- 発売日
- 2026年09月30日
- 出版社
- BUSINESS LAWYERS
- 編著等
- 渡邉 雅之
本書は、令和8年の犯罪収益移転防止法及び組織的犯罪処罰法の改正によって新設された「送金犯罪」について、全国初の摘発事案を挙げて解説するものです。自分名義の口座から、自分の手で送金しただけで、なぜ犯罪になり得るのか、を出発点に、法改正の趣旨、犯罪グループが他人の口座を必要とする構造、金融機関に求められる実務対応、個人の自衛策等を扱います。
目次
表紙
⽬次
第1章 結論と全体像
1-1. 問われるのは⼝座の名義ではない
(1) なぜ⾃分名義の⼝座からの送⾦が書類送検されたのか
(2) 名義の正しさと、取引の正しさは別問題
1-2. 本書で覚えておきたい3つのこと
1-3. 本書が解く6つの問い
第2章 事件 ― 施⾏⼆⽇後に何が起きたか
2-1. ⼊⼝は「犯罪」ではなく「簡単な副業」に⾒えた
2-2. 4つの出来事が、⼀本の線につながった
2-3. 送⾦の「動き⽅」を数字で⾒る
(1) 午前10時40分から午後8時40分まで
(2) ⾦融機関の⽬に映った3つの数字
2-4. 発覚の端緒は、⾦融機関の取引モニタリングだった
2-5. 「利⽤された⼈」と「犯罪の実⾏者」は、両⽴し得る
2-6. 約束された報酬が⽀払われなくても、「無償」にはならない
2-7. 「初めて」「⼀回だけ」は、犯罪の成否を左右しない
2-8. 事件を語るときは、「容疑段階」であることを忘れない
第3章 法律 ― なぜ新しい罰則が必要だったのか
3-1. 改正法が変えた3つの点
3-2. 従来法の「空⽩」は、犯罪グループに利⽤された
(1) 「何も渡さない」という脱法的⼿⼝
(2) 改正前と改正後では、「⾒る場所」が違う
3-3. 「送⾦犯罪」は、4つのポイントで理解する
3-4. 処罰対象は、「送る⼈」だけではない
3-5. 「有償」の範囲は、現⾦よりずっと広い
3-6. 普通の⽣活や仕事を萎縮させないための「正当な理由」
(1) 正当な理由がある4つの類型
(2) どこから「仕事」ではなくなるのか
(3) 「知らなかった」は、本⼈の⼀⾔だけでは決まらない
3-7. 似て⾒える3つの⾏為は、適⽤条⽂と刑が違う
3-8. 対象は、銀⾏振込だけではない
3-9. 犯収法と組織的犯罪処罰法は、役割が違う
第4章 犯罪構造 ― なぜ「送るだけ」の⼈が必要なのか
4-1. 犯罪グループは、他⼈の⼝座で「距離」を作る
4-2. SNS詐欺は、「犯罪のサプライチェーン」で動く
4-3. 被害⾦には、「凍結されるまでの時計」が動いている
4-4. 「闇バイト」は、送⾦役を集める⼊⼝でもある
(1) 募集から分散送⾦までの五段階
(2) 募集⽂句を、実際の機能に翻訳する
4-5. 個⼈情報を渡すほど、「途中でやめる」ことが難しくなる
第5章 ⾦融機関の実務 ― KYCの次に何を⾒るか
5-1. KYCは必要。しかし、KYCだけでは⽌められない
5-2. 「動き⽅の違和感」を組み合わせる
(1) 4つの着眼点
(2) 単⼀アラートでは弱い。5つ重なると意味が変わる
5-3. 顧客照会は、この五問から始める
5-4. 不審取引を検知した後は、「確認」と「停⽌」をつなぐ
5-5. ⾦融機関に求められる実務対応は、5つ
5-6. 未施⾏の新制度 ― 警察が「架空名義⼝座」で犯⾏を⽌める
5-7. ⾦融機関の役割は、「⼊⼝」から「途中遮断・回復」へ広がる
第6章 ⾃衛策 ― 巻き込まれないために
6-1. 送⾦する前に、3つの質問に答えられるか
6-2. 1つでもあれば⽴ち⽌まる「12の危険サイン」
6-3. すでに情報を渡した・送⾦した場合は、時間を置かない
6-4. ⽣成AIは、詐欺を「⾒れば分かる偽物」から変える
第7章 まとめと理解度チェック
7-1. 6つの疑問に、⼀⾔で答える
7-2. 理解度チェック(○×)
7-3. 現場で明⽇から確認する8項⽬
7-4. 明⽇、⼈に話せる3つの結論
著者紹介
奥付