中国向け越境ECの仕組み(保税区モデル・直送モデル)

国際取引・海外進出

 中国向けの越境ECとはどのようなものですか。

 越境ECとは、海外からECサイトを通じて国内の消費者に商品を販売する取引であり、特に中国の越境EC市場は近年急速に拡大しています。
 中国向けの越境ECには、大きく分けて、①中国国内の保税区に商品を保管しておき、保税区から消費者に商品を発送する方式(保税区モデル)と②中国国外から中国国内の消費者に直接商品を発送する方式(直送モデル)の2つの方式が存在します。

解説

目次

  1. 中国向け越境ECの概要
  2. 中国向け越境ECの仕組み
    1. 保税区モデル
    2. 直送モデル
  3. まとめ

中国向け越境ECの概要

 越境ECとは、海外からECサイトを通じて国内の消費者に商品を販売する取引です。特に近年中国の越境EC市場の成長は著しく、中国国内の消費者における日本製品の高い人気を背景に、日用品や化粧品等を中心に、日本企業による中国向け越境ECでの販売は増加を続けています。2018年4月の経済産業省の報告 1 によれば、日本から中国向けの越境ECの販売額は2021年には約2兆8,500億円(2017年の約1兆3,000億円の約2.2倍)になると試算されています。

中国向け越境ECの仕組み

 中国向けの越境ECには、大きく分けて、①中国国内の保税区に商品を保管しておき、保税区から消費者に商品を発送する方式(保税区モデルと、②中国国外から中国国内の消費者に直接商品を発送する方式(直送モデルの2つの方式が存在します。

保税区モデル

 保税区とは、国内にありながら、海外からの輸入貨物を、関税等の輸入時の税金を課税されない状態(端的に言えば、輸入前の状態)で保管できる区域を意味します。①保税区モデルの場合、保税区での倉庫保管等に一定のコストが掛かるものの、注文から商品受領までのリードタイムを短縮でき、一括運送による輸送コストの低減が期待できるほか、通関手続の安定性も確保できます。保税区モデルは、このような特徴から、安定した販売が見込める人気商品の販売に適しており、日本企業も参加する大手の越境ECプラットフォームサイト等を中心に活用されています。

中国国内外の保税区モデル

直送モデル

 ②直送モデルについては、①保税区モデルのような流通面でのメリットは期待できないものの、保税区での倉庫保管等の費用が掛からないため、小規模な越境ECに向いているといえます。

中国国内外の直送モデル

まとめ

中国向け越境ECの仕組み メリット デメリット
保税区モデル
(中国国内の保税区に商品を保管しておき、保税区から消費者に商品を発送する方式)
  • 注文から商品受領までのリードタイムを短縮できる
  • 一括運送による輸送コストの低減が期待できる
  • 通関手続の安定性も確保できる
  • 大手の越境ECプラットフォームサイト等を中心に活用

  • 保税区での倉庫保管等に一定のコストが掛かる
直送モデル
(中国国外から中国国内の消費者に直接商品を発送する方式)
  • 保税区での倉庫保管等の費用が掛からない
  • 小規模な越境EC向け

  • 保税区モデルのような流通面でのメリットは期待できない

  1. 経済産業省「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」(2018年4月) ↩︎

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