- 発売日
- 2020年06月27日
- 出版社
- 有斐閣
- 編著等
- 長澤 哲也
正当な事業機会を逃さないためには、いかなる行為が問題に「ならない」かの見極めが重要になる。各種ガイドラインや公取委の事例相談などの分析と著者の実践知から、企業活動において慎むべき行動に加え、競争の場で適切に戦略を遂行するための判断軸を提示する。
目次
表紙
はしがき
CONTENTS
凡例
CHAPTER 01 独禁法務の考え方
Ⅰ.独禁法務とは何か
1.法体系全体における独禁法の位置付け
2.独禁法務の特徴
Ⅱ.独禁法が禁止する主な違反類型
1.不当な取引制限
2.私的独占
3.不公正な取引方法
4.事業者団体の禁止行為
5.企業結合
Ⅲ.独禁事案の判断枠組み
1.行為要件該当性
2.正常な競争手段の範囲を逸脱する人為性
3.競争阻害効果
4.違法性を阻却する正当化事由
Ⅳ.本書の構成(目的・作用機序別整理)
CHAPTER 02 競争者との協調的取組
Ⅰ.規制の趣旨
1.問題の所在
2.競争阻害の発生メカニズム
3.隣接する違反類型
Ⅱ.違反要件
1.違反類型
2.行為要件
3.正常な競争手段の範囲を逸脱する人為性
4.競争阻害効果
5.違法性を阻却する正当化事由
Ⅲ.販売に関する競争者間での協調的取組
1.販売価格カルテル
2.販売数量カルテル
3.受注調整
4.顧客獲得制限カルテル
5.販売方法カルテル
6.共同販売
7.パテントプールによるライセンス条件の共同取決め
Ⅳ.生産に関する競争者間での協調的取組
1.生産調整
2.共同生産(OEM供給)
Ⅴ.調達に関する競争者間での協調的取組
1.購入カルテル
2.共同購入
Ⅵ.商品内容に関する競争者間での協調的取組
1.品質カルテル
2.付帯サービスカルテル
3.標準規格の共同策定
Ⅶ.研究開発に関する競争者間での協調的取組
1.研究開発制限カルテル
2.共同研究開発
CHAPTER 03 取引先間の競争阻害
Ⅰ.規制の趣旨
1.問題の所在
2.競争阻害の発生メカニズム
3.隣接する違反類型
Ⅱ.違反要件
1.違反類型
2.行為要件(拘束性)
3.正常な競争手段の範囲を逸脱する人為性
4.競争阻害効果
Ⅲ.価格等の制限
1.行為類型
2.不当廉売等への対抗策としての価格制限
3.ライセンシーに対する最低製造数量の拘束
4.知的財産権の行使としての価格等の制限
5.価格維持効果
Ⅳ.販売先・販売地域の制限
1.行為類型
2.知的財産権の行使としての販売先・販売地域の制限
3.販売方法の制限の実効性確保手段としての転売制限
4.取引先選別の実効性確保手段としての転売制限(選択的流通)
5.安全確保等のための販売先制限
6.価格維持効果
7.市場閉鎖効果
Ⅴ.販売方法の制限
1.行為類型
2.それなりの合理的な理由に基づく販売方法の制限
3.オンライン販売の禁止
4.価格維持効果
Ⅵ.取引先の選別・差別的取扱い
1.行為類型
2.合理的範囲を超える取引先の選別等
3.独禁法上違法または不当な目的で行われる取引先の選別等
4.市場閉鎖効果
CHAPTER 04 競合的活動の一方的制限
Ⅰ.規制の趣旨
1.問題の所在
2.競争阻害の発生メカニズム
3.隣接する違反類型
Ⅱ.違反要件
1.違反類型
2.行為要件(拘束性)
3.正常な競争手段の範囲を逸脱する人為性
4.競争阻害効果
Ⅲ.競業避止義務
1.行為類型
2.知的財産権の行使としての競業避止義務
3.秘密情報の秘密保持・流用防止のための競業避止義務
4.競争促進的活動の実効性確保のための競業避止義務
5.競合制限効果
6.市場閉鎖効果
Ⅳ.競争回避的拘束
1.行為類型
2.知的財産権の行使としての競争回避的拘束
3.ライセンス技術の機能・効用保証のための品質・購入先の制限
4.OEM供給のインセンティブ確保のための販売先制限
5.価格維持効果
Ⅴ.研究開発活動の制限
1.行為類型
2.秘密情報の秘密保持・流用防止のための制限
