今年も残り約4か月!2016年の日本市場を振り返る
コーポレート・M&A
トムソン・ロイターは7月に、2016年第2四半期における「M&A市場」「株式資本市場」等のリーグテーブルを公表しました。
今回、BUSINESS LAWYERS編集部では、同社のデータを参考に、2016年上半期における日本市場の動向についてまとめました。
ハイテク業関連で歴代1位となる大型買収
2016年上半期の日本市場におけるM&A公表案件は、トムソン・ロイターの調査によると7.1兆円で、前年同期比では24.8%減少となりました。一方で、案件数ベースでは1565件となり前年同期の1541件から24件増加する結果となっています。
1000億円超の案件総額は4.4兆円(14件)で、前年同期の6兆円 (20件)から27.1%縮小。被買収側の業種別でみるとハイテクが2.1兆円、前年同期比では34.9%増加し、全体の29.5%を占めて首位となる結果となっています。
同社によると、これはテンセントホールディングスによるスーパーセル買収案件(8937億円)が寄与しており、同案件は日本企業が関与するハイテク業関連案件では2000年に公表されたNTTコミュニケーションズによる米ベリオ買収案件(6862億円)をおさえ歴代1位となったと述べています。
また、4〜6月期における最大の国内案件は、大和ハウスレジデンシャルによる大和ハウスリートの買収であるとし、同案件は上半期全体では8番目の規模と公表しています。
なお、日本企業関連のランクバリューベースにおけるアドバイザーランキングは下記の通りとなっています。
既公開案件が取引金額70%大幅減、各国市場でも低水準
2016年上半期の日本における株式・株式関連市場の資金調達規模は、新規公開案件において増加がみられたものの、既公開案件における大幅な減少に起因し、前年同期比43.9%縮小となる1.2兆円に留まる結果となりました。
案件数ベースでは、前年同期より 38件減少となる98件。世界の主要市場比較においても、取引金額は全市場で約半減となっており、市場全体で2012年以来の低水準であると述べられています。
既公開案件においては、取引金額は前年同期比70.2%の大幅減となる4297.3億円であり、これは2000年以降上半期ベースで2008年の2611億円、2012年の3443億円に次いで3番目に低い水準であると同社は指摘しています。
案件数ベースでは、前年同期より28件の減少となる39件に留まり、こちらは2012年上半期24件以来の低水準とのことです。
一方で、新規公開取引金額は2714.7億円と前年同期比41.4%の増加を記録し、上半期取引金額ベースでは3年ぶりに増加に転じています。案件数ベースでは44件と、昨年同期比12%の減少となり、7年ぶりに減少。4~6月期についてみると、18件の新規公開案件が発表され、6月に条件決定されたコメダホールディングによる601.7億円のIPO案件が最大となっています。
なお、グローバル株式・株式関連おけるブックランナーランキングは下記の通りとなっています。
(構成:BUSINESS LAWYERS編集部)