- 発売日
- 2019年10月07日
- 出版社
- 中央経済社
- 編著等
- 石嵜 信憲、岸 聖太郎、豊岡 啓人
懲戒処分の法的性格や手続等の基本を概観し、ハラスメント、業務命令違反、社内不正等が懲戒処分に該当するか、懲戒の種類と程度はどう選択するかを裁判例を基に丁寧に解説。
目次
表紙
はしがき
目次
第1章 人事労務管理における懲戒の位置づけ
第1節 人事労務管理の基本
第2節 懲戒も人事労務管理の一手法
第3節 監督権限・管理権限との区別
1 監督権限・管理権限とは
2 監督権限・管理権限の本来あるべき行使の姿
第2章 懲戒とは
第1節 懲戒の意味
第2節 懲戒権の保有と根拠
1 考え方の対立 ― 固有権説と非固有権説
2 懲戒権保有の根拠に関する最高裁判決の内容
第3節 懲戒権の法的性格
第3章 懲戒の種類と程度
第1節 労働契約の継続が前提か,解消が前提か
第2節 労働契約の継続を前提とする懲戒
1 譴責
2 減給
3 出勤停止
4 降職・降格
第3節 労働契約の解消を前提とする懲戒
1 懲戒解雇
2 諭旨解雇
3 諭旨退職
第4章 懲戒事由
第1節 服務規律違反
第2節 私生活上の非行は懲戒事由となり得るか
第5章 就業規則の規定の仕方
第1節 懲戒基準の作成について
第2節 実務における留意点
第6章 懲戒処分の有効性
第1節 労働契約法15条
第2節 懲戒権行使に内在する制約
1 罪刑法定主義
2 不遡及の原則
3 一事不再理の原則(二重処罰禁止の原則)
第3節 懲戒事由該当性
1 企業秩序違反行為
2 懲戒事由の追加に関する個別論点
第4節 懲戒処分の相当性
1 懲戒の種類・程度(量定)の相当性――相当性の原則
2 懲戒の量定の基本的考え方
3 公平性――平等取扱いの原則
第5節 適正手続(弁明の機会,賞罰委員会設置の要否等)
1 弁明の機会の付与
2 賞罰委員会の開催
3 労働組合との交渉・協議
4 懲戒処分の時期と権利濫用
第7章 裁判例から読み解く懲戒事由ごとの量定判断
第1節 経歴詐称
1 経歴とは
2 入社時の経歴詐称が懲戒対象となるか
3 懲戒解雇の対象となる「重大な経歴詐称」とは
4 労働者の真実申告義務
5 採用選考時に確認すべき経歴
第2節 不倫行為
1 不倫行為がもたらす企業秩序違反
2 社内不倫の場合
3 取引先関係者との不倫の場合
第3節 セクシュアルハラスメント
1 セクシュアルハラスメントとは
2 セクハラの法的整理
3 懲戒の程度
4 事実調査に関する注意点
第4節 マタニティハラスメント等
1 マタニティハラスメント等とは
2 マタハラ等に対する懲戒処分の考え方
第5節 パワーハラスメント
1 パワーハラスメントとは
2 目的・手段からの整理
3 厳しい指導・教育と懲戒
4 パワハラの被害申告に関する問題
第6節 業務命令違反
1 基本的考え方
2 日常の労務指揮命令違反
3 昇進命令違反
4 健康診断受診命令違反
5 時間外労働命令・休日労働命令違反
6 職種変更命令・転勤命令違反
7 出向命令・転籍命令違反
8 海外出張命令・海外転勤命令・海外出向命令違反
9 有給休暇時季変更命令違反
第7節 債務不履行
1 債務不履行に対する考え方
2 選択すべき懲戒の程度
3 実務における対応
第8節 企業秘密の漏洩等
1 「企業秘密」の「漏洩」とは
2 選択すべき懲戒の程度
3 過失による企業秘密の漏洩
第9節 内部告発
1 内部告発の性質
2 違法性が阻却される内部告発
3 内部通報制度の濫用的使用
第10節 SNSへの書き込み
1 SNSとは
2 懲戒対象となる行為類型
3 SNSの特性
4 選択すべき懲戒の程度
第11節 接待・饗応/経費の不適切利用
1 横領・背任事案との対比
2 懲戒事由該当性
3 選択すべき懲戒の程度
第12節 賃金の不正受給
1 残業代の不正受給
2 通勤手当の不正受給
第13節 兼業行為(副業)
1 兼業行為がはらむ問題点
2 無許可兼業の懲戒事由該当性
3 選択すべき懲戒の程度
4 深夜・休日の兼業
第14節 暴行・傷害行為
1 懲戒事由該当性
2 選択すべき懲戒処分の程度
第15節 身だしなみに関する規律違反
1 企業が身だしなみを規制できるか
2 違反した場合の対応
3 特殊な問題――性同一性障害――
第16節 私生活上の犯罪行為
1 私生活上の犯罪行為
2 選択すべき懲戒の程度
3 痴漢行為
4 飲酒運転
5 私生活上の非行行為に対する実務対応
第17節 集団的労使関係
1 基本的考え方
2 団体行動の「正当性」判断
3 違法な団体行動と懲戒
4 懲戒と不当労働行為
第18節 部下の不祥事に対する上司の責任
1 結果責任ではなく行為責任
2 選択すべき懲戒の程度
3 人事処分と懲戒処分の併用
第19節 従業員間の金銭貸借など人間関係を悪化させる行為
1 良好な人間関係を悪化させる行為
2 金銭貸借
3 販売活動
4 政治・宗教活動
第8章 懲戒処分の実施
第1節 懲戒事由の事実調査と事実認定
第2節 従業員の調査協力義務
第3節 自宅待機命令
第4節 その他の調査方法
第5節 懲戒の通知方法
1 通知方法
2 実務の取り扱い
3 行方不明者に対する通知
第6節 企業による懲戒事実の公表
1 公表規定の必要性
2 被処分者が識別特定できない態様での公表
3 被処分者が識別特定できる態様での公表
付録
参考資料
資料1 就業規則案 規定例(服務規律・懲戒に関する章)
資料2 譴責・減給・出勤停止・降格事由の三分割例
資料3 懲戒処分の指針について
書式集
書式1 改善指導書(勤務態度不良)
書式2 自宅待機命令書
書式3 懲戒処分通知書(譴責・減給・出勤停止・降格・懲戒解雇)
編著者紹介
奥付