株主総会のトレンド
第2回 2026最新!株主総会の想定問答と解説 買収への対応方針ほか
コーポレート・M&A 更新
目次
一般に、上場企業各社の総会事務局・担当者は、株主総会において株主から受ける質問を想定して「想定問答」を作成します。株主は、関心を持っているトピックに関連して、「当社ではどうなっているのか」「A社では◯◯だそうだが、当社ではどうなのか」といった質問をすることがしばしば見られるため、近時のトピックに関する自社としての対応という観点からの準備を十分にしておく必要があります。
本稿では、近時の法改正や上場企業を取り巻く社会環境・市場環境の変化、時事問題に対応したトピックなど、最新動向を踏まえて想定される質問と回答例、および関連して運営担当者が知っておくべき事項について解説します。
当然ながら、回答内容は各社の状況に応じて異なるため、回答例をそのまま利用するのは難しいでしょうが、回答の方向性や説明方法の参考にし、また、答弁役員の事前準備に活用していただければと考えています。
想定問答の役割と注意点
一般に、上場企業各社の総会事務局・担当者は株主総会の想定問答を作成しますが、想定どおりの質問がなされることは必ずしも多くありません。
実際の質疑応答の際に、用意していた想定問答の中から近いものを選んで回答部分を読み上げると、質問と回答がかみ合わないものになってしまったり、株主に「答弁役員は事前に用意された原稿を読み上げている」という印象を与えてしまうおそれがあります。そのため、想定問答を回答時に読み上げるべき原稿と位置付けるのは望ましいことではありません。
想定問答の役割は、答弁役員が事前にどのような質問がなされそうかを把握し、回答の方向性を確認したり回答の練習を行ったりすることや、実際の質疑応答の際の参考資料とすることにあります。そして、実際の質疑応答の場面では答弁役員が自らの言葉で回答・説明を行うのが理想です。
本稿および本連載第1回で扱うトピックの中には、昨今の株主総会において株主から質問がされやすい割には、これまで十分に検討されてこなかったものも多いと思いますので、適切に準備しておく必要があります。それでは見ていきましょう。
AIの活用
質問と回答例
近時注目を集めているAIの利活用について、当社ではどのような施策を講じているのか。また、そのリスクにどう対応しているのか。
A
当社では、企業価値向上に向けた重要施策の1つとして、AIの導入・活用を推進しております。現在、◯◯業務への導入を進めており、業務プロセスの効率化など、一定の成果が現れております。また、AI活用に伴う固有のリスクについても十分認識しており、これに対応するための管理体制の整備を進めております。具体的には、◯◯の手続を実施する運用を採用することにより、AI活用に伴うリスク防止に向けた対応を講じております。
解説
(1)AIの利用拡大の動き
AI関連技術は日々発展しており、企業においては、単にビジネスプロセスにAIを組み込むだけではなく、AIが創出する価値を踏まえ、ビジネスモデル⾃体の再構築に取り組む動きも広がっています。
他方、AI技術の利⽤拡⼤に伴い、たとえば⽣成AIに関しては、著作権の侵害、個人情報の漏えい、機密情報の漏えい、偽情報・誤情報(ハルシネーション)の⽣成・拡散など、新たなリスクが顕在化しています。また、一律にAIの利用を禁止することも、いわゆる「シャドーAI」のリスクを伴います。
この点について、総務省・経済産業省は「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日)を公表し、AIを活⽤する事業者に向けた指針を示しています。特に、利⽤分野や利⽤形態に応じて生じ得るリスクの⼤きさ(危害の重大性およびその蓋然性)を把握したうえで、リスクの程度に応じて対策を講じる「リスクベースアプローチ」に基づき、企業が整備すべき指針や、その実践に必要となる「AIガバナンス」の構築の方向性が示されています。
(2)回答の方針
株主から質問に対しては、AI導入の目的や具体的成果を説明するだけでなく、AI利用に伴うリスクをどのように把握・評価し、それに対してどのようなAIガバナンスを構築しているかについても、具体例を交えながら説明することが期待されているといえます。
資本コストや株価を意識した経営
質問と回答例
当社は資本効率が悪い。その改善のためには株主還元を強化すべきだ。この点について、どう考えているか。
A
当社としては資本コストを意識した経営を推進しており、その指標として◯◯を重視しております。本事業年度における当該指標は◯◯ですが、◯◯年度までに◯◯を達成することを目標としております。当該指標の向上を図るため、◯◯などの施策を遂行してまいります。他方、当社は、当社の利益体質と事業環境を踏まえて、成長投資と株主還元が最適なバランスとなるよう、株主還元の方針を決定しております。
解説
(1)資本コストや株価を意識した経営
東京証券取引所(以下「東証」といいます)は、2023年3月31日、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表し、プライム市場・スタンダード市場の全上場会社を対象として、単に損益計算書上の売上や利益水準を意識するだけでなく、バランスシートをベースとする資本コストや資本収益性を意識した経営の実現に向けて、現状分析、計画策定・開示、取組みの実行を行い、年1回以上、進捗状況に関する分析を行い、開示をアップデートすることを要請しました。
東証は、2026年4月28日、「「資本コストや株価を意識した経営」に関する要請のアップデート」を公表し、これまでの要請をアップデートする形で、経営資源の適切な配分を中心とした投資家の期待や取組みのポイントを取りまとめています。
