株主総会の開催場所について

コーポレート・M&A

 株主総会開催の準備をしているのですが、例年開催している会場の予約が取れなかったのと、予算の都合上、隣県の会場で開催しようと考えています。これは会社法上問題ありませんか。

 会社法においては、株主総会の開催地の制限がありませんし、予約が取れない、予算の都合といった理由であれば、隣県での株主総会の開催も認められるでしょう。

解説

目次

  1. 旧商法下での株主総会開催地
  2. 会社法下での株主総会開催地

目次

  1. 旧商法下での株主総会開催地
  2. 会社法下での株主総会開催地

旧商法下での株主総会開催地

 会社法制定前の旧商法233条には、「総会ハ定款二別段ノ定アル場合ヲ除クノ外本店ノ所在地又ハ之二隣接スル地二之ヲ招集スルコトヲ要ス」と定められていました。この「地」とは、一定の広がりをもった地域をいい、具体的には、独立の最小行政区域、つまり、市町村、東京都の特別区(23区)を指すと考えられていました。

 そのため、旧商法下においては、株式会社の株主総会は、本店所在地と同一または隣の市町村・特別区で開催しなければなりませんでした。

かつては、本店所在地と同じ地域で、株主総会を開催する必要があった。

会社法下での株主総会開催地

 平成17年に成立した会社法においては、旧商法233条に対応する規定は設けられておらず、当該規制は撤廃されました。

 そのため、株主の分布状況・出席人数等を適宜判断して開催地を決定することが認められ、外国を開催場所とすることもできると考えられています。

 もっとも、株主総会の場所が過去に開催した株主総会のいずれの場所とも著しく離れた場所であるときは、その場所を決定した理由を明らかにする必要があります(会社法298条1項5号、会社法施行規則63条2号)。

 また、株主の出席が著しく困難になるような場所をあえて開催場所にした場合には、招集手続が著しく不公正であるとの理由で、株主総会の決議取消事由(会社法831条1項1号)に該当する可能性もあります 。

現在は、株主総会の開催場所に関する規制はない。

過去に開催した場所と離れた場所で開催する場合、理由を説明する必要がある。

 本稿の質問の場合、例年開催している会場の予約がいっぱいだったことと、予算の都合という、開催場所を変更する合理的な理由がありますし、隣県の会場ということで、それほどアクセスが困難になるわけでもないと予想されることから、会社法上、問題にはならないと思います。

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