デジタル時代のプライバシー侵害を考える 名誉毀損とはどう違う?

IT・情報セキュリティ

目次

  1. プライバシー侵害と名誉毀損の同時性
  2. プライバシー侵害と名誉毀損の大きな違い
  3. デジタル時代における被害の深刻度の違い
  4. プライバシー侵害は争えない?
  5. プライバシー侵害はどういう場合に許されるのか
    1. 純粋個人情報的プライバシー
    2. 交際関係的プライバシー
    3. 刑事事件的プライバシー
  6. 著名人のプライバシー侵害
  7. 一般人のプライバシー侵害
  8. 多様性を確保し、みんなが安心して活躍できる社会のために

 いわゆる文春砲などに代表される、週刊誌による報道被害としてのプライバシー侵害が非常に盛んになっています。またこれを受けてネット上に「まとめ記事」ができたり、XなどのSNSアカウントからの個人攻撃なども頻発するようになってきました。そういう意味では、プライバシー侵害の形態も従来とは異なる新しい時代を迎えています。また、プライバシーに関するスキャンダルなどは、本来であれば仕事とは切り離して考えるべき問題ですが、レピュテーションに直結してビジネスにも大きな影響を与えます。芸能人やスポーツ選手だけの問題ではなく、経営者や一般の社員に関する問題についてまで広がりを見せており、時には会社経営にも影響を与えてしまう場合も散見されます。


 プライバシー侵害の問題は、ネット上の誹謗中傷による名誉毀損の問題と混同されがちで、一緒に議論されることも多いのですが、実はまったく異なるものです。プライバシー侵害は、私生活に関する情報をみだりに公表されないという権利の侵害であり、名誉毀損は、正当な批評や批判を超えた誹謗中傷により、個人の人格権に位置付けられる名誉(社会的評価)を毀損することです。後述するように、ここには大きな性質上の違いが存在し、特にデジタル時代における影響はかなり異なるものがあります。
 ここでは、プライバシー侵害の問題と誹謗中傷による名誉毀損の問題の違いを整理したうえで、その違いを前提として、新しいデジタルの時代のプライバシー保護のあり方を考えたいと思っています。

プライバシー侵害と名誉毀損の同時性

 プライバシー侵害は、住居や家族に関する情報がさらされるなど、純粋にプライバシーだけが侵害されることもあるのですが、「ネタ」になりやすいという意味では、不倫や性癖、交際上の恥ずかしい要素が加わることも多く、名誉も同時に毀損されるというケースが必然的に多くなります。
 週刊誌ネタになるケースのほとんどが、プライバシー侵害と名誉毀損が同時に問題となるケースですし、その分被害も大きくなる傾向があります。著名人の場合、その著名性から収益を上げていることも多く、風評に関する影響範囲も大きいので、名誉毀損的要素が加わることでダメージがより大きくなるのです。逆にこれらを取り上げるメディアなどは、この影響範囲の大きさが故に、広告収入やサブスク会費などを通じて利益増加につながります。だからこそ取り上げたがるのであり、要するに金儲けに直結していくわけです。

プライバシー侵害と名誉毀損の大きな違い

 このようにプライバシー侵害と名誉毀損は同時に生じるケースが多いので、議論が混同されがちです。その結果、プライバシーに関わるスキャンダルの内容自体が本当かどうか、たとえば「本当に不倫はあったの?」ということばかりが話題になるわけです。
 しかしプライバシー侵害は、判例上、内容が本当であるかどうかにかかわらず成立します。いわば「私生活上のことは本当であろうがなかろうがほっといてくれ」という権利です。名誉毀損については、内容が真実であるため違法性が阻却されるという場合があるのですが、プライバシー侵害の場合は原則として、真実であるほうが侵害から逃れようがなく、被害は大きくなるのです。

デジタル時代における被害の深刻度の違い

 プライバシー侵害の被害は、以下のような特徴を持つデジタル時代において、以前よりもはるかに深刻になっています。

  1. 誰でも発信できるようになった(発信の容易性)
  2. あっという間に拡散するようになった(情報の拡散性)
  3. いつまでも残るようになった(情報の残存性)
  4. 常に個人に紐づいて検索されるようになった(情報の粘着性)

