企業法務が遭遇する有事への対策 16の場面とその対応ポイント 第1回講演レポートPR 今回は「労基署が来た」、「税務署が来た」、「製品クレームが来た」、「公正取引委員会が来た」の4つの場面を解説
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目次
企業において、普段対応することが少ない事態(有事)を想定した準備は後回しになりがちです。一方で、有事の際に適時・適切な対応をすることで、ピンチをチャンスに変え、コンプライアンス体制や企業価値の強化・向上につなげることも可能です。
2024年4月より開催中の「企業法務が遭遇する有事への対策 16の場面とその対応ポイント」では、岩田合同法律事務所の経験豊富なパートナー弁護士が、企業に想定される有事の場面を16個取り上げ、それぞれの対応ポイントを解説します。
本セミナーは、1902年の創立以来一貫して企業法務の第一線を担ってきた同所の札幌オフィス開設を記念して開催されたもの。本稿では、4月23日に札幌にて行われた第1回講演の様子をお届けします。
本セミナーは、岩田合同法律事務所 札幌オフィスに常駐する永口学弁護士がモデレーターとなり、各分野に精通した弁護士が各シーンにおける対策ポイントを解説する形式で開催されました。
司法大臣や日本弁護士連合会会長を歴任した故・岩田宙造弁護士が、1902年(明治35年)に「岩田宙造法律事務所」を開設したことに始まる、我が国において最も歴史のある総合法律事務所の一つ。弁護士100余名のほか、日本語対応可能な外国法事務弁護士(中国法、フランス法、米国法)も所属している。
開設当初より、政府系銀行や都市銀行等の金融機関、保険会社、電力会社をはじめ、資源・重電機・素材・流通・不動産・建設・印刷・食品・IT等の様々な分野で我が国を代表する企業の法律顧問として、広範な分野で最先端の企業法務案件に関与している。
開設122年目に初の支店として設立された札幌オフィスでは、同所の弁護士や専門チームが一丸となって、最新の知見に基づく企業法務の助言に加え、事業戦略面での立案支援を札幌から北海道全域の企業に向けて提供している。
労基署が来た!その対応ポイント
トップバッターを務める岩田合同法律事務所 パートナー 藤原宇基弁護士は、労働基準監督署からの訪問を想定した対応策を解説しました。
同所において労働チームのリーダーを務め、人事労務分野に関する案件について多数の対応経験を有する藤原弁護士は、労基署との適切なコミュニケーション方法や、是正指導への対応方法、是正勧告や指導内容に納得がいかない場合の異議申し立ての可否について説明しました。
また、本講演のまとめとして、隠蔽や虚偽陳述を避けること、迅速に是正対応をすることの重要性について解説。一方で、労基署担当者が間違っている可能性があることも指摘し、日常的に専門家による適法性チェックを受けておく、臨検の際には専門家の立ち会いを依頼するなどの解決策を提示しました。
国税当局が来た!その対応ポイント
続いて、岩田合同法律事務所において税務チームのリーダーを務めるパートナー 武藤雄木弁護士・公認会計士は、東京国税局への出向経験も踏まえ、税務調査において国税当局と見解の相違が生じた場合の対応ポイントについて説明しました。
講演では、想定事例として、予算消化のため未完成の内装工事について発注先に請求書を発行させて計上した修繕費用が否認された場合において、国税当局から重加算税の対象になると主張された場合を紹介。
国税当局は課税処分の適法性が争われることを意識して証拠の収集を行っていることなどを解説し、企業が税務調査に対応する際に専門家と相談することの重要性を強調しました。
製品クレームが来た!その対応ポイント
次に、岩田合同法律事務所 執行パートナー 田子真也弁護士は、消費生活用製品安全法と製造物責任法の両方の観点から、消費者による誤使用や目的外使用、製品の欠陥などが原因で発生した事故について解説しました。
これまで海外案件を含めて企業法務に関する幅広い分野に対応してきた田子弁護士によると、製品に欠陥がある場合や、製品によって生じた事故が拡大損害を引き起こす可能性がある場合にはリコールを検討すべきであると述べました。
さらに、製品クレームが起きた際の対応ポイントとして、安易に消費者側の過失と結論付けず、タイムリーに専門家に相談すること、情報収集や現物の確保を図ること、必要に応じてリコールを含む公表や政府機関と連携することの重要性を強調しました。
公正取引委員会が来た!その対応ポイント
最後に、岩田合同法律事務所 パートナー 大櫛健一弁護士が、公正取引委員会の立入調査が入った場合の対応について解説しました。
大櫛弁護士は、公正取引委員会による調査対応や、排除措置命令等に対する不服申立ての代理人を務めた経験を踏まえて、公正取引委員会の調査手順や、調査結果に基づき行われる可能性のある措置について説明しました。
また、まとめとして、公正取引委員会対応について、自社で持っている情報と公正取引委員会が持っているはずの情報を整理して、適切な内容・タイミングで情報を提出することの重要性を強調。このような対応には経験と実力が必要になるため、十分な経験があり、信頼できる弁護士に相談することが大切であると締めくくりました。
各分野のスペシャリストと気軽に交流・相談できる懇親会を開催
セミナーでは、プログラムの最後に参加者同士で交流できる懇親会を開催しました。懇親会には各プログラムの講師も参加し、講演の中で触れることができなかった事例や、参加者が実際に遭遇した事案に関する対応策などについての意見交換を行いました。
好評につき、札幌会場限定講演の全国配信が決定!
本シリーズは、第1回の反響を受け、第5回目の開催を決定。
新コンテンツ「業務提携の機会が来た!その対応ポイント」に加えて、札幌会場限定で開催した「労基署が来た」、「税務署が来た」、「製品クレームが来た」、「公正取引委員会が来た」の4つの場面についても再講演いたします。
- どのテーマも起こり得る事案であったため、概要を聞けて良かった
- なかなかこのような場面に遭遇することがなかったため勉強になった
- それぞれに精通する弁護士の皆様のお話しが実務上の参考になりました
第4回・第5回は、以下のページよりお申込みいただけます。
※申込期限は6月27日(木)18時まで