Legal Update
第48回 2026年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
法務部
シリーズ一覧全48件
- 第1回 2022年4月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
- 第2回 2022年4月・5月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
- 第3回 2022年6月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
- 第4回 2022年7月以降も注目 企業法務に関する法改正と最新動向・対応のポイント
- 第5回 2022年6月公表の「骨太方針」、開示に関する金融庁報告書、および7月のCGSガイドライン再改訂に関する対応のポイント
- 第6回 2022年3月〜6月の医薬品・医療に関する法律・指針等に関する日本・中国の最新動向と対応のポイント
- 第7回 2022年5月〜6月の人事労務・データ・セキュリティ・危機管理に関する企業法務の最新動向・対応のポイント
- 第8回 2022年9月に押さえておくべき企業法務に関する法改正と最新動向・対応のポイント
- 第9回 2022年10月施行の改正法を中心とした最新動向と対応のポイント
- 第10回 2022年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第11回 2022年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第12回 2023年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第13回 2023年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第14回 4月施行の改正法ほか2023年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第15回 2023年4月施行の改正法を中心とした企業法務の最新動向
- 第16回 6月施行の改正法ほか2023年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第17回 2023年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第18回 2023年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第19回 2023年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第20回 2023年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第21回 2023年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第22回 2023年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第23回 2023年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第24回 2024年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第25回 2024年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第26回 2024年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第27回 4月施行の改正法ほか2024年4月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第28回 2024年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第29回 2024年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第30回 2024年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第31回 2024年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第32回 2024年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第33回 2024年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第34回 2024年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第35回 2024年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第36回 2025年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第37回 2025年2月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第38回 2025年3月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第39回 4月施行の改正法ほか2025年4月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第40回 2025年5月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第41回 2025年6月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第42回 2025年7月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第43回 2025年8月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第44回 2025年9月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第45回 2025年10月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第46回 2025年11月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第47回 2025年12月に押さえておくべき企業法務の最新動向
