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2020年株主総会に向けて、いま企業に求められる「株主との対話」の形PR シェアホルダーリレーションズの傾向から考える、招集通知作成の工夫や電子化対応

コーポレート・M&A

目次

  1. コーポレートガバナンスを取り巻く状況
  2. 株主総会におけるガバナンス上の論点
    1. 役員報酬の額、および決定方針の開示
    2. 取締役会における多様性
  3. 招集通知作成にあたっての様々な工夫
  4. 招集通知の内容充実・電子化をサポートする「ネットで招集」
  5. 対話を意識した株主総会の運営の変化
  6. 取締役会事務局に求められる情報セキュリティ
  7. 企業のグローバル展開に不可欠な翻訳サポート

コーポレートガバナンスを取り巻く状況

 2018年6月、コーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)が改訂された 1。このCGコード改訂では、政策保有株式の削減を進めることや、経営トップの選任・解任手続きの透明性確保、女性や外国籍の役員の登用による取締役会の多様性の具備等が求められている。投資家と企業の対話の内容が依然として形式的であるという指摘も存在しているが、この改訂以降、「形式から実質へ」の環境整備は一層強まっている。

 また、2019年には有価証券報告書においても役員報酬や政策保有株式関連情報を記載することなどの、企業と株主・投資家間での対話促進に向けた情報提供充実に関する内閣府令の改正が図られ 2、同年12月には株主総会招集通知の電子提供を可能とする会社法の改正が成立する等、シェアホルダーリレーションズ(発行企業が株主と良好な関係を築くための活動、以下、SR)を巡る環境の変化は激しさを増している。

株主総会におけるガバナンス上の論点

役員報酬の額、および決定方針の開示

 この数年は役員報酬虚偽記載事件の報道もあり、役員報酬に関する議題は株主の関心を集めた。上述のCGコード改訂では、「取締役会は、……客観性・透明性ある手続に従い、報酬制度を設計し、具体的な報酬額を決定すべきである」(補充原則 4−2①)と改められ、取締役会が主体的に、報酬制度や報酬額を決定すべきであるとされた。当該補充原則は、手続上の十分な透明性を確保することを求めている。

 加えて、2019年1月に施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年内閣府令第3号)によって、報酬額等の決定方針、業績連動報酬について開示項目が拡充された。この有価証券報告書の開示内容の改正については、2020年より適用される事項もあり、会社法で株式会社に作成が義務付けられている「事業報告」等(会社法435条2項)とも関連している。今後「事業報告等と有価証券報告書の一体的開示」の動きも進んでいくなか、役員報酬決定方針の開示対応については「事業報告」等の作成実務および総会運営への影響も大きくなっている。

招集通知における役員報酬の決定方針の開示状況(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

招集通知における役員報酬の決定方針の開示状況(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

取締役会における多様性

 CGコードは、取締役会が適切な知識・経験・能力を全体としてバランス良く備え、その機能を十分に発揮していくために、多様性と適正規模を両立させる形で構成されるべきであるとしている。原則 4−11.では、「取締役会は、その役割・責務を実効的に果たすための知識・経験・能力を全体としてバランス良く備え、ジェンダーや国際性の面を含む多様性と適正規模を両立させる形で構成されるべきである」とされ、「ジェンダー」と「国際性」について明確に規定されている。また女性の役員(取締役または監査役)がいない一部の企業に対して、原則として経営トップの選任に反対する方針を定めた議決権行使助言会社もある 3。同社は2020年2月より、当該ジェンダー・ダイバーシティに対する方針の、東証一部および二部上場企業への適用拡大も控えており、機関投資家等の関心が高まっている。

役員選任議案のうち女性役員候補者をふくむ議案数の推移(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

役員選任議案のうち女性役員候補者をふくむ議案数の推移(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

招集通知作成にあたっての様々な工夫

 CGコードで株主総会や株主総会招集通知に関連する事項、原則が示されていることなどを受け、招集通知を作成するにあたって、任意記載事項の拡充や株主にわかりやすく情報開示するための工夫を行う企業が年々増加している。

