- 発売日
- 2025年03月01日
- 出版社
- ぎょうせい
- 編著等
- 田中豊
法律実務家の視点から契約の解釈に係る問題をどのように争点化し、どのように主張し、その争点との関係でどのような点に焦点を絞って立証するのが効果的であるかを詳説! 21もの最高裁判決を素材として、当該事案における当事者の主張・立証および下級審判決の判断等を分析し、それまでの最高裁判例の中に位置付けることによって、「現代における契約の解釈」の全体像を示す! 「契約」の解釈にとどまらず、単独行為である「遺言」、関係者が多数に上る「約款」や「規約」をも取り上げ、法律行為の解釈の全体像を提示!
目次
表紙
目次
序章 契約の解釈の重要性
1 「身分から契約へ」と「契約自由の原則」
2 契約書の作成と契約の解釈
3 債権法改正の際の議論と本書の問題意識
第1章 契約の解釈とは
1 契約の解釈の判断プロセス
⑴ はじめに
⑵ 最1小判昭和51・7・19集民118号291頁にみる契約の解釈の判断プロセス
2 契約の解釈という作業の性質―事実認定に係る問題か法律問題か
⑴ はじめに
⑵ 「契約の解釈」という用語の使い方
⑶ 最高裁判例の理由説示との整合性
3 契約の解釈に係る方法論の分類学―本来的解釈・規範的解釈の2類型又は狭義の解釈・補充的解釈・修正的解釈の3類型
⑴ 法社会学的観点からの分類学
⑵ 最高裁判例の立場
4 債権法改正における条文化をめぐる議論とその結末
⑴ はじめに
⑵ 「基本方針」における条文案
⑶ 「中間試案」における条文案
⑷ 条文化の挫折とその原因
⑸ 結論
第2章 契約の解釈における基本問題
1 はじめに
2 解釈の基準時―契約締結時か現時点(紛争発生時点)か
⑴ 契約の解釈が法律問題であることの意味
⑵ 解釈の基準時と一時的契約及び継続的契約
3 本来的解釈とその考慮要素
⑴ はじめに
⑵ 平成19年最高裁判決にみる契約の解釈とその考慮要素
4 規範的解釈とその考慮要素
⑴ はじめに
⑵ 昭和42年最高裁判決にみる契約の解釈とその考慮要素
第3章 本来的解釈と規範的解釈との識別、契約の解釈と法規の適用との識別
1 はじめに
2 本来的解釈か規範的解釈か―最1小判平成22・10・14における契約の解釈
⑴ 事案の概要
⑵ 原審のした本件条項の解釈とXの上告受理申立て理由
⑶ 平成22年最高裁判決のした本件入金リンク条項の解釈
⑷ 平成22年最高裁判決と契約の解釈の確定判例との関係
⑸ 平成22年最高裁判決と契約の解釈における考慮要素
3 契約の解釈か法規の適用か―最2小判平成20・7・4における契約の解釈の位置付け
⑴ 事案の概要
⑵ 原審のした本件基本契約の解釈とXの上告受理申立て理由
⑶ 本件基本契約に基づく報告義務に係る平成20年最高裁判決の判断
⑷ 平成20年最高裁判決の判断の構造
⑸ 平成20年最高裁判決の判例理論における位置付け
⑹ 契約の解釈と民商法の規定(任意規定)の適用との相対性
第4章 本来的解釈をめぐる主要な問題
1 はじめに
2 「契約条項の文言に忠実に」の第1原則―最1小判昭和47・3・2における契約の解釈
⑴ 事案の概要
⑵ 特約の成否についての原審の判断とYの上告理由
⑶ 最1小判昭和47・3・2のした特約の成立に関する判断
⑷ 最1小判昭和47・3・2における契約の解釈という問題の位置付け
⑸ 「契約条項の文理」の考慮要素がその余の考慮要素に比して圧倒的に重要度が高いこと
⑹ 契約書の作成についてのメッセージ
3 「条項間の統一的・整合的解釈」の第2原則―最2小判平成7・11・10における約款の解釈
⑴ 事案の概要
