軽減税率が適用される品目とそうでない品目

税務
武田 守 武田公認会計士事務所

 軽減税率が適用対象となる商品について教えてください。

 軽減税率は、おもに低所得者層に対する税負担を軽減させる制度であるため、個人が生活していく上で欠かせない生活必需品を中心に対象となる品目を定めています。具体的には、「飲食料品」と「新聞」を軽減税率の対象としています。しかし、飲食料品や新聞にはさまざまなものがあるため、軽減税率の対象となる商品をさらに限定しています。

解説

目次

  1. どんな商品が適用対象なのか
  2. 問題となる商品をどのように見分けたらよいのか
    1. 飲食料品
    2. 新聞
  3. テイクアウトや店内飲食の価格表示について
  4. 8%か10%かわからないときは

どんな商品が適用対象なのか

 軽減税率の対象となる飲食料品とは、食品表示法に規定する食品をいいます。ここで、食品表示法に規定する食品とは、すべての飲食物のことをいいますが、医薬品及び医薬部外品等は食品から除かれています。食品には、低価なものから高価なものまでさまざまなものがありますが、原則として商品の値段に関係なく軽減税率の対象になります。また、酒類は軽減税率の対象外となっていますので、結局のところ、酒類、医薬品及び医薬部外品等を除いた飲食料品で、食事の提供(次ページ)にもあたらないものが軽減税率の対象となる商品になります。

 次に、軽減税率の対象となる新聞とは、定期購読契約に基づき、一定の題号を用いて、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるものをいいます。新聞販売店との定期購読契約によって、毎日自宅に届けられる日刊新聞が軽減税率の対象となる代表的な例となります。

問題となる商品をどのように見分けたらよいのか

 飲食料品と新聞の中でも、軽減税率の対象となるものとならないものがあります。そこで、どのような商品が8%であり、また10%であるのかについて説明します。

飲食料品

 飲食料品は、一般的な飲食品すべてを指し、8%が適用されますが、あくまで人の飲食用のものが対象であるため、動物用のペットフードは10%になります。水道水(水道料金)は、飲用としての水と、風呂、洗濯などの生活用水と関係なく提供されるものであるため10%となります。また、酒類、医薬品又は医薬部外品等ではなく、かつその飲食料品が食事の提供(外食などのサービス)にもあたらないときに8%となります。

 酒類は、酒税法に規定するアルコール分一度以上の飲料のことをいうため、一般的なビール、日本酒、焼酎、ワインは10%になります。一方、ノンアルコールビールは8%になります。

 医薬品又医薬部外品等について、ドラッグストアなどで販売される薬や医薬部外品の健康ドリンクは10%となります。しかし、同じような健康ドリンクでも清涼飲料水であれば8%となります。これらは、商品のパッケージの品名などで見分けることになります。
 食事の提供にあたるかどうかは、その商品の食事する「場所」や「サービス」によって判断します。

 「場所」とは、レストランのように飲食設備(テーブル、椅子、カウンター等)のある所や商品の購入先で飲食する場合を意味し、これらは外食の扱いとして食事の提供(サービスの提供)となり10%となります。一方、テイクアウト(持ち帰り)、出前・宅配、インターネットや通信販売での飲食料品の購入は8%となります。

 たとえば、ファーストフード店のようなテイクアウトも店内飲食も可能な場所では、テイクアウトであれば8%、店内飲食であれば10%となります。コンビニエンスストアのイートインでの飲食やフードコートでのセルフサービスなどは、その場で飲食をすることになるため10%となります。

 一方、移動販売車やお店などで購入したお弁当を公園のベンチで食べる場合には8%となります。公園のベンチは、飲食料品を提供する事業者が設置したものでないため外食にはあたりません。

 また、義務教育の小学校や中学校の給食は外食扱いとはならずに8%で、高校や大学などの学食や会社の社員食堂は10%となります。「サービス」については、パーティーやイベント等で提供される料理は、それらは飲食料品の購入ではなくサービスの購入になるため10%となります。また、購入する食品を店員が運んでくれる場合もサービスを受けたということになり、ケータリングや出張料理のように、顧客が指定した場所に顧客に飲食をさせる場合もサービスの購入として10%となります。その他、飲食料品におまけなどの商品を付けてセットして販売される場合があります。これを一体資産といいますが、税抜価額が1万円以下であって、かつ食品の価額の占める割合が3分の2以上の場合には商品全体が8%となり、そうでなければ全体が10%となります。

新聞

 新聞が8%となるのは、定期購読契約で週2回以上発行されるものであるため、売店などで新聞を直接購入する場合は10%となります。一方、定期購読契約であったとしても週刊紙は10%となります。また、インターネットを使用した電子版の日刊新聞については、定期購読契約であったとしても10%となります。これは、商品などの譲渡にはあたらず、電気通信利用役務の提供に該当するサービスの提供になるためです。

主な軽減税率対象商品の区分

軽減税率対象(消費税8%) 軽減税率対象外(消費税10%)
飲食料品 ・一般的な飲食料品の購入
・学校給食
・出前・宅配
・酒類の購入
・医薬品
・医薬部外品の購入
・飲食料品の外食等
新聞 ・定期購読契約に基づく週2回以上発行の一般的な新聞(日刊新聞等) ・売店で直接購入した新聞
・電子版の新聞

テイクアウトや店内飲食の価格表示について

 テイクアウトも店内飲食もできるお店では、同じ商品であったとしても、異なる税率が適用されることになります。売手である事業者がどのような価格設定を行うかは事業者の任意ですが、テイクアウト等(8%)及び店内飲食(10%)で異なる税込価格を設定する場合の価格表示方法としては以下の2つの方法が考えられます。

  • テイクアウト等及び店内飲食の両方の税込価格を表示する方法
  • テイクアウト等又は店内飲食のどちらか片方のみの税込価格を表示する方法

 また、8%が適用されるテイクアウト等の税抜価格を、10%が適用される店内飲食より高く設定、又は店内飲食の税抜価格を低く設定することで同一の税込価格を設定し表示することも可能です。

8%か10%かわからないときは

 軽減税率は、消費税としては日本で初めて導入される制度であり、また飲食料品や新聞について8%が適用されるのか10%が適用されるのかさまざまな状況があり、いずれを適用する必要があるのかを判断するのが実務上困難な場合があります。そこで、8%か10%がわからないときには、国税庁のウェブサイトに多くのQ&Aが設けられていますので、まずはそれを参考にするとよいでしょう。もし、それでもわからない場合には、税務署や税理士などの専門家に確認する必要があります。

©武田守 本記事は、武田守監修「事業者必携 消費税率10%引き上げに対応! 入門図解 会社の税金【法人税・消費税】しくみと手続き」(三修社、2019年)の内容を転載したものです。
事業者必携 消費税率10%引き上げに対応! 入門図解 会社の税金【法人税・消費税】しくみと手続き

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