WEB開示とはどういう制度か

コーポレート・M&A

 WEB開示制度とは、どのようなものでしょうか。招集通知の電子化との違いを教えてください。また、WEB開示を行うことができる範囲、その方法等につき教えてください。

 WEB開示制度は、株主総会参考書類・事業報告・計算書類の一部の情報について、インターネットで一定期間開示することにより、書面又は電磁的方法による株主への提供を省略することができる制度です。
 定款に定めることで一律に実施できる点で、個別に株主の承諾が必要な招集通知の電子化とは異なります。WEB開示は、招集通知を発出する時から当該株主総会の日から3か月が経過する日までの間、継続してインターネットに掲示することにより行います。

解説

目次

  1. WEB開示制度とは
  2. 招集通知の電子化との違い
  3. WEB開示の対象
  4. WEB開示に必要な手続
  5. WEB開示をすべき期間

WEB開示制度とは

 WEB開示制度は、法令上株主に開示すべきとされている一定の事項(株主総会参考書類に記載すべき事項および事業報告に表示すべき事項並びに計算書類の一部の情報)について、インターネットで一定期間継続して開示することにより、当該事項に関して書面または電磁的方法による株主への提供を省略することができる制度です(会社法施行規則94条1項・133条3項、会社計算規則133条4項・134条4項)。

 これは、開示義務の履行に伴う会社の負担を軽減するとともに、効率的な開示方法を認めることにより開示の充実化を図る目的で導入されたものです。現在、多くの上場企業がWEB開示を利用しています。その範囲は、個別注記表と連結注記表にとどまっている会社が多いようですが、平成26年会社法改正によりWEB開示事項が大幅に拡大されたため、今後は活用される範囲が広がることが予想されます。

招集通知の電子化との違い

 WEB開示は、定款に定めることにより一律に実施することができますが(会社法施行規則94条1項ただし書等)、招集通知の電子化(招集通知等を電磁的方法により発送する方法)は、個別の株主の承諾が必要となる点(会社法299条3項等)で異なります。そのため、招集通知の電子化は、上場企業においても利用割合は低く、その目的も印刷代や郵送代の節減というよりも、株主の利便性を高めるために選択肢を増やす目的で導入されているようです。

WEB開示の対象

 WEB開示の対象となる事項、対象外の事項は以下のとおりです。

WEB開示の対象 対象外
株主総会参考書類
(会社法施行規則94条1項)
右記以外の記載事項 ・議案
・取締役選任議案における「社外取締役を置くことが相当でない理由」
・事業報告に表示すべき事項
・ホームページのアドレス等
・監査役等が異議を述べた事項
事業報告
(会社法施行規則133条3項)
右記以外の記載事項 ・会社の現況、会社役員に関する事項のうち会社法施行規則で具体的な項目が定められている事項
・監査役等が異議を述べた事項
計算書類
(会社計算規則133条4項、134条4項)
・個別注記表
・株主資本等変動計算書
・連結計算書類(これに係る会計監査報告、監査報告含む)
・計算書類
・上記計算書類に係る会計監査報告、監査報告

WEB開示に必要な手続

 WEB開示制度を導入するには、定款の定めが必要です(会社法施行規則94条1項ただし書・133条3項ただし書、会社計算規則133条4項ただし書・134条4項ただし書)。
 そのうえで、WEB開示により書類の記載を省略する事項についての取締役会決議を行い、招集通知に省略する事項を記載することで、株主総会参考書類の一部をWEB開示の対象とすることができます(会社法施行規則63条3号ホ)。
 そして、WEB開示を行っているホームページのアドレスを株主に通知する必要があります(会社法施行規則94条2項・133条4項、会社計算規則133条5項・134条5項)。

WEB開示をすべき期間

 WEB開示の対象事項は、招集通知とともに発出されるべき上記 1 記載の事項であることから、WEB開示をすべき期間は、「招集通知を発出する時から当該株主総会(定時株主総会)の日から3か月が経過する日までの間」とされています(会社法施行規則94条1項等)。

この実務Q&Aを見ている人はこちらも見ています

無料会員登録で
リサーチ業務を効率化

1分で登録完了

無料で会員登録する