⑵ 本件免責条項の解釈についての原審の判断とXらの上告理由
⑶ 平成7年最高裁判決のした本件免責条項にいう「配偶者」の解釈
⑷ 平成7年最高裁判決と契約の解釈との関係
⑸ 考慮要素における「条項の統一性・整合性」の要素と「条項の実現しようとする目的」の要素との重要性の序列
⑹ 平成7年最高裁判決と「作成者不利の原則」、「免責条項の類推(拡張)解釈禁止の原則」との関係
⑺ 平成7年最高裁判決の射程及び判決後の約款改正
4 「契約条項によって実現しようとした目的」の第3原則―最2小判昭和43・2・23における特約の解釈
⑴ 事案の概要
⑵ 本件売買契約解除の成否についての第1審及び原審の判断とYの上告理由
⑶ 解除理由にすることができる債務不履行と昭和43年最高裁判決
⑷ 判例理論と昭和43年最高裁判決との関係
⑸ 契約の解釈の観点からの昭和43年最高裁判決の分析
⑹ 本件特約が「実現しようとした目的」の重要性
⑺ 現行民法541条と昭和43年最高裁判決との関係
5 取引慣行又は社会通念の考慮要素―最3小判平成9・2・25における不動産売買契約の損害賠償条項の解釈
⑴ 事案の概要
⑵ 本件契約9条の解釈についての原審の判断とXの上告理由
⑶ 本件契約9条の解釈についての平成9年最高裁判決
⑷ 平成9年最高裁判決の理由の構造
⑸ 平成9年最高裁判決の性質と契約の解釈における取引慣行又は社会通念の考慮要素
第5章 規範的解釈をめぐる主要な問題
1 はじめに
2 「交換的正義」(考慮要素1)―最2小判昭和43・3・15における示談契約の請求権放棄条項の解釈
⑴ 事案の概要
⑵ 本件示談契約についての第1審の判断
⑶ 本件示談契約についての原審の判断とYの上告理由
⑷ 最2小判昭和43・3・15のした本件示談契約中の請求権放棄の約定の解釈
⑸ 最2小判昭和43・3・15のした契約解釈の方法とそれ以外の解釈方法
⑹ 契約の解釈が法律問題であることの再確認
3 「手続的正義」(考慮要素2)―最1小判昭和44・7・10における訴訟上の和解の明渡し条項の解釈
⑴ 事案の概要
⑵ 本件和解条項についての控訴審(原審)の判断と上告理由
⑶ 最1小判昭和44・7・10の本件和解条項の解釈
⑷ 訴訟上の和解における条項の解釈と「手続的正義」の観点
⑸ 規範的解釈をした原判決と本来的解釈をした最高裁判決とを分けたもの
⑹ 契約時以降の事実が契約解釈の考慮要素になることの明確な指摘
4 「任意規定」(考慮要素3)―最1小判昭和43・11・21における建物賃貸借契約の無催告解除条項の解釈
⑴ 事案の概要
⑵ 本件特約条項についての第1審及び控訴審(原審)の判断と上告理由
⑶ 最1小判昭和43・11・21の本件特約条項の解釈
⑷ 継続的契約と契約解除の要件
⑸ 賃貸借契約の解除と信頼関係破壊論の二面性
⑹ 賃貸借契約における無催告解除条項の解釈方法論
⑺ 最高裁のした本件特約条項の解釈の意義
第6章 訴訟において「契約の解釈」が争点になる3つの態様
1 はじめに
2 契約の解釈が法律問題の下部構造を成している場合(第2類型)―最1小判令和4・12・12
⑴ 事案の概要
⑵ 消費者契約法10条該当性についての原審の判断
⑶ 最1小判令和4・12・12のした本件契約書の無催告解除条項及び明渡し擬制条項の各解釈
⑷ 差止訴訟における消費者契約の解釈
⑸ 消費者契約法10条の要件と規範的解釈
⑹ 最1小判令和4・12・12の意義
3 契約の解釈が認定問題の下部構造を成している場合(第3類型)―最1小判昭和61・2・27
⑴ 事案の概要
⑵ 第1審及び控訴審(原審)の判断とYの上告理由
⑶ 最1小判昭和61・2・27の理由説示
