重要裁判例を読み解く
第2回 パワハラによる労災を認定した高裁判決と会社対応のポイント 名古屋高裁令和3年9月16日判決
名古屋高裁令和3年9月16日判決は、上司からのパワハラを受けていた労働者が精神障害(うつ病)となり自殺に至ったところ、業務と精神疾患・自殺との相当因果関係(業務起因性)が問題となった事案です。 第一審では、上司からのパワハラ等の心理的負荷が一般に精神障害を発病させるほどの心理的負荷であったとま...

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名古屋高裁令和3年9月16日判決は、上司からのパワハラを受けていた労働者が精神障害(うつ病)となり自殺に至ったところ、業務と精神疾患・自殺との相当因果関係(業務起因性)が問題となった事案です。 第一審では、上司からのパワハラ等の心理的負荷が一般に精神障害を発病させるほどの心理的負荷であったとま...
2025年6月4日に、カスハラ対策を雇用主に義務付ける法律 1 が国会にて可決・成立しました。 同法は、労働施策総合推進法 2 を改正して、カスハラ対策を事業主の「雇用管理上の措置義務」とすることを主な内容とするものです。労働者が1人でもいれば、事業主に該当すると考えられます。この義務に違反し...
育児・介護休業法等の一部改正に関する法律が令和6(2024)年5月24日に成立し、同月31日に公布されました(令和6年法律第42号 1)。 育児・介護休業法の改正は令和3(2021)年以来です。令和3年改正 2 では、育児休業に関する改正が中心で、その中でも特に男性の育児休業の取得促進に重点を置...
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最高裁(二小)令和6年4月26日判決において、黙示の職種限定合意があると認定された労働者に対する他職種への配置転換(配転)命令が無効であると判断されました。 これまで、労働者に対する配転命令については、終身雇用を前提とした正社員を念頭において、基本的には、使用者(会社側)が、労働者の同意なく配...
少子高齢化によって労働人口の減少が懸念されるなか、人事労務領域でもHRテックを活用して業務効率化や課題解決に取り組む企業が増えています。 2024年8月20日に開催された「HR Innovation Conference 〜自社に最適な人事労務DX検討会〜」では、人事労務DXを推進する企業の担当者が...
2024年10月4日、「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」(カスハラ防止条例)が制定され、2025年4月1日から施行されます。また、カスハラ防止条例の内容を具体化した「カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)」も2024年12月19日に策定されました。業種等を限定しないカス...
現状、フリーランス(個人事業主)と労働者の違いを分ける基準は、明確ではありません。本稿では、可能な限りわかりやすく理解していただくため、労働者に該当するしないのチェックリストの参考例を示します。 フリーランスとの取引で問題となる法律 - フリーランス法?労働法? 2024年11月1日から、特...
災害時の法務Q&A
災害発生時には、個々の従業員の日常生活が失われてしまうことのみならず、会社の施設や設備、交通インフラといった、普段なら当たり前に存在しているものさえも影響を受け、予想外のトラブルが発生することが往々にしてあります。 この記事では、そのような状況において問題となり得る従業員の解雇や会社の休業、通...
法律・制度改正の把握と理解、それによる業務フローや社内制度の見直しなど、人事・労務部門が対応すべきことは多岐にわたります。2024年3月7日に開催されたオンラインセミナー「HR Innovation Conference 人事がおさえておくべき2024年の法改正 〜これからの雇用と人事のあり方とは〜...
政府の閣議決定において「ジョブ型正社員の更なる普及・促進」1 や「ジョブ型正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員等)の雇用ルールの明確化」2 が要請されたこと等を受け、2024年4月1日以降、労働基準法上の労働条件明示ルールが改正されます。改正後は、採用時(・有期労働契約の更新時)の職務・勤務地...
2024年4月1日以降、労働契約の締結・更新時において使用者に要求される労働条件の明示事項が追加されます。 これは、2023年3月30日に、労働基準法施行規則(以下「労基則」といいます)等の改正を内容とする「労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正...
裁量労働制に関するルールの改正が2024年4月1日から施行され、裁量労働制の導入および継続のために新たな手続が要求されることになります。同施行日を有効期間に含む専門業務型裁量労働制の労使協定、および企画業務型裁量労働制の労使委員会決議は、本改正に適合したものではない場合には、施行日以降は無効とされ...
2023年3月30日、労働基準法施行規則(以下「労基則」といいます)等の改正を内容とする「労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令」(厚生労働省令第39号)が交付・告示されました(以下「本改正」または「改正省令」といいます)。本改正により、2024...
フリーランス法のインパクト フリーランス法の概要 2023年5月12日、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律25号)(以下「フリーランス法」あるいは「法」といいます)が公布されました。次いで、2024年4月12日、フリーランス法を施行するための政省令、指針、ガイドライン...
働き方改革の動きもあり、様々な雇用形態や法改正に対応した就業規則の整備や勤怠管理など、多様な人材が柔軟に働ける環境と組織・制度改革の重要性は高まっています。その一方で、具体的な施策を検討するうえで、何をどうすれば良いのかお悩みの方も多いのではないでしょうか? 2月17日に開催された「HR Inno...
2023年施行予定の法令と実務上の対応 人事労務関連の法改正は毎年のように行われており、担当者はその度に対応に追われています。昨年施行された女性活躍推進法のほか、2023年も労働基準法や育児介護休業法、労働基準法施行規則など法改正があります。 法改正への対応のためには「改正のポイント」「対象とな...
パワーハラスメント(パワハラ)は職場で働く人々に大きな悪影響を与えるため、企業には発生防止等のパワハラ対策が義務付けられています。この記事では、パワハラの定義や通常の指導との違い、企業に求められるパワハラ対策の内容、パワハラがあった場合の対応について解説します。 パワハラとは? パワハラの実...
育児・介護休業制度の個別の周知・意向確認の措置の義務化や、いわゆる「産後パパ育休」など、「男性育休」の促進を目的に掲げる改正育児・介護休業法が、2022年4月1日から順次施行されています。すべての会社で対応が必要となる今回の法改正のポイントを、弁護士法人大江橋法律事務所の小寺美帆弁護士が解説します...
2022年企業法務の展望
はじめに 労働法分野では毎年のように法改正や制度変更がなされています。働き方改革関連法が2019年4月から順次施行され、時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化などへの対応が求められました。また、2020年4月の労働基準法改正により賃金請求の消滅時効が5年(当面3年)に延長され、改正から3...
2021年11月4日、部屋探しアプリを運営するスタートアップ企業である株式会社BluAgeは、2022年卒の新卒採用において21人の内々定者に対して内々定を取り消したことを公表、謝罪しました。SNSでは内々定を取り消されたと訴える投稿も見られ、大きな反響が寄せられています。 本稿では、使用者側の労...