 プライバシー侵害は、一度侵害が行われ、情報が広がってしまうと(②)、内容が本当であればあるほど被害は深刻になります。反論自体できないので被害の回復もできません。むしろ何か言えばそれだけ注目が集まり、より被害が広がります。そして情報はネット上に残り続け、自分だけでなく子や孫の代まで続き(③)、個人の他の情報に紐づいてたどり着かれてしまいます(④)。人生そのものにとんでもない生きづらさを深く刻んでしまうのです。
 週刊誌だけしかなかったような時代には、ネット空間で検索して情報にたどり着くことなどはできなかったので、時間が経てば忘れてもらえる可能性もありました。しかし今はGoogleなどの存在でその情報に永久にたどり着かれてしまうのです。

 名誉毀損についていえば、②〜④はほぼ同様ですが、発信が容易になっていますので(①)、プライバシー侵害とは異なり、自ら反論を述べることも昔より大分容易になっています。昔は一度週刊誌に載ってしまったら、それと同程度に反論を広めるのはほぼ不可能でした。しかし、今の時代なら、SNSなどで自らしっかりとした反論を発信することは可能であり、注目度に応じてではありますが、その反論自体も広がっていくことも多いです。また、検索結果などで紐づけられても、反論自体にも紐づけられるため、たどり着いてもらえる可能性もあります。状況は比較的改善されているともいえるのです。

 そのような意味では、デジタル時代には、プライバシー侵害と名誉毀損はその保護の必要性が異なり、別の観点からの救済が必要になっていると思います。大きな流れでいえば、プライバシーに関する情報は、発信自体をより慎重にさせなければならない一方、単なる名誉毀損は、どちらかといえば批判・批評の延長であり、人格攻撃のようなものでない限り、反論を通じた自由な言論に任せていくような方向が重要といえるのではないでしょうか。

 問題は、プライバシー侵害と名誉毀損が同時に行われるケースです。この場合には、プライバシー侵害をベースに考えるべきであり、発信自体を慎重にさせるほうが正しい方向というべきでしょう。

プライバシー侵害は争えない?

 しかし、実際にはプライバシー侵害は多発しています。そして侵害された場合には、法的には非常に争いづらい状況になり、実際には泣き寝入りせざるを得ないことがほとんどです。
 そもそも、プライバシーは知られたくない事実ですから、話題にしたくないわけです。そんな状況で訴訟をしたらさらに情報が広まる可能性が高いため(再燃性)、被害者はまずこの点に躊躇します。
 しかも、争う姿勢を示すと、週刊誌などは余計に騒ぎ立て、同じテーマで第2弾、第3弾といった「追い記事」で応戦してくることも多いです。XなどのSNSアカウントも同様の傾向があり、さらなる炎上を招くことにもなりかねないわけです(追撃性)。
 そのうえで、仮に訴訟をして勝ったとしても、プライバシー権などの人格権侵害の場合、100万円ほどの慰謝料しか取れないという結果が見えており、弁護士費用倒れとなり採算が取れません(非採算性)。著名人などの場合は、新しい財産権侵害のような構成も考えうるところではありますが、一般的には非採算性は大きな課題となっています。

 この点、純粋な名誉毀損のケースでは、内容が虚偽の場合には、事実を明らかにしたいという気持ちから訴訟が提起される場合もあります。しかし、プライバシー侵害の場合には、訴訟を提起すること自体が難しい状況になっており、そのせいもあって判例も極めて少ない状況です。つまり、判例が少ないのは問題が少ないからではなく、争えない状況に追いやられて泣き寝入りが多発しているからなのです。

