ポイントサービスを行う時の注意点とは

競争法・独占禁止法

 当社は、ポイントカードを発行して、商品の購入者に対して、1ポイント1円相当のポイントを提供していますが、購入者は、①次回以降の買い物の際に使用する、②他社のポイントと交換するという2つの使用方法のいずれかを選択することができます。当社は、購入額100円当たり30ポイントを提供し、他社のポイントと交換する際には、2ポイントを他社の1円相当のポイントと交換できるようにしようと考えていますが、景品表示法上問題はないでしょうか。

 貴社の提供するポイントは、景品表示法上の値引には該当せず、景品表示法上の景品類に該当します。①の場合は、自己との取引において用いられる割引券等に該当し、総付景品規制が適用されませんので、景品表示法上問題はありません。また、②の場合は、総付景品規制が適用されますが、購入者が得られる他社のポイントは、購入額100円当たり15円分であり、取引の価額の20%の範囲内ですので、総付景品規制に反せず、問題はありません。

解説

目次

  1. 景品類と値引
    1. 景品類に含まれない値引
    2. 「正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益」
    3. ポイントは値引か景品類か
  2. 総付景品規制の適用が除外される場合
  3. 総付景品規制の規制内容

景品類と値引

景品類に含まれない値引

 景品表示法上の景品類とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して取引の相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益であって、内閣総理大臣が指定するものをいいます(景品表示法2条3項)。
 「不当景品類及び不当表示防止法第二条の規定により景品類及び表示を指定する件」〔昭和37年公正取引委員会告示第3号〕(以下「指定告示」といいます)によって景品類が指定されていますが、指定告示においては、「正常な商慣習に照らして値引又はアフターサービスと認められる経済上の利益及び正常な商慣習に照らして当該取引に係る商品又は役務に附属すると認められる経済上の利益」は景品類に含まれないものとされています(指定告示1項)。

「正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益」

 指定告示にいう「正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益」とは、取引上妥当と認められる基準に従い、取引の相手方に対し、支払うべき対価を減額すること又は支払った代金について割戻しをすることをいいますが(「景品類等の指定の告示の運用基準について」〔昭和52年事務局長通達第7号〕(以下「指定告示運用基準」といいます)6 (3) )、対価の減額又は割戻しであっても、次の場合には、値引と認められず景品類に該当することになり、景品規制が適用されます(指定告示運用基準 (4) )。

ア 懸賞によって減額又は割戻しの相手方を決定する場合
イ 減額又は割戻しをした金銭の使途を限定する場合(例:旅行費用に充当させる場合)
ウ 同一の企画において景品類の提供と併せて行う場合(例:取引の相手方に金銭又は招待旅行のいずれかを選択させる場合)

ポイントは値引か景品類か

 最近では、商品やサービスを購入した場合、ポイントが付与されることは珍しくありません。仮に付与されるポイントがこの店舗等でのみ使用できる場合は、上記 1−2 の各ケースに該当しないかぎり、「正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益」とみなされ、景品類に該当しないものと思われます。
 他方で、他社のポイントとの交換が選択できるようなポイントの場合には、交換の対象となる他社のポイントは、値引ではなく、景品類に該当します。
 したがって、このような他社ポイントと交換可能なポイントを付与することは、ウの「同一の企画において景品類の提供と併せて行う場合」に当たり、自社のポイントの付与自体も値引に該当せず、景品類に該当することになり、景品規制が適用されます。

総付景品規制の適用が除外される場合

 設例の事案において提供されるポイントは、購入額100円当たり30ポイントを必ず付与するというものであり、懸賞によらないで景品類を提供するものですので、総付景品に該当します。
 総付景品に該当する場合であっても、次に掲げる経済上の利益については、総付景品規制は適用されません(「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」〔昭和52年公正取引委員会告示第5号〕(以下「総付景品告示」といいます)第2項)。

ア 商品の販売若しくは使用のため又は役務の提供のため必要な物品又はサービスであって、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの
イ 見本その他宣伝用の物品又はサービスであつて、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの
ウ 自己の供給する商品又は役務の取引において用いられる割引券その他割引を約する証票であつて、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの
エ 開店披露、創業記念等の行事に際して提供する物品又はサービスであつて、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの

 設問において、①の次回以降の買い物の際に使用する場合は、ウの自己の供給する商品又は役務の取引において用いられる割引を約する証票と認められますので、正常な商慣習に照らして適当と認められる範囲であれば、総付景品規制は適用されません。

総付景品規制の規制内容

 総付景品については、提供できる景品類の最高額が定められており、提供できる景品類の最高額は、取引の価額が1,000円未満の場合は200円まで、1,000円以上の場合は取引の価額の20%の金額までとなります(総付景品告示第1項)。

取引の価額 景品類の最高額
1,000円未満 200円
1,000円以上 取引の価額の20%

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