東証では、国内外の投資者との面談から得られたフィードバックに基づき、「投資者の視点を踏まえた対応のポイントと事例」を取りまとめ、2024年2月に初版を公表し 1、2024年11月には、新たに「投資者の目線とギャップのある事例」を追加するなどアップデートを行っています。また、2025年12月には、新たに「課題解決に向けた企業の取組み事例集」を取りまとめ、課題解決に繋がった取組みが紹介されています。併せて、「投資家の視点を踏まえた対応のポイントと事例」についても、最新(2025年)の事例を反映し、アップデートがなされています 2。
開示について書式の定めはありませんが、経営戦略や経営計画、決算説明資料、自社ウェブサイト、上場維持基準の適合に向けた計画などの中で開示することが想定されています。東証「コーポレート・ガバナンスに関する報告書 記載要領」(2025年7月改訂版)においても、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示を行っている場合、その旨とその閲覧方法を記載することが求められています。
この要請においては、企業は、資本収益性や市場評価の改善に向けた方針や目標について、投資者にわかりやすい形で示すことが期待されており、現状分析や目標に係る指標としては、資本コスト(WACC、株主資本コストなど)、資本収益性(ROIC、ROEなど)、市場評価(株価・時価総額、PBR、PERなど)に係る指標の利用が考えられます。
とりわけ、PBRに関して、いわゆる「PBR1倍割れ」は、資本コストを上回る資本収益性を達成できていないことが示唆される1つの目安ですが、東証が市場区分の見直しに関するフォローアップ会議において2023年1月30日に公表した「論点整理を踏まえた今後の東証の対応」の中で、PBRが継続的に1倍を割っている会社に対しては、自社の資本コストや資本収益性の改善に向けた方針や取組み、その進捗状況などを開示することを強く要請したこともあり、PBR1倍割れの銘柄に注目が集まる傾向が見られます。
もっとも、その対応としては、資本収益性の向上に向けてバランスシートが効果的に価値創造に寄与する内容となっているかを分析した結果として、自社株買いや増配が有効な手段と考えられる場合もあるものの、自社株買いや増配のみの対応や一過性の対応を期待するものではない、と東証は指摘しています。アクティビストは、とかく資本効率の改善を旗印に株主還元強化を要求する動きが見られますが、東証は、あくまでも、継続して資本コストを上回る資本収益性を達成し、持続的な成長を果たすための、抜本的な取組みを期待しているところです。
企業は、そのための方針や目標、具体的な内容を投資者にわかりやすく示し、投資者からの評価を得ながら、開示をベースとした投資者との積極的な対話を通じて、取組みをブラッシュアップしていくことが期待されています。
(2)回答の方針
株主から資本効率の向上のための自社株買いなどの株主還元に関する質問がなされた場合、株主還元のみならず、資本コストや資本収益性を十分に意識しながら持続的な成長の実現に向けた取組みの推進が期待されているといえますが、そのうえで、具体的な指標・数値目標を説明できることが望ましいと考えられます。
買収への対応方針
質問と回答例
企業買収のニュースをよく見るが、当社が買収の提案を受けた場合には、どのように対応するのか。実際に、買収提案は受けているのか。
A
買収提案に関するご質問について、現時点において、株主の皆さまにご説明すべき具体的事項はございません。
当社は、株主や投資家の皆様とのコミュニケーションを重視し、平素よりIR・SR活動を通じてこれに努めております。真摯な買収提案を受けた場合、買付者に対して情報提供を求め、取締役会としての真摯な検討を行い、株主の皆様に十分な情報の提供を行ったうえでご判断いただくようにする所存です。
解説
(1)企業買収行動指針の公表
近年、企業買収に関する動きが活発化しており、とりわけ「同意なき買収」(敵対的買収)の件数が上場企業において増加傾向にあります。こうした動向を受けて、企業買収への対応方針に対する注目も高まっています。
コーポレートガバナンス・コードには以下のとおり記載されています(コーポレートガバナンス・コードの改訂案 3 においても、基本原則1の解釈指針に同趣旨のことが記載されています)。
買収防衛の効果をもたらすことを企図してとられる方策は、経営陣・取締役会の保身を目的とするものであってはならない。その導入・運用については、取締役会・監査役は、株主に対する受託者責任を全うする観点から、その必要性・合理性をしっかりと検討し、適正な手続を確保するとともに、株主に十分な説明を行うべきである。
補充原則1-5①
上場会社は、自社の株式が公開買付けに付された場合には、取締役会としての考え方(対抗提案があればその内容を含む)を明確に説明すべきであり、また、株主が公開買付けに応じて株式を手放す権利を不当に妨げる措置を講じるべきではない。
上場企業としては、平素より投資家との対話(エンゲージメント)を通じて、株主や市場の動向を適切に把握しておくことが重要です。そのうえで、買収への対応方針を導入する場合でも、その目的は経営者の保身ではなく、一般株主の利益を守ることを目的とするものであること、そのために株主に対する十分な情報提供に努めるべきことを意識する必要があります。
経済産業省は、2023年8月31日に「企業買収における行動指針」(以下「企業買収行動指針」といいます)を公表しました。この指針は、上場会社の経営支配権を取得する買収をめぐる買収者や対象会社の行動の在り方を中心とした原則論およびベストプラクティスを示したものです。
