【BUSINESS LAWYERS COMPLIANCE】コンプライアンス研修を10分に凝縮する制作ステップPR
法務部
目次
はじめに 〜なぜ「制作の裏側」を紹介するのか?〜
BUSINESS LAWYERS COMPLIANCE(以下BLC)の「10分で効果が出る」という価値は、単に短い時間で視聴できることだけを指しているのではありません。
我々のコンテンツには、他社には真似できない独自の制作プロセスがあります。
この資料では、私たちの強みである「こだわりの制作プロセス」を具体的に解説し、BLCがなぜ他社サービスと違うのか、その価値をご理解いただけるよう、コンテンツディレクターを務める池田に話を聞きました。
また、この記事を読んでいる方の多くは、コンプライアンス研修の運営を担当され、資料の自作などで苦労されていることと存じます。そうした皆様の業務課題に対し、BLCが「10分で受講満足度を引き上げる」、一つの解決策となり得ることをお伝えできれば幸いです。
STEP1 企画・テーマ選定 〜「10分のコンプライアンス研修で伝えるべき核心」は何か?〜
今、本当に伝えるべきテーマの見つけ方
制作プロセスの最初のステップは、社会や企業の「今」に即したテーマを選定し、10分という限られた時間で「最も伝えるべき核心」を見つけ出すことです。
最初の段階では、企業のコンプライアンスに影響が大きいテーマを厳選するため、幅広い情報を集めます。
具体的には、我々が運営するサイト「BUSINESS LAWYERS」を通じて、最新の法改正や弁護士の解説記事などを分析します。
次に、法改正やその他の情報の重要度を見極め、テーマ選定の精度を高めます。特に、サイト記事に対する読者の反応を直接確認し、テーマの注目度を正確に測れる点は、我々ならではの大きな強みです。
お客様の声が導く、真に価値のあるテーマ
さらに、既存のお客様からの「こういうものを作れないか」「新しいものはないか」といった具体的なニーズや、営業チームが日々お客様から受け取る声も重要な参考情報となります。
特に、BUSINESS LAWYERSの会員様向けに実施するアンケートはお客様のニーズを把握するための強力な参考ソースです。
テーマ選定では、これらの情報源から挙がった候補に対し、「何が一番インパクトが大きいか」、「企業で非常に重要とされる領域か」、「他社で行政指導が入ったといった時事的なニーズがあるか」、といった観点から、ラインナップのバランスを考慮して検討を進めます。
足し算ではなく引き算で伝えるべき核心を厳選する
この選定プロセスで重視するのは、「足し算」ではなく「引き算」の考え方です。
コンプライアンス研修は、倫理的な側面に加えて、法律に基づき、きちんとした根拠がある情報を伝えることが不可欠であり、間違いがあってはなりません。
しかし、法的正確性を追求すると、「ただし」「例外」といった説明書きが多くなり、
内容はどんどん長くなり、受講者にとっては分かりにくく、興味関心を持続することが難しくなります。
そこで、「一番大事なことは何か?」という本質にフォーカスし、枝葉の部分は一旦削ぎ落とし、最も重要なメッセージに絞り込む「引き算」を行います。
これは、短い映像で視聴者の記憶に残すために、言葉を削り、視覚的に伝えるという制作コンセプトとも合致しています。テーマの選定はチーム内で相談しアイデアを出し合い、社内で議論しながら最終的なラインナップを決定します。この企画・テーマ選定の段階で、1ヶ月から2ヶ月程度の時間をかけて、伝えるべき核心を厳選しています。
STEP2 脚本(シナリオ) 〜「面白さ」と「学び」の最高バランスを考える〜
「法律」と「会社におけるリアル」を凝縮した脚本
選定されたテーマを、受講者に「伝わる」ストーリーとして形にするのが脚本(シナリオ)制作のステップです。
まず、テーマごとに、法的に必ず押さえなければならない必須項目(要件やペナルティ、裁判例など)を洗い出し、網羅的なリストを作成します。
