- 発売日
- 2022年12月20日
- 出版社
- 中央経済社
- 編著等
- 柴田堅太郎、中田裕人
ストーリーと解説の2部構成で法務上の問題点を実務的に解説。エグゼキューション面での問題のほか、コーポレートガバナンスに関する問題、セラーズDDの実務についても詳説。
目次
表紙
刊行によせて
はしがき
目次
本書の構成
本書「解説パート」で用いる用語
「ストーリーパート」の主な登場人物・団体
第1章 カーブアウトM&Aとコーポレートガバナンス―事業ポートフォリオマネジメントとその見直し
第1節 ストーリー
1.はじめに
2.ダイナスティ事業の栄枯盛衰
3.アクティビスト・ファンド「オーロラ・パートナーズ」の要求
4.社外取締役外山らによる事業売却要求
5.取締役会におけるダイナスティ事業売却論争
6.「プロジェクト・デスティニー」,始動
第2節 解説―カーブアウトM&Aのコーポレートガバナンス上の位置づけ
1.コーポレートガバナンス・コードと対話ガイドラインで求められる事業ポートフォリオの見直し
2.経済産業省「事業再編実務指針」
3.アクティビストによる事業ポートフォリオに関する動き
第2章 買主候補者選定プロセス
第1節 ストーリー
1.有力取引先による検討
2.オークションによる入札プロセス
第2節 解説
1.相対交渉か,オークション(入札)か
2.取締役の善管注意義務との関係
第3章セラーズ・デュー・ディリジェンスのポイント
第1節 ストーリー
1.ダイナスティ事業の構造の把握
2.なぜセラーズDDを行うのか?
3.セラーズDDのスコープ(検討範囲)
4.情報開示請求
5.情報アクセスの壁
6.開示情報の分析検討(譲渡禁止条項の解釈を例として)
7.セラーズDD報告書の作成
8.DD報告会の開催
第2節 解説
1.スタンドアロンイシュー
2.セラーズ・デュー・ディリジェンスの意義
3.カーブアウトM&AにおけるセラーズDDの重要性
4.セラーズDDの限界
5.カーブアウトM&AにおけるセラーズDDのポイント(総論)
6.承継対象権利義務の洗い出し・特定
7.共用資産・共用契約の特定及び対応方針
8.売主グループに帰属する承継対象権利義務の特定及び検討
9.部門間取引及びグループ間取引の特定
10.承継対象権利義務の承継手続
11.その他セラーズDDのポイント
12.セラーズDDの進行
第4章 バイヤーズ・デュー・ディリジェンスのポイント
第1節 ストーリー
1.買主候補者ブレイブ・ホールディングスについて
2.買主候補者3社によるDDの開始
3.DD開示資料の検討
4.バイヤーズDD報告書の作成
5.DD報告会
第2節 解説
1.総論
2.会社組織
3.株式・株主
4.関係会社
5.部門間取引
6.グループ間取引
7.資産(知的財産権以外)
8.知的財産権
9.ファイナンス
10.事業関連契約
11.人事・労務
12.許認可等
13.コンプライアンス
14.訴訟・紛争
第5章 カーブアウトM&Aのストラクチャー
第1節 ストーリー
第2節 解説
1.事業譲渡と会社分割の主要な相違点(個別承継か包括承継か)
2.事業譲渡のメリット・デメリット
3.会社分割のメリット・デメリット
4.事業譲渡・会社分割の選択要素
5.会社分割を利用したストラクチャー
6.株式対価で行う場合のストラクチャー
7.まとめ
第6章 カーブアウトM&Aの最終契約
第1節 ストーリー
1.売主による最終契約案作成
2.買主による最終契約修正案
3.優先交渉権の付与
4.最終契約交渉開始
5.交渉決裂,協議中断へ
6.社外取締役の反応
7.交渉再開へ
8.社外監査役からの異議
9.最終合意へ
10.取締役会決議・サイニング・公表
第2節 解説(最終契約総論)
1.はじめに
2.ファーストドラフトの作成
第3節 解説(吸収分割契約)
1.前提
2.株式譲渡契約との関係
3.対象事業の特定・定義
4.承継対象権利義務の特定(総論)
5.承継対象権利義務各論―現預金
6.承継対象権利義務各論―不動産
7.承継対象権利義務各論―知的財産権
8.承継対象権利義務各論―関係会社株式
9.承継対象権利義務各論―製品在庫,仕掛品
10.承継対象権利義務各論―売掛金・買掛金
11.承継対象権利義務各論―借入金債務
12.承継対象権利義務各論―潜在債務
13.承継対象権利義務各論―事業関連契約
14.承継対象権利義務各論―雇用契約
15.承継対象権利義務各論―その他のオフバランス資産
16.承継対象権利義務各論―アドバイザーに対する報酬債務
17.効力発生日
18.競業避止義務
19.対価
20.事後的な変更・修正
第4節 解説(株式譲渡契約)
1.はじめに
2.前提―株式譲渡契約の構造
3.買収ストラクチャーの明記
4.対象会社の設立
5.吸収分割契約の締結及び承継対象権利義務の具体化
6.クロージング日
7.譲渡対価及びクロージングバランスシートによる価格調整
8.表明保証条項
9.クロージング前の誓約条項
10.クロージングの前提条件
11.クロージング条項
12.クロージング後の誓約事項
13.売主によるクロージング後の対象事業への関与
14.その他DD発見事項への対応
第5節 解説(事業譲渡契約)
1.承継対象権利義務の特定
2.承継対象契約に関する相手方の承諾
3.承継対象従業員の転籍
4.クロージング手続
第7章 カーブアウトM&Aの付随契約
第1節 ストーリー
1.付随契約作成開始
2.付随契約交渉開始
3.特許ライセンス契約交渉の模様
4.各種付随契約の合意と振り返り
第2節 解説
1.総論
2.特許ライセンス契約
3.特許ライセンスバック契約
4.商標ライセンス契約
5.著作権ライセンス契約・ライセンスバック契約
6.システム利用契約
7.移行サービス契約
8.不動産賃貸借契約
9.出向契約
10.供給契約
第8章 カーブアウトM&Aのクロージングプロセス
第1節 ストーリー
1.最終合意以降のスケジュール管理
2.クロージングの前提条件充足までの道のり
3.クロージング
第2節 解説
1.カーブアウトM&A固有のクロージング対応事項
2.スケジュール表の作成
3.会社分割手続
4.許認可等の承継又は再取得の手続
5.クロージングチェックリストの作成及びプレクロージング
第3節 エピローグ(「あとがき」に代えて)
1.新たな時代の幕開け
2.世良と梅谷の対話(異なる企業文化の契約交渉への現れ―伝統的大企業vs新興企業を題材に)
3.宝田と大山の対話(カーブアウトM&Aにおける法務部門の役割)
4.弁護士達の対話(代理人同士の関係,そして,チームで働くこと)
5.海老川と神津島の対話(カーブアウトM&Aとコーポレートガバナンス)
最終契約サンプル① 売主提示案
最終契約サンプル② 買主修正案
最終契約サンプル③ 最終合意版
索引
奥付