- 第48回 2026年1月に押さえておくべき企業法務の最新動向
目次
本稿で扱う内容一覧
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2025年11月7日 | 国土交通省「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会 取りまとめ」の公表 |
| 2025年11月10日 | 消費者庁「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」の改正案に関する意見募集の開始 |
| 2025年11月26日 | 金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等の改正案の公表 |
| 2025年12月23日 | 「重要電子計算機に対する特定不正行為による被害の防止のための基本的な方針」の公表 |
| 2025年12月23日 | 内閣府「人工知能基本計画」および「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」の公表 |
編集代表:小倉 徹弁護士(三浦法律事務所)
金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等の改正案の公表
執筆:所 悠人弁護士
2025年11月26日、金融庁は、サステナビリティ開示や人的資本開示に関し、「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等の改正案(以下「本改正案」といいます)を公表しました。
本改正の概要は、主に以下のとおりです。
サステナビリティ開示基準の適用開始に向けた環境整備
同年7月に公表された「金融審議会 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ 中間論点整理」において、2027年3月期から、時価総額が一定規模以上の東証プライム上場企業に対し、段階的にサステナビリティ開示基準の適用を義務付ける方針が示されました。
これを受け、必要な制度整備を行うため、企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」といいます)と企業内容等の開示に関する留意事項(以下「開示ガイドライン」といいます)について、以下の改正が実施されます。
(1)サステナビリティ開示基準の適用
東証プライム上場企業のうち、平均時価総額が1兆円以上の会社に対し、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が2025年10月31日までに公表したサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)に従って、有価証券報告書等にサステナビリティ関連記載事項を記載することが義務付けられます。
なお、平均時価総額は、原則、直近5事業年度の末日における時価総額の平均値により判定されます。
(2)SSBJ基準の適用に伴う開示項目の追加
開示府令において、以下の開示項目が追加されます。
- SSBJ基準上開示が求められる事項の記載のほか、SSBJ基準に準拠している旨、2段階開示やSSBJ基準上の経過措置の適用状況について記載が必要
- 将来情報やScope3温室効果ガス排出量に関する定量情報について、推論過程等に関する記載およびこれらの情報に係る社内の開示手続の記載が必要
- 前事業年度の有価証券報告書の「サステナビリティに関する考え方及び取組」その他の項目において記載した見積りの方法により算定した数値について、確定値が判明し、見積りによる数値と確定値との間に差異がある場合には、半期報告書における記載が必要
なお、「Scope3温室効果ガス排出量」とは、大要、企業が自社で直接排出するScope1と、自社で間接的に排出するScope2(電力等)以外の、サプライチェーン全体におけるすべての温室効果ガス排出量を指します。
(3)Scope3温室効果ガス排出量の虚偽記載等に係るセーフハーバー・ルールの整備
開示ガイドラインにおいて、Scope3温室効果ガス排出量に関する定量情報について、一般に合理的と考えられる範囲で差異が生じる要因や推論過程等、社内の開示手続等に関する記載がされている場合には、虚偽記載等の責任を負うものではない(セーフハーバー・ルール)とする考え方が明示されます。
人的資本開示に関する制度見直し
2025年6月に公表された「経済財政運営と改革の基本方針2025」、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025改訂版」および「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム2025」において提言された、人的資本に関する開示の拡充のため、開示府令について以下の改正が行われます。
- 有価証券報告書において、新たに以下の事項等について開示が必要
- 企業戦略と関連付けた人材戦略およびそれを踏まえた従業員給与等の決定方針
- 従業員の平均給与の対前年比増減率
- 有価証券報告書において、「従業員の状況」を「第1【企業の概況】」から「第4【提出会社の状況】」に移動したうえで、従業員のみを対象としたストックオプション制度や役員・従業員株式所有制度を導入している場合には、「従業員の状況」に記載することも可能
施行日等
本改正案に基づく改正の施行日は、以下のとおりです。
- サステナビリティ開示基準の適用(上記1-1):
2026年3月31日を基準として算定した5事業年度末の平均時価総額が
(a)3兆円以上:2027年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等
(b)3兆円未満1兆円以上:2028年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用 - 人的資本開示に関する制度見直し等(上記1-2):