次に、そのリストの要点を基に、企業のオフィスなどでのリアルな実務シーンを想定し、具体的な場面設定(プロット)を考えます。そして、関連する法律のポイントを踏まえ「こういう会話から事件が起こる」といった流れを組み立てていきます。
そのプロットを元に、ドラマの脚本に落とし込んでいきます。完成した叩き台や初稿を基に、さらに加筆修正を重ね、テーマごとの伏線や、エンディングで回収される仕掛けを丁寧に盛り込みます。時間が長くならないよう、なるべくコンパクトなシナリオにまとめることを常に意識しています。
リアルと面白さの絶妙なバランスを追求する
「伝わるストーリー」にするために重視しているのは、リアリティとドラマとしての面白さのバランスです。
オフィスでのリアルな会話や風景を再現することは非常に重要ですが、それを忠実に行いすぎるとドラマとして堅苦しくなり、受講者を引き込む面白さが弱くなります。
そこで、ドラマだからこそできる表現を探り、リアリティとのバランスの中で、俳優の演技力やセリフのテンポによって、面白さを加えていきます。面白さだけが先走りすぎず、堅苦しくもない、絶妙なバランスを目指します。
特に、法律というテーマを面白く伝えるための工夫には力を入れています。受講者に何かしらの「引っかかり」を持ってもらうために、例えば、シナリオの細部に言葉遊びの要素やコンプライアンス違反のペナルティなどを連想させるような仕掛けや小道具を盛り込むことがあります。
そうすることで、研修の内容が受講者の記憶に定着しやすくなると感じています。このようなディテールの作り方は、BLCの特徴の一つであり、制作者として特にこだわっているポイントです。
STEP3 監修 〜「正確性」と「信頼性」の保証〜
弁護士と磨く、正確で伝わる物語へ
BLCのコンテンツ品質を保証する上で、最も重要なプロセスの一つが、法律専門家である弁護士による監修です。
BLCは、企業法務の分野で高い専門性を持つ、直法律事務所に本プロジェクトの監修を引き受けていただいています。
監修のプロセスでは、作成したシナリオ、特に法律論点や解説パートについて、法的根拠(法律の条文、ガイドラインなど)に基づいた表現となっているか、内容は正確かを非常に丁寧にチェックしていただきます。
根拠としている情報が古い場合は、より新しく適切な情報を提示していただくこともあります。このやり取りは一度で終わることは少なく、何度も確認と修正を重ね、曖昧な部分が残らないよう徹底します。
弁護士監修、5年が生んだ信頼の証
また、脚本や演出、実務との整合性についても、これまでの蓄積されたノウハウに基づき、直法律事務所にご確認いただいています。5年間制作を続ける中で、監修いただく弁護士の方々にはドラマ性やエンターテインメント性を活かす方針でBLCの制作面をサポートしていただいています。
それでも、実務で起こりうる場面として間違いがないか、誤解を招く表現になっていないか、といった点は厳しく検証いただき、必要に応じてシナリオや表現を修正します。
そして何より、法律の専門家である弁護士がきちんとチェックしているという事実が、導入企業であるお客様にとって非常に重要であることを認識しています。社内でコンプライアンス研修の内容について意見が上がってきた際も、「弁護士が監修している」と説明することで、安心感を持って受講してもらえることが多いためです。
弁護士監修のコンテンツであること自体が、BLCの大きな強みとなっています。
STEP4 撮影・演出 〜「自分事」にするリアリティのための工夫〜
「自分事」へ導く、監督こだわりの演出
次のステップは監修済みのシナリオを基に、ドラマとして映像化し、受講者が内容を「自分事」として深く理解するための工夫を凝らす撮影・演出です。
シナリオの完成後は撮影監督兼ディレクターをはじめとする制作スタッフ、そして出演する俳優陣に渡し、読み込みを進めてもらいます。
