投資型クラウドファンディングとは? 金商法改正の概要と実務上の課題

ファイナンス
溝口 元気弁護士 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業

目次

  1. クラウドファンディングと金融商品取引法の改正
  2. 投資型クラウドファンディングとは
    1. クラウドファンディングとは
    2. CFの類型
    3. 投資型CFの特徴
  3. 金商法における投資型CF制度の概要
    1. 金融商品取引法改正の趣旨
    2. リスクマネー促進のための参入要件緩和
    3. 投資者保護-規制対象となる「電子募集取扱業務」などの範囲
    4. 投資者保護-行為規制
  4. 投資型CFを活用したビジネス
    1. 地方創生
    2. 中小企業支援
    3. その他
    4. 英国での活用例
  5. 今後の課題

クラウドファンディングと金融商品取引法の改正

 平成26年5月、クラウドファンディングの健全な発展のための規制枠組みとして金融商品取引法(以下「金商法」)を改正する法律が公布され、平成27年5月に同改正を受けた政令、内閣府令等の改正が公布された。これらの主要部分は同年5月29日から施行されている。本稿では、クラウドファンディングのうち「投資型」クラウドファンディングに関する、改正法の実務への影響と課題を解説する。

投資型クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは

 クラウドファンディング(“crowdfunding”、以下「CF」という。)は、新規・成長企業などの事業者と資金提供者をインターネット経由で結び付け、多数の資金提供者から少額ずつ資金を集める仕組みである。CFの利用者は企業に限らず、NPOやボランティア団体などによっても幅広く活用されている。

CFの類型

 一般に、CFは、寄付型CF購入型CF投資型CFに分類される。

寄付型CF 被災地、発展途上国、慈善事業、小規模事業等に対する資金提供を、ウェブサイト上での寄付を募る方法で行う。
購入型CF 購入者から前払いで集めた代金を元手に製品を開発し、購入者に完成した製品等を提供するものなど。被災地や障がい者の支援事業、音楽・ゲーム等のコンテンツ制作事業において活用例がある。
投資型CF 資金提供者に対する金銭的リターンがある。

投資型CFの特徴

 投資型CFは、さらに(a)融資型、(b)株式型、(c)ファンド型に分類される。

投資型CF (a)融資型 集めた資金を貸付けの方法で事業者に提供する。
(b)株式型 株式(特に未公開株)発行の方法で資金を集める。
(c)ファンド型 ファンド持分を購入させる方法で資金を集める。

(a)融資型とは

 事業者への貸付けやその媒介をする部分で、貸金業法上の貸金業者登録を要する。また、投資家から資金を集める方法が匿名組合契約など出資を募るものである場合は、その部分では金商法上の第二種金融商品取引業者の登録が必要である。第二種金融商品取引業とは、ファンド持分などの流通性の低い有価証券の募集や媒介・取次ぎ・代理などを行うものをいう。

(b)株式型とは

 金商法上の第一種金融商品取引業者の登録を要する。第一種金融商品取引業とは、株式や国債等の流動性の高い有価証券の売買・勧誘等を行うものをいう。

(c)ファンド型とは

 上記の、第二種金融商品取引業者の登録を要する。またファンドから事業者への資金提供が株式など有価証券の発行を受けるものである場合は、そのファンド運用につき、金商法上の投資運用業者の登録も必要となる。

改正前の状況

 従前は、上記の業者登録と規制遵守の必要性がある原則以外に、インターネットを経由して募集・私募や、その取扱い(代理など)を行うことについて特別の規制が存在しなかった。また、従前は、日本証券業協会の自主規制規則が非上場株式の募集の取扱を禁止していたため、株式型CFが対象として想定している非上場株式について、協会の会員が、募集を通じて多数の資金提供者から資金調達することは、事実上不可能であった。

金商法における投資型CF制度の概要

金融商品取引法改正の趣旨

 CFは、インターネットの活用により家計などからリスクマネーが成長産業等に効率的に供給される仕組みとして成長することが期待されている。もっともその一方で、対面することなく、インターネットを通じて投資が行われることから詐欺行為が多発することが懸念されている。
 そこで、今回の改正法は、大きくわけて、①リスクマネーの供給促進と、②詐欺的行為からの投資者保護の2点に取り組んでいる。

