「AIと著作権に関する考え方について(素案)」(以下「本素案」といいます)が公表されました。年度内には、本素案についてパブリックコメントを実施し、その結果も踏まえて確定版が公表される見込みです。

 本素案では、AI(特に生成AI)と著作権法との関係について、「人がAIを使わずに行う創作活動についての考え方と矛盾しないように留意する」という前提を置いて、主に以下の項目について、検討しています。

① 学習・開発段階
  • 「非享受目的」(著作権法30条の4)に該当する場合について(享受目的の併存等)
  • 「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」(同法30条の4)について(作風の類似等)
  • 侵害に対する措置について(差止請求、損害賠償請求、学習済みモデルの廃棄請求等)
  • その他の論点(AI学習を拒絶する著作権者の意思表示について等)
② 生成・利用段階
  • 著作権侵害の有無の考え方について(類似性・依拠性)
  • 侵害に対する措置について(差止請求、損害賠償請求、不当利得返還請求、廃棄請求等)
  • 侵害行為の責任主体について(AI利用者および生成AIの開発・サービス提供を行う事業者の責任主体性等)
  • その他の論点(AI生成物の著作物性、市場における対価還元等)

 ①の学習・開発段階において、いわゆる作風(アイデア)等が類似するにとどまり、既存の著作物との類似性が認められない生成物は、その生成・利用について既存の著作物との関係で著作権侵害とはならないこと、また、自らの市場が圧迫されるかもしれないという抽象的なおそれのみでは、「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」には該当せず、著作権法30条の4の対象となり得ることが言及されています。
 一方で、「『作風』を共通して有しているにとどまらず表現のレベルにおいても、当該作品群には、これに共通する表現上の本質的特徴があると評価できる場合もあると考えられることに配意すべきである」とも言及され、享受目的の併存が認められる場合もあることにも注意が必要です。

 ②の生成・利用段階における依拠性の判断にあたっては、AI利用者が既存の著作物(その表現内容)を認識していない場合でも、当該生成AIの開発・学習段階で当該著作物を学習していた場合については、客観的に当該著作物へのアクセスがあったとはいえ、当該生成AIを利用し、当該著作物に類似した生成物が生成された場合は、依拠性が認められ、著作権侵害になりうるとされています。

 一方で、「当該生成AIについて、開発・学習段階において学習に用いられた著作物が、生成・利用段階において生成されないような技術的な措置が講じられているといえること等、当該生成AIが、学習に用いられた著作物をそのまま生成する状態になっていないといえる事情がある場合には、AI利用者において当該事情を反証することにより、依拠性がないと判断される場合はあり得ると考えられる」と言及されていることも参考になります。
 侵害主体性についても、「ある特定の生成AIを用いた場合、侵害物が高頻度で生成される場合」や「事業者が、生成AIの開発・提供に当たり、当該生成AIが既存の著作物の類似物を生成する可能性を認識しているにも関わらず、当該類似物の生成を抑止する技術的な手段を施していない場合」には、事業者が侵害主体と評価される可能性が高まると言及されていることにも注意が必要です。

 広島AIプロセスにおいても知的財産保護に言及されていることにあらわれているように、生成AIと著作権の問題の重要度は非常に高く、本記事執筆時(2024年1月上旬時点での公表資料等を参考にしています)以後に実施予定のパブリックコメントの内容を含め注視していく必要があります。

令和6年度税制改正大綱による税制適格ストック・オプションの要件緩和

 執筆:金井 悠太弁護士

 2023年12月14日、「令和6年度税制改正大綱」(以下「本大綱」といいます)が与党(自由民主党および公明党)から公表され、わが国におけるスタートアップ・エコシステムの抜本的強化の必要性を踏まえた、税制適格ストック・オプションの要件緩和が行われる旨が示されました。

