法務担当者のための転職ガイド

第1回 法務の転職理由 自己分析の方法を紹介

法務部

目次

  1. 転職活動を始める前に
    1. 現状への違和感の正体は何か?
    2. 転職によって何を得られれば成功なのか?
  2. 転職理由の自己分析
    1. なぜ転職したいのか?
    2. 転職によって失う可能性があるものは何か?
    3. 転職理由と失うかもしれないもの、どちらが重要?
  3. 転職回数が多いと不利なのか

転職すべきか、それとも現職にとどまるべきか? もし転職活動するとしたら何から始める? 時期はいつがいい? 職務経歴書の書き方は? 面接では何を聞かれる?
この連載では、そんな疑問を持つ法務担当者のために、管理部門専門転職支援サービス「EXCAREER」(エクスキャリア)のキャリアコンサルタントの西村英貴が、転職活動の流れに沿って各プロセスのノウハウを教えます。
第1回のこの記事では、プロローグとして、転職を考える法務担当者が最初に行うべき転職理由の自己分析について、具体的な方法を紹介します。

西村英貴
弁護士ドットコム キャリア事業部 事業部長


インテリジェンス(現パーソルホールディングス)、リクルートキャリア(現リクルート)を経て、2016年弁護士ドットコムへ入社し、弁護士特化型の転職支援サービス「弁護士ドットコムキャリア」を立ち上げ。その後、2018年管理部門専門転職支援サービス「EXCAREER」をリリース。一貫して転職支援事業に従事し、これまで2000名以上のカウンセリングを実施。


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転職活動を始める前に

現状への違和感の正体は何か?

あなたがこの記事にたどり着いたということは、現在の仕事に対する違和感や、何らかの「変えたいもの」を抱えているということでしょう。
ちくしょう転職だ! とはやる気持ちはわかります。でもちょっと待ってください。このタイミングでは、転職エージェントに登録したり、求人情報を検索したりするのはまだ早いです。

あなたが今すべきことは、今抱えているモヤモヤの正体が何なのか、はっきりと言葉で説明できる状態になるまで考えることです。

転職活動の目的は、あなたの違和感や変えたいもの、つまり課題を解決することです。課題について解像度高く認識することが、転職活動の第一歩です。そこがクリアになっていないと、応募書類は書けませんし、どの求人に応募すべきか、内定を承諾すべきか、といった意思決定もできません

現状に対する漠然とした不満だけで転職活動を始めようとしている人は、まずここでしっかり立ち止まり、丁寧に考えてみてください。

転職活動の目的

転職活動の目的

転職によって何を得られれば成功なのか?

誤解されがちなのですが、転職活動のゴールは、内定を得ることや入社することではありません。転職先での仕事を通して、「解決したかった課題を解決できた」「得たかったものが得られた」と心から思えることが、転職活動のゴールであり、成功なのです

転職活動のゴール

転職活動のゴール

人間は誰しも、年収や会社の知名度といった、一見してわかりやすい要素に飛びつきがちです。しかし、たまたまそういう会社に転職できたとしても、幸せな仕事生活が約束されるとは限りません。むしろ、わかりやすい要素に引きずられて転職先を決めてしまった人ほど、入社後に、見えていなかったギャップや失ったものの大きさを知って苦しむことが多いのです。

たとえば転職によって、300万円だった年収が800万円になったとします。しかし転職先は人間関係が最悪で、リモートワークも許されず、法務の権限は小さく、事業部から言われるままに短納期で契約書レビューを打ち返すだけでやりがいが感じられない——そんな状況だったとしたらどうでしょうか。増えた500万円分の年収に、その不満に見合う価値はあったのでしょうか。そんな日々を送ることが、転職活動の目的だったのでしょうか。

転職後にこのような後悔をしないために、私が強くおすすめしていることがあります。それは、活動を始める前に、今の違和感の正体と望むものを、自分自身で可能な限り言語化しておくことです
もしここでつまずくのであれば、今は動くべき時ではないということになります。単に、ないものねだりをしているだけかもしれません。そういう状態で転職しても、また新しい職場で同じように不満を抱くことになりかねません。

転職理由の自己分析

なぜ転職したいのか?

自分にとっての課題と転職によって得たいものが大枠で言語化できたら、次にやるべきことは、なぜ転職したいのかという理由を明確にすることです。それが、あなたの転職活動の「テーマ」になっていきます。

このプロセスでは、ただ頭の中で考えるのではなく、思いつくままにとにかく書き出してみるのがおすすめです。手書きでもPCでも構いません。たとえば、「海外案件をやりたいのに今の会社では国内案件しか担当できない。部内の担当替えでチャンスがあるかもしれないが、いつになるかわからない」といったものが考えられます。

そして、自分が書き出したものを、2日くらい経ってから見直します。その課題は本当に転職しないと解決できないのか、手に入れたい成功を今の環境でつかむことはできないのか。それをもう一度冷静に考えてみるのです。

転職によって失う可能性があるものは何か?

その後に、転職によって失うかもしれないものを列挙していきます。論理的でなくて構わないので、主観や感覚で書き出してみましょう。たとえば、安心できる人間関係やそれなりの給与とか、長く在籍することで得られる昇進のチャンスなどがあげられるでしょう。
転職には必ずリスクが伴うということを、よく理解しておくべきです。

転職理由と失うかもしれないもの、どちらが重要?

ここまでで、転職したい理由と、転職によって失うかもしれないものが明確になりました。
それでは、両者を天秤にかけてみましょう。現状維持のメリットを失うリスクを冒してでも、その課題を解決したいですか? 手に入れたいものがありますか?

この比較については、完全にあなたの主観だけで判断してください。100人中99人が否定したとしても、あなたが納得できる答えが絶対的な正解です。これこそが「自分軸」での転職活動だといえます。

転職するか? 現職にとどまるか?

>転職するか? 現職にとどまるか?

転職回数が多いと不利なのか

このような課題と目的の分析がしっかりできていて、やりたいことを叶えるために転職するのなら、転職回数が多くなったとしても不利になることはないはずです
個人的には、転職回数は少ないけれども漫然と過ごしている人と、転職回数は多くても明確な目的意識を持って主体的に仕事に取り組んできた人を比べるなら、後者のほうが評価されるべきだと思います。

ただし、単なるジョブホッパーは当然ながらネガティブに評価されます。一貫性のない転職を繰り返す人は、自分の価値(スキル)を会社に提供する代わりに会社からメリットを得るという、ギブアンドテイクのバランスが大きく崩れていることが多いと感じます。

たとえるなら、「10万円のブランドバッグが欲しいけど、所持金は5万円しかないから3万円の中古品にしておこう」と妥協したらとんでもない不良品で、「こんなことなら転職せずに10万円貯金できるまで頑張ればよかった」と後悔する、といった具合でしょうか。つまり自分のスキルに釣り合わない高望みの転職活動と妥協、その結果としてのミスマッチを繰り返してしまうのです。
このような残念なパターンに陥らないためにも、自分軸をはっきり認識しておくことがとても重要です。

第2回では、このような自己分析を経て、それでも転職したいのだと決意したあなたのために、法務の求人動向と転職活動の進め方を紹介します。

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