令和2年著作権法改正のポイントと実務への影響
第2回 リーチサイトに関する規制の概要
知的財産権・エンタメ
シリーズ一覧全3件
目次
はじめに
リーチサイトとは
「リーチサイト」とは、自身のウェブサイトにはコンテンツを掲載せず、他のウェブサイトで違法にアップロードされた著作物等(侵害コンテンツ)へのリンク情報等(URLなど)を提供するウェブサイトのことを指します。要するに、「著作権侵害コンテンツへのリンク集」のようなサイトです 1。
また、アプリケーションソフトを介してこのようなリンク情報等を提供することを「リーチアプリ」といいます(以下、両者を合わせて「リーチサイト等」といいます)2。
リーチサイト等においては、侵害コンテンツをジャンルごとに分類するなどし、ユーザーが望むコンテンツに到達しやすいようにするための工夫が施されています。こうしたリーチサイト等により、ユーザーが侵害コンテンツに誘導され、海賊版サイトによる被害が拡大したといわれています。電気通信大学の調査によると、「放送アニメ作品を対象としたサンプル調査の結果、まとめ型リーチサイトにリンクが張られている動画の平均視聴数が、そうでない動画に比べて約62倍であった」とされています 3。
改正の概要
今般の令和2年著作権法改正(以下「本改正」といいます。以下、著作権法の条文番号は本改正後のものを表記します)前の著作権法および裁判実務のもとでは、侵害コンテンツへのリンク情報等を提供する行為は、著作権侵害を理由とする差止請求の対象とならず、また、刑事罰を科すために立件することが事実上困難な場合が多いとされていました 4。
そこで、本改正では、リーチサイト等による被害状況を踏まえ、緊急に対応する必要性の高い悪質なものを対象に、民事措置(差止めおよび損害賠償)と刑事罰を科すこととされました。
以下、本改正の対象となるリーチサイト等とは何かを解説したあと(後述2)、本改正によって上記措置の対象となる次の対象者ごとに、いかなる行為が、どのように規制されるのかを解説します 5。
規制対象となる「リーチサイト等」とは何か?
対象と判断要素
本改正後の著作権法上、リーチサイトは「侵害著作物等利用容易化ウェブサイト等」と、リーチアプリは「侵害著作物等利用容易化プログラム」と、それぞれ定義されています(著作権法113条2項)。あるウェブサイト等が規制対象となるリーチサイトであるかどうかを判断する基準は、図表2のように整理することができます 6 7。ウェブサイト等にリンクを張ろうとする際には、図表2で整理した観点から、それがリーチサイト等ではないかをよく確認する必要があります。
本改正によるリーチサイト規制は、侵害コンテンツの拡散を助長する悪質なリーチサイト等を念頭に置いています。
立法過程の議論では、たとえば引用(著作権法32条)の要件を満たさないニュースまとめサイトのリンク集、剽窃論文のリンク集などについては、通常、リーチサイト等には該当せず規制の対象にはならないと整理されています。こういった場合、その記事または論文全体に対してリンクが張られるのが通常であるため、著作権侵害となっている不適切な引用部分または剽窃部分に「殊更に誘導」するものではなく、また、「主として」その部分の利用のために用いられるのではないと考えられたためです 8。
「ウェブサイト等」とは?