撮影前には、監督を交えた本読みや打ち合わせを行い、セリフの読み方や動き、タイミングなどを詳細に確認します。
監督は、この打ち合わせを通じて、セリフや場面に合わせてどのようなアングルで撮影するか、俳優の表情や動きをどう見せるか、といった映像のイメージを膨らませていきます。
プロの俳優とスタッフが本気で創る「圧倒的クオリティ」
BLCのクオリティは、現場を支えるスタッフと、出演する俳優陣の質の高さによって支えられています。
テレビや映画、舞台で活躍するプロの俳優の方々に、「かなりの熱量」で演技していただいています。また、ドラマ制作やCM制作で実績のある監督、そして経験豊富なカメラマン、音声マン、スタイリストといった各分野のプロフェッショナルがチーム一丸となり、「いいものを作ろう」という高い意識で撮影に臨んでいます。
撮影監督が「俳優たちが自ら演技のアイデアを持ち寄って現場が盛り上がっていくのは、ほかではあまり見たことがない」というように、俳優陣もコンプライアンスというテーマに対し「勉強になる」「なかなか演じたことがない」と、非常に前向きに取り組んでいただいています。
「飽きさせない」「感情移入させる」ための演出
撮影では、単にシナリオ通りに進めるだけでなく、受講者が感情移入し、内容を深く理解できるよう様々な工夫を凝らします。
一つのシーンを、複数台のカメラで、様々なアングルから何度も撮影することで、映像表現に幅を持たせます。また、セリフだけでは単調になる場面では、俳優陣に身振りや手振り、さりげない仕草で動きを入れてもらい、視覚的な変化で世界観に奥行きを持たせます。
こうした細かい指示や、異なるパターンの演技を撮り重ねることで、10分の映像の中に凝縮される演技上の細やかさが生まれます。
ただし、テーマによってはコメディタッチではなく、シリアスに演じてもらう必要があるもの(LGBTQなどセンシティブなテーマ)もあり、そうした場合はきちんとテーマと向き合う演技をしてもらうよう伝えます。
逆に、笑いやテンポが求められるシーンでは、俳優陣が作ってくれた空気感をなるべく生かしつつ、コンプライアンス研修として成立する「楽しさ」のギリギリのラインを目指して撮影を行います。
間違いは見逃さない!集中力の撮影現場
撮影現場では、収録されたセリフに法律用語の言い間違いがないかなどを厳重にチェックし、必要に応じて撮り直しを行います。
この段階で全ての材料が出揃うため、不足や間違いがないよう、集中力を最大限に使って現場に立ち会います。
撮影が長時間に及ぶこともありますが、すべての制作関係者には高いプロ意識を持って、粘り強く仕事に取り組んでいただいています。
STEP5 編集・仕上げ 〜「1秒」に込めるメッセージと伝達効率〜
無駄を削ぎ、本質残す。「10分」への編集術
撮影された素材を、BLC独自のコンセプトである「10分」という時間に凝縮し、
最終的なコンテンツとして仕上げるのが編集・仕上げのステップです。
撮影が終了すると、ディレクターが、シナリオに沿って撮影された映像素材を編集し、ドラマパートを組み立てていきます。これと並行して解説パートのスライドを作成します。
完成したスライドを監督に渡し、ドラマパートの間に挟み込んでもらい、テロップ表示などの演出を加えてもらいます。
編集作業で最も重視しているのは、何と言っても「長くしない」ということです。ドラマパートが予定より長くなった場合は、俳優の方には申し訳ないのですが、一部をカットするなどして長さを調整します。
特に前半が長すぎると、受講者の集中力が続かないため、適切な長さに収めることにこだわります。解説パートも時間が長くなると受講者の関心をつなぎ止められなくなるため、最小限の文字量・情報量で、最も大事なことをきちん伝えることを意識します。
飽きさせないテンポ!BLCの構成のポイント
