- 発売日
- 2025年05月01日
- 出版社
- 有斐閣
- 編著等
- 有斐閣
今月号より基本7法の特集です。今年度の特集共通テーマは「学説の役割と判例・実務との関係」。法科大学院制度開始から20年が過ぎ、学説と判例・実務との関係に変化が見られるのではないか。そのことは、法学部や法科大学院における学修のあり方にも影響を及ぼしているのではないか。そして、学説は、判例の説明や正当化に力を割くようになってはいないか――そんな刑事法分野からの問題提起(本誌525号・529号巻頭言)も受け、改めて学説の役割を考えてゆきたいと思いました。今月は憲法。学説と判例の相関の理解に好適な5テーマを揃えました。
目次
表紙
目次
【特集】憲法の学習における学説と判例・実務
Ⅰ 平等――学説と判例・実務(植木淳)
Ⅱ 政教分離(中島宏)
Ⅲ 「表現の自由」論と判例・実務との関わり(木下智史)
Ⅳ 職業の自由(川鍋健)
Ⅴ 国会(新井誠)
INTRODUCTION
【巻頭言】刑務所はどう変わるのか(川出敏裕)
REGULAR ARTICLES〈記事〉
【法学のアントレ】第98回 未来の法はアニメから(長島光一)
LECTURE〈講座〉
憲法の基本原理から見る統治〔第13回〕「最高機関」,「立法」,「唯一」(2)(高田篤)
最新判例に学ぶ行政法解釈〔第2回〕行政処分の職権取消し――最判令和3・6・4民集75巻7号2963頁(戸部真澄)
法と経済学から見た民法判例〔第2回〕任意法規の意味と強行法規との関係――最判平成23・7・15民集65巻5号2269頁,最判令和4・12・12民集76巻7号1696頁(西内康人)
ちょっとだけ寄り道,会社法〔第2回〕会社の業務及び財産の状況を調査する者(小宮靖毅)
民事執行・保全法の考え方〔第6回〕不動産競売の開始,差押え・仮差押え,売却条件(青木哲)
刑法総論の秘密、刑法各論の秘訣。〔第2回〕刑法と憲法とガソリンカー事件(和田俊憲)
EXERCISE〈演習〉
憲法(大林啓吾)
行政法(齋藤健一郎)
民法(藤澤治奈)
商法(森まどか)
民事訴訟法(村上正子)
刑法(松尾誠紀)
刑事訴訟法(宮木康博)
労働法(天野晋介)
レポート・刑事政策(小西暁和)
〈判例セレクトMonthly〉
憲法 靖國神社合祀情報提供行為国賠訴訟(最判令和7・1・17)(松本哲治)
行政法 都道府県議会議員の定数配分規定の適法性(最判令和7・1・28)(原田大樹)
民法 改正前民法724条後段の除斥期間に対する例外の射程――第二次世界大戦戦没者合祀事件(最判令和7・1・17)(小笠原奈菜)
商法 株主総会の招集地と招集手続の著しい不公正(東京高判令和6・6・5)(小柿徳武)
民訴法 当事者間の合意に基づいて養育費の支払を求める場合には,地方裁判所における民事訴訟手続によるべきとした事例(東京高決令和5・5・25)(工藤敏隆)
刑法 非監護者が監護者と共謀して被監護者に対し性交等をした場合における監護者性交等罪の共同正犯の成否(最決令和7・1・27)(東條明徳)
刑訴法 犯人性に合理的な疑いがあるとして無罪とした原判決を破棄し自判した事例(大阪高判令和5・7・7)(亀井源太郎)
〈Report〉
〔早慶合同ゼミナール〕他人物賃貸借と賃貸人の地位の移転をめぐる諸問題(金子敬明,白石大,田髙寛貴)
BOOK INFORMATION〈新刊案内〉
洲崎博史=後藤 元 編『保険法判例百選 〔第2版〕』
山本敬三 監修 石綿はる美=白石 大=水津太郎 著『民法2 物権』
READER'S VOICE・INFORMATION
奥付