3.共同研究開発の実効性を確保するための制限
4.競合制限効果
Ⅵ.自己開発技術の実施制限
1.行為類型
2.自己開発技術の譲渡義務
3.自己開発技術のライセンス義務・権利不行使義務
4.競合制限効果
CHAPTER 05 第三者に対する排他的拘束
Ⅰ.規制の趣旨
1.問題の所在
2.競争阻害の発生メカニズム
3.隣接する違反類型
Ⅱ.違反要件
1.違反類型
2.行為要件
3.正常な競争手段の範囲を逸脱する人為性
4.市場閉鎖効果
Ⅲ.中途解約の制限された長期契約
1.契約の拘束性
2.違約金の合理性
3.拘束の排他性
Ⅳ.需要者に対する付随商品の供給拒絶等
1.実質的拘束性
2.合理的理由
Ⅴ.排他的技術設定
1.実質的拘束性
2.合理的理由
3.技術設定の排他性
Ⅵ.同等性条件の義務付け(最恵国待遇条項等)
1.同等性条件
2.同等性条件の拘束性
3.競争阻害効果
Ⅶ.バンドルプライシング
1.取引先に対する拘束性
2.バンドルプライシングの排他性
Ⅷ.包括的対価設定
1.包括的対価設定の拘束性
2.正当な目的に基づく包括的対価設定
CHAPTER 06 競争者に対する取引拒絶等
Ⅰ.規制の趣旨
1.問題の所在
2.競争阻害の発生メカニズム
3.隣接する違反類型
Ⅱ.違反要件
1.違反類型
2.行為要件
3.正常な競争手段の範囲を逸脱する人為性
4.市場閉鎖効果
Ⅲ.別部門での情報の利用
CHAPTER 07 有利な取引条件による顧客の獲得
Ⅰ.規制の趣旨
1.問題の所在
2.競争阻害の発生メカニズム
3.隣接する違反類型
Ⅱ.違反要件
1.違反類型
2.行為要件
3.正常な競争手段の範囲を逸脱する人為性
4.市場閉鎖効果
Ⅲ.複数取引全体でのコスト割れ判断
1.入札・見積合わせの場合
2.技術的一体性
3.事業上の一体性
4.一体のものとしてみることができる期間
Ⅳ.プラットフォーム事業における有利条件の設定
1.多面市場全体でのコスト割れ判断
2.不当に得た利益を原資とした有利条件の設定
Ⅴ.プライススクイーズ
CHAPTER 08 顧客による合理的選択の阻害
Ⅰ.規制の趣旨
1.問題の所在
2.競争阻害の発生メカニズム
3.隣接する違反類型
Ⅱ.不当な情報提供
1.自己の商品に関する誤認惹起行為
2.競争者に関する誤認惹起行為
Ⅲ.不当な利益提供
1.射幸心をあおる利益提供
2.本来的な取引とは異なる利益の提供
Ⅳ.顧客担当者の義務違反の誘発
Ⅴ.その他不公正な手段による取引の勧誘
Ⅵ.需要者による商品選択の物理的妨害
1.競争者との取引の物理的妨害
2.競争者の商品の買占め
CHAPTER 09 取引先に対する不利益行為
Ⅰ.規制の趣旨
1.問題の所在
2.競争阻害の発生メカニズム
3.隣接する違反類型
Ⅱ.違反要件
1.優越的地位
2.濫用行為
3.競争阻害効果
Ⅲ.不均衡な対価の設定
1.対価の不利益設定(新規取引)
2.対価の不利益改定(継続取引)
Ⅳ.経済上の不利益の負担
1.不利益負担は契約等に基づくものであるか否か
2.不利益負担の合理性判断における考慮要素
Ⅴ.希望しない商品の販売
1.商品の不必要性
2.購入の合理的必要性
Ⅵ.発注後の取引内容の変更
1.基本的考え方
2.発注の取消し・受領拒否
3.返品
4.対価の支払遅延
5.対価の減額
CHAPTER 10 公正取引委員会の調査への対応
Ⅰ.事件調査手続の概要
1.行政事件調査
2.犯則事件調査
Ⅱ.調査開始後の対応
1.被疑事実等の把握
2.緊急社内調査の実施
3.弁護士・依頼者間通信秘密保護制度の適用の主張
4.提出物件のコピー
5.供述聴取への対応
Ⅲ.課徴金減免申請の検討(カルテル事案)
1.課徴金減免制度の概要
2.課徴金減免申請等をするか否かの判断
Ⅳ.確約手続の検討(カルテル以外の事案)
1.確約手続の概要
2.確約手続により事件を終了させるための交渉
判例索引
事項索引
奥付