公務員への賄賂、汚職を規制するインドの法律の内容や罰則は

国際取引・海外進出

 インドにおいて、公務員に対する贈賄や汚職を禁止する法律や規則はありますか。

 あります。インドでは、腐敗防止法や刑法によって贈収賄が処罰の対象となります。公務員の汚職は、インドにおいては大きな社会問題となっており、選挙の際にも汚職対策がたびたび争点とされています。

解説

目次

  1. 腐敗防止法による規制
    1. 規制対象
    2. 禁止される行為
    3. 罰則
  2. インド刑法等による規制

腐敗防止法による規制

 法令としては、腐敗防止法(Prevention of Corruption Act, 1988)が公務員に関する贈収賄を規制しており、インドにおける公務員関連の贈収賄規制の基本法となっています。

規制対象

 規制の対象は、インドの公務員(public servants)に対する(/による)、インド国内外の個人または法人による(/からの)便益(gratification)の提供(/受領)です。

 公務員(public servants)には、中央政府、州政府の職員、中央政府や州が保有する公共施設の職員、土地公団など公営の会社、裁判官などが含まれます。

禁止される行為

 この法律に違反するかの判断にあたっては、上記のとおり、便益(gratification)の提供/受領の有無が問題となりますが、その意義について、腐敗防止法上には詳細な定義はなく、金銭的便益や金銭的に評価できる便益に限られないとのみ規定されています。

 判例上は、人の欲求を満足させる一切の便益を含むとされています。

 処罰対象行為は、賄賂により達成しようとする目的が、合法的なものであるか否かを問わないとされており、たとえば、手続の迅速化を目的とする場合など、手続の内容自体は合法であっても、贈収賄は成立します。

 実際に公務員側から何らかの便宜が与えられたか否かを問いませんので、便益の供与があり、それを公務員が受領すれば、その後公務員側から何らの便宜も与えられなくとも贈収賄が成立します。

罰則

 違反した場合の罰則は、6か月以上5年以下の懲役および/または罰金です。罰金について、法令上、明確な上限規定はなく、受領した金品の価値を考慮して定めるとのみ規定されています。常習賄賂罪も規定されており、贈収賄が常習的(habitual)である場合、2年以上7年以下の懲役および/または罰金が科されるとされています。

インド刑法等による規制

 また、インド刑法(Indian Penal Code, 1860)が、選挙の際の投票の確保を目的とした贈収賄や刑事犯の隠避等を目的とした利益供与を規制しています。

 また、中央政府監視委員会法(Central Vigilance Commission Act)が中央政府高官による贈収賄を監視する委員会設置の基本法となっています。

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