公正処理基準と法人税の課税所得
会計処理基準と法人税の課税所得の関係 法人税法22条4項は、法人の所得の金額の計算において収益の額および原価、費用等の額は、公正妥当と認められる会計処理の基準にしたがって計算されると規定しています。 この規定の趣旨は、法人税における課税所得が原則として企業会計上の利益を前提として算定されるこ...
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会計処理基準と法人税の課税所得の関係 法人税法22条4項は、法人の所得の金額の計算において収益の額および原価、費用等の額は、公正妥当と認められる会計処理の基準にしたがって計算されると規定しています。 この規定の趣旨は、法人税における課税所得が原則として企業会計上の利益を前提として算定されるこ...
受取配当の益金不算入 内国法人が受け取った剰余金の配当等の一部または全部は所得の金額の計算上、益金の額に算入されません(法人税法23条1項)。これは、法人を介して事業を行った場合に相対的に税負担が重くなることを回避するための措置です。 すなわち、配当の原資となる利益に対しては法人税が課されて...
重加算税の賦課要件 納税者が課税標準等または税額等の計算の基礎となる事実の全部または一部を隠蔽・仮装し、隠蔽・仮装したところに基づいて、過少申告または無申告となっている場合には、重加算税が課せられます(国税通則法68条)。 この重加算税という税金は、刑罰ではなく、行政上の制裁なの...
過大役員退職給与の損金不算入 役員退職金について、法人税法は、無制限に損金の額に算入することを認めているわけではありません。退職給与(法人税法上は「退職金」、「退職慰労金」ではなく、「退職給与」といいます)で、業績連動給与(法人税法34条5項参照)に該当しないものは、原則として、損金の額に算入で...
貸倒れの判定基準 金銭債権が無価値化して貸倒れとなった場合、その貸倒れによる損失は、所得の金額の計算上、損金の額に算入することができます(法人税法22条3項)。問題は、どのような場合に「貸倒れ」が生じたといえるかです。 貸倒れの判定基準について、法人税法は特に定めを置いておらず、法人税基本通...
法人税法上の役員 (1)法人税独自の「役員」概念 法人税法は、会社法の「役員」概念を借用せずに、独自の定義規定を設けています。すなわち、法人税法において、「役員」には、取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事および清算人に加えて、以下の者も含まれます(法人税法2条15号、法人税法施行令7条...
法人税における無償取引 会社が無償で取引を行った場合、会社には「もうけ」は生じません。しかし、法人税の世界では、会社が無償で取引を行った場合であっても、会社に「もうけ」が生じたものとして法人税を課します。たとえば、会社が保有する有価証券を無償で第三者に譲渡した場合、会社に対価の流入はありませんが...
資本等取引とは 資本等取引とは、①法人の「資本金等の額」の増加または減少を生ずる取引、②法人が行う利益または剰余金の分配および残余財産の分配をいいます(法人税法22条5項)。①の例としては、募集株式の発行等による増資、自己株式の取得、②の例として、剰余金の配当などがあります。 資本等取引の特...