取適法(下請法)

取適法(正式名称:製造委託等に係る中小事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)は、下請法(下請代金支払遅延等防止法)から名称変更・規制拡大された法律で、優越的地位にある委託事業者による中小受託事業者への不当な行為を規制し、委託取引の公正化と中小受託事業者の利益保護を図ることを目的としています。企業の法令遵守が強く叫ばれる中、取適法違反は企業価値を大きく損なう行為とされています。取適法は、委託事業者に対して、4つの義務と11の禁止行為を定めています。以下では、取適法(改正下請法)の適用対象と義務・禁止行為、罰則について解説した実務記事を紹介します。

取適法のポイントを下請法からの改正を踏まえわかりやすく解説

 取適法(とりてきほう)とは、下請法(下請代金支払遅延等防止法)が改正により名称変更したもので、正式名称は「製造委託等に係る中小事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」です。  取適法は、優越的地位にある委託事業者による中小受託事業者への不当な行為を規制し、委託取引の公正化と中小受...

BUSINESS LAWYERS 編集部
弁護士ドットコム株式会社

競争法・独占禁止法

取適法(下請法)に関する記事

令和8年1月施行!改正下請法(中小受託法/取適法)の概要と企業に必要な対応

 令和7年5月16日、「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律」(改正下請法)が国会において可決・成立しました。施行日は令和8年1月1日とされています。法律名は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」へ変更され、「中小受託法」や「取適...

大東 泰雄弁護士
のぞみ総合法律事務所

競争法・独占禁止法

下請法改正はイノベーション創出につながる ミクロ経済学の視点で語る「経営者に伝えたい」改正のポイント

2025年5月16日、「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律」(改正下請法)が可決・成立し、2026年1月1日から施行される。 「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(中小受託取引適正化法、通称:取適法)への名称変更をはじめ、企...

競争法・独占禁止法

「政府の推進力に、冷静な視点を」― 東京大学 滝澤教授が語る、改正下請法と優越的地位の濫用規制

日本経済の長年の課題であるデフレからの脱却へ向け、政府は「価格転嫁の円滑化」を強力に推進する。その強い意志の表れともいえるのが、2026年1月1日から施行される改正下請法だ。 しかし、東京大学大学院法学政治学研究科の滝澤 紗矢子教授は、前のめりな政府の姿勢に対して、バランスの取れた冷静な議論が必要と...

競争法・独占禁止法

取適法が適用される製造委託とは?具体例とともに解説

製造委託に該当する取引内容  取適法が適用される取引は、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託、特定運送委託の5つです。そのうち「製造委託」とは、事業者が他の事業者に物品等の規格等を指定して製造(加工を含む)を委託することをいいます。  「物品等」には、物品のほかに、その半製品、部...

山口 拓郎弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

卸売業者が関与する場合の取適法(改正下請法)適用判断

取引内容による取適法の適用判断  事業者が業として行う販売の目的物たる物品の製造を他の事業者に委託することは、取適法(改正下請法)上の「製造委託」(取適法2条1項)に該当します。そのため、食品・飲料の小売業者または卸売業者が、お菓子の製造業者にPB商品の製造を委託することは、取適法上の「製造委託」...

山口 拓郎弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

取適法が適用される修理委託とは?具体例とともに解説

取適法(改正下請法)の適用対象  取適法(改正下請法)は、①取引当事者の資本金または従業員の数、および②取引の内容(製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託または特定運送委託)の2つの側面から、取適法の適用対象となる取引を定めています。すなわち、①資本金または従業員の数、②取引の内容に...

山口 拓郎弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

取適法が適用される情報成果物作成委託とは?具体例とともに解説

取適法(改正下請法)の適用対象  取適法はあらゆる取引に適用されるのではなく、①製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託または特定運送委託のいずれかの取引に該当し、かつ、②取引の当事者の資本金または常時使用する従業員数が一定の関係にある場合に適用があります。②の資本金・従業員基準は、①...