 たとえば、招集通知の株主総会参考書類における役員選任議案では、取締役、監査役等の社外役員候補者の選任理由は法定記載事項であるが(会社法施行規則74条4項2号、74条の3の4項2号、76条4項2号)、社内の役員候補者については、当該選任理由の記載は求められていない。この点、CGコードにおける原則 3−1.(ⅳ)(ⅴ)では、以下の事項について開示し、主体的な情報発信を行うことを求めていることから、社外役員候補者以外の役員候補者も含めた個々の選任理由を招集通知に記載している事例が多く見られるようになった。

  1. 取締役会が経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行うにあたっての方針と手続
  2. 取締役会が上記①を踏まえて経営陣幹部の選解任と取締役・監査役候補の指名を行う際の、個々の選解任・指名についての説明

役員選任議案における役員の個々の選任理由を記載する企業数の推移(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

役員選任議案における役員の個々の選任理由を記載する企業数の推移(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

 また、招集通知の体裁面でも、株主が読みやすく発行企業のメッセージが伝わりやすくするために、カラーにし図版などを用いる、役員選任議案で候補者の顔写真を掲載する、議案の冒頭に候補者の一覧表を掲載し一覧性を持たせるケースなど、企業ごとに工夫を凝らす傾向が進んでいる。

招集通知をカラー化する企業数の推移(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

招集通知をカラー化する企業数の推移(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

役員選任議案における候補者一覧を掲載する企業数の推移(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

役員選任議案における候補者一覧を掲載する企業数の推移(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

 そうしたなか、ディスクロージャー&IRのパイオニアである宝印刷株式会社は、招集通知作成にかかる様々な工夫をサポートし、掲載内容の充実に対してソリューションを図っている。

 2003年4月に「シェアホルダーリレーションズ」を商標登録し、株主との対話を推進する同社では、個人株主、機関投資家など対象となる株主層に対して企業がアピールすべき情報充実等を個別に提案し、一層の対話促進に貢献する記載の工夫などを提案している。豊富な実績から提案される内容は発行企業担当者に役立ち、株主との建設的な対話に大きく貢献できるものになっている。

招集通知の内容充実・電子化をサポートする「ネットで招集」

 加えて、宝印刷株式会社では印刷物にとどまらず、招集通知の電子提供に備えた「ネットで招集」サービスを提供している。「ネットで招集」は、スマートフォン、PC、タブレットの特性を活かした操作性を備え、株主総会参考書類の各議案について、社長による説明動画として掲載できる機能などを提供するなど、今後想定される多様なニーズに対応している。GoogleカレンダーやMAPアプリなどとの連携などはまさに電子化をみすえた利便性を向上させる機能と言える。

「ネットで招集」では株主による議案の理解促進へ向けた動画なども掲載可能

「ネットで招集」では株主による議案の理解促進へ向けた動画なども掲載可能

 また、ユーザビリティの面では、信託銀行が提供する議決権行使ウェブサイトと「ネットで招集」との連携が図られていることも見逃せない。信託銀行が提供する議決権行使ウェブサイトでは、QRコードを用いることでID・パスワードを入力せず議決権行使がスマートフォンで行えるサービスを提供し、株主の利便性に大きく貢献している。「ネットで招集」はこれと連動する形で、招集通知をスマートフォンで閲覧でき、同サイトへリンクできるようにカメラ機能が立ち上がるなどの設計がなされており、株主の情報収集の入口となる。

 宝印刷株式会社は自社のSR活動の一環として「ネットで招集」を導入しているが、2019年には議決権を行使した株主のうち18.0%が議決権を電子行使しており、5年前の同3.8%から毎年上昇しているという。こうした実績から、現在では100社を超える企業が「ネットで招集」を採用するに至っている。

「ネットで招集」における、議決権行使ウェブサイトへのリンクイメージ

「ネットで招集」における、議決権行使ウェブサイトへのリンクイメージ

 また対話の観点では、「ネットで招集」はアンケートWEBサイトへのリンクを設けているなど、スマートフォンを用いる株主の利便性に配慮した機能が提供されている。こうした拡張性も魅力的だろう。

「ネットで招集」では、株主を対象としたアンケート機能も利用できる

「ネットで招集」では、株主を対象としたアンケート機能も利用できる

 これらのサービスは株主層の招集通知電子化に対する意識向上にも大きく貢献するものとして普及が進んでいくことが見込まれる。株主の利便性、対話の活性化を果たすために、発行企業には検討の価値があるサービスだ。