プライバシー侵害はどういう場合に許されるのか

 では、表現の自由との兼ね合いでプライバシーに触れることが許されるのはどういう場合なのでしょうか。プライバシーについては、具体的に参照するべき条文も存在しないことから、過去の判例ではすべて利益衡量から判断するという立場になっています。
 上述してきたようなプライバシーの重要度の高まりを踏まえると、筆者としては、多少の例外もあるかもしれませんが、刑事事件に関わるもの以外については、他人のプライバシーに関する事項を本人の意思に反する形でアウティングすることは許されない、という考え方を原則とするべきだと考えます。
 上述したように訴訟提起も少ないため、なかなか総じて論じることは難しいのですが、以下で、具体的に問題となった代表的なケースを前提にそれぞれを分けて論じたいと思います。

純粋個人情報的プライバシー

 まず、個人の住所や電話番号、家族構成などの純粋個人情報的プライバシーが侵害される類型について論じます。この類型はほとんどの場合が違法であって、このような情報を報道などで公表することは許されないといえます。
 過去を遡れば、個人の豪邸に関する情報や、家族が通っている学校などの情報が気軽に報じられることもありました。また、かつての「プロ野球選手名鑑」には、選手の住所、家族の名前などが載っていました。しかし今は、個人情報保護法による規制もあり、この手の情報を気軽に投稿したり報道するようなアウティングは問題であるという認識が広がり、常識になりました。しかしそれでも一部報道やネット上にこのような情報が出てしまうこともあり、これらは当然違法なものといえるでしょう。
 また、個人のジェンダーや性的指向に関する問題もこの類型に入ってくるでしょう。考えてみればわかることなのですが、個人の住所や電話番号自体は大事ではありますが、ある意味変えることも不可能ではありません。ですが、個人のジェンダーや性的指向などは、変えなければならないものでも、変えられるものでもないでしょう。その意味で、保護の要請は、住所や電話番号以上に高いというべきです。利益衡量上、これを超えて第三者がアウティングしてよいという理由を見つけるほうが難しい情報ともいえるでしょう。

交際関係的プライバシー

 次に、個人的な交際関係に関するプライバシーの侵害類型について述べます。意外に思われるかもしれませんが、この類型についても、実はほとんどのケースが違法とされる可能性があります。

 芸能人の不倫報道などが四六時中報道されていますので、なんとなく当然報道してよいと思うかもしれませんが、不倫だろうがそうでなかろうが、個人の交際に関する情報を公にすることについて、社会的に利益衡量されるに値する利益を見出すのは、本来は難しいというべきでしょう。5-1で述べたように、個人のジェンダーや性的指向などに関する情報が、個人情報と同等かそれ以上のものなのであれば、論理的には、現在や過去の交際相手もそのような性質を持ち得るでしょう。とすると、これを超えて第三者がアウティングしてよいとする利益はなかなか認めづらいと思われます。

 なお、たとえば三角関係や不倫関係のように、当事者の一方がこれをアウティングすることもあるかと思います。しかしこれについても、個人の問題解決に必要な範囲を超えて、広く無関係な第三者に対してアウティングするということは、被害者的感情をベースにした行動としては理解できる部分はありますが、やはり利益衡量上の相当性を欠くことになるでしょう。

 また、不倫報道については、「芸能人はイメージを売る商売であり、イメージに反するような不倫などはこれを裏切るものなのだから報道してよいのだ」と正当化するような理屈を聞くこともあります。しかし、芸能人にもプライバシーが認められることは明らかです。具体的なプライバシー情報を真実として商業的に利用している場合などは議論もあるかもしれませんが、単なるイメージということであれば、それ自体はあくまでイメージに過ぎず、事実がそれに反するからといってプライバシーを侵害してよいという利益衡量はなかなか難しいでしょう。たとえば役者であれば演技力を売っているのであって、私生活を売っているわけではないのです。

 アメリカの判例などでは、著名人は世に出る以上、一部プライバシーを放棄しているという「著名人の法理」という考え方もあります。しかし、著名人はいつプライバシーを放棄したのでしょうか。具体的に家を取材させたとか個別の情報について放棄したといわれるケースはあり得ますが、個人的な交際関係まで含めて、総じて放棄したという理屈は難しいでしょう。日本の判例上も、著名人の法理を正面から認めているとはいえません。

