取締役の報酬等の決定方針、ハラスメント関連が上位に - 2021年に読まれたBUSINESS LAWYERS掲載記事ランキング

法務部

目次

  1. 特集記事トップは改正会社法下における「報酬等の決定方針」の定め方
  2. Q&Aでは「ハラスメント」に関する記事が上位に
  3. BUSINESS LAWYERS AWARDとして坂本佳隆弁護士、長瀨佑志弁護士にトロフィーを贈呈
  4. 2021年に読者の記憶に残った記事
    1. 個人情報保護法改正関連を筆頭に、民法改正、CGコードなどに注目が集まる
    2. 契約書修正交渉の実践例と伝え方を解説した記事にも多くの回答
  5. さいごに

BUSINESS LAWYERSでは2021年、法改正や注目事案にまつわるトピックを取り上げるとともに、法務担当者の実務に資する記事をお届けできるよう、多くの記事を発信しました。

本稿では、各記事の閲覧数(PV:ページビュー)にもとづき、BUSINESS LAWYERSが2021年に公開した記事のうち、どのような記事が多く読まれたかを紹介 1。BUSINESS LAWYERSにおける「特集記事」「Q&A記事」の種別ごとにランキング形式でお届けします。

  • 特集記事:最新の法改正や判例の解説、インタビューなどを通じて法務部門のトレンドをお伝えする記事です。
  • Q&A記事:一問一答形式で、個別の法的問題を端的に解説する記事です。

特集記事トップは改正会社法下における「報酬等の決定方針」の定め方

第1位

2021年3月1日施行 改正会社法下における「報酬等の決定方針」の定め方
著者:アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業 坂本佳隆弁護士
掲載日:2021年2月15日

順位 タイトル(著者)
第2位 同一労働同一賃金における定年後再雇用職員の基本給・賞与等の待遇差とは? - 名古屋自動車学校事件」(弁護士法人長瀬総合法律事務所 長瀨佑志弁護士)
第3位 【弁護士が解説】 NFTとは? 法規制と実務上の留意点」(アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業 長瀨威志弁護士、井上乾介弁護士、片山智晶弁護士、奥田美希弁護士、鈴川大路弁護士)
第4位 改正公益通報者保護法のポイントと実務対応」(牛島総合法律事務所 山内大将弁護士、柳田忍弁護士)
第5位 エンジニアによるGitHub上へのソースコード流出事案、法的責任や類似事案の防止策を伊藤雅浩弁護士が解説」(シティライツ法律事務所 伊藤雅浩弁護士)
第6位 コロナ禍の株主総会 議事録作成のポイント - 実務の基本からバーチャル総会への対応まで」(弁護士法人大江橋法律事務所 山口拓郎弁護士)
第7位 令和3年改正プロバイダ責任制限法の影響度と実務対応 - 新たな裁判手続の創設、ログイン型投稿への対応、意見聴取義務」(小笠原六川国際総合法律事務所 神田知宏弁護士)
第8位 債務不履⾏に基づく損害賠償請求訴訟において弁護⼠費⽤を請求できるか -最高裁令和3年1⽉22⽇判決がもたらす実務上のインパクト-」(STORIA 法律事務所 菱田昌義弁護士)
第9位 「株式交付」を活用したM&A実務の留意点 - 税制改正・公開買付規制との関係を踏まえて」(弁護士法人大江橋法律事務所 関口智弘弁護士)
第10位 【2021年改訂】ESGに関するコーポレートガバナンス・コードの原則と実務対応」(弁護士法人大江橋法律事務所 澤井俊之弁護士)

特集記事のPV数トップに輝いたのは、坂本佳隆弁護士(アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業)の「2021年3月1日施行 改正会社法下における「報酬等の決定方針」の定め方」でした。
同記事では、2019年12月4日に成立した「会社法の一部を改正する法律」により、指名委員会等設置会社を除く上場会社等において、定款または株主総会の決議により取締役会の個人別の報酬等の内容が具体的に定められていない場合には、取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を取締役会で決定することが義務づけられたことについて解説。具体的な対応とそのスケジュール、定めるべき事項等について紹介しています。

また改正会社法に関する記事としては「「株式交付」を活用したM&A実務の留意点 - 税制改正・公開買付規制との関係を踏まえて」が第9位となっています。加えて、法改正に関する記事としては、第4位に「改正公益通報者保護法のポイントと実務対応」、第7位に「令和3年改正プロバイダ責任制限法の影響度と実務対応 - 新たな裁判手続の創設、ログイン型投稿への対応、意見聴取義務」がそれぞれランクインしています。