2026年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書等から適用 - それ以外:公布の日から適用
なお、本改正案については、2025年12月26日までパブリックコメントの手続が実施されていました。今後公表される当該パブリックコメントの結果についても、引き続き確認する必要があります。
消費者庁「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」の改正案に関する意見募集の開始
執筆:坂尾 佑平弁護士
2025年11月10日、消費者庁は「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」(以下「法定指針」といいます)の改正案を公表し、パブリックコメントの募集を開始しました(意見募集は同年12月9日に締め切られました)。
これには、同年6月4日に成立した改正公益通報者保護法を踏まえ、法定指針の内容をアップデートするための改正が含まれています。
- 「通報妨害」の定義の新設、および事業者への通報妨害の防止措置の義務付け
- 「通報者探索」の定義の修正、および事業者への通報者探索の防止措置の義務付け
- 公益通報者の範囲に特定受託業務従事者(フリーランス)の追加
- 労働者等に対する周知・啓発内容の明記 等
また、通報を理由とする「不利益な取扱い」の具体例の追記、「組織の長その他幹部からの独立性確保」や「利益相反の排除」が内部公益通報以外の公益通報に係る通報対象事実についての調査および是正等の対応でも必要である旨の明示といった改正も含まれています。
改正公益通報者保護法は2026年12月1日の施行が予定されており、企業は、施行日に向けて、法定指針の改正内容の把握や社内制度の改定準備等をプロアクティブに進めることが望まれます。
内閣府「人工知能基本計画」および「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」の公表
執筆:南 みな子弁護士、小倉 徹弁護士
2025年12月23日、「人工知能基本計画」(以下「基本計画」といいます)および「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」(以下「本指針」といいます)が公表されました。
「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(以下「AI法」といいます)13条は、国に対し、人工知能関連技術の研究開発および活用の適正な実施を図るため、国際的な規範の趣旨に即した指針の整備を行うことを求めています。また、同法18条は、政府に対し、人工知能関連技術の研究開発および活用の推進に関する基本的な計画を定めることを求めています。
以下では、基本計画および本指針の概要を解説します。
基本計画の概要
基本計画は、基本構想である「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指してAI法18条に基づき策定されるものです。
基本計画は、以下のとおり、AI関連技術の研究開発および活用の推進に関する施策についての「3原則」と「4つの基本的な方針」を定めています(第2章)。
| 3原則 |
|
| 4つの基本的な方針 |
|
また、基本計画では、上記「4つの基本的な方針」に沿って、AI関連技術の研究開発および活用の推進に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策を策定しています。
以下では、基本計画に列挙されている具体的な施策のうち、AIを利活用する事業者に影響があると思われるものの一部を紹介します。
| AI利活用の加速的推進 |
|
| AI開発力の戦略的強化 |
|
| AIガバナンスの主導 |
|
| AI社会に向けた継続的変革 |
|
本指針の概要
本指針は、AI法13条に基づいて、信頼できるAIの実現に向けて、事業者、国民等のすべての主体におけるAIの研究開発・活用の適正な実施に係る自主的かつ能動的な取組みを促すために、国際的な規範の趣旨に即して策定されるものです。
AIを活用した製品・サービスの開発・提供をする活用事業者が特に取り組むべき事項として挙げられているのは、以下の事項です。
| AIガバナンスによる俯瞰的な適正性の確保 |
|
| ステークホルダーとの信頼関係の構築に向けた透明性の確保 |
|
| 十分な安全性の確保 |
|
| 事業継続性確保による安全な環境の維持 |
|
| AIのイノベーションの基盤となるデータの重要性を踏まえたステークホルダーへの配慮 |
|
生成AIを用いたビジネスやサービスが飛躍的に増加する中、日本国内の企業・組織によるAIモデル開発等の技術開発も盛んに行われています。
今後、基本計画および本指針に沿って、AIの研究開発および活用の適正性を確保しつつ、「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指し、官民が一致団結して、AIを基軸とした、新たな経済発展と安全・安心な社会を構築することが期待されます。
「重要電子計算機に対する特定不正行為による被害の防止のための基本的な方針」の公表
執筆:小倉 徹弁護士
2025年12月23日、「重要電子計算機に対する特定不正行為による被害の防止のための基本的な方針」(以下「基本方針」といいます)が公表されました。
「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律」(以下「能動的サイバー防御法」といいます)は、内閣総理大臣が、重要電子計算機に対する特定不正行為による被害の防止のための基本的な方針の案を作成し閣議の決定を求めること(3条1項)、および当該基本方針において以下の事項を定めることを求めています(同条2項)。
- 重要電子計算機に対する特定不正行為による被害の防止に関する基本的な事項
- 当事者協定の締結に関する基本的な事項
- 通信情報保有機関における通信情報の取扱いに関する基本的な事項
- 情報の整理および分析に関する基本的な事項
- 総合整理分析情報の提供に関する基本的な事項
- 協議会の組織に関する基本的な事項
- その他重要電子計算機に対する特定不正行為による被害の防止に関し必要な事項