企業買収行動指針の公表により、これまであまりなされてこなかった上場企業同士の「同意なき買収」提案が実際に増加していますし、今後もこのような事例は増加していくと見込まれています。昨今の事例でも、上場企業が同意なき買収提案を行った事例や、上場企業が子会社化を目的としたTOB(公開買付け)の実施や、対抗TOBの事例も見られるようになっています。
また、近時では、特定の企業に対して複数のアクティビストが群がることにより、短期的な企業価値向上を求める強いプレッシャーをかけるなどして経営介入を行うような行動も見られるようになっています。このような状況下では、買収への対応方針の導入を行うとしても限界があり、また、買収への対応方針の導入・対抗措置の発動に関する議案を株主総会で可決すること自体にも、困難が伴います。
こうした状況を回避するには、平時から企業価値の最大化に向けた施策を着実に講じていくことが重要となります。
(2)公開買付制度・大量保有報告制度の改正
また、金融庁も、2023年12月、金融審議会「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」報告を公表しました 4。これを踏まえ、公開買付制度・大量保有報告制度の改正を含む「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案」が2024年5月15日に成立しました。ここでは、市場内取引によって会社支配権に重大な影響を及ぼし得る場合にもTOBの実施を義務付けるべきことや、TOBが必要となる閾値を「3分の1」から「30%」へ引き下げることなどの重要な改正がなされました。改正法は、2026年5月1日に施行されました。
大量保有報告制度においても、共同保有者の範囲が明確化されるなどの改正がなされています。ここでは、複数の機関投資家が特定の株主総会における特定の議案に関して議決権の共同行使を合意する形での協働エンゲージメントが意識されています。
(3)実質株主確認制度の検討
さらに、法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会において、会社法改正に関する議論が進められていますが、株主・投資家との対話を促進する観点から、株主名簿上の株主に実質株主(株主名簿上の株主に対する議決権指図権限等を有する者)の情報を請求できるようにする会社法改正も議論されています。現行法の下では、保有割合が5%超の株主に情報開示を義務付ける大量保有報告制度はあるものの、5%以下の実質株主を企業が把握する制度はありませんが、企業が実質株主を確認するための制度(実質株主確認制度)の創設が、法制審議会に諮問されています。
また、2025年6月26日、日本版スチュワードシップ・コード(「責任ある機関投資家」の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》~投資と対話を通じて企業の持続的成長を促すために~」の第三次改訂版が公表されました。機関投資家は、投資先企業との間で建設的に対話を行うために、投資先企業からの求めに応じて、自らがどの程度投資先企業の株式を保有しているかについて企業に対して説明すべきであり、投資先企業から求めがあった場合の対応方針についてあらかじめ公表すべきであるとされています(4-2)。
(4)回答の方針
一般株主からこのような制度変更の動向にまで踏み込んだ質問を株主総会で行うことは多くありませんが、昨今の企業買収などをめぐる動向、特に同意なき買収の具体的な事案を踏まえて、自社に対する買収に対する考え方についての質問がなされる可能性は十分にあります。その場合、近時の法改正や企業買収行動指針への理解を踏まえ、自社としてどのように企業価値の向上に努めているかを丁寧に説明することが求められます。
現時点における買収提案の有無に関する質問に対しては、適時開示を行っていない限り説明する必要はなく、むしろ説明すべき事項はない旨の回答を行うべきです。
子会社における不祥事対策
質問と回答例
子会社での不祥事が発覚して親会社にも影響が及ぶ事例が頻発している。当社は大丈夫なのか。どのような対策を講じているのか。また、海外子会社の不祥事対策はどうか。
A
子会社での不祥事が発生する事案が報道されていることは認識しており、当社でも不祥事予防のための取組みを行っております。
まず、当社グループ全体のガバナンスに関する基本方針(グループ・ガバナンス方針)を策定しております。また、第1線の事業部門、第2線の管理部門、第3線の内部監査部門からなる、いわゆる3線ディフェンスを適切に運用することにより、内部統制システムの実効性を高めるべく取り組んでおります。具体的には各部門の独立性を担保するとともに、その役割について役職員に周知させる取組みを行っております。
ご指摘の海外子会社につきましては、現地の法制度やビジネス慣行等を適切に理解したうえで、特性に応じたモニタリング体制を構築しております。また、子会社役員には十分なコンプライアンス意識を持った経営人材を登用しているほか、定期的なコミュニケーションを図っています。また、不祥事の早期予防および発見のため、グループ全体から通報を受け付ける統一的な内部通報制度を設けています。
解説
(1)グループガイドラインの策定
2019年6月28日、経済産業省は「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」(以下「グループガイドライン」といいます)を策定しました。