前掲図表2のとおり、「リーチサイト」とは一定の「ウェブサイト等」を指します。
この「ウェブサイト等」とは、次のものをいいます(著作権法113条4項)。
- ドメイン名が共通するウェブページの集合物(いわゆるウェブサイト)
- ウェブサイトの一部を構成する複数のウェブページであって、ウェブページ相互の関係その他の事情に照らし公衆への提示が一体的に行われていると認められるものとして政令で定める要件に該当するもの
このうち上記②は、「特定のTwitterアカウントに侵害コンテンツへのリンクばかりが掲載されている場合」や、「巨大なウェブサイトの一部の区分に侵害コンテンツへのリンクが集中的に掲載されている場合」などを補捉することを想定しています 9。
つまり、ウェブサイト全体として見れば侵害コンテンツへのリンクの割合が少なく、「リーチサイト」には当たらない場合であっても、その一部のウェブページのまとまりで見れば、侵害コンテンツへのリンクの数、割合等に照らし、主として侵害コンテンツの利用のために用いられていると認められる場合には、「ウェブサイト等」に当たるものとして規制の対象になります。
ただし、上記「政令」は本稿公表時点では未制定であるため、動向に注意が必要です。
リンク提供者に対する規制
民事上の差止請求および損害賠償請求
(1)全体像
本改正後の著作権法113条2項により、後掲図表3の要件を満たすリンク提供者の行為は著作権等を侵害する行為とみなされ、差止請求(著作権法112条)、損害賠償請求(民法709条、著作権法114条)等の対象となります 10。
(2)「リンク情報等の提供」について
URLその他のリンク情報等は、侵害コンテンツそのものに直接結び付けられたものである必要はなく、「実質的に侵害コンテンツへの到達を容易に行えるようにする情報の提供等と評価できる行為」を柔軟に含み得るものと解されます。
たとえば、①侵害コンテンツのURLを掲載する場合に限られず、②侵害コンテンツが含まれているウェブページのURLを掲載する場合や、③上記②のURLが掲載されているウェブページのURLを掲載する場合も、「リンク情報等の提供」に当たると判断されることがあると考えられます 11。
したがって、侵害コンテンツそのものへ直接リンクする場合でなくとも著作権法113条2項による規制の対象となる場合がありますので、リンク情報を掲載等しようとする際には、他のユーザーがリンク先を辿ることによって侵害コンテンツに到達することが実質的に容易になるものでないかを確認した方がよいといえるでしょう。
(3)「侵害著作物等」について
前掲図表3で「二次的著作物」の取扱いについて触れましたが、その内容についてさらに詳しく解説します。
著作権法113条2項柱書は、「侵害著作物等」から、翻訳の場合を除く著作権法28条の権利(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)を除外しています。原著作物と二次的著作物に関する権利関係は、後掲図表4のように整理できます。
たとえばマンガをアニメ化した場合、そのアニメは、原作であるマンガを翻案等して(創作的表現を付加して)創作されるため、通常、「二次的著作物」(著作権法2条1項11号)に当たります。このとき、アニメの製作委員会等はアニメについて著作権法21条から27条までの権利(送信可能化を含む公衆送信権など)を有しますが(著作権法16条および29条参照)、同時にマンガの著作者(漫画家)も、著作権法28条を介して、アニメにつき製作委員会等が有するのと同様の権利を有することになります 12。
しかし、「侵害著作物等」の定義(著作権法113条2項)からは著作権法28条の権利が除かれています。したがって、違法にアップロードされたアニメへのリンク情報等がリーチサイト等に提供されている場合、漫画家はそのリンク提供者に対して差止請求等をすることができません。他方、製作委員会等は、そのアニメについて有する公衆送信権(著作権法23条)等を侵害してアップロードされているため、製作委員会等にとってそのアニメは「侵害著作物等」に該当し、リンク提供者に対して差止請求(リンクの削除)等をすることができます 13。
したがって、原著作物と二次的著作物の各著作(権)者の適切な役割分担により、違法にアップロードされた二次的著作物へのリンク情報を効果的に削除するためには、二次的著作物を制作する際の原作利用許諾契約書等において、権利行使に関する意思決定の手順や、作業、費用等の分担について共通認識を持っておくことが重要になると考えられます。
次に、何者かがマンガの台詞等を翻訳して外国語マンガを作成し、これを無断でアップロードしたものへのリンク情報等がリーチサイトに掲載された場合はどうでしょうか。
