コンプライアンスとは?定義や違反事例をわかりやすく解説
企業に求められるコンプライアンスとは、「法令遵守」という本来的な意味にとどまらず、倫理や道徳、公序良俗などの社会的な規範に従い、公正・公平に業務を行うことをも意味します。 本稿では、企業に求められるコンプライアンス体制や、コンプライアンスの違反事例・リスク、コンプライアンス違反の予防策について...
コンプライアンスは本来「法令遵守」という意味の言葉です。しかし企業にとってのコンプライアンスとは、法令遵守にとどまらず、倫理や道徳、公序良俗などの社会的な規範に従い、公正・公平に業務を行うことを意味します。
企業が守るべき主な規範としては、①法令等、②社内規則・ルール、③社会規範などがあります。違反すると、損害賠償などの民事責任や罰金などの刑事責任を問われたり、事業停止などの行政処分を受ける場合があります。さらに、社会的信用の低下という重大な損失が生じる可能性があります。
コンプライアンスを徹底するには、内部統制システムの整備や従業員への教育・研修、最新情報のキャッチアップが必要です。
企業に求められるコンプライアンスとは、「法令遵守」という本来的な意味にとどまらず、倫理や道徳、公序良俗などの社会的な規範に従い、公正・公平に業務を行うことをも意味します。 本稿では、企業に求められるコンプライアンス体制や、コンプライアンスの違反事例・リスク、コンプライアンス違反の予防策について...
はじめに 最近は、企業において内部統制システムの構築が重要だと指摘されることが多いですが、コンプライアンスと内部統制システムの構築はどのような関係にあるのか、必ずしも明らかではないように思いますので、以下で解説します。 内部統制システムの意義と位置付け 「内部統制システム」は一般に会社のリ...
基本項目 上記回答のとおり、内部統制システムの基本となる項目は5つですが、取締役会設置会社か否か、監査役設置会社か否かなどによって、追加で決定しなければならない項目があります。 本稿では項目のみを挙げていますので、各項目について、どのようなことを決めるべきなのかについては、「内部統制システム...
はじめに 本稿では、具体的に、どのようなことを定めればよいのか、会社法施行規則に定められている項目に従って内容を説明します1。 「内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況」などと題して、ウェブサイト上でこれを公表している会社も多数あるので、以下の説明に加えて、各社のウェブサイト...
企業不祥事から学ぶ企業変革・組織開発への施策
名だたる上場企業には、「企業組織のなかに常に危機意識が存在し、企業変革を継続的に行っている」という共通点があります。新型コロナウイルス感染症の猛威が世界を覆い、状況が長期戦になるにつれ、これまで経営の前提となっていた多くの物事が変化し、企業の内部構造について相応の変容を強いられていくこととなりそう...
はじめに 昨今、東芝による不適切会計を始め、企業不祥事が後を絶ちません。このような企業不祥事が社内調査などで発覚した場合、企業はこれを必ず公表しなければならないのでしょうか? 基本的に、企業は、自社の不祥事について必ず公表や開示をしなければならないというわけではありませんが、まず、法令などに...
懲戒解雇について 懲戒解雇は、企業秩序・規律違反に対する制裁としての解雇と整理されます。そして、解雇は使用者による労働契約の一方的な解約であるため、現に労働契約が存在していることが前提となります。よって、すでに退職願を受理して退職となっている以上は、懲戒解雇とすることはできません。 損害賠償請...
近時の不祥事ケースと危機管理・リスク予防
はじめに(SNSやブログへの投稿による不祥事の増加) 近時、SNSを含むソーシャルメディアやブログへの投稿による不祥事が相次いでいます。このような不祥事が発生した場合、当該企業等の信用が失墜することで、補償金や賠償金等の経済的損失のみならず顧客の流出(買い控え)、取引先との取引停止など、企業の存...
パワーハラスメントのコンプライアンスリスク パワーハラスメント(以下「パワハラ」といいます)を行った加害者は、被害者に対して責任を負います。さらに、使用者である事業主も以下のような責任やリスクを負う場合があります。 深刻なパワハラ事案が発生した場合、被害者に多大な精神的・肉体的苦痛が及ぶだけ...