これはコーポレート・ガバナンス・システム研究会(第2期)の議論の成果を、グルーブガバナンスの実効性を確保するために一般的に有意義と考えられる具体的な行動(ベストプラクティス)や重要な視点を取りまとめたものです。主として単体としての企業経営を念頭に作成されたコーポレートガバナンス・コードの趣旨を敷衍し、子会社を保有しグループ経営を行う企業においてグループ全体の企業価値向上を図るためのガバナンスの在り方が示されています。
グループガイドラインの目的は、企業グループとして、中長期的な企業価値向上と持続的成長を図るため、「守り」と「攻め」の両面でいかにガバナンスを機能させるか、事業ポートフォリオをどのように最適化するか等、実効的なグループガバナンスの在り方に関し、各社における検討に資するようなベストプラクティスを示すことにあるとされています。
また、グループガイドラインは、一般的なベストプラクティスを示すものであり、これに沿った対応を行わなかったことが取締役等の善管注意義務違反を構成するものではないとされています。その一方で、本ガイドラインに沿った対応を行った場合には、他に特段の事情がない限り、通常は善管注意義務を十分に果たしていると評価されるであろうとされています。
(2)グループガイドラインの内容
グループガイドラインでは、①グループ設計の在り方、②事業ポートフォリオマネジメントの在り方、③内部統制システムの在り方、④子会社経営陣の指名・報酬の在り方、⑤上場子会社に関するガバナンスの在り方などに分けて記載がなされています。
以下では、このうち③の内容の一部を紹介します。
まず、内部統制システム構築・運用に関する基本的な考え方として、グループ全体での実効的な内部統制システムの具体的設計にあたっては、各社の経営方針や各子会社の体制等に応じ、監視・監督型や一体運用型の選択や組合せが検討されるべきとされています。内部統制システムの高度化にあたっては、ITの活用等により効率性とのバランスを図ることも重要と指摘されています。
また、親会社の取締役会は、グループ全体の内部統制システム構築に関する基本方針を決定し、子会社を含めたその構築・運用状況を監視・監督する責務を負うとされています。グループ全体の内部統制システムの監査については、親会社の監査役等と子会社の監査役等の連携により、効率的に行うことが検討されるべきともされています。
さらに、実効的な内部統制システムの構築・運営の在り方として、第1線(事業部門)、第2線(管理部門)、第3線(内部監査部門)からなる「3線ディフェンス」の導入と適切な運用の在り方が検討されるべきとされています。
加えて、監査役等の人材育成や指名・選任にあたっては、役割認識・意欲や専門的知見について配慮すべきこと、経営トップは管理部門や内部監査部門の重要性を認識し、中長期的な人材育成や、専門資格の取得等を通じた専門性やプロフェッショナル意識の向上を図るべきと指摘されています。
(3)不祥事予防のプリンシプル
2018年3月30日、日本取引所自主規制法人は、不祥事(重大な不正・不適切な行為等)を予防する取組みの実効性を高めるための原則をまとめた「上場会社における不祥事予防のプリンシプル」を策定しました。同プリンシプルでは、グループ全体に行きわたる実効的な経営管理を行うこととされ、管理体制の構築にあたっては、自社グループの構造や特性に即して、各グループ会社の経営上の重要性や抱えるリスクの高低等を踏まえることが重要であると指摘されています。
より具体的には、コンプライアンスの方針についてはグループ全体で一貫させるべきであり、子会社・孫会社等をカバーするレポーティング・ライン(指揮命令系統を含む)が確実に機能し、監査機能が発揮される体制を、適切に構築することが重要であるとされています。
また、特に海外子会社や買収子会社にはその特性に応じた実効性ある経営管理が求められており、①海外子会社・海外拠点に関し、地理的距離による監査頻度の低下、言語・文化・会計基準・法制度等の違いなどの要因による経営管理の希薄化の問題があること、②M&Aにあたっては、必要かつ十分な情報収集のうえ、事前に必要な管理体制を十分に検討しておくべきこと、買収後は有効な管理体制の速やかな構築と運用が重要であることに留意すべきとされています。
(4)回答の方針
グループガイドラインの内容も踏まえ、グループ全体での内部統制システム構築・運用の状況など不祥事予防に向けた取組みの内容について具体的な説明を行うことになります。
実効性ある経営管理が特に求められるとされている海外子会社や買収子会社については、特に具体的な取組みの内容を丁寧に説明することが考えられます。
公益通報者保護法(内部通報制度)
質問と回答例
当社の内部通報制度は、不祥事案の発覚につながるものとなっているのか。内部通報制度の運用に際して特に留意していることがあれば教えてもらいたい。
A
当社では内部通報制度を設置しており、法令や指針の内容も踏まえ、適切な体制を整えております。
内部通報制度は、不祥事案を未然に防止し、あるいは、早期に発見するために有益な制度であると捉えており、制度が実効的に機能するよう、従業員には積極的に制度を利用するよう呼びかけをしております。
内部通報制度の運用に際しては、通報者の秘密の保護、不利益取扱いの禁止、通報事案に対する適切な調査および是正措置の実施という点が重要であると考えており、制度に関わる従業員にも運用方法に関する研修を受けさせるなどして、実効性を向上させるための取組みを進めております。
解説
(1)労働者301人以上の事業者がとるべき措置
2022年6月に施行された改正公益通報者保護法は、労働者が301人以上の事業者に対し、内部通報に対応する窓口の設置、内部規定の策定、公益通報に適切に対応する体制を整備することなどを義務付けています。