著作物を翻訳して創作した著作物は「二次的著作物」に当たります(著作権法2条1項11号)。したがって、漫画家はその外国語マンガについて著作権法28条の権利を持つことになると解することができます 14。
そして、著作権法28条の権利であっても、翻訳の方法で創作された二次的著作物の場合に関しては、「侵害著作物等」に含まれることになっています(著作権法113条2項)。したがって、外国語マンガのケースでは、アニメ化等の場合と異なり、漫画家はリンク提供者に対してリンクの削除等を請求することができることになります。
最後に、白黒のマンガに許諾なく着色したカラーマンガが無断アップロードされ、それへのリンク情報等がリーチサイトに掲載された場合について検討してみます。
この着色行為は、白黒マンガに新たな創作的表現を付加するものと認められる場合があることも否定し切れません。その場合、そのカラーマンガは翻訳以外の方法で創作された二次的著作物となります。そうすると、無断アップロードされた当該カラーマンガへのリンク情報等の掲載は、漫画家との関係では「侵害著作物等」の利用を容易にする行為ではないため、漫画家はリンク提供者に対してリンクの削除等を請求することはできないことになる可能性があります 15。
しかし、この場合でも、原著作物である白黒マンガの創作的表現の大部分が無断で利用されていることになります。したがって、安易にリーチサイト規制をかいくぐることを認めるような解釈・運用は望ましくないケースもあるでしょう。この点、立法過程の議論では、「オリジナルの著作物の相当部分をそのまま利用しているようなケースについては差止めの対象とするべきという考え方を基本としつつ、・・・差し当たり緊急に対応する必要性の高い悪質な行為類型への対応という今般の制度整備の考え方、対象範囲を限定することによる潜脱のおそれ、対象範囲の限定の仕方が明確でない場合には萎縮効果を生じるおそれがあること」などを踏まえた検討が必要である点が指摘されており 16、この観点から今後の運用を注視する必要があると考えられます。
刑事罰
著作権法113条2項により著作権等の侵害とみなされる行為を行ったリンク提供者は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処され、またはこの懲役および罰金が両方とも科されます(著作権法120条の2第3号)。
ただし、リンク情報等の掲載先となったのがリーチサイト等であること、リンク先のコンテンツが侵害コンテンツであることを含め、著作権法113条2項違反に該当する行為を行っているという事実を認識している場合(つまり、故意がある場合)にのみ、上記刑事罰が科されます。たとえば、リンク先のコンテンツが侵害コンテンツであることを現に知らなかったものの、それと知るべき相当な理由があった場合、著作権法113条2項による差止等の対象にはなりますが、刑事罰までは科されません。
このリンク提供者の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができないとされています(親告罪。著作権法123条1項)。
サイト運営者等に対する規制
民事上の差止請求および損害賠償請求
(1)全体像
本改正後の著作権法113条3項により、後掲図表5の要件を満たすサイト運営者等の行為は著作権等を侵害する行為とみなされ、差止請求(著作権法112条)、損害賠償請求(民法709条、著作権法114条)等の対象となります。
(2)プラットフォーム・サービス提供者の除外
ユーザーがリンク情報等を投稿できるプラットフォーム・サービス(たとえばYouTube全体)は、その一部(たとえば特定のYouTubeチャンネル)がリーチサイトに該当する場合もありますが、それと同時に、リーチサイトに該当しない他のウェブページなどを提供しています。こうしたプラットフォームは、リーチサイト(に該当する部分)を自ら運営しているわけではなく、多くの適法な表現の流通の場として重要な役割を果たしています。
このことから、リーチサイト等と、相当数のリーチサイト等ではないウェブサイト等とを包括しているウェブサイト等(すなわち、プラットフォーム)において、単に公衆への提示の機会を提供しているに過ぎない者(プラットフォーム・サービス提供者)は、原則として、著作権法113条3項による規制対象から除外されています 17。したがって、こうしたプラットフォームに侵害コンテンツへのリンク情報等が提供されている場合、権利者としては、そのリンク提供者やサイト運営者等(リーチサイトに該当するYouTubeチャンネルの運営者など)に対し、リンク情報等の削除を請求すべきことになります。