リスクマネーの供給促進 一定の少額の資金集めの仲介者の新規参入を促すため、
  • 第一種電子募集取扱業者
  • 第二種電子募集取扱業者
という、参入要件が緩和された金融商品取引業者の類型を新設
詐欺的行為からの投資者保護 業務管理体制整備重要情報提供などの、金融商品取引業者の義務を強化・新設
自主規制機関(日本証券業協会及び第二種金融商品取引業協会)を通じた自主規制機能の強化

リスクマネー促進のための参入要件緩和

 上記のとおり、第一種・第二種少額電子募集取扱業者という類型が新たに設けられた。
 「少額」とは、株式・ファンド持分の発行価額の総額(算入対象期間につき細かいルールがあるがここでは割愛する)が1億円未満であり、投資者一人当たりの払込額が50万円以下(算入対象期間のルールの説明は割愛する)であるもの(「少額要件」という)に限定して、募集等の取り扱いができるということである。これらの少額電子募集取扱業者は、少ない資本金で登録でき、また、金融商品取引業者の業務と比べて、各種の義務が免除されている。

「少額」の要件
  • 株式・ファンド持ち分の発行価額の総額が1億円以下であること
  • 投資者一人当たりの払込額が50万円以下であること

 以下ではその参入要件の緩和につき主に概説する。「電子募集取扱業務」という用語も出てくるが、その説明は後述する。改正法上の定義語が入り組んでいるためで、若干の分かりづらさはご容赦いただきたい。

① 第一種少額電子募集取扱業者

 まず、投資型CFのうち株式型については、非上場の株式・新株予約権(公衆縦覧型の開示規制の対象となっている有価証券を除く)について少額要件を満たす電子募集取扱業務を行う場合、最低資本金として1,000万円を用意すれば第一種少額電子募集取扱業者としての登録が受けることが可能となった。これは、通常の第一種金融商品取引業者の最低資本金が5,000万円(業務内容によっては最大30億円)であることを考えると、大幅な参入要件の緩和である。
 また、通常の第一種金融商品取引業者では兼業規制によって、行うことができる業務が金商法上列挙されており、それ以外の業務を行いたい場合には、内閣総理大臣(金融庁長官)の承認が必要である。しかし、第一種少額電子募集取扱業者は、このような兼業規制がかからないため、他業種からの参入が容易となっている。
 ほかにも、金融商品取引責任準備金の積立義務等が適用されない。

 もっとも、後述する業務管理体制整備義務等については、電子募集取扱業務を行う通常の第一種金融商品取引業者と同様の義務を負うことになる。
 また、第一種電子募集取扱業者は、電子募集取扱業務に該当しない募集等の取扱いを行うことはできないため、電話や対面による勧誘はできず、投資家を募集・勧誘する時点から申込みまで、インターネット上で完結させなければならない。

② 第二種少額電子募集取扱業者

 ファンド型の投資型CFについては、金商法上の集団投資スキーム持分(一部適用除外となる場合を除く)を対象とする少額要件を満たす電子募集取扱業務について、第二種少額電子募集取扱業務として、500万円の最低資本金を用意することで登録することができるようになった。通常の第二種金融商品取引業者の最低資本権の額が1,000万円であることに比べて、参入要件の緩和となっている。
 同様に、個人が第二種金融商品取引業を行う場合に求められる営業保証金の金額も、通常は1,000万円の供託等が必要なところ、500万円で足りる。
 また、第二種少額電子募集取扱業者は、標識掲示義務が課されない。

 もっとも、後述の業務管理体制整備義務等については、電子募集取扱業務を行う通常の第二種金融商品取引業者と同様の義務を負うことになる。また、登録の審査に際して確認されるべき人的構成についても、通常の第二種金融商品取引業者と同じ基準で審査が行われることになる。