10分という限られた尺の中でメッセージを凝縮する作業は、彫刻に近いと感じています。大きな塊(素材)から、不必要な部分を削ぎ落とし、イメージしている「最も大事なキーワード」や「エッセンス」を浮かび上がらせる。どう削れば最も伝わるかを常に考えながら作業を進めます。
編集途中で映像を見て、少し冗長だと感じた場合は、容赦なくセリフをカットしたり、シーンを詰めたりといった調整を繰り返します。BLCの構成は、当初の単純な「ドラマ→解説→ドラマ」という構成から進化し、短いドラマシーンと解説パートを細かく織り交ぜる構成を主体としています。
これにより、場面が頻繁に切り替わることで視覚的な新鮮さが生まれ、テンポが良くなり、視聴者が飽きずに見続けられるよう工夫しています。複雑すぎると10分に収まらなくなるため、シンプルさを保ちながらも、テンポを上げるための短いシーンなどを効果的に挿入しています。
最終チェックで万全!正確性と質
映像編集は、撮影監督兼ディレクターとコンテンツ制作チームが担当します。
この編集段階で、法律コンテンツとしての正確性を担保するための最終チェックも行い、テロップやナレーションの誤字脱字はもちろん、法的な解釈に誤りがないかを丁寧に確認し、問題が見つかった場合は速やかに修正します。
STEP6 テスト作成 〜「学びの定着」と「達成感」のデザイン〜
学びの定着、「できた!」を生むテスト設計
BLCは、単に映像を見せて終わりではなく、研修効果を確実にし、受講者の学びを定着させるための「テスト」を提供しています。これは、制作プロセスの最後の仕上げであり、「学びの定着」と「できた!」という「達成感」のデザインを目指しています。
テスト作成は、シナリオが完成し、それが出題範囲として確定した段階で着手します。シナリオの内容に基づいて、重要ポイントを復習できるような15問のテスト問題を作成します。
テスト問題は、コンテンツ制作チームと監修弁護士がレビューを行います。ここで最も重視するのは、「ドラマ教材を受講したら、きちんと答えられる」内容にすることです。過度に難易度を高くせず、視聴者が内容を理解し、記憶できたことを確認できるような問題設計を心がけています。
細部まで妥協なし、信頼できるテスト
問題形式は、選択式(2つから4つ)を採用しており、誤解を招くような表現がないか、テストとして成立しているか、といった点を監修弁護士と厳しくチェックします。
特に、一見正しく見えるが例外によって間違いとは言い切れない選択肢などがないか、細部まで確認し、必要に応じて問題や選択肢を修正、時には問題自体を差し替えることもあります。
弁護士とのやり取りは何度も繰り返され、曖昧な点が残らない状態まで持っていきます。この段階で相当力を入れて作成しています。
テストの難易度設定には特に気を配っています。BLCは一般従業員向けの全社研修で利用されることを想定しているため、専門部署向けのような難しい問題ではなく、「研修動画をきちんと視聴してもらえれば80点以上取れる」程度の難易度を目指します。
これは、難しすぎると正答率が上がらず、再テストが受講者のストレスになり、コンプライアンス意識の浸透という目的とずれてしまうためです。
テスト作成は、原稿制作と編集、弁護士監修などに毎年3ヶ月程度を要する非常に時間のかかる工程です。
さいごに 〜我々のコンテンツ制作の哲学は「本当にこれが役に立つのか?」を問い続けること〜
BLCのコンテンツ制作は、「本当にこれが役に立つのか?」を常に問い続けることから始まります。
我々は、企業の皆様にとって真に「役に立つ」コンテンツを目指し、コンプライアンスについて短時間で理解し実務に活かせるエッセンスに特化しています。
コンテンツの制作で迷った時は「現場で役立つか?」を自問し、最新知識、実務的視点、面白さ、学びの定着を10分に凝縮。
この短い時間へのこだわりこそが、BLC独自の価値であり、お客様にご満足いただける品質だと考えています。