 本大綱により、以下の内容の要件緩和が行われる旨が示され、全体として企業による税制適格ストック・オプションの利活用を後押しする内容の改正となっています。

権利行使価額の限度額の引上げ
  • 現状は年間1,200万円とされている権利行使価額の限度額を、(i)設立年数、(ii)上場/非上場の別、および(iii)上場後の年数に応じて最大年間3,600万円まで増額
株式保管委託要件の緩和
  • 権利行使により取得される株式が譲渡制限株式である場合に限り、会社と付与対象者との間で締結される契約に従って、当該会社により、付与対象者の権利行使によって取得された株式の管理等がなされることを前提に、株式保管委託要件を満たすことが不要とされる
外部協力者(「特定従事者」)への税制適格ストック・オプション付与要件の緩和
  • 認定新規中小企業者等に係る要件の緩和(既存の要件の一部の廃止)
  • 社外高度人材に係る実務経験要件の緩和および社外高度人材に該当する者の追加

 要件緩和に係る詳細については、弊所のNote記事「税務UPDATE Vol.20:令和6年度税制改正大綱による税制適格ストック・オプションの要件緩和」をご参照ください。

企業・株主間のガバナンスに関する合意、企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意、財務上の特約の開示(2023年12月22日付け企業内容等の開示に関する内閣府令の改正)

 執筆:峯岸 健太郎弁護士

2022年6月に公表された「金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告」において、①「企業・株主間のガバナンスに関する合意」、②「企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意」および③「ローン契約と社債に付される財務上の特約」が締結されている場合、重要な契約」として適切な開示を促すことが考えられるとの提言がなされたことを踏まえ、「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正案が2023年8月10日までパブリックコメントに付されていましたが、同年12月22日に、その結果が公表されました。
 なお、本改正とは別に、同年12月8日、①および②については、契約の締結または変更が臨時報告書の提出事由に追加される旨の改正案も公表されています。

 本改正により義務付けられる開示の概要は以下のとおりです。

企業・株主間のガバナンスに関する合意

   企業・株主間のガバナンスに関する合意につき、有価証券報告書等において「重要な契約等」として開示することが義務付けられることになりました【適用A】(本改正の適用日については後述のとおり。以下同じ)。

  • 有価証券報告書等の提出会社(提出会社が持株会社の場合には、その子会社を含む)が、提出会社の株主(完全親会社を除く)との間で、以下のガバナンスに影響を及ぼし得る合意を含む契約(重要性の乏しいものを除く)を締結している場合、当該契約の概要や合意の目的およびガバナンスへの影響等
(a)役員候補者指名権の合意
(b)議決権行使内容を拘束する合意
(c)事前承諾事項等に関する合意

企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意

 企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意につき、有価証券報告書等において「重要な契約等」として開示することが義務付けられることになりました【適用A】。

  • 有価証券報告書等の提出会社が、提出会社の株主(大量保有報告書を提出した株主)との間で、以下の株主保有株式の処分等に関する合意を含む契約(重要性の乏しいものを除く)を締結している場合、当該契約の概要や合意の目的等
(a)保有株式の譲渡等の禁止・制限の合意
(b)保有株式の買増しの禁止に関する合意
(c)株式の保有比率の維持の合意
(d)契約解消時の保有株式の提出会社またはその指定する者への売渡請求の合意

ローン契約と社債に付される財務上の特約

 以下の事項につき、臨時報告書の提出として追加することが義務付けられることになりました【適用B】。

  • 有価証券報告書等の提出会社が、財務上の特約の付されたローン契約の締結または社債の発行をした場合(既存のものに新たに財務上の特約が付される場合も含む)であって、その元本または発行額の総額が連結純資産額の10%以上の場合には、契約の概要(契約の相手方の属性、元本総額および担保の内容等)や財務上の特約の内容を記載

  • 上記の財務上の特約に変更があった場合(事由または事由発生時の効果に照らして軽微なものを除く)や財務上の特約に抵触した場合、財務上の特約の変更内容や抵触事由等を記載
    ※ 契約の終了時または社債償還時の臨時報告書の提出は不要