投資者保護-規制対象となる「電子募集取扱業務」などの範囲

① 電子募集取扱業務

 金商法上は、投資型CFについてインターネットを利用した一定の業務を「電子募集取扱業務」と定義してルールを整備している。
 「電子募集取扱業務」とは、要約すると、( i )ウェブサイトを閲覧させる方法、または( ii )ウェブサイトを閲覧させる方法と併せ、電子メールやそれに類似するインターネット上でのメッセージ授受サービスを用いる方法によって、有価証券の募集等の取扱いを業として行うことをいう。

 例えば、ウェブサイト上で個別商品の手数料、予想リターン、申込期間等を掲載したページを設けている場合には、基本的に募集等の取扱いに該当することになり、電子募集取扱業務に該当する。このウェブサイトには、SNSやブログ等も原則として含まれる。
 また、上記( i )または( ii )の手段と電話や訪問等との手段を併用する場合も、電子募集取扱業務に該当する。
 一方、電子メールのみで勧誘を行う場合や、インターネット電話のみを通じて勧誘を行う場合等は、電子募集取扱業務に該当しない。

② 規制対象有価証券

 なお、今回新たに設けられた金商法上の規制は、上記の「電子募集取扱業務」を行った場合すべてに適用されるわけではない点に注意して欲しい。有価証券すべての取扱いが対称となるわけではなく、一定の種類の有価証券(いわゆる「規制対象有価証券」)について「電子募集取扱業務」を行う場合にのみ、金商法上の投資型CFのルールが適用される

 この規制対象有価証券は、基本的に、金商法3条の開示規制適用対象外となる有価証券または非上場有価証券である。もっとも、非上場有価証券であっても、国債等の安全性の高いもの、有価証券届出書等による開示がなされているもの、融資型CFに関するもの等については、規制対象有価証券から除外されることとなる。

③ 電子申込型電子募集取扱業務等

 投資型CFである電子募集取扱業務のうち、有価証券取得の申込みまでインターネット上で完結するもの、第一種・第二種少額電子募集取扱業務、それらによる募集・私募の取扱いがなされているものの残部の募集等の取扱いについては、特別に「電子申込型電子募集取扱業務等」と定義した上で、通常の電子募集取扱業務よりも厳しい規制がかかる。
 これは、有価証券取得の勧誘から申込みまで一連の取得行為が全てインターネット上で行われる場合には、投資家に対してより慎重な判断を行う機会を確保することを目的とするものと思われる。

投資者保護-行為規制

 以下では、CFを取り扱う場合において、投資家保護の観点から金融商品取引業者が負うべき行為規制について説明する。なお、この中には、CFを取り扱う場合に限らず、今回の改正において追加で設けられた行為規制もあるので、併せて説明する。

① 業務管理体制整備義務(電子募集取扱業務)

 CFに関する金商法改正と併せて、CFを取り扱う場合に限定せず、全ての金融商品取引業者等について業務管理体制整備義務が課され、社内規則等の整備や、従業員の研修等の措置がとられる体制構築が求められることとなった(金商法第35条の3、金商業等府令第70条の2第1項)。
 また、規制対象有価証券に係る電子募集取扱業務を行う場合には、電子情報処理組織の管理を十分に行うための措置がとられる体制構築も求められる(金商法第35条の3、金商業等府令第70条の2第2項第1号)。
 この体制構築義務は、電子募集取扱業務を行う者のみならず、規制対象有価証券に係る自己募集・私募を行う者にも課せられる(金商法第35条の3、金商業等府令第70条の2第2項柱書)。

② 業務管理体制整備義務(申込型電子募集取扱業務等)

 電子申込型電子募集取扱業務等を行う場合には、上記に加えて、以下の措置がとられている必要がある(金商法第35条の3、金商業等府令第70条の2第2項第2号~第7号)。

