- 発売日
- 2025年09月01日
- 出版社
- 有斐閣
- 編著等
- 有斐閣
会社法は,学説と判例・実務が相互に作用しあう中でそれぞれを補い,新しい問題群にスピーディーに対応してゆく必要性が高いため,必ずしも対立関係に立たないとも言われます。その意味で,今年度の共通テーマにおいては,会社法は特異な印象を持たれるかもしれません。それこそが会社法の醍醐味であり,魅力であり,難しさでもあるでしょう。ぜひ,学説と判例・実務との関係性について,他法との違いも感じ取りながら読んでみてください。今号の判例クローズアップでは,いわゆる那覇市孔子廟第2次訴訟最判を,時の問題では,百条委員会を取り上げました。
目次
表紙
目次
【特集】会社法学習における学説と判例・実務
Ⅰ 役員選任決議の瑕疵連鎖(三浦康平)
Ⅱ 裁判での非公開株式の評価(星明男)
Ⅲ 取締役の選解任と報酬支給の在り方(高橋均)
Ⅳ 取締役会決議と取締役の中立性(中村康江)
Ⅴ 閉鎖会社における少数株主の排除と保護(藤田真樹)
INTRODUCTION
【巻頭言】個社のガバナンス不祥事と社会・取引構造の関係(松井智予)
REGULAR ARTICLES〈記事〉
【法学のアントレ】第102回 えっ,これが六法全書!?(津野田一馬)
【国会概観】第217回国会主要成立法律(梶山知唯)
【判例クローズアップ】国公有地上にある宗教的施設の撤去請求(最判令和7・3・17)(西山千絵)
【時の問題】百条委員会とは何か――地方議会と長の関係のこれから(鵜澤剛)
LECTURE〈講座〉
憲法の基本原理から見る統治 第17回 行政権(高田篤)
最新判例に学ぶ行政法解釈 第6回 情報公開――最判令和4・5・17判時2539号5頁(服部麻理子)
法と経済学から見た民法判例 第6回 過失責任とこの周辺――最判平成22・3・2集民233号181頁,最判平成25・4・12民集67巻4号899頁(百選Ⅱ・86事件)(西内康人)
ちょっとだけ寄り道,会社法 第6回 株主総会決議の成立――書面投票,電子投票,そして代理による議決権行使(小宮靖毅)
民事執行・保全法の考え方 第9回 不動産の収益に対する執行,動産に対する執行(青木哲)
刑法総論の秘密、刑法各論の秘訣。 第6回 天然物の無断採取と盗品等関与罪(和田俊憲)
EXERCISE〈演習〉
憲法(大林啓吾)
行政法(齋藤健一郎)
民法(藤澤治奈)
商法(森まどか)
民事訴訟法(村上正子)
刑法(松尾誠紀)
刑事訴訟法(宮木康博)
労働法(天野晋介)
〈判例セレクトMonthly〉
憲法 都立病院新生児取り違え調査請求訴訟(東京地判令和7・4・21)(松本哲治)
行政法 子ども・子育て支援法17条の差押禁止債権該当性(最決令和7・3・19)(原田大樹)
民法 聴力障害のある年少者の逸失利益(大阪高判令和7・1・20)(鳥山泰志)
商法 招集通知の瑕疵と裁量棄却(東京地判令和6・1・23)(山本将成)
民訴法 保育事業者債権に対する強制執行の可否(最決令和7・3・19)(池田愛)
刑法 不作為の死体遺棄の成否とその終了時期(名古屋地判令和6・12・5)(東條明徳)
刑訴法 第1審の有罪判決をした裁判官が当該被告事件の控訴裁判所のする保釈に関する裁判に関与することの適否(最決令和7・5・21)(亀井源太郎)
No.539掲載判例
BOOK INFORMATION〈新刊案内〉
原島良成著 北村喜宣=山口道昭=出石 稔編『条例理論の基礎』
金井貴嗣=泉水文雄=武田邦宣著『独占禁止法の基本判例』
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