また第2位には、定年退職後再雇用従業員の待遇に関する裁判例を解説した「同一労働同一賃金における定年後再雇用職員の基本給・賞与等の待遇差とは? - 名古屋自動車学校事件」がランクイン。第3位には、2021年に話題となったNFTについて解説した連載の第1回「【弁護士が解説】 NFTとは? 法規制と実務上の留意点」が続いています。

その他、2021年の動向にもとづく記事として、「エンジニアによるGitHub上へのソースコード流出事案、法的責任や類似事案の防止策を伊藤雅浩弁護士が解説」が第5位、「債務不履⾏に基づく損害賠償請求訴訟において弁護⼠費⽤を請求できるか -最高裁令和3年1⽉22⽇判決がもたらす実務上のインパクト-」が第8位となりました。

Q&Aでは「ハラスメント」に関する記事が上位に

順位 タイトル(著者)
第1位 パワーハラスメントの判断基準とは - パワハラ指針のポイント」(弁護士法人長瀬総合法律事務所 長瀨佑志弁護士)
第2位 【改正会社法で新設】株式交付とは?株式交換との違い、利用できる場面は?」(三宅坂総合法律事務所 野間昭男弁護士、伊部隆登弁護士)
第3位 令和元年改正会社法におけるD&O保険(会社役員賠償責任保険)の締結の手続きと開示の方法」(三宅坂総合法律事務所 野間昭男弁護士、中谷岳弁護士)
第4位 システム開発契約では、請負契約と準委任契約をどのように使い分けるべきか」(尾城法律事務所 尾城亮輔弁護士)
第5位 ハラスメント内部通報で通報者が匿名扱いを希望する場合の実務対応」(牛島総合法律事務所 山中 力介弁護士、佐藤和哉弁護士)
第6位 印紙税の判断方法(2)- 個別契約書、重複事項の取扱い」(鳥飼総合法律事務所 山田重則弁護士)
第7位 固定資産税の実務上のポイント(1)- 課税ミスがあった場合、払いすぎた固定資産税は全額還付されるか?」(鳥飼総合法律事務所 山田重則弁護士)
第8位 2021年3月施行 改正会社法で新設された会社補償に関する規定のポイント」(三宅坂総合法律事務所 江端重信弁護士)
第9位 行動ターゲティング広告に令和2年個人情報保護法改正が与える影響は?」(弁護士法人三宅法律事務所 渡邉雅之弁護士)
第10位 パワハラを起こした企業が負う責任とコンプライアンスリスク - パワハラ防止法の概要」(弁護士法人長瀬総合法律事務所 長瀨佑志弁護士)

Q&A記事では、長瀨佑志弁護士(弁護士法人長瀬総合法律事務所)の「パワーハラスメントの判断基準とは - パワハラ指針のポイント」が2021年にもっとも閲覧されました。同記事では、パワーハラスメントの定義や典型的な類型、発生時の初動対応等について解説しています。

その他、ハラスメントに関する記事については、第5位「ハラスメント内部通報で通報者が匿名扱いを希望する場合の実務対応」、第10位「パワハラを起こした企業が負う責任とコンプライアンスリスク - パワハラ防止法の概要」にランクインするなど、関心の高さが伺えました。

また特集記事と同様に、Q&A記事においても改正会社法に関する記事がよく読まれており、第2位が「【改正会社法で新設】株式交付とは?株式交換との違い、利用できる場面は?」、第3位が「令和元年改正会社法におけるD&O保険(会社役員賠償責任保険)の締結の手続きと開示の方法」となりました。

BUSINESS LAWYERS AWARDとして坂本佳隆弁護士、長瀨佑志弁護士にトロフィーを贈呈

本年からBUSINESS LAWYERSでは「特集記事」「Q&A記事」それぞれで年間PV数第1位になった記事の著者の方々を表彰する「BUSINESS LAWYERS AWARD」を新設しました。

2021年の「BUSINESS LAWYERS AWARD」では、特集記事部門としてアンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業 坂本佳隆弁護士に、Q&A部門として弁護士法人長瀬総合法律事務所 長瀨佑志弁護士にトロフィーをお贈りしました。お二人によるコメントは以下のとおりです。

アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業 坂本佳隆弁護士

当該記事:「2021年3月1日施行 改正会社法下における「報酬等の決定方針」の定め方

多くの方に記事をご覧いただけたというだけで大変光栄ですが、さらにこのような賞までいただき嬉しい限りです。この記事は、学生時代の友人からいただいたご縁で初めて寄稿させていただいたものなので、個人的にも印象に残っております。編集長の松本様をはじめ、スタッフの皆様には多大なご協力をいただきました。この場をお借りして改めて感謝申し上げたいと思います。
今後も、「実務的な視点で、端的に分かりやすく」を意識して皆様のお役に立つ記事をお届けできればと思っております。(先日、ホットトピックである株主総会資料の電子提供制度に関する記事も掲載いただきましたので、ぜひそちらもご覧ください! )

アンダーソン・毛利・友常 法律事務所 外国法共同事業 坂本佳隆弁護士

弁護士法人長瀬総合法律事務所 長瀨佑志弁護士

当該記事:「パワーハラスメントの判断基準とは - パワハラ指針のポイント

この度は、「BUSINESS LAWYERS AWARD」という大変栄誉ある賞をいただき、非常に光栄に思っております。
今回寄稿した「パワーハラスメントの判断基準とは - パワハラ指針のポイント」というテーマは、人手不足が深刻な経営課題の一つとなっている昨今において、業種や企業規模を問わず多くの企業にとって重要な関心事になっていることを実感しています。
今回の受賞を励みとし、今後も多くの企業が抱える法的課題の解決・予防に加え、企業の発展に少しでも貢献できる情報発信に努めてまいります。最後になりますが、本寄稿にあたり多大なるご尽力とご協力を頂いた関係者の皆様には深く御礼申し上げます。

弁護士法人長瀬総合法律事務所 長瀨佑志弁護士

2021年に読者の記憶に残った記事

BUSINESS LAWYERSでは2021年11月から12月にかけてアンケートを実施し、法務部門で働く方々のリアルな声を募集しました2。本章では、同アンケートで「2021年に公開した記事のうち、最も関心を持ったもの」として回答が寄せられた記事テーマについて紹介します。

個人情報保護法改正関連を筆頭に、民法改正、CGコードなどに注目が集まる

アンケートで最も多く回答されたのは「個人情報保護関連」についての記事でした。2021年、BUSINESS LAWYERSでは下記をはじめとして多くの関連記事を掲載しています。

また民法改正やコーポレートガバナンス・コードに関する記事にも注目が集まるとともに、2021年も引き続き猛威を振るった「新型コロナウイルス関連」の記事にも関心が寄せられました。

民法改正関連記事 コーポレートガバナンス・コード関連記事 新型コロナウイルス関連記事

契約書修正交渉の実践例と伝え方を解説した記事にも多くの回答

また特定の記事については、契約書の修正交渉における取引先や事業部担当者とのコミュニケーション方法について、5人の法務担当者に伺った「【連載】契約書修正交渉のコメント実務 法務担当者5人の実践例と伝え方」に多くの回答が集まりました。

回答の理由としては「普段から課題に感じていたテーマで、なかなか知りえない他社での実践例を知ることができた」「一人法務なので、他社の具体的な事例や対応が分かってとても参考になった」「部下の教育の参考になった」といった声が寄せられています。

さいごに

2021年、BUSINESS LAWYERSでは上記で紹介したような記事による情報発信に加えて、定期的なセミナーを開催。また、法律書籍・雑誌の月額閲覧サービス「BUSINESS LAWYERS LIBRARY」のアップデートや、コンプライアンス研修動画サービス「BUSINESS LAWYERS COMPLIANCE - ドラマで身につくコンプライアンス」第2弾の提供開始など、様々なサービスをとおして企業法務に携わる皆様をサポートしてきました。

2022年も現在の提供サービスに加えて新たな取組みを進めることで、法務実務に一層役立つ情報・サービスを読者の皆様にお届けしていきます。


  1. 集計期間:2021年1月1日〜12月15日
    対象:2021年1月1日〜12月15日の公開記事 ↩︎

  2. 調査内容:2021年企業法務に関するアンケート
    実施時期:2021年11月12日〜12月7日
    調査対象:BUSINESS LAWYERSの登録会員ほか(有効回答者数149名)
    調査手法:記述/インターネットによるアンケート調査 ↩︎

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