山田 真吾弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

取適法が適用される役務提供委託とは?具体例とともに解説

役務提供委託に該当する取引内容  取適法(改正下請法)の適用の有無は、取引当事者双方の資本金の額または従業員数と取引内容で決まりますが、取適法の適用があり得る取引内容の1つとして役務提供委託があります。  取適法上の役務提供委託とは、事業者が業として行う提供の目的たる役務の提供の行為の全部または...

山口 拓郎弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

取適法の明示義務とは?4条明示の具体的な内容・方法を解説

取適法が定める委託事業者の義務  取適法の適用がある取引において、委託事業者には、次の4つの義務が課せられています。 発注内容等の明示義務(取適法4条) 支払期日を定める義務(取適法3条) 書類等の作成・保存義務(取適法7条) 遅延利息の支払義務(取適法6条)  どのような取引が取適法...

山口 拓郎弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

下請事業者に対する代金はいつまでに支払う必要があるか(支払遅延の禁止)

はじめに  親事業者の立場からすると「下請代金を支払いさえすれば良い」という考えもあるかもしれませんが、下請事業者にとって、下請代金を迅速に払ってもらうことは、自社の資金繰りにも影響する重要な問題です。下請法では、親事業者が下請事業者に支払う下請代金の支払期日について規制を定め、下請事業者の保護を...

小田 勇一弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

取適法が禁止する「代金の減額」に当たるのはどのような場合か

製造委託等代金の減額の禁止とは何か 定義  取適法の適用がある取引において、委託事業者は、中小受託事業者の責に帰すべき理由がないのに、発注時に決定した製造委託等代金の額を減じてはならないとされています(取適法5条1項3号)。減額は、名目、方法、金額の多少を問わないとされており、発注後いつの時点で...

山田 真吾弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

下請法で禁止されている「買いたたき」とは

「買いたたき」とは何か  買いたたきとは、下請事業者の給付の内容と同種または類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めることをいい(下請法4条1項5号)、親事業者が下請事業者と下請代金の額を決定する際に買いたたきを行うと下請法違反となります。  ここにいう「...

小田 勇一弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の概要と対応ポイント

 2023(令和5)年11月29日、内閣官房および公正取引委員会(以下「公取委」といいます)が連名で「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表しました。  同指針は、「発注者として採るべき行動/求められる行動」として6つの行動を掲げています。それらの行動は多岐にわたり、また、経営トッ...

大東 泰雄弁護士
のぞみ総合法律事務所

競争法・独占禁止法

フリーランス法は下請法とどう違う?発注者に必要な対応を解説

 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下「フリーランス法」といいます)が、2024年11月1日に施行されました。  フリーランス法は、特定受託事業者と呼ばれるフリーランスとの間の幅広い取引について、発注者に対し、取引条件の明示、給付の受領日から起算して原則60日以内の報酬支払、買いた...

大東 泰雄弁護士
のぞみ総合法律事務所

競争法・独占禁止法

独占禁止法で禁止される「優越的地位の濫用」とは 要件やペナルティを事例でわかりやすく解説

優越的地位の濫用とは  優越的地位の濫用とは、① 取引の一方の当事者が自己の取引上の地位が相手方に優越していること(優越的地位)を利用して、② 正常な商慣習に照らして不当に、不利益を与える行為(濫用行為)を行うことをいい(独占禁止法2条9項5号)、独占禁止法は、これを「不公正な取引方法」の一類型と...

小田 勇一弁護士
弁護士法人大江橋法律事務所

競争法・独占禁止法

勝因を分析する独禁法の道標6

第9回 優越的地位の濫用とならないためには?返品・減額の注意点 トイザらス事件から予防法務を考える

実務競争法研究会 監修:東京大学教授 白石忠志 編者:籔内俊輔 弁護士/池田毅 弁護士/秋葉健志 弁護士 本稿は、実務競争法研究会における執筆者の報告内容を基にしています。記事の最後に白石忠志教授のコメントを掲載しています。 同研究会の概要、参加申込についてはホームページをご覧ください。  ...

塚本 弥石弁護士
弁護士法人ほくと総合法律事務所

競争法・独占禁止法

取適法(下請法)に詳しい弁護士

長澤 哲也弁護士

弁護士法人大江橋法律事務所

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籔内 俊輔弁護士

弁護士法人北浜法律事務所 東京事務所

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