- 発売日
- 2018年09月19日
- 出版社
- 中央経済社
- 編著等
- 石嵜 信憲、横山 直樹、佐々木 晴彦、豊岡 啓人
働き方改革法等最新の法規定、精神障害他各種疾患のリスク、労働時間管理、問題発生後の対応、会社・役員への損害賠償請求など、過重労働防止に関わる知識・実務のすべて。
目次
表紙
はしがき
目次
序章 女性社員の過労自殺から学ぶ過重労働防止
第1節 女性社員の過労自殺のインパクト
1 事件発生後の経緯
2 労働基準法違反を理由とする起訴及び罰金刑の言渡し
3 行政による一定期間の入札停止
第2節 女性社員の自殺が社会に多大なインパクトを与えた要因
1 現行実務の確立過程
2 政府による長時間労働の削減施策との関連
3 女性社員の過労自殺
第3節 電通の女性社員の自殺から学ぶべきことは
1 長時間労働とハラスメントの複合体
2 個々の労働者の性格に応じた労務管理を
3 個別労務管理で注意すべきことは
4 現場監督者が健康である必要
5 現場監督者の健康予防は役員の責任
第1章 過重労働防止に係る憲法・法律・通達・指針
第1節 「過重労働」とは
第2節 過重労働防止についての法体系概観
第3節 過重労働防止に関する規定等の整備経過
1 精神障害に係る業務上外の判断指針の策定
2 電通事件の最高裁判決
3 電通事件・最高裁判決後の法令・労働行政等の動き
第4節 法令・通達等を理解するために必要な前提知識
1 時間概念及び時間数の算定方法の差異を意識する
2 ①労基法上の時間外労働・休日労働
3 ②労安衛法上の健康時間外労働
4 ③労災認定上の時間外労働
5 ④精神障害の労災認定に関する恒常的長時間労働
6 ⑤高度プロフェッショナル制度における健康管理時間
第5節 過重労働防止に関連する労働基準法の規定
1 労働基準法第4章の概説
2 固定的労働時間制(労基法32条)
3 休憩時間(労基法34条)
4 休日(労基法35条)
5 時間外労働・休日労働(労基法36条・同法37条)
6 年次有給休暇(労基法39条)
7 違反した場合の罰則
第6節 過重労働防止に関連する労働安全衛生法の規定
1 労働安全衛生法第7章の概説
2 健康診断(労安衛法66条以下)
3 面接指導等(労安衛法66条の8 ,同9)
4 ストレスチェック(労安衛法66条の10)
5 労安衛法の罰則のまとめ
6 産業医と過重労働防止
第7節 メンタルヘルスケア対策
1 メンタルヘルスケアとは
2 セルフケアが基本
3 ラインによるケアの重要性
4 管理職への教育研修の重要性
第2章 過重労働防止に関する労働行政システムと監督状況
第1節 過重労働をめぐる近年の行政の動き
1 労働基準監督行政における長時間労働削減対策
2 過重労働に関する監督の端緒
第2節 行政指導(助言・指導・勧告)
1 行政指導の意義
2 行政指導の事実上の影響力
第3節 企業名公表
1 企業名公表とは
2 従前の企業名公表の基準
3 過重労働に関連する企業名公表基準の強化
第4節 ブラック企業論以降の労働行政の変化
第3章 過重労働防止の実務
第1節 過重労働防止の基本
第2節 脳・心臓疾患の発症リスクと基礎知識
1 脳・心臓疾患の意味と分類
2 脳・心臓疾患発症のメカニズム
第3節 精神障害の発症リスクと基礎知識
1 精神障害の意味と分類
2 精神障害発症のメカニズム
第4節 年齢による健康リスク
第5節 職種による健康リスク
第6節 各労働者の性格等に応じた個別労働管理を
第7節 業務の過重性に関する実務対応
1 「脳・心臓疾患の認定基準」にみる業務の過重性
2 「脳・心臓疾患の認定基準」にみる労働環境問題
第8節 過重労働防止のための労働時間管理の実務
1 時間外労働の量と過重負荷との関係
2 変形労働時間制の対象者の労働時間管理
3 フレックスタイム制の対象者の労働時間管理
4 裁量労働者に対する労働時間管理
5 管理職に対する労働時間管理
6 副業・兼業に関する労働時間管理の問題点
7 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
第9節 職場環境(人間関係等)管理の実務対応
1 ハラスメントがもたらす健康問題
2 セクシュアルハラスメントについて
3 マタニティハラスメントについて
4 パワーハラスメントについて
5 被害者への対応
第10節 過重労働防止にとって一番大切なことは
第4章 健康問題発生後の実務
第1節 本章の流れ
第2節 労務提供不能/業務災害に関する実務対応
1 業務災害と災害補償
2 過重労働に起因する精神障害
3 業務災害を主張された際の対応
4 休業時の給付
5 業務災害による休業中の解雇制限
6 休業者の復職支援手続
7 過重労働で結果が生じた場合の事後対応の整理
第3節 労務提供不能/私傷病に関する実務対応―原則休職手続をとる―
1 休職規定の適用について
2 休職期間中の処遇
3 復職時の「治癒」の判断基準等
4 復職支援の基本的な考え方
第4節 労務提供を受領する場合の対応実務
1 医師の診断・意見に従う
2 業務量を調整する場合の実務対応
3 職種変更・転勤についての考察
第5章 過重労働に関する民事上の法的責任
第1節 会社への損害賠償請求
1 はじめに
2 一般不法行為責任(民法709条)
3 使用者責任(民法715条)
4 安全配慮義務違反に基づく債務不履行責任
5 過失相殺
6 損益相殺
7 労災上積補償制度
第2節 現場監督者への損害賠償請求
1 一般不法行為責任(民法709条)
2 判例にみる注意義務の内容
第3節 役員等への損害賠償請求
1 役員等の第三者責任(会社法429条1項)
2 役員等の不法行為とそれに対する会社の責任
3 株主代表訴訟による責任追及も
第6章 補論
第1節 労働時間概念と算定方法に関する整理
1 はじめに
2 ③労災認定に関する時間外労働
3 ④精神障害の労災認定に関する恒常的長時間労働
4 ⑤高度プロフェッショナル制度の健康管理時間
第2節 労基法改正後の上限規制
1 上限規制の内容
2 上限規制と法定休日の利用
3 今後の実務対応(考察)
第3節 期間と労働時間数の捉え方
1 脳・心臓疾患の認定基準について
2 精神障害の認定基準について
第4節 労災支給決定の取消訴訟における使用者の原告適格―医療法人社団X事件―
1 事案の概要
2 本件の争点
3 判旨
4 控訴審判決(東京高判平成29年9月21日労経速2341号29頁)
5 判決の考察及び実務対応
第5節 過労死と過失相殺に関する裁判例の整理
第6節 「 過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更について
1 経緯
2 主な変更点
【巻末表1】 過労死(脳・心臓疾患)の判例の変遷
【巻末表2】 過労による精神障害・自殺についての判例の変遷
編著者紹介
奥付