マイナンバー制度における民間事業者の役割とは
IT・情報セキュリティマイナンバー制度において民間事業者はどのような役割を担いますか?
「個人番号関係事務実施者」として、従業員等から個人番号を取得して、源泉徴収票や被保険者資格取得届、有識者から報酬等に係る支払調書を作成して、行政機関等に提出する「個人番号関係事務」を行う役割を担います。
解説
事業者のマイナンバー制度における役割
事業者の対応のうち、社会保険分野では、雇用保険、健康保険、厚生年金保険といった手続において、従業員から個人番号の提示を受けることになります。税分野では、従業員とその扶養家族の個人番号を法定調書等に記載するために、従業員から個人番号の提示を受けることになります。
また、「報酬等に係る支払調書」の提出のために、個人事業主である税理士や社会保険労務士などの有識者から個人番号を取得する必要があります。
さらに、従業員のために個人のマンションの賃貸を受けた場合には、「不動産の使用料等の支払調書」を作成するために、当該個人家主から個人番号を取得する必要があります。
上場会社以外の株式会社については、当該株式会社の個人株主から、「配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書」を作成するために、個人番号を取得する必要があります。
なお、上場会社については、証券会社等の口座管理機関から株式会社証券保管振替機構を通じて上場会社に対して、株主の個人番号または法人番号が通知されることとされています。
(出所:内閣官房作成資料)
- 給与所得の源泉徴収票
- 退職所得の源泉徴収票
- 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
- 配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書
- 新株予約権の行使に関する調書
- 不動産の使用料等の支払調書
- 不動産等の譲受けの対価の支払調書
- 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
- 雇用保険被保険者資格取得届・喪失届
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届・喪失届
- 報酬月額算定基礎届/報酬月額変更届
- 健康保険被扶養者(異動)届
- 健康保険・厚生年金保険産前産後休業/育児休業等取得者申出書・終了届
- 国民年金第3号被保険者関係届
個人番号利用事務・個人番号関係事務とは
マイナンバー制度は、税務署、市区町村、年金事務所、健康保険組合、ハローワーク等の行政機関等が社会保障、税、災害対策に関する特定の事務を行うために利用するのが本来的な利用であり、この行政機関等の行う事務のことを「個人番号利用事務」と、これらの事務を行う行政機関等を「個人番号利用事務実施者」といいます。
従業員等から個人番号を取得して、源泉徴収票や被保険者資格取得届、有識者から報酬等に係る支払調書を作成して、行政機関等に提出する民間事業者の行う事務を「個人番号関係事務」と、これらの事務を行う民間事業者を「個人番号関係事務実施者」といいます。
「個人番号利用事務」や「個人番号関係事務」の委託を受けて行うものも、「個人番号利用事務実施者」や「個人番号関係事務実施者」となります。民間事業者であっても、行政機関等から「個人番号利用事務」の委託を受けた場合には、「個人利用事務実施者」となります。

弁護士法人三宅法律事務所
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