 政治家についてもプライバシー侵害報道は常態化しています。「公人」だから仕方ないという議論もありますが、この理論は、あくまで名誉毀損の違法性阻却事由である「事実の公益性」「目的の公益性」に関する議論が中心であり、プライバシー侵害については、判例上は明確ではありません。実は、政治家についてすら、(夫婦の結婚前後の)交際関係などが明確にプライバシー情報にあたるとした判例もあります。そもそも、政治家だけがいわゆる公的な仕事の領域を超えて私的領域までを放棄して仕事をしなければならない理由は何なのでしょうか。国民や住民のために良い仕事をしてくれれば私的領域は保護されることとしないと、優秀な成り手の確保に支障をきたしそうです。
 上場企業の役員についても、公人理論と類似の議論が行われることもありますが、プライバシーに限っていえば、利益衡量上、上記と同様に考えるべきでしょう。

刑事事件的プライバシー

 刑事事件が関係するようなプライバシー侵害の類型については、犯罪行為を表現してよいとする判断が原則とされています。典型的なものは性犯罪のようなケースです。このようなケースは、行為者の性的指向に関するとはいえ犯罪行為が対象となりますので、利益衡量上当然表現が許されることになります。しかし、同時に被害者のプライバシーが侵害されてしまう可能性もついて回りますので、被害者のプライバシーには十分な配慮を行わなくてはなりません。

 ただ、1つ問題なのは、このような事件形態は密室で行われることが多く、真実がわかりにくいということです。そういう意味では、このような刑事事件の場合であっても、おそらくは名誉毀損のケースで議論されるような「真実性の証明」のようなものが必要になってくるでしょう。真実であるか、または真実でなかったとしても真実であると信じるについて相当な理由が必要というのが、名誉毀損に関する判例の立場です。犯罪事実に関する表現が許される場合であっても、名誉毀損について許される程度以上にプライバシーを侵害してよいとする利益衡量上の理由は見当たりません。

 また、2023年に刑法が改正され、強制性交罪・準強制性交罪は不同意性交罪、強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪は不同意わいせつ罪となり、意思決定に飲酒の影響があるなどの場合には、同罪が成立することとされました。つまり、その場では同意したように見えても後から「あれはお酒を飲んでいたからで、本当は嫌だった」と言われると犯罪が成立しかねない状況になっています。
 不同意性交、不同意わいせつを後出しのように主張して恐喝を行い、それを週刊誌やSNSが安易に取り上げるという事態も十分にあり得ますし、実際いくつかの事例でも議論されています。その結果、プライバシー侵害の問題はさらに判断が難しくなっています。いずれにしても、メディアなどの発信者側に慎重な判断が求められることは確かでしょう。

 この点で、名誉毀損の判例ではありますが、一方からの意見だけに基づいて記事を構成しているものについては違法であるという判断が下されたこともあります。密室性が高く、証言の偏りが起きやすいような場合などには大きな注意が必要といえるでしょう。

著名人のプライバシー侵害

 著名人のプライバシー侵害報道については、上述してきたように大いに問題が生じている一方で、具体的な救済については道筋が立っていません。

 そもそも、プライバシー侵害の性質上、裁判などで争うこと自体がマイナスなのですから、侵害された側は泣き寝入りせざるを得ません。他方で、侵害する側の週刊誌やSNS、ウェブメディアなどは、広告による収入が入ったり、販売部数が伸びたり、サブスクリプション収入が増えたりと、むしろ違法行為で収益が上がるという構造になっています。いわばプライバシーは暴いた者勝ちになってしまうわけです。

 仮に裁判で争うことができたとしても、認められる損害賠償額は100万円程度などのケースも多く、あくまで精神的損害に対する慰謝料の範囲を出ません。他人のプライバシーを侵害して万一裁判を起こされても、100万円の慰謝料を払うだけでよく、それ以上に利益を得られるというビジネスシステムが問題を生んでいるわけです。タレントのスキャンダルを報じることで週刊誌が完売し、出版社が喜んでいるという状況自体がおかしいのです。