これを受けて、消費者庁は、事業者の義務の具体的内容を定めるために「公益通報者保護法に基づく指針 5」(以下「法定指針」といいます)を定めて(令和8年3月31日一部改正(施行日:令和8年12月1日))、事業者に以下のような措置を求めています。
措置② 不正が疑われる事案の関係者を調査に関与させない措置をとること
措置③ 不利益な取扱いを行うことを防ぐための措置をとること
措置④ 通報者の探索を行うことを防ぐための措置をとり、探索が行われた場合に懲戒処分等の適切な措置をとること
措置⑤ 不正の是正措置をとった場合等に通報者へ通知すること 事業者は、法定指針で定められたこれらの措置を実施する必要があります。
また、消費者庁は、2021年10月、「指針の解説 6」も公表しました(令和8年3月31日一部改正(施行日:令和8年12月1日))。これには、法定指針に沿った対応をとるためにいかなる取組みが必要であるかという検討を後押しするため、「指針を遵守するために参考となる考え方や指針が求める措置に関する具体的な取組例」が示されており、また、「指針を遵守するための取組を超えて、事業者が自主的に取り組むことが期待される推奨事項に関する考え方や具体例」についても示されています。
(2)不備による行政指導
消費者庁は、必要に応じて事業者に報告を求め、違反があれば助言、指導や勧告をし、従わない場合は事業者名を公表することができるとされています。
実際に、消費者庁は、2024年1月、ダイハツ工業の品質不正問題をめぐり、公益通報者保護法に基づく内部通報制度の運用に不備があるとして、同社に対して改善を求める行政指導を行ったことを発表しました 7。ダイハツ工業の内部通報制度の運用について消費者庁が調査したところ、法定指針で求められた措置(上記の措置②・⑤)がとられていなかったことによるものとのことです。
このように、不祥事案の発生等を端緒として内部通報制度の運用上の不備が発覚した場合、消費者庁からの行政指導を受ける可能性もあります。
(3)公益通報者保護法の改正(2025年6月)
2024年12月の有識者検討会(公益通報者保護制度検討会)の報告書を受けて2025年6月4日、「公益通報者保護法の一部を改正する法律」が成立しました。改正法は2026年12月1日から施行されます。
改正法は、上記報告書の提言を踏まえ、公益通報を理由として解雇や懲戒をした場合に刑事罰を科す罰則規定を設けることなどにより、実効性向上を図るものです。主な改正項目は以下のとおりです。
- 事業者が公益通報に対応するための体制整備の徹底と実効性の向上
- 公益通報者の範囲の拡大(フリーランスを追加)
- 公益通報を阻害する要因への対処
- 公益通報を理由とする不利益な取扱い抑止・救済を強化するための措置(通報後1年以内の解雇または懲戒処分は、公益通報を理由として行われたものと推定する規定。公益通報を理由として解雇・懲戒処分をした事業者に3,000万円以下の罰金、処分を決定した個人に6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金など)
(4)法定指針および指針の解説の改正
さらに、本改正を踏まえ、法定指針および「公益通報者保護法に基づく指針の解説」についても改正が行われています。
今回の改正で特に重要なのは、①「範囲外共有、通報妨害及び通報者探索の防止に関する措置」が独立した項目として整理・明確化されたこと、②「労働者等に対する周知に関する措置等」が新たな項目として追加されたことです。
まず、①「範囲外共有、通報妨害及び通報者探索の防止に関する措置」については、事業者に対し、通報者を特定させる情報を必要な範囲を超えて共有しないための措置を講じることに加え、公益通報をしないよう働きかけたり、通報を理由とする不利益を示唆するなど、通報を萎縮させる行為を防止する措置を講じることが求められています。また、誰が通報したかを探索する行為についても、防止措置を講じるべき対象として明確に位置付けられており、指針解説では、これらの行為を行ってはならないことを規程等で明確化することや、違反行為に対しては懲戒処分その他の適切な措置を講じることなどが例示されています。
また、②「労働者等に対する周知に関する措置等」については、内部通報制度の存在を形式的に知らせるだけでは足りず、公益通報制度の意義、公益通報者保護の内容、範囲外共有・通報妨害・通報者探索の防止措置、通報対応従事者の守秘義務等について、労働者等に適切に周知・教育することの重要性が明確化されています。
このように、今回の法定指針・指針解説の改正は、内部通報制度について、単なる窓口設置や規程整備にとどまらず、通報を萎縮させる行為を防止し、役職員が安心して利用できる制度として実効的に機能させることをより重視する内容となっています。
(5)回答の方針
内部通報制度の設置状況、利用の状況等を踏まえて、法令や法定指針の内容を遵守して適切な制度を設置していることを説明することになります。
内部通報制度を実効的に機能させるための措置として、従業員等への教育、周知に関する措置を行うことも必要とされていることから、これらの点への取組みの状況を説明することも考えられます。
裁量労働制
質問と回答例
裁量労働制については、近時、制度改正や対象業務の見直し等に関する議論が進められていると聞いている。
当社では裁量労働制をどのように運用しているのか。長時間労働の問題はないのか。また、今後の制度改正や対象拡大の議論にどのように対応する考えか。
A
裁量労働制について、近時、制度改正や見直しに関する議論が継続していることは認識しております。