企業不祥事から学ぶ企業変革・組織開発への施策
本稿から、従業員不正の概要と発生原因、問題の本質や教訓、およびそれらを防止し、企業価値の向上に結びつけるための施策等についてお話しいたします。 本稿に関連性のあるテーマとして、田辺総合法律事務所の市川 佐和子弁護士との対談形式でまとめた「中途採用者のバックグラウンドチェックはどこまでできるか」...
この原稿の初出は以下の通りです。 論座 法と経済のジャーナル Asahi Judiciary(2021年7月26日) 三菱電機の検査不正 - コンプライアンスの機能不全 本年7月に発覚した三菱電機の検査不正は、日本の「コンプライアンスの機能不全」を明るみに出した衝撃的な事件となりました。三...
2020年11月、公正取引委員会は、医薬品の入札をめぐって大手医薬品卸業者4社が談合を繰り返した疑いが強まったとして、犯則調査権限に基づく家宅捜索を実施。同年12月9日には、公正取引委員会は家宅捜索を行った4社のうち1社を除く3社と、その従業員7名を検事総長に告発しました。 本稿では、独占禁止...
インテグリティとは何か
「コンプライアンス」の限界 コンプライアンスが日本企業に要求されるようになって20年ほど経つ。ESGやSDGsが投資の指標として重要視される昨今、コンプライアンス体制整備の必要性はさらに高まっている。日産や吉本興業の事件も、ガバナンスやコンプライアンスへの関心をさらに高めている。 しかし、日本...
企業経営においてコンプライアンスの強化が求められる一方で、企業の不祥事は後を絶ちません。法務・コンプライアンスに関わる人たちのネットワーク作りを行う場である「ぷらっと法務」を主催する大西 徳昭氏と三浦 悠佑弁護士は、企業におけるコンプライアンス体制を強化するために、弁護士だけではない様々な分野の専門...
はじめに 「税務コンプライアンス」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。 「税務」という言葉を聞いて法務・コンプライアンス部門の方々や弁護士が示す典型的な反応は、「税務が重要なのはよくわかるんだけど、苦手だな。」、「税務については、経理部・顧問税理士に任せています。」といったものではないで...
企業活動のグローバル化に伴い、日本本社のみならず海外拠点も含めてコンプライアンス体制を構築する重要性がよりいっそう高まっています。とはいえ、グローバル・コンプライアンスの対象領域の広さに圧倒されてしまったり、曖昧模糊として目的を定めるのに苦慮してしまったりしているケースも多いのではないでしょうか。...
ビジネスを取り巻く環境がかつてない速度と規模で変化を続けるなか、いかにして企業は、従業員のコンプライアンス意識を醸成し、自社の競争力を高めていくべきでしょうか。本稿では、企業コンプライアンスに詳しい増田 英次弁護士が、絶えず不祥事を繰り返してきた旧来型の管理支配型アプローチの問題点にメスを入れ、自...
法律の枠を超える「知識創造」コンプライアンス
法律の枠を超えてコンプライアンスについて語り合う場が「Re:houmu」です。 前回は発起人の大西 徳昭さん、三浦 悠佑さん、同会のメンバーである徳永 麻子さん、戸田 真理子さん、野口 あゆみさんに『「超」入門 失敗の本質』を題材とした「Re:houmu」の活動を振り返ってもらいました。 今回は...
企業コンプライアンスとブランディング 本稿は、企業コンプライアンス活動の中でも、特に組織風土の醸成の手法についてご紹介するものです。法律中心の企業コンプライアンスの世界にブランディングの手法を持ち込み、企業不祥事が起こりにくい「ジブンゴトの組織風土」を作るとともに、ESG/ SDGs経営を実現させ...
スタートアップの戦略と法務のポイント
スタートアップは、VC(ベンチャー・キャピタル)をはじめとする多数の投資家から複数回にわたって資金調達を行い、得られた資金を有効活用することで急速な成長を目指します。事業が本格的に拡大し始める「ミドル期」においては、資金調達も本格化し、種類株式等を利用して数億円から数十億円にものぼる多額の投資を受...