組織再編の意義と類型、M&Aや経営統合にはどのように利用されるか

コーポレート・M&A

 組織再編とはどのようなもので、どういう類型がありますか。また、それぞれの組織再編は、M&Aや経営統合の場面でどのように利用されますか。教えてください。

 組織再編は、会社の組織と形態を変更する会社法上の法律行為です。その類型として、合併、会社分割、株式交換、株式移転があります。一般的に、合併は、2つの会社を1つの会社に完全に統合する場合に利用され、会社分割は、会社の事業を他の会社に移転する場合に利用されます。また、株式交換は、会社が自らの株式を対価として別の会社を買収する場合に利用され、株式移転は、1つの会社または複数の会社がホールディングカンパニーを創設してグループ経営を行う場合に利用されます。

解説

目次

  1. 合併とは
  2. 会社分割とは
  3. 株式交換とは
  4. 株式移転とは

 組織再編は、一般的には、会社の組織と形態を変更する会社法上の法律行為を意味します。その類型として、合併、会社分割、株式交換、株式移転があります。吸収合併、吸収分割、株式交換という吸収型の組織再編と新設合併、新設分割、株式移転という新会社設立を伴う新設型の組織再編に分類することも可能です。

 ちなみに、会社が他の会社に事業を譲渡する事業譲渡や株式会社から持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)への変更(またはその逆)を行う組織変更は、一般的にはこの組織再編に含まれません。

合併 会社分割 株式交換 株式移転
吸収型の組織再編 吸収合併 吸収分割 株式交換 -
新設型の組織再編 新設合併 新設分割 - 株式移転

合併とは

 2つ以上の会社が、合併契約を締結し、包括的な権利義務承継を行うことによって、一部または全部の会社を消滅させ、1つの合併会社を存続または新設させる行為です。1つの会社を消滅させて、その権利義務を他の会社に包括的に承継させ、他の会社を存続させる合併吸収合併と言います(会社法2条27号)。2つ以上の会社を消滅させてその権利義務を新設する会社に包括的に承継させる合併新設合併と言います(会社法2条28号)。

 合併は、2つ以上の会社が経営や業務の効率化をはかるために行われる場合が多く、経営上独立した複数の会社が経営統合で1つになる場合に利用されることもあれば、親会社が複数の子会社を効率化のために合併させるといったグループ再編のような場合にも利用されます。

【吸収合併の例】

吸収合併の例

【新設合併の例】

新設合併の例

会社分割とは

 会社が、その事業に関して有する権利義務の一部または全部を他の会社へ包括的に承継する会社法上の行為です。会社が、別の会社と分割契約を締結し、当該別会社に権利義務を包括承継する吸収分割(会社法2条29号)と、会社が、分割計画を作成し、新設する会社に権利義務を包括承継する新設分割(会社法2条30号)があります。

 会社が、複数の事業を運営していて、一部の事業をノンコア事業として第三者に売却したい場合に利用されることが多く、事業譲渡を利用すると一つ一つの資産や契約を移転しなければならないところを包括的に譲渡できるところにメリットがあります。

【吸収分割の例】

吸収分割の例

【新設分割の例】

新設分割の例

株式交換とは

 会社が発行済株式の全てを他の会社に取得させる会社法上の行為です(会社法2条31号)。簡単に言うと、2つの会社が、株式交換契約を締結し、いずれか一方の会社を完全親会社、他方の会社を完全子会社として親子会社関係を創設する方法です。完全親会社となる会社は、その株式またはその他の対価を、完全子会社となる会社の株主に付与します。ある会社が別の会社を買収して子会社としたいものの、手元資金が不足しているため、現金の代わりに自らの株式を交付して完全子会社化をする場合に利用されることが多いです。

【株式交換の例】

株式交換の例

株式移転とは

 会社がその発行済株式全部を新設会社に取得させる会社法上の行為です(会社法2条32号)。簡単に言うと、1つまたは2つ以上の会社が株式移転計画を作成し、当該会社の完全親会社を新設する方法です。完全子会社となる会社の株主には新設される完全親会社の株式またはその他の対価が付与されます。1つまたは2つ以上の会社を新設する持株会社(ホールディングカンパニー)の子会社として運営していくために利用される場合が多いです。

【株式移転の例】

株式移転の例

無料会員にご登録いただくことで、続きをお読みいただけます。

1分で登録完了

この実務Q&Aを見ている人はこちらも見ています

無料会員登録で
リサーチ業務を効率化

1分で登録完了

無料で会員登録する