令和3年改正電子帳簿保存法のポイントと実務対応 インボイス制度も見据えて
はじめに 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下「電子帳簿保存法」または「法」といいます)が令和3年に改正され(以下「令和3年改正」といいます)、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上等を図るための法整備が行われました。 改正法は令和4年1月1...

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はじめに 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下「電子帳簿保存法」または「法」といいます)が令和3年に改正され(以下「令和3年改正」といいます)、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上等を図るための法整備が行われました。 改正法は令和4年1月1...
法務部に必要な税務に関する基礎知識
税務調査とは 税務調査手続の流れ 税務調査とは、申告内容が適正であるか否かについて、国税局や税務署の職員が納税者に対して質問への回答や資料の提出を求めるなどして確認し、申告内容に誤りが認められた場合にその是正を求める一連の手続をいいます。 税務調査の一連の手続は、国税通則法に基づき、大要、以...
法務部に必要な税務に関する基礎知識
組織再編税制の概要 組織再編成にかかる法人税法の基本的な考え方 法人税法では、資産を移転する際にその含み益や含み損を譲渡損益として計上することが原則となっています。これは合併や会社分割などの組織再編成に伴う資産の移転でも同様であり、結果として資産は時価で承継されることになります。 株式交換...
平成30年税制改正で抜本的に拡充された事業承継税制の特例の概要
「第1回 改正の経緯と特例承継計画の提出、対象株数・納税猶予割合」に続き、本稿では「承継パターン」、「雇用確保要件の事実上の撤廃」、「事業の継続が困難な事由が生じた場合の免除」、「相続時精算課税の適用」に関する改正点について解説します。 事業承継税制に関する従前の経緯や、特例措置と一般措置の違...
平成30年税制改正で抜本的に拡充された事業承継税制の特例の概要
事業承継税制はこれまで利用が低調でしたが、平成30年税制改正で下記の内容を含む特例措置の創設に伴い、抜本的に拡充されたことにより、その利用の拡大が見込まれています。 従前設けられていた、納税猶予の対象となる株式数の上限(発行済議決権株式総数の3分の2まで)が撤廃されたこと、相続税の納税猶予割合...
法務部に必要な税務に関する基礎知識
印紙税法の概要 課税文書とは 印紙税は、印紙税法別表第一の課税物件表に掲げられている下記の20種類の文書によって課税事項を証明する目的で作成されたもののうち、非課税文書に該当しない課税文書に課税されます(印紙税法2条)。 (※)詳細は国税庁ウェブサイトなどをご参照ください。...
はじめに 「税務コンプライアンス」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。 「税務」という言葉を聞いて法務・コンプライアンス部門の方々や弁護士が示す典型的な反応は、「税務が重要なのはよくわかるんだけど、苦手だな。」、「税務については、経理部・顧問税理士に任せています。」といったものではないで...
法務部に必要な税務に関する基礎知識
税務の視点を踏まえた契約審査の重要性 法務部の主な業務の一つとして契約書の審査・作成(以下「契約審査」といいます)があります。契約審査では、権利義務関係が明確にされているか、不測の事態のリスク分配に問題はないか、コンプライアンス上の問題を惹起することはないかという点など、法務の知見から検討するこ...
法務部に必要な税務に関する基礎知識
コンプライアンス問題としての税務 近年、上場会社を中心に、税務に関して経営陣の積極的関与や不正防止のための社内体制の整備を進めるなど、税務コンプライアンスの向上に努める企業が増えています。大企業では、数年に一度、多い場合には連年で税務調査が行われますが、税務調査を契機として所得隠しや申告漏れの事...
最新判例による税務コンプライアンス
節税目的の養子縁組は無効ではないとされた事例 節税目的で利用される養子縁組 養子縁組とは、血のつながりではなく、お互いの意思によって親子関係を成立させることをいいます。養子縁組はさまざまな目的によりなされますが、相続税対策として利用されることもあります。 たとえば、相続税を計算する場合、一...
最新判例による税務コンプライアンス
1棟ごとの戸数で判断すべきとされた事例 税法の解釈は文理解釈が原則 税法の解釈は、法律の文言通りに解釈する文理解釈が原則とされています。むやみに法律の文言を拡張したり、法律の文言から類推して解釈することは許されません。そうでなければ、税金が課される場合と課されない場合との区別が不明確になって混...
最新判例による税務コンプライアンス
株式を時価よりも低い払込価額で引き受けた場合の課税 株式を時価よりも低い払込価額で引き受けた場合、引き受けた者は、時価と払込価額の差額の贈与を受けたことになります。たとえば、株式の時価が100で払込価額が10とすると、100-10=90の贈与を受けたことになります。このため、原則として、株式の取...
最新判例による税務コンプライアンス
グループ法人税制とは グループ法人税制とは、100%の資本関係で結ばれた企業グループの内部で行われる一定の取引から生じる損益を繰り延べる税制をいいます。たとえば、そのような企業グループ法人同士で不動産を譲渡した場合、一般に、不動産の譲渡から生じる損益は税務上繰り延べられ、その後、グループ外の者に...
最新判例による税務コンプライアンス
恒久的施設とは企業が事業を行う一定の場所 恒久的施設とは、企業がその事業の全部または一部を行っている一定の場所をいい、事務所や工場などがこれに該当します。外国企業の日本における課税関係は、日本国内の恒久的施設を通じて事業を行っているか否かで大きく変わります。たとえば、米国企業がインターネットを経...
2015年12月24日に、「平成28年度税制改正大綱」が閣議決定され、電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件が大幅に緩和されることになりました。電子帳簿保存法の改正は2年連続となり、加速度的に規制緩和が進んでいる状況です。今回の法改正では、これまで領収書をのり付けして提出しなければいけなかったよ...
最新税務判例ポイント解説
同族会社の行為計算否認規定 東京高裁は、平成27年3月25日、同族会社の行為計算否認規定の適用をめぐる税務訴訟の判決理由において、同規定の適用基準について従来よりも踏み込んだ判断を示しました。 同族会社とは、例えば、子会社の株式全てを親会社が保有している場合の当該子会社など、少数の株主または社...
最新税務判例ポイント解説
文言解釈が原則とされる税法 東京高裁は、平成27年2月25日、外国子会社合算税制の適用をめぐる税務訴訟の判決理由において、税法の文言とは異なる解釈を示す通達の適法性を認める旨、判示しました。 国は、法律の根拠に基づくことなく、税金を賦課・徴収することはできないとされています(租税法律主義、憲...
最新税務判例ポイント解説
債権流動化の会計処理をめぐる税務訴訟 東京高裁は、平成26年8月29日、債権流動化の会計処理をめぐる税務訴訟において、注目すべき納税者逆転勝訴判決を下しました。 法人税法上の税務処理は、原則として、一般に公正妥当と認められる会計処理(「公正妥当な会計処理」)の基準に従うこととされています(同...
最新税務判例ポイント解説
移転価格税制における比較可能性 移転価格税制とは 東京地裁は、平成26年8月28日、移転価格税制における比較可能性の判断について注目すべき納税者勝訴判決を下しました(東京高裁判決平成27年5月13日により控訴棄却、確定)。 移転価格税制とは、例えば、日本の親会社が海外子会社との間で取引(国外...
税務調査と弁護士 「税務調査に弁護士が必要である」というと多くの人は首をかしげるかもしれない。確かにこれまで、税務において弁護士が活躍する場面としては、税務争訟が主で、税務調査において弁護士が活躍するということはあまり多くなかったと言えるだろう。 しかし、筆者はあえて、「税務調査に関する業務...