対話を意識した株主総会の運営の変化

 株主総会の運営実務についても、近年、変化が顕著である。株主総会では、法的瑕疵は許されない一方、対話の場としての重要性が一層高まっている。つまり議長が適切かつ円滑に議事進行を行いつつも、より深い株主との対話の場としての期待値が高まっているのだ。

 こうした状況に対し、宝印刷株式会社は、これまで400社以上の企業に対して、延べ2,000件超のパワーポイント(PPT)の作成といったビジュアル化支援を行っており、日本でも有数の実績を誇っている。また近年では株主総会にかかる同社の高いノウハウを生かす形で、株主総会全体のオペレーションのサポートや、動画作成ノウハウを生かした企業のPR動画・工場案内動画の制作など広範な範囲を受託するケースも増えているという。バーチャル株主総会への議論がなされるなど、株主との「建設的な対話」に向け株主総会の在り方も変化が求められるなか、専門性の高い支援を受けられる宝印刷株式会社の総会運営支援サービスは、積極的な総会運営を果たしたい実務者にとっては魅力的だ。

取締役会事務局に求められる情報セキュリティ

 企業においては、株主との対話の前提として取締役会事務局の適切な運営が求められる。特にIR、SRのどちらにおいても社外取締役との円滑なリレーションを果たしていかないことには、せっかく強化したガバナンスも機能不全に陥ってしまう。たとえば、情報共有ひとつを切り出してもそうだろう。

 宝印刷株式会社では、米国のメリルコーポレーションが開発した「VDR(バーチャルデータルーム)」と呼ばれる機密性の高いクラウド型情報共有サービスを提供しており、それを社外取締役とのコミュニケーションに活用しているケースが増えているという。一般的にVDRは、デューデリジェンス時の情報共有等に活用されることで知られているが、同社のVDRは高セキュリティの利点を活かし、経営会議の資料等の社外取締役への配信などに利用できるサービスとなっている。多言語に対応しているため外国人社外取締役との情報共有時にもストレスなく使用可能。多様な変化が求められる事務局運営においても肝となる、情報管理の安全性を確保するサービスだ。

企業のグローバル展開に不可欠な翻訳サポート

 CGコード(補充原則1-2④)において、海外機関投資家の比率等を踏まえた上で招集通知を英訳することが推奨され、対応の必要性から、招集通知の英訳版の開示が進んでいる。宝印刷株式会社が3月期決算上場企業を対象に実施した調査によれば、上場企業全体の34%が、日経225採用銘柄に至っては95%が英訳版招集通知を開示しており、英訳版の開示の重要性は非常に高まっている。日経225採用銘柄のうち、招集通知の全てを英訳した会社は51%と半数を超えた。また招集通知の一部を英訳した会社では、「狭義の招集通知および株主総会参考書類」を英訳した割合が高く、決議事項に直接関係する箇所から英訳が進められていることがうかがえた。

英訳版招集通知の開示状況(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

英訳版招集通知の開示状況(宝印刷株式会社調べ、3月期決算上場企業対象)

 また、日本の企業に対する海外からの投資が年々増加傾向にあり、宝印刷株式会社調べでも、外国人持株比率が高い会社ほど招集通知における翻訳範囲が広くなる傾向が見られた。外国人持株比率が20%以下の会社のうち、招集通知の全てを英訳する会社は10%前後に留まるのに対し、外国人持株比率が40%を超える会社の場合、その約50%が招集通知の全てを英訳していた。グローバル化が進む中、外国人投資家が英文開示について強いニーズを持っていることがうかがえる。宝印刷株式会社では、こうした英文開示のニーズ増加へ対応すべく、2018年・2019年と国内・海外の翻訳会社を新たにグループに加え翻訳体制をさらに強化、企業のグローバル展開のサポートに貢献している。

 SR活動を通じた、株主からの理解・共感の獲得はますます重要になってきており、機関・個人を問わず株主・投資家の求めるディスクロージャー・IRの幅も広がっている。本稿で紹介した株主総会運営をはじめとするコミュニケーション上の工夫や、株主総会招集通知・各種資料の電子化に向けた対応を進め、株主・投資家との対話姿勢を示すことは、今後より選ばれる企業・銘柄となるためにも肝要だろう。

【お問い合わせ先】
本稿で紹介しましたとおり、宝印刷株式会社では株主との関係性向上をサポートするサービスを提供しております。詳細につきましては、以下のボタンをクリックのうえ、お問い合わせください。

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