⑷ 最1小判昭和61・2・27の判断の構造と契約の解釈
⑸ 重要な先例の存在―最1小判昭和39・10・8集民75号589頁
第7章 遺言の解釈
1 はじめに
2 遺言の解釈と契約の解釈との異同―最3小判昭和30・5・10
⑴ はじめに
⑵ 事案の概要
⑶ 本件遺言条項の解釈に係る原審の判断とYの上告理由
⑷ 最3小判昭和30・5・10のした遺言の解釈に係る判断
⑸ 遺言の解釈が「意思表示の解釈」の問題の一場面であることの確認
⑹ 遺言の解釈の解釈態度と考慮要素
⑺ 本来的解釈か規範的解釈か
3 遺言の解釈における考慮要素
⑴ はじめに
⑵ 最2小判昭和58・3・18判時1075号115頁
⑶ 最3小判平成5・1・19民集47巻1号1頁
4 遺言の解釈と遺言書に表われていない事情
⑴ はじめに
⑵ 最3小判平成13・3・13の事案の概要
⑶ 本件条項についての第1審及び控訴審の判断とXの上告理由
⑷ 最3小判平成13・3・13の本件条項についての解釈
⑸ 「遺言条項の文言に忠実に」の第1原則
⑹ 遺言書に表れていない事情を取り込むことの可否
⑺ 遺言の解釈が法律問題であることの確認
⑻ 小括
5 遺言の解釈における条項の文言の形式的解釈と他の要素の総合考慮とのバランス
⑴ はじめに
⑵ 最2小判平成17・7・22の事案の概要
⑶ 本件条項についての第1審及び控訴審(原審)の判断とYの上告理由
⑷ 最2小判平成17・7・22の説示した遺言の解釈の判断枠組みとその適用
⑸ 考慮要素に当たる具体的事実の認定は事実問題であること
⑹ 最3小判平成13・3・13と本件遺言書の記載との関係
⑺ 遺言条項の明瞭性の程度とその他の考慮要素との関係
⑻ 小括
6 遺言の解釈と契約の解釈との関係
⑴ 遺言の解釈は法律行為(意思表示)の解釈の一場面であること
⑵ 「真意の探求」と遺言の解釈との関係
⑶ 本来的解釈と規範的解釈
⑷ 考慮要素の異同
⑸ 結論
第8章 約款・規約等の解釈
1 はじめに
2 約款の解釈―最2小判平成26・12・19
⑴ 事案の概要
⑵ 第1審と控訴審の判断及びYの上告受理申立て理由
⑶ 最2小判平成26・12・19の本件賠償金条項(本件約款53条1項)の解釈
⑷ 契約(約款)の解釈と「作成者不利の原則」
⑸ 「不測の不利益」と「作成者不利の原則」との関係
⑹ 契約の解釈と「合意が成立している」という表現との関係
⑺ 法廷意見と補足意見
⑻ 最2小判平成26・12・19の契約の解釈に係る判例としての位置付け
3 規約の解釈―最1小判平成29・12・18
⑴ 事案の概要
⑵ 第1審及び控訴審(原審)の判断とYの上告受理申立て理由
⑶ 最1小判平成29・12・18の理由と結論
⑷ 最高裁は本件規約全体の解釈によって結論を導いたのかそれとも本件規約40条3項の解釈によって結論を導いたのか
⑸ 区分所有法と最1小判平成29・12・18
⑹ 団体役員としての地位と役員の就く役職との峻別という発想
⑺ 「区分所有者の合理的意思」に言及する意味
⑻ 最1小判平成29・12・18の位置付け
終章 契約の解釈の全体像
1 はじめに
2 序章及び第1章から第3章まで―総論―
⑴ 序章
⑵ 第1章――契約の解釈とは
⑶ 第2章――契約の解釈における基本問題
⑷ 第3章―本来的解釈と規範的解釈との識別、契約の解釈と法規の適用との識別
3 第4章及び第5章―各論―
⑴ 第4章―本来的解釈をめぐる主要な問題
⑵ 第5章―規範的解釈をめぐる主要な問題
4 第6章―争点の構造論―
5 第7章及び第8章―展開編―
⑴ 第7章―遺言の解釈
⑵ 第8章―約款・規約等の解釈
6 結び
事項別索引
判例索引
執筆者略歴
奥付