インドの会社における監査人、秘書役とはどのような役職か
国際取引・海外進出インドの会社には、日本でいう監査役という役職はないものの、auditorという役職はあると聞きました。同じものではないのでしょうか。 また、会社秘書役とはどのような役職でしょうか。
日本でいう監査役とauditorは違うものです。むしろ日本でいう会計監査人に近い存在です。
また、会社秘書役(company secretary)とは、文書管理、株主管理、法令遵守などをその主要な任務、権限とする、インド会社法上の会社の機関です。
解説
監査人(auditor)とはどのような役職か
インド会社法上、監査人(auditor)は、会社の会計監査および監査意見の表明の権限を有します。一方、日本法における監査役が有するようないわゆる業務監査権限は有していません。
また、監査人となれる者は、勅許会計士の資格を有する者または会計事務所に限られます。これらの点で、インド会社法上の監査人は、原則として業務監査権限を有する日本の会社法上の監査役とは大きく異なっており、むしろ日本でいう会計監査人に近い存在であるといえるでしょう。
会社秘書役(company secretary)とはどのような役職か
会社秘書役(company secretary)とは、文書管理、株主管理、法令遵守などをその主要な任務、権限とする、インド会社法上の会社の機関です。
会社秘書役は、日本の会社法上は存在しない概念、役職ですが、英米法(コモンロー)系の会社法では会社の重要な役職とされています。
会社秘書役は、一定の有資格者でなければなることができません。資本金が5,000万ルピー以上の会社については、社内に常勤の会社秘書役を設置しなければなりません。

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