当社では、裁量労働制は、その制度趣旨に適合する業務および従業員に限定して適用するべき制度であると考えております。そのため、対象業務の適切性、実際の業務遂行上の裁量の有無、労働時間の状況、健康・福祉確保措置の実施状況等について継続的に確認しながら運用しております。
また、2024年4月施行の制度改正を踏まえ、本人同意や同意撤回手続の整備等、必要な制度対応も実施しております。
現在、労働政策審議会等において、裁量労働制を含む労働時間法制全般について議論が進められておりますが、当社としては、柔軟な働き方と健康確保とのバランスが重要であると考えており、今後の制度改正や議論の内容も踏まえながら、適切に対応してまいります。
解説
(1)裁量労働制をめぐる2024年改正
裁量労働制については、2024年4月1日から、省令・告示改正が施行されています。今回の改正は、従前から問題視されていた、制度趣旨を逸脱した運用や長時間労働につながりやすいのではないかとの批判を踏まえ、制度の適正運用と労働者保護を強化する趣旨で行われたものです。
主たる改正の内容は、①本人同意制度の導入、②同意撤回制度の整備、③健康・福祉確保措置の強化等です。
まず、専門業務型裁量労働制については、従前は制度適用にあたり労働者本人の個別同意までは法令上要求されていませんでした。しかし、2024年改正により、制度適用にあたっては、本人の同意取得が必要となりました。さらに、労働者が制度適用に同意しなかった場合や、後に同意を撤回した場合について、不利益取扱いをしてはならないことも明確化されています。加えて、同意後においても、労働者が裁量労働制から離脱できるよう、同意撤回手続を定めることが義務付けられました。これは、一度同意すると実質的に離脱できないとの批判を踏まえたものです。
また、健康・福祉確保措置についても強化されています。改正後は、労使協定または労使委員会決議において、健康・福祉確保措置を定める必要があり、厚生労働省は、勤務間インターバルの確保、深夜労働回数制限、一定時間超過時の医師面接、連続休暇取得等の措置のうち、複数の措置を組み合わせて実施することが望ましいとの考え方を示しています。特に、把握した対象労働者の勤務状況および健康状態を踏まえ、一定時間を超える長時間労働が認められる場合には、医師による面接指導等を実施することが望ましいとされています。
(2)現在進行中の見直し議論
さらに、2025年以降、労働政策審議会労働条件分科会では、働き方改革関連法施行後5年見直しの一環として、裁量労働制を含む労働時間法制全体について議論が継続しています。
そこでは、使用者側からは、専門性の高い人材の活用や柔軟で自律的な働き方を実現する観点から、裁量労働制を含む労働時間制度について、より実態に即した柔軟な制度設計を求める意見が出されています。これに対し、労働者側からは、裁量労働制は長時間労働を助長しやすく、名ばかり裁量労働が生じやすいとして、制度の対象範囲拡大や要件緩和には慎重であるべきとの意見が示されています。
また、近時は、リモートワークの定着や高度専門人材の増加等により、従来型の労働時間管理になじまない働き方が拡大しているとの指摘もあり、企業側からは、成果ベース・自律型の働き方を可能とする制度の必要性が主張されています。
一方で、人的資本経営や健康経営への関心の高まりもあり、長時間労働やメンタルヘルス不調への懸念から、制度の適正運用や健康確保措置の実効性を重視する方向性も強まっています。
(3)現在問題となりやすい論点
近時、株主総会等において裁量労働制が問題となる場合、単に制度を導入しているか否かではなく、実際に裁量が存在しているか、対象者が適切に限定されているか、長時間労働が発生していないか、健康確保措置が機能しているか、本人同意や撤回制度が適切に運用されているかといった運用実態が問題視されることが多いと考えられます。
また、人的資本経営、ESG、健康経営等の観点から、労務管理体制そのものをガバナンス上の問題として捉える投資家も増えており、裁量労働制の運用についても、単なる労務問題ではなく、企業価値やレピュテーションに関わる問題として注視される傾向があります。
(4)回答の方針
株主から裁量労働制に関する質問がなされた場合には、①制度改正および近時の見直し議論を把握していること、②現行制度に適合した運用を行っていること、③健康確保措置や適用対象管理を重視していること、④将来の制度改正にも適切に対応する方針であることを中心に説明することが考えられます。
2026年4月時点では、裁量労働制について、更なる法改正が成立・施行された状況までは確認されていません。そのため、将来の制度変更を前提に断定的な説明を行うのではなく、現行制度への適切な対応と、今後の制度動向を踏まえた継続的な見直し姿勢を示すことが実務上は適切と考えられます。
その他の想定質問
上記以外に想定される質問を以下で紹介します。各社の状況に応じた回答例を作成し、また、答弁役員の事前準備にご活用ください。
デジタル化・DX推進、生成AIの活用
- DXの推進の重要性がますます高まっている。当社も対処すべき課題にDX分野をあげているが、具体的な人員計画を教えてほしい。
- 生成AIの事業への活用の状況(あるいは検討状況)を説明してもらいたい。また、生成AIの利用に伴うリスクにはどのようなものがあり、どのように対処することを検討しているのかも教えてもらいたい。
- 2023年6月、政府は2030年までに東証プライム企業の女性役員比率を30%以上にする目標を掲げたとのことである。当社の女性役員比率は30%を下回っているが、今後どのように対応するつもりなのか。
