ベトナムで個人情報を取得、利用する場合の利用目的の公表、本人への通知、本人からの同意取得

国際取引・海外進出
村田 知信弁護士 西村あさひ法律事務所

 ベトナムで個人情報を取得および利用する場合、日本のように、利用目的を公表しまたは本人に通知したり、本人から同意を取得したりすることが必要なのでしょうか。

 ベトナムでは、個人情報を取得、利用または第三者提供等する場合、原則として本人に対して利用目的等を通知したうえで本人から同意を取得する必要がありますが、通知方法や同意取得方法等の詳細は定められていません。

 ただし、電子商取引の過程で個人情報を取り扱う場合はプライバシーポリシーを公表することが必要です。また、日本では本人から同意を取得することが不要な場合であっても、ベトナムでは取得が必要になることもあり、留意するべきです。

解説

目次

  1. 本人からの同意取得
  2. 利用目的等の通知
  3. プライバシーポリシーの作成

本人からの同意取得

 ベトナムでは、複数の法令において、個人情報やプライバシー情報を取得、利用、第三者提供等する場合には、法令遵守のために必要な場合または当局の要請がある場合等の例外事由に該当しない限り、本人の同意取得が必要とされており、当該同意の範囲外での利用は違法とされます。

 もっとも、これらの法令には、GDPRに存在するような従業員からの同意取得を制約する規定、同意の証明・撤回に関する規定等の、同意取得に係る詳細な規制は存在しません。また、日本の個人情報保護法に存在するような、オプトアウト方式の同意の取得を認める規定や、グループ会社間の共同利用、情報取扱いの委託、M&Aに伴う第三者提供等を本人の同意なくして可能とするための例外規定も存在しません。

 そのため、本人の同意が必要とされる場合が幅広く、日本であれば同意が不要な場合も、法令文言上は同意が必要となることに留意が必要です。

利用目的等の通知

 また、本人の同意の前提として、利用目的等を本人に通知等する必要があります。サイバー情報セキュリティ法、情報技術法、消費者権利保護法では下記の対応が求められています。

  • サイバー情報セキュリティ法: 個人情報を取得および利用する場合、個人情報を処理および保護するための方針を作成および公に発表し、その範囲および目的を本人に通知すること

  • 情報技術法: 個人情報をサイバー環境で取得、処理または利用する場合、個人情報の主体にその方法、範囲、場所および目的を通知すること

  • 消費者権利保護法: 消費者情報を取得および利用する場合、明確かつ公然に取得および利用の目的を通知すること

プライバシーポリシーの作成

 さらに、電子商取引に関する政令52号は、事業者が電子商取引活動(商業的な宣伝や商品またはサービスの販売を提供するウェブサイトを開設すること等)の過程で個人情報を取得および利用する場合、下記の点を定めたプライバシーポリシーを作成・公開し(情報取得がウェブサイトを通じて行われる場合、ウェブサイトの容易に発見可能な場所に掲載する必要があります)、情報の取得と同時またはその前に明確に本人に対して表示する必要があると定めています。

  1. その目的
  2. 範囲
  3. 保有期間
  4. 当該情報にアクセス可能な個人または組織
  5. 当該情報を取得し管理する部署のアドレス
  6. 当該情報にアクセスし修正するための方法及び手段

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