 また、一時話題に上がったガーシー元議員による恐喝事件のように、動画配信による広告収入などを超えて、不利益な情報の公開をフックにして不当に金銭を要求するという事例も出てきています。また、交際関係などについて、当事者の一方が、週刊誌に持ち込まないことを条件にして法外な金銭を要求するような、恐喝まがいの事案も起きています。
 これらは、著名人が大きなパブリシティ価値を持っているから起きる問題です。本質的な救済を可能とするには、裁判で争えばその価値に見合った損害賠償が認められるという構造が必要になります。

一般人のプライバシー侵害

 一般人のプライバシー侵害についても、実はかなり大きな問題になってきています。さすがに一般人が週刊誌報道の危機にさらされることは稀でしょう(とはいえまったくないわけではなく、突然注目されるということもあり得ます)。しかし、SNSの発展によって発信者の数が爆増したことで、一般人のプライバシーが安易に侵害されるケースも増えています。

 著名人のプライバシー侵害の場合、その影響範囲は大きく、全国的な規模になるのは当然です。一般人の場合は、財産的なダメージは著名人ほど大きくなるわけではありませんが、心理的ダメージや生活に与える影響についていえば同等といえるかもしれません。

 一般人のプライバシーはその人の生活範囲において本来守られていなければなりません。しかし、SNSが発達した現代では、プライバシー侵害は学校や会社などのコミュニティ内でも気軽に行われるようになっています。生活範囲でプライバシー侵害が行われてしまうと、コミュニティの範囲での情報拡散は早く、また長期間残ります。また、氏名等とリンクした形で一度ネットに公開されてしまうと、将来にわたって生活するあらゆるコミュニティに、検索結果の表示という形でつきまとうことになり、日本全国ではないもののその人に関係する場所には結局ずっとついて回ることになります。たとえば、特徴的な性的指向や過去の交際関係などが一度オープンにされてしまえば、それが周りに知られていない世界で生きていくことは二度と不可能ということも考えられるわけです。

 一般人のプライバシー侵害は、著名人の場合のようなビジネス目的で行われることはありませんが、特定の個人に対する恐喝行為などに利用されることはあり得ます。また近年ではリベンジポルノのような犯罪行為も起きており、これもプライバシー侵害の延長線上にあるといえるでしょう。リベンジポルノは、動機が異なりますので、損害賠償の問題で抑止するというのは限界があります。そういう意味では、刑事罰化による対応も必要となると考えます。

 名誉毀損については実は刑法230条で犯罪化されていますが、プライバシー侵害についてはこのような規定はありません(個人情報保護法には罰則規定がありますが直接的なものではありません)。上述の「3 デジタル時代における被害の深刻度の違い」の項目でも述べましたが、反論が可能な名誉毀損の問題以上に、プライバシー侵害は深刻な問題を引き起こします。現代においては、プライバシー侵害についても刑事罰化が求められているといえるのではないでしょうか。

多様性を確保し、みんなが安心して活躍できる社会のために

 現在の社会は、多様性、ダイバーシティが叫ばれ、各人の自由はより尊重されるべきであるということが強く求められるようになってきました。各人がそれぞれの個性を活かしてより活躍していくことが認められる社会を目指そう、という機運がかつてないほど高まっています。そのような意味で、この個人の個性のベースを支えるはずのプライバシーが安易に侵害され傷つけられるようでは、安心して個性を活かして活躍することなどは不可能であり、多様性ある社会などは実現できるはずはありません。

 もはや高度経済成長期のような、増えていく人口をパワーとして、みんなで一丸となって成長するんだというような時代ではありません。人口が減っていく未来に対して、1人ひとりの個性こそが社会を成長させる、そんな価値観が社会のベースとして求められています。ですから、プライバシーの重要度は以前と比べるとはるかに高くなっているわけです。そのような意味で、デジタル時代のプライバシー保護に対しては早急な対応が必要だと考えています。

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