取締役が損害賠償責任を負う場合とは

コーポレート・M&A

 友人から、自分が経営している会社の取締役になってもらいたいと依頼されたのですが、責任が重そうです。もし何か失敗したら、どういった責任を負うことになるのでしょうか。

 取締役を含めた会社役員は善管注意義務を負っており、会社、あるいは、第三者に生じた損害を賠償する責任を負うことがあります。

解説

目次

  1. 会社に対して負う責任
    1. 善管注意義務・任務懈怠責任
    2. その他の会社に対して負う責任
  2. 第三者に対して負う責任

目次

  1. 会社に対して負う責任
    1. 善管注意義務・任務懈怠責任
    2. その他の会社に対して負う責任
  2. 第三者に対して負う責任

会社に対して負う責任

善管注意義務・任務懈怠責任

 そもそも会社と役員らとは、委任関係にあります(会社法330条)。そのため、取締役は職務執行に当たり、善管注意義務を負うこととなります(善管注意義務・民法644条)。
 加えて、取締役は、法令、定款、株主総会決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行う必要があります(忠実義務・会社法355条)。

 また、取締役会の構成員である取締役には、他の取締役の職務執行の監視・監督義務もあります(会社法362条2項2号)。

 これら善管注意義務、忠実義務等に違反した場合には、任務懈怠責任(会社法423条)を問われることになります。経営判断の問題は、この善管注意義務の問題の範疇に入ります。

その他の会社に対して負う責任

 その他にも、分配可能額を超えて剰余金の配当を行う、いわゆる蛸配当の場合など、会社法が役員らの責任を具体的に規定しているものもあります。

  • 任務懈怠責任(会社法423条)
  • 利益供与責任(会社法120条4項)
  • 出資財産等の価額が不足する場合の価額てん補責任(会社法213条、286条)
  • 剰余金の配当等に関する責任(会社法462条1項)
  • 株式買取請求に応じて株式を取得した場合の責任(会社法464条)
  • 欠損が生じた場合の責任(会社法465条)

第三者に対して負う責任

 会社が経済活動を行う上では、多数の者と関与することになりますが、第三者に損害が生じた場合、役員らは、当該第三者に対して、損害賠償責任を負うことがあります(会社法429条)。

 また、取締役個人が不法行為を行えば、個人として不法行為責任を負うことは通常の従業員と変わりありません(民法709条)。

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