  1. 標識に表示すべき事項のウェブサイト上での閲覧提供
  2. 取り扱う有価証券について発行者の財務状況、事業計画の内容及び資金使途等を適切な審査すること(デューデリジェンス)
  3. 応募額が申込期間内に目標募集額に到達しなかった場合及び超過した場合の取扱方法を定め、当該方法に関して顧客に誤解を生じさせないための措置
  4. オールオアナッシング方式、すなわち応募額が目標募集額に到達したときに限り有価証券が発行される方式の場合には、目標募集額に到達するまでの間、発行者が応募代金の払込みを受けることがないことの確保
  5. 顧客が有価証券の取得の申込みをした日から起算して8日を下らない期間が経過するまでの間、申込みの撤回や契約の解除を行うことができることの確認(クーリングオフ)
  6. 発行者が顧客の応募代金の払込みを受けた後、当該発行者の顧客に対する事業の状況について適切な情報の定期的提供の確保

 これらのうち、上記2の「発行者についてのデューデリジェンス義務」に留意を要する。
 すなわち、電子申込型電子募集取扱業務等においては、発行者の財務状況、事業計画、資金使途や投資(事業)リスク等についても実質的な審査を行うことが求められ、CF業務を行う上で、金融商品取引業者に相当の事務負担が生じる。
 また、資金調達者(有価証券の発行者)の観点からは、電子申込型電子募集取扱業務等を行う者に募集の取扱いを委託する場合に、上記5のクーリングオフについて株式引受契約や匿名組合契約等において定める必要があり、投資対象によっては、機動的な資金調達の観点から問題が生じる場合があり得る。

 これらの要件は、従来は、第一種・第二種金融商品取引業者として登録されていれば特別の規制が課されていなかったCF業務に、投資者保護のための必要な措置としてインターネットの特性に応じた特別の規制を課する趣旨である。
 さらに、第一種・第二種少額電子募集取扱業務を行う場合は、後述の少額要件を満たさなくなることを防止するための必要かつ適切な措置も求められる(金商法第35条の3、金商業等府令第70条の2第2項第8号)。

③ 重要情報提供義務(ウェブサイト上の表示)

 規制対象有価証券について電子募集取扱業務を行う場合には、電子募集取扱業務を行う期間中、ウェブサイト上で、顧客が支払うべき手数料や、金利等の指標の変動リスク、金融商品取引業者等の業務状況等の変化を直接の原因とするリスクについて情報提供しなければならない(金商法第43条の5、金商業等府令第146条の2第3項)。

 これらについては、映像面の見やすい箇所に明瞭かつ明確に表示することが求められ、また、信用・市場リスク及び顧客の注意を喚起すべきリスクについては当該事項以外の事項の文字・数字のうち最大のものと著しく異ならない大きさで表示する必要がある(金商業等府令第146条の2第1項、第2項)。

④ 重要情報提供義務(契約締結前交付書面)

 規制対象有価証券について電子募集取扱業務を行う場合には、契約締結前交付書面において、有価証券の発行者の情報を記載する必要がある(金商法第37条の3第1項7号、金商業等府令第83条第1項第3号~第5号)。
 また、電子申込型電子募集取扱業務等の場合には、上記に加えて、目標募集額、デューデリジェンスの概要・結果、クーリングオフの手続、その他顧客の注意を喚起すべき事項等を記載する必要がある(金商法第37条の3第1項第7号、金商業等府令第83条第1項第6号)。

⑤ 日本証券業協会・第二種金融商品取引業協会の自主規制規則

 第一種・第二種金融商品取引業者の自主規制機関として、日本証券業協会および第二種金融商品取引業協会は、上記のCFに関する法令に基づく規制の詳細を定め、また、追加的に規制をしている。

 例えば、非上場株式・新株予約権については、法令上は電子募集取扱業務を行うことに制限はない。しかし、日本証券業協会の自主規制規則によると、第一種少額電子募集取扱業務に該当する募集の取扱いのみを許容しており、それ以外の非上場株式・新株予約権についての投資勧誘は禁止されている(日本証券業協会『店頭有価証券に関する規則』第3条、『株式投資型クラウドファンディング業務に関する規則』第2条第2号、第4条第3項)。

 また、電子申込型電子募集取扱業務等において取り扱う有価証券につき、電話や訪問による勧誘を禁止しているため、インターネット上で有価証券の申込みまで行うものについては、電話や訪問による勧誘はできない(日本証券業協会『株式投資型クラウドファンディング業務に関する規則』第12条、第二種金融商品取引業協会『電子募集取扱業務等に関する規則』第9条)。

