リーチサイトに広告が出稿されてしまった場合の対応策

知的財産権・エンタメ
松尾 剛行弁護士 桃尾・松尾・難波法律事務所

 リーチサイトとは何ですか?

 海賊版サイトへのリンクを提供するサイトですが、リーチサイトが広告費を運営資金にしているので、広告対策が問題とされています。

解説

 最近は、著作権侵害サイトへのリンクを設定する、いわゆるリーチサイト対策が問題となっている。自身のウェブサイトにはコンテンツを掲載せず、他のウェブサイトに蔵置された著作権侵害コンテンツへのリンク情報を提供して、利用者を侵害コンテンツへ誘導するためのウェブサイトはリーチサイト(ここでいう「リーチ」はヒルのことである。)と呼ばれる(「リーチサイトへの対応」の検討状況について(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kensho_hyoka_kikaku/2018/contents/dai3/siryou6.pdf)なお、大島義則「リーチサイト規制の憲法的統制」NBL(1121)19頁も参照)。

 リーチサイトは著作権侵害を誘発するとして、その対策が論じられていた。2019年の通常国会にも、ブロッキングといわれる接続遮断措置や、ダウンロード規制の範囲拡大等を盛り込んだ法案が提出されるのではないかとも言われていたものの、様々な事情に鑑み、法案は提出されず、総合的な対策を行うこととなった(なお、本書執筆時点1では第3回「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会」における議論が最新の状況である。)。

 ここで、総合対策の1つとして注目されるのが広告対策である。すなわち、リーチサイトの多くは趣味のサイトではなく、営利ないし広告収入目的で運営されているところ、当該サイトに広告を出稿しているアドネットワークや広告主を特定し、それに対する通告をして、出稿について再検討を促すという方法がある。元々、違法ないし低質なサイトに広告が掲載さ れることで、ブランドイメージの低下の可能性があることから、出稿契約上は出稿条件として、少なくともリーチサイトのようなサイトには出稿しないことが合意されているはずである。当該出稿条件が遵守されなければならないことから、リーチサイトに広告が出稿されていたとの通知があれば、広告出稿が激減することが期待される。

 広告代理店側としては、関与案件において出稿条件違反が生じ、リーチサイトのような、広告主の信頼を失うサイトに広告が掲載されないように注意すべきであるし、また、リーチサイトに出稿されたという連絡があれば、真摯に対応すべきである。

©松尾剛行 本記事は、松尾剛行著「広告法律相談125問」(日本加除出版、2019年)の内容を転載したものです。
広告法律相談125問
  • 参考文献
  • 広告法律相談125問
  • 著者:松尾剛行
  • 定価:本体 2,700円+税
  • 出版社:日本加除出版
  • 発売年月:2019年7月

  1. 本書執筆時点とは2019年7月のことです。 ↩︎

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