 また、有価証券報告書等において「重要な契約等」として開示することが義務付けられることになりました【適用A】。

  • 有価証券報告書等の提出会社が、財務上の特約その他当該提出会社の財政状態、経営成績キャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある特約の付されたローン契約の締結または社債の発行をしている場合であって、その残高が連結純資産額の10%以上である場合には(同種の契約・社債はその負債の額を合算する)、当該契約または社債の概要および財務上の特約の内容
    ※ 下線部分は、臨時報告書提出事由より開示範囲が広いことに注意

 本改正は2023年12月22付けで公布され、2024年4月1日から施行されます。また、「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」も改正され、2024年4月1日より適用されます。なお、改正後の規定は、以下のとおり適用されます。

【適用A】「重要な契約」の有価証券報告書等への記載
    → 2025年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用

     ※ ただし、施行日前に締結された契約については、2026年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等までは省略可能


【適用B】財務上の特約に係る臨時報告書の提出
    → 2025年4月1日以後に提出される臨時報告書から適用

     ※ ただし、財務上の特約に変更があった場合等に係る臨時報告書について、施行日前に締結された契約については、2026年4月1日以後に提出される臨時報告書までは省略可能

 詳細は、弊所のNote記事「ポイント解説・金商法 #12:企業・株主間のガバナンスに関する合意、企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意、財務上の特約の開示(2023年12月22日付企業内容等の開示に関する内閣府令の改正)」をご参照ください。


  1. たとえば、配当方針や資本政策に関する変更の提案など。 ↩︎

  2. 機関投資家は「重要提案行為」を行わないとの要件のもと、報告書の提出頻度が緩和される特例の適用を受けている。 ↩︎

  3. たとえば、機関投資家間において、共同して重要提案行為等を行うことを合意の目的とせず、かつ継続的でない議決権行使に関する合意をするような場合には、保有割合を合算する必要がないこととするなど。 ↩︎

シリーズ一覧全44件

  1. 第1回 2022年4月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
  2. 第2回 2022年4月・5月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
  3. 第3回 2022年6月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
  4. 第4回 2022年7月以降も注目 企業法務に関する法改正と最新動向・対応のポイント
  5. 第5回 2022年6月公表の「骨太方針」、開示に関する金融庁報告書、および7月のCGSガイドライン再改訂に関する対応のポイント
  6. 第6回 2022年3月〜6月の医薬品・医療に関する法律・指針等に関する日本・中国の最新動向と対応のポイント
  7. 第7回 2022年5月〜6月の人事労務・データ・セキュリティ・危機管理に関する企業法務の最新動向・対応のポイント
  8. 第8回 2022年9月に押さえておくべき企業法務に関する法改正と最新動向・対応のポイント
  9. 第9回 2022年10月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
  10. 第10回 2022年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  11. 第11回 2022年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  12. 第12回 2023年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  13. 第13回 2023年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  14. 第14回 4月施行の改正法ほか2023年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  15. 第15回 2023年4月施行の改正法を中心とした企業法務の最新動向
  16. 第16回 6月施行の改正法ほか2023年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  17. 第17回 2023年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  18. 第18回 2023年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  19. 第19回 2023年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  20. 第20回 2023年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  21. 第21回 2023年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  22. 第22回 2023年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  23. 第23回 2023年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  24. 第24回 2024年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  25. 第25回 2024年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  26. 第26回 2024年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  27. 第27回 4月施行の改正法ほか2024年4月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  28. 第28回 2024年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  29. 第29回 2024年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  30. 第30回 2024年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  31. 第31回 2024年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  32. 第32回 2024年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  33. 第33回 2024年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  34. 第34回 2024年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  35. 第35回 2024年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  36. 第36回 2025年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  37. 第37回 2025年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  38. 第38回 2025年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  39. 第39回 4月施行の改正法ほか2025年4月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  40. 第40回 2025年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  41. 第41回 2025年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  42. 第42回 2025年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  43. 第43回 2025年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
  44. 第44回 2025年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
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