 日本証券業協会または第二種金融商品取引業協会に加入していない第一種・第二種金融商品取引業者であっても、金融商品取引業者としての登録のためには、これらの自主規制規則に準ずる内容の社内規則を作成し、これを遵守するための体制を整備する必要があるため、協会への加入の有無にかかわらず同様の規制に服することとなる(金商法第29条の4第1項第4号二、第33条の5第1項第4号)。

投資型CFを活用したビジネス

 さて、今回の金将法改正によって、投資型CFがいよいよ実務に導入されるわけだが、この投資型CFを活用することによって今後どのようにビジネスが発展していくだろうか。
 以下では、その概要について簡単に触れてみたい。

地方創生

 投資型CFを活用したビジネスのうち、政策的な観点から推進されているものとして、「ふるさと投資」が挙げられる。
 「ふるさと投資」とは、地域資源の活用やブランド化など、地方創生等の地域活性化に資する取り組みを支えるさまざまな事業に対するCF等の手法を用いた小口投資であって、地域の自治体や地域づくり団体の活動と調和が図られたものである。

 ふるさと投資による投資型CFの事例としては、今治タオルや、阪神電気鉄道、ガラス工房といったそれぞれの地方特有の産業に対して、ファンド形態で投資がなされている事例が報告されている(出典:首相官邸・内閣府地方創生推進事務局『資料編「ふるさと投資」の事例集』)。

中小企業支援

 投資型CFについては、中小企業支援として用いられている事例も多い。例えば、レストラン、カフェ、洋菓子店といった飲食関係や、職人的な技術が要求される鞄等の高級日用雑貨、農産物の生産者等による資金調達が挙げられるこれらの中小企業においては、資金需要自体がそこまで大きくないものも多いため、投資型CFによって少額の資金を機動的に調達するニーズが高いものと思われる。
 また、投資型CFによる投資者が、当該中小企業のビジネスにおいてロイヤルティーの高い顧客となる可能性も高く、このような観点からも投資型CFの利点が挙げられる。

その他

 例えば、映画や音楽等のコンテンツ、ワイン、不動産、太陽光・風力等の再生可能エネルギー発電設備等についても、投資型CFとの相性が良いと考えられ、すでに事業化されているものも多い。

英国での活用例

 伝統的な銀行による企業融資に対比するピア・ツー・ピア(P2P)ファイナンスの発展を重点的な政策として掲げ、日本に先行して2014年4月1日から投資型CFの規制枠組みを施行させている英国では、2015年の投資型CFの実行額は約3億3,200万ポンドに達している(そのうち不動産向けが8,700万ポンド)(出典:Cambridge Centre for Alternative Finance and Nesta “Pushing Boundaries – The 2015 UK Alternative Finance Industry Report)。

 英国では、現在日本で中心になっている一般消費者向けの商品・サービスの製造販売のほか、IT・フィンテックが投資型CFの活用分野の大きな柱となっている。その他、(社会的事業の意義を含めた)不動産、教育の事業も投資型CFの対象とされている。特に不動産分野では2016年に約30%の成長が見込まれている。

今後の課題

 CFに関する金商法改正の趣旨のうち、参入要件の緩和として創設された第一種・第二種少額電子募集取扱業者という類型であるが、募集・私募の規模が比較的小さいため、一件当たりの報酬・手数料が低額になる一方で、業務管理体制整備義務の事務負担は決して軽いものとはいえない。実際にも、第一種・第二種少額電子募集取扱業者としての登録は、普及しているとは言い難い状況にある。

 反面、投資家保護を目的として新設された業務管理体制整備義務を含む各種の規制は、従前は特別の規制がなかったCF業務についてルールが整備されたものである。

 このように、CFに関する金商法改正は、リスクマネーの供給という目的に直ちに資するものとは言い難く、むしろ投資家保護のために、CFに対する規制がようやく整備されたと評価すべきものといえる。

 事業者としては、明確化されたルールにおいて、魅力的な投資対象への資金供給を、どのように採算性を確保しながら事業化していくべきかという視点が重要になるものと思われる。

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