もっとも、プラットフォーム・サービス提供者であっても、著作権者等からのリンク情報等の削除請求を正当な理由なく相当期間にわたって応じなかった場合など、「著作権者等の利益を不当に害すると認められる特別な事情」がある場合は、著作権法113条3項によるリンク情報等の削除請求その他の民事責任の対象となり得るとされています 18。
したがって、プラットフォーム・サービス提供者としては、著作権者等からのリンク情報等の削除請求があった場合には、事実を確認のうえ適切に対応する必要性が高まると言えそうです。
また、リンクの削除等の措置を適切に行わず、プラットフォーム上のウェブページの「相当数」がリーチサイト等に該当するものとなってしまった場合、上記「特別な事情」があるか否かにかかわらずプラットフォーム・サービス提供者が著作権法113条3項による民事措置の対象となるおそれがあるため、注意が必要です。
他方、著作権者等の立場からすると、リンク提供者やサイト運営者等の所在や身元が判明せず、または判明したとしても海外にいるため措置が講じにくいような場合には、プラットフォーム・サービス提供者の協力を必要とするケースも多いと考えられます。したがって、プラットフォーム・サービス提供者との良好な協力関係を築くことが、本改正を契機とした海賊版対策を効果的に実施するために重要であると考えられます。
(3)故意または過失
サイト運営者等に対して著作権法113条3項による民事措置を講じるためには、リンク先のコンテンツが侵害著作物等であることにつき、サイト運営者等に故意または過失があることが必要です。
したがって、著作権者等としては、十分な根拠を示し、サイト運営者等に対して削除請求等をすることにより、少なくともサイト運営者等に過失があることを立証しやすい手順を踏むことが大切です 19。
刑事罰
リーチサイトの公衆への提示を行った者(リーチサイト運営者)およびリーチアプリの公衆への提供等を行った者(リーチアプリ提供者)は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処され、またはこの懲役および罰金が両方とも科されます(著作権法119条2項4号および5号。また、124条1項1号に両罰規定があります)。なお、民事措置(著作権法113条3項)の場合と同様に、プラットフォーム・サービス提供者は原則として対象外とされています。
故意がある場合にのみ上記刑事罰が科される点は、リンク提供者に対する刑事罰の場合と同様です。
また、サイト運営者等の罪も、告訴がなければ公訴を提起することができないとされています(親告罪。著作権法123条1項)。
おわりに
本改正により、リンク提供者およびサイト運営者等に対する民事上および刑事上の措置が明文で可能となりました。
もっとも、リンク提供者やサイト運営者等の所在や身元が不明である場合、あるいは海外に所在する場合などに権利行使が事実上困難ではないかといった問題は未だ残ります。本改正に基づくリーチサイト規制の運用のあり方を含め、実効性のある海賊版対策を巡る議論は今後も続きます。
【関連するBUSINESS LAWYERS LIBRARYの掲載書籍】
『Q&A インターネットの法的論点と実務対応』
発売日:2019年02月25日
出版社:ぎょうせい
編著等:東京弁護士会インターネット法律研究部
BUSINESS LAWYERS LIBERARYで読む
『第3版 インターネット新時代の法律実務Q&A』
発売日:2017年02月13日
出版社:日本加除出版
編著等:田島 正広、足木 良太、上沼 紫野、梅田 康宏、大倉 健嗣、長田 敦、亀井 源太郎、柴山 将一、鈴木 優、中島 麻里、平林 健吾
BUSINESS LAWYERS LIBERARYで読む
『広告法律相談125問』
発売日:2019年07月01日
出版社:日本加除出版
編著等:松尾 剛行
BUSINESS LAWYERS LIBERARYで読む
-
谷川和幸「リーチサイト規制」法律時報2020年7月号91頁参照。 ↩︎
-
リーチサイトおよびリーチアプリの類型、仕組みなどについては、「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会報告書」(2019年2月)4~5頁で分かりやすく図解されています。 ↩︎
-
前掲注2)の報告書3頁(電気通信大学「リーチサイト及びストレージサイトにおける知的財産侵害実態調査」(平成24年3月)86~87頁を引用)。 ↩︎
-