- 女性役員を増やすといっても、女性の社外役員を増員するということではなく、女性の社内役員が増加するのが望ましいはずである。将来的に社内役員となり得る人材の育成にはどのように取り組んでいるのか。
- 生成AIの利用に伴い、著作権侵害や営業秘密漏えい等のリスクが問題となっているが、当社ではどのようなガイドラインや統制を設けているのか。
役員(報酬、スキル・マトリックス開示)
- 業績連動型の役員報酬制度を導入するのであれば、反対に、業績の悪化や不祥事の発生の場合、役員報酬を会社に返還させるいわゆるクローバック条項の導入を検討しているか。
- 会社法の改正により、取締役の確定金銭報酬を新設・変更する場合も、それが相当とする理由を説明する必要がある。本総会では、取締役報酬の改定議案はないが、現在の取締役報酬について相当と考える理由を説明してほしい。
- スキル・マトリックスを見ると、各役員につき一定の分野の知見を有しているという内容となっているが、これはどのような基準でどのように判断しているのか説明してもらいたい。
- スキル・マトリックスの対象項目をこのように設定した理由を説明してもらいたい。
- 当社の役員報酬制度は、中長期的企業価値向上に本当に連動しているのか。短期利益偏重となっていないか。
- 社外取締役について、独立性だけでなく、実際にどのような形で経営監督機能を発揮しているのか。
サステナビリティ
- SDGsへの取組みについて、当社はどのような方針であり、そのコストはどの程度を見込んでいるか。
- カーボンニュートラルの取組みについて、当社はどのような方針であり、そのコストはどの程度を見込んでいるか。
- ESGへの取組みについて、当社はどのような方針であり、そのコストはどの程度を見込んでいるか。
- 当社はプライム市場に上場しており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿った開示が義務付けられているが、気候変動に係るリスクや収益機会が当社の事業活動や収益にどのような影響を与えるか、それをどのように開示していくか。
- ISSB基準やサステナビリティ開示基準の導入が進んでいるが、当社はどのように対応する方針か。
- 人権デューデリジェンスについて、サプライチェーンのどの範囲まで確認を行っているのか。
- 脱炭素投資に伴うコスト増加が当社収益に与える影響をどのように考えているか。
内部通報制度
- 当社における内部通報制度の利用実績を教えてほしい。内部通報制度がまったく利用されていない場合は制度自体に問題があるといわれているが、当社ではどうか。
- 2025年公益通報者保護法改正により、通報者保護が強化されると聞いているが、当社ではどのような対応を進めているのか。
- 内部通報制度において、通報者探索や報復行為を防止するため、どのような措置を講じているのか。
政治、経済、為替
- トランプ政権の動向について、当社の業績にどのような影響があるか。それに対する対応策を講じているか。
- 日経平均が史上最高値を更新し、地合いが良いにもかかわらず、当社の株価が低迷しているのはどうしてなのか。
- 金利の上昇に伴う当社業績への影響を説明してもらいたい。
- 昨今の円安に伴う当社業績への影響を説明してもらいたい。
- 原油価格が高騰しているが、当社業績への影響はどうか。また、リスクヘッジ対策は十分に行っているのか。
- 政府は地方創生を政策に掲げているが、当社には地方創生につながる取組みはあるか。
- 米中貿易摩擦が当社の事業や業績に与える影響について教えてほしい。また、それに対して当社としてはどのような対応策を講じていくのか。
- アメリカ・イスラエルのイラン攻撃、ロシア・ウクライナ戦争、ガザ情勢、中国・台湾問題など方々で国際問題・紛争が発生しているが、当社経営に対する地政学リスクとして、どのようなものがあるか。
- 金利上昇局面において、当社の資金調達コストや不動産・有価証券評価への影響をどのように考えているか。
- 中国経済の減速や不動産不況が当社事業へ与える影響をどのように分析しているか。
- サプライチェーン分断リスクを踏まえ、生産拠点や調達先の見直しを検討しているか。
- 経済安全保障をめぐる最近の動きと当社の事業への影響を説明してもらいたい。
人事・労務
- 優秀な人材を確保するために新卒の新入社員に多額の報酬を支払う会社も出ているようであるが、当社ではそのような工夫は考えていないのか。
- 業務の見直しや削減により将来的に大幅な人員削減を見込んでいる企業も多いようであるが、当社では大幅な人員削減の計画や予定はないのか。
- ハラスメントに関する報道が後を絶たないが、当社におけるハラスメント事案の発生状況はどうなっているか。また、どのような防止策を講じているか。
- フジテレビの事案でも問題となった取引先によるハラスメントの防止について当社の取組みを説明してもらいたい。
- カスハラの防止について当社の取組みを説明してもらいたい。
- 2026年の賃上げ率は平均5.05 %と3年連続で5%超の高水準を維持しているとのことである 8。当社の賃上げ水準がこの平均値に到達していないとすれば、その原因はどこにあるのか。今後の賃上げの見通しも説明してもらいたい。
- リモートワークがまだまだ行われている中で、労働生産性が低下しないように、どのような取組みを行っているのか。
- リモートワークの増加に伴って従来どおりのオフィススペースは不要となり、事業所を縮小したり移転したりする会社が増えているようだが、当社もオフィスの縮小や移転の検討は行っているのか。保有する本社ビルを売却すれば資産効率の向上にもつながるはずであるが、それは検討しているか。
- ジョブ型雇用について、当社ではどのような考え方を持っているのか。