基本方針は、能動的サイバー防御法の上記規定に基づき、重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止を図るという法目的を達成するために、同法に基づき講じられる各施策を適切に機能させるうえで必要となる基本的な事項をあらかじめ示すとともに、それらの施策に係る事務を適正に実施を確保するための基本的な事項を示すものです。
たとえば、能動的サイバー防御法においては、基幹インフラ事業者は、特定重要電子計算機(特定重要設備の機能に影響を及ぼすおそれのある電子計算機)のインシデント情報やその原因となり得る事象を認知したときは、事業所管大臣および内閣総理大臣に報告することとされているところ(5条)、基本方針によれば、特定重要設備の機能に深刻な影響を及ぼすおそれが特に大きい事象を中心に報告対象を明確化し、侵入の有無などに応じて報告範囲を適切に設定することで、基幹インフラ事業者の過度な負担を避けつつ、相談対応体制や様式統一、窓口の一元化などの整備も進めることとされています。
本基本方針に基づき、内閣府は、特命担当大臣(サイバー安全保障)の下、関係行政機関とともに法に基づく施策を総合的に推進することとされています。
国土交通省「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会 取りまとめ」の公表
執筆:菅原 裕人弁護士
2025年11月7日、国土交通省は「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会 取りまとめ」(以下「本取りまとめ」といいます)を公表しました。本取りまとめの内容については、現在進められている次期「総合物流施策大綱(2026-2029)」の検討にも反映し、今後の物流施策の具体化・深度化に役立てられることが期待されています。
今後の物流に関する制度の改正を示唆するものであり、物流関係の事業者は確認しておく必要が高い資料となっています。
本取りまとめの背景と示された方向性
本取りまとめは、以下の背景から「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」(以下「本検討会」といいます)が設置されて検討した結果を取りまとめたものです。
すなわち、物流の2024年問題への対応の政策パッケージとして、宅配便の再配達率を12%から6%に半減させるという目標も掲げられていますが、これを達成できていない状況があります。今後も旺盛な需要が見込まれる宅配便の配送効率化を進めるとともに、国民の日常生活の利便性向上という視点からも、国民の理解を得ながら、社会全体として多様な受取方法を選択しやすくするためのバランスの取れた受取環境を整備していく必要があり、宅配便にとどまらず、ラストマイルまでの幹線輸送も含めた地域を支える物流サービス全体の一層の負荷軽減を図っていくことも重要であるという認識が示されました。
そこで、本検討会では、地域の住民生活や経済活動などと密接に関連する「ラストマイル配送」を切り口として、ラストマイル配送を取り巻く諸課題への対応方策について議論を重ね、本取りまとめを策定しました。
本取りまとめでは、(1)物流の小口・多頻度化に伴う宅配便ドライバーの負担の増大、(2)年々深刻化する地域のトラックドライバー不足と輸送効率の低下から、次の方向性が示されました。
- 多様な受取方法の更なる普及・浸透や宅配サービスのあり方の変革
- 地域の物流サービスの持続可能な提供に向けた環境整備
- 地域の配送等における新たな輸送手段の活用と次世代産業としての展開
本取りまとめで示された内容は多岐にわたりますが、本解説では①のうち、標準宅配便運送約款に影響する対面引渡し以外の多様な受取方法に関する言及を紹介します。
対面引渡し以外の多様な受取方法の標準宅配便運送約款への位置付けの検討
現状、貨物自動車運送事業法に基づく標準宅配便運送約款では、荷受人等に対する対面による荷物の引渡しのみが受け渡し方法として規定されています。そのため、宅配ボックスへの配達や自宅玄関前等の指定場所へのいわゆる置き配などを行おうとするトラック運送事業者は、個別に国土交通大臣の認可を受ける必要があります。こうした中、大手宅配事業者の中には、荷受人が指定した場所(宅配ボックスの使用、コンビニでの受け取り、玄関先等への配達等)への宅配事業者による対面以外での引渡し方法も明記している例もあります。
近年、消費者のニーズから、対面引渡し以外の荷受人が指定した場所への配達などの多様な受取方法を標準宅配便運送約款に位置付けていくことは、宅配事業者による配送効率化や、消費者がライフスタイルに合わせた柔軟な受け取り方を選択し、利用者の利便性を向上していくうえで重要であるという認識が示されました。
一方で、対面引渡し以外の配達については、配達された荷物の盗難や破損、品質管理などのトラブルが想定されるため、あくまでも荷受人による指図に従って指定場所に配送するという性質を踏まえ、その留意点や責任の所在等を荷受人、宅配事業者、Eコマース事業者等の関係者間で明確化するなど、消費者の理解増進と関係者間のリスク分担を図るための方策を検討することも必要であるという課題もあります。
そこで、対面以外の指定場所への配達といった引渡し方法も明記している大手宅配事業者の運送約款等も参考にしながら、標準宅配便運送約款を改正し、従来からの対面での受け取りに加え、宅配ボックス、コンビニ、自宅玄関前等の指定場所への配達などの多様な受取方法を受け取りの際の選択肢の1つとして位置付ける方向で検討を進めることが示されました。
併せて、荷受人、宅配事業者、Eコマース事業者等の関係者間で、消費者の理解増進と関係者間での適切なリスク分担を図る観点から、指定場所への配達を行う際の荷物の盗難や破損などのトラブルの防止や保険も含めたトラブル発生時の適切な対応、責任分担の明確化を行うために必要な措置に関するガイドラインを定める方向で検討を進めることとなりました。
このようにいわゆる置き配を標準的な運送方法に位置付けることで物流問題への対処を行っていくことが示されたものの、その場合の荷物に関するトラブルの防止策の検討も併せて検討されることとなりました。今後示される標準宅配便運送約款の改正や、ガイドラインの策定など、動向を注視する必要があります。
-
改正に向けた個人情報保護委員会での議論状況については「個人情報保護法の制度的課題に対する考え方について」(2025年3月5日)参照。 ↩︎
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