前掲注2)の報告書12頁。ロケットニュース24事件(大阪地裁平成25年6月20日判決・判時2218号112頁)、リツイート事件(知財高裁平成30年4月25日判決・裁判所HP)も参照。また、同報告書5頁以下では、リーチサイト運営者は、権利者から警告や削除要請を受けても著作権侵害を否定するなどして応じないといった実態が報告され、リーチサイト自体を規制する根拠を必要とするヒアリング結果が公表されています。安田和史「リーチサイトの運営者にかかる著作権侵害の責任に関する考察」日本大学知財ジャーナルVol.7, 57頁(2014)も参照。 ↩︎
-
なお、本改正では、インターネット情報検索サービス事業者への対応に関する立法は行われませんでした。前掲注2) の報告書では、現時点において直ちに立法的対応の検討を進めることはせずに、まずはインターネット情報検索サービス事業者と権利者団体との間の取組みの状況を見守ることとし、「協議が一定程度進捗した段階で進捗状況等の報告を受け、必要に応じ対応を検討していくことが適当である」と説明されています(同報告書44頁)。 ↩︎
-
文化庁作成の「著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律の一部を改正する法律案(説明資料)」(文部科学省HP)の7頁で、著作権法113条2項1号イおよびロそれぞれに規定されるリーチサイトに該当する具体的なイメージが示されており、参考になります。なお、規制対象となるリーチアプリも、リーチサイトと同様、それが①「公衆を侵害コンテンツに殊更に誘導する」プログラムであるかどうか、または②「主として公衆による侵害コンテンツの利用のために用いられる」プログラムであるかどうかを基準に、図表2と同様の要素から判断されます(著作権法113条2項2号イおよびロ)。 ↩︎
-
「侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会(第2回)」(令和元年12月18日)の議事内容および参考資料4を参照。 ↩︎
-
前掲注7) の説明資料11頁。 ↩︎
-
図表3は、前掲注7) の説明資料5頁および前掲注2) の報告書27頁を参考に筆者が作成。 ↩︎
-
前掲注2)の報告書26~27頁参照。 ↩︎
-
本項ではこのような権利を「著作権法28条の権利」と呼んでいます。この権利は、著作権法21条から27条までの権利そのものではないため、「侵害著作物等」の範囲に関し、原著作物の著作者と二次的著作物の著作者との間で取扱いの差異が生まれることになります。 ↩︎
-
前掲注1) 谷川・93頁参照。 ↩︎
-
また、前掲注1) 谷川・93頁脚注15)によれば、「漫画のセリフ部分とコマ絵部分とは分離可能な別個の著作物だと考えるのであれば、コマ絵部分にまったく手が加えられずに利用されている以上、その部分について28条を介すことなく権利行使が可能」と解される余地があると解説されています。「侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会(第2回)」(令和元年12月18日)の議事内容も参照。 ↩︎
-
この場合、無断でカラーマンガを作成した第三者から着色したカラーマンガを無断アップロードするような悪質な第三者から、リンク情報の削除について協力を得ることも困難な場合が多いと思われます。 ↩︎
-
前掲注2)の報告書29~31頁参照。 ↩︎
-
「文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会(第4回)」(令和2年1月24日)の議事内容および参考資料(「『侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会』における議論のまとめ(令和2年1月16日)」16頁以下)参照。 ↩︎
-
東京高裁平成17年3月32日判決・判時1893号126頁(2ちゃんねる事件控訴審)参照。 ↩︎
-
プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会が策定している著作権関係ガイドラインは「リーチサイトを想定していない」との指摘があります(前掲注2)の報告書16頁記載のテレコムサービス協会の意見)。もっとも、少なくとも、サイト運営者等に故意または過失があることを立証するためにどのような書類を用意し、サイト運営者等に送付するべきかを検討するという観点からは、上記著作権関係ガイドライン等が良い参考になりそうです。これをもとに、本改正を踏まえ、リーチサイト規制の要件充足性を示す具体的な事情の記載方法を実務上工夫していく必要があります。そうした権利者側による権利行使の実務枠組みを検討すると同時に、同協会の意見にあるように、プロバイダと権利者との適切な協力関係の構築を目指す取組みが必要になると考えられます。 ↩︎
シリーズ一覧全3件

関真也法律事務所

瀧野国際特許事務所