- 人的資本開示において、離職率やエンゲージメント等をどのように評価・改善しているのか。
- 従業員のメンタルヘルス不調や休職増加への対応をどのように行っているのか。
- 退職者による口コミサイト等での評価が問題となることがあるが、当社では従業員満足度向上のためどのような取組みを行っているのか。
コンプライアンス
- 国家公務員が職務の利害関係者から接待を受けたことが倫理規程に違反しているとされた事案が報道されているが、当社の関係省庁はどこになるのか。また、そのような関係省庁の公務員に対する接待を行っている事例はあるのか。
- 政治家による女性蔑視発言が話題になっていたが、当社においても女性の処遇をめぐって不適切な事例が発生したか。当社としてはどのように対応したか。
- 下請法違反や価格転嫁問題が社会問題となっているが、当社ではどのような対応を行っているのか。
- SNS上での役職員の不適切投稿等によるレピュテーションリスクへの対策は十分か。
リスク管理
- 大震災やその他の自然災害への備えは万全なのか。
- 広告宣伝に起用しているタレントの不祥事案件が週刊誌等で報道された場合、当社のレピュテーションに悪影響が及ぶことが懸念されるが、身辺調査はしっかりと行っているのか。
- 退職者による機密情報の漏えいの事件が多く発生しているようだが、当社では機密情報の漏えい防止のためにどのような施策を講じているのか。
- 過去に機密情報の漏えいが発生したことはなかったのか。
- 当社におけるサイバー攻撃への取組みについて教えてもらいたい。実際に攻撃を受けたような事案はあったのか。システムダウンのリスクはないのか。
- サプライチェーンやグループ会社を経由したサイバー攻撃に対するサイバーセキュリティは問題ないか。
- サイバー攻撃やランサムウェア被害に備えたバックアップ・復旧体制は十分か。
- AI利用拡大に伴う情報漏えいリスクについて、どのような対策を講じているのか。
- 経営陣を対象としたサイバー攻撃(ビジネスメール詐欺等)への対策はどうか。
- 地震・水害等によるサプライチェーン寸断時の事業継続計画(BCP)は十分に機能するのか。
その他
- ISS社やグラス・ルイス社などの議決権行使助言会社は、本総会の各議案に対してどのような理由でどのような意見(推奨)を行っているのか。反対推奨の場合、当社から助言会社に対して行った反論等の対応内容を説明してもらいたい。
- コロナ禍の影響による限定された株主総会の運営(お土産の中止など)は、来年以降は正常化できる見込みなのか。
- 親子上場に対しては外国人投資家等からの批判が強く、実際に少なくない会社でTOBによりこれを解消する動きが見られる。当社では親子上場解消に向けてどのような検討を行っているのか。
- グロース市場の上場維持基準の見直し(「上場5年経過後 時価総額100億円以上」へと⾒直し(現⾏:上場10年経過後 時価総額40億円以上)という新たな時価総額に関する基準が2030年3月1日以後最初に到来する事業年度の末⽇から適用予定)について、どのような対応をしているか。
- アクティビスト株主との対話について、どのような方針で対応しているのか。
- 同意なき買収提案を受けた場合、取締役会はどのような方針で検討を行うのか。
- 政策保有株式の縮減について、具体的な数値目標や方針はあるのか。
- PBR1倍割れについて、当社ではどのように認識しているのか。
- 株主還元と成長投資のバランスをどのように考えているのか。
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詳細は、日本取引所グループのマーケットニュース「投資者の視点を踏まえた「資本コストや株価を意識した経営」のポイントと事例の公表について」(2026年2月1日)をご参照ください。 ↩︎
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詳細は、日本取引所グループウェブサイトの「投資者の視点を踏まえた『資本コストや株価を意識した経営』のポイントと事例」をご参照ください。 ↩︎
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詳細は、金融庁・株式会社東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード改訂案の公表について」(令和8年4月10日)をご参照ください。 ↩︎
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正式名称は「公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」。 ↩︎
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正式名称は「公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)の解説」。 ↩︎
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2024年1月19日付け日本経済新聞「消費者庁、ダイハツに行政指導 内部通報制度の運用巡り」ほか参照。 ↩︎
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2026年5月12日付け日本経済新聞「26年の賃上げ率5.05%、連合第5回集計 中小は4.81%」ほか参照。 ↩︎
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