株主総会招集通知に誤りがあった場合の対応について

コーポレート・M&A

 株主総会招集通知の発送後に、招集通知の記載内容に修正すべき事項を発見した場合、どのように対応したらよいでしょうか。

 修正内容が単なる誤字脱字や記載ミス等の形式的レベルにとどまる場合には、正誤表を別途作成して送付したり、WEB修正を利用したりすることにより対応が可能です。
 これに対して、議題の追加や議案の変更等に当たる実質的な修正の場合には、発送期限内に再度招集通知の発送手続をやり直す必要があります。
 ただし、招集通知発送後に生じた新たな事情による修正の場合には、株主にその旨を周知すれば足り、また、場合によって株主総会当日に修正動議を行うという対応も考えられます。

解説

目次

  1. 誤記や形式的修正の場合
    1. 従来方式による修正
    2. WEB修正
  2. 実質的な内容の変更の場合

目次

  1. 誤記や形式的修正の場合
    1. 従来方式による修正
    2. WEB修正
  2. 実質的な内容の変更の場合

誤記や形式的修正の場合

従来方式による修正

 招集通知(ここでは、狭義の招集通知に限らず、これに添付される株主総会参考書類、事業報告、計算書類・連結計算書類、監査報告等も含みます)の発送後に、単なる誤字脱字や記載ミス等の形式的な修正事項が見つかった場合には、別途、株主総会の前までに、株主に訂正の事実を伝達すれば足ります。具体的には、訂正文・正誤表を別送することや、総会当日に訂正文を配布または口頭説明等行うことが考えられます

 なお、招集通知の印刷は完了したものの、発送前の段階で誤記等が見つかった場合であれば、訂正文・正誤表を急遽作成して同封することや、訂正シールを作成して貼付するといった対応も考えられます。

WEB修正

WEB修正とは

 また、近年では、招集通知に記載ミス等があった場合には、上記 1-1 の対応に加え、いわゆるWEB修正を利用することも一般的に行われています。

 WEB修正とは、株主総会参考書類等に記載すべき事項について、招集通知を発した日から株主総会の前日までの間に修正をすべき事情が生じた場合に、インターネット上のウェブサイトに掲載する方法により、修正後の事項を株主に周知する制度です

 これは、株主総会参考書類、事業報告、計算書類・連結計算書類に関しては、そのような修正事項を株主に周知させる方法を、招集通知と併せて通知することができるとされており(会社法施行規則65条3項・133条6項、会社計算規則133条7項・134条7項)、その方法として、インターネット上のウェブサイトに掲載する方法を選択するというものです。したがって、WEB修正を利用する場合には、その旨を招集通知と併せて株主に通知することが必要となります(通常は、招集通知自体にその旨を記載します)。

 なお、WEB修正を利用する会社であっても、ウェブサイトを見ていない株主のために、総会当日に訂正文を配布するという対応をとるケースが多く見られるようです。

WEB修正が利用できる範囲

 上記のとおり、修正事項の周知方法に関する規定は、株主総会参考書類、事業報告、計算書類・連結計算書類に関してのみ用意されていることから、WEB修正は、それらの文書についてのみ許容されているようにも思われます。

 しかしながら、当該規定は、直接的には周知方法を通知することができる旨を定める規定であり、WEB修正そのものを直接根拠付ける規定ではないことから、招集通知にかかるその他の文書(狭義の招集通知、会計監査報告、監査役(会)の監査報告および委任状勧誘府令に基づく議決権の代理行使の勧誘に関する参考書類)についても、明文の規定こそありませんが、単なる誤記や形式的修正の場合であれば、株主の議決権行使に影響を与えることがない以上、WEB修正と同様の方法を否定する理由はないと考えられます。

実質的な内容の変更の場合

 単なる誤記等の形式的修正ではなく、株主総会参考書類において議案の内容の追加・変更に当たる修正等、招集通知の内容を実質的に変更することになる修正の場合は、株主に対する不意打ちとなるため、株主の権利保護の観点から、発送期限内に招集通知の発送手続をもう一度やり直す必要があると考えられます。

 ただし、それが招集通知発送後に生じた新たな事情による修正の場合には、上記のいずれかの方法により株主にその旨を周知する(もしくは株主総会当日にその旨の説明を行う)ことで足りると考えられますが、議案の内容の変更に当たるような事情が生じた場合(取締役選任候補者の死亡等)であれば、株主総会当日に修正動議を行うという対応も考えられます。

 また、事業報告等の記載事項の変更により監査報告・会計監査報告の内容に影響を及ぼす可能性がある場合については、監査役や会計監査人に報告のうえ、場合によっては監査自体をやり直すことも検討すべきであると考えます。

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