- 発売日
- 2026年03月25日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 法政大学比較経済研究所、酒井正
失業対策の切り札として近年注目を集める教育訓練施策。海外事例の検討や国内の実証研究を通じ、その論点と課題を改めて整理する。
目次
表紙
目次
はじめに─セーフティーネットとしての教育訓練施策をめぐる論点
1. 本書の問題意識と射程
2. なぜ公的に職業訓練を提供する必要があるのか
3. わが国の訓練施策の構造と規模
4. 訓練へのニーズの在り処
4.1 誰に訓練が必要なのか
4.2 どのような訓練が不足しているのか
4.3 「ニーズ」に合った訓練は提供されているのか
5. 職業訓練に効果はあるのか
6. 訓練施策は雇用保険によって賄わされるべきか
7. それでも人々が訓練に参加しないのはなぜか
8. 訓練施策に関するその他の論点
第1章 わが国の訓練施策の現状
1. わが国の訓練施策の枠組み
1.1 わが国の訓練施策の概要
1.2 公的職業訓練
1.3 人材開発支援助成金
1.4 教育訓練給付
1.5 その他の主な訓練関連施策
2. 能力開発をめぐる現状と課題
2.1 日本の雇用構造と訓練施策の役割の変遷
2.2 能力開発の現状
2.3 社会の変化に対応した訓練施策の変化
2.4 人への投資と三位一体の労働市場改革
3. 職業訓練の効果検証
3.1 EBPMに基づく政策の効果検証の動き
3.2 職業訓練の効果検証
4. 訓練施策の今後の課題
4.1 非正規雇用労働者の能力開発
4.2 デジタル人材の育成
4.3 今後の人材開発政策の在り方の方向性
4.4 社会における訓練ニーズへの対応も含めた訓練施策の役割
5. まとめ
第2章 OECD労働市場政策(LMP)データベースにみる公的職業訓練費の国際比較─デンマーク、フランスの事例から
1. はじめに
2. LMPデータベースにおける訓練の定義と日本の訓練支出の集計範囲
2.1 LMPデータベースの概要
2.2 LMPデータベースにおける「訓練」の定義と集計範囲
2.3 わが国の訓練の集計範囲の再検討
2.4 修正を行った場合の影響試算
2.5 小括
3. デンマークとフランスにおけるLMP の集計対象
3.1 デンマークの例
3.2 フランスの例
3.3 小括
4. 国際比較からみた日本の訓練支出と財源
4.1 国際比較からみたわが国の特徴
4.2 日本の公的職業訓練制度への示唆
5. おわりに
第3章 社会人の学びの効果─業務の高度化、賃金上昇、失職回避について
1. はじめに
2. 教育・訓練参加と賃金上昇や失職リスク軽減への影響
3. 分析手続きと用いるデータ
3.1 データ
3.2 分析手続き
3.3 データの概観
4. 分析結果
4.1 どのような就業者ほど教育・訓練を実施しやすいのか
4.2 教育・訓練を実施するほど非定型抽象的な業務に従事するようになるのか
4.3 教育・訓練の実施による失職リスクの軽減
4.4 教育・訓練の実施とその後の賃金変化
5. 結びにかえて
第4章 非正規雇用の正規雇用への転職における能力開発の効果
1. はじめに
2. 先行研究と検証仮説
2.1 先行研究
2.2 先行研究の検討と検証仮説
3. 分析の枠組み
3.1 分析に用いるデータ
3.2 推計方法
3.3 分析対象の基本データ
4. 分析結果
4.1 ロジット回帰による傾向スコアの推計
4.2 勤め先訓練のATT の推計結果
4.3 自己啓発のATT の推計
4.4 自学・自習のATT の推計
5. 結果の考察
5.1 勤め先訓練に効果がみられたのはなぜか
5.2 男性の勤め先訓練に効果がないのはなぜか
5.3 自己啓発、自学・自習に効果がみられないのはなぜか
6. 結びにかえて
第5章 コロナ禍での企業提供訓練と労働者のスキル開発
1. はじめに
2. データ
3. 推定方法
4. 推定結果
5. 結論
第6章 誰に訓練が必要なのか─「国際成人力調査」(PIAAC)に基づいた分析
1. はじめに──問題意識と背景
2. 先行研究
3. データ
4. 分析モデル
5. 分析結果
6. 結論
第7章 日本と欧州の労働市場にみる量的・質的課題と人材政策の方向性
1. はじめに
2. 「人手不足」が深刻化する日本の労働市場
2.1 日本の労働市場における「人手不足」の状況
2.2 日本の労働市場における「質的」変化
3. 「人手不足」が進む欧州の労働市場
3.1 欧州の労働市場における就業者数の拡大と人口構造の課題
3.2 欧州の労働市場における労働供給制約の高まり
3.3 欧州における労働参加の進展
3.4 欧州の労働市場における「質的」変化
3.5 欧州における「人手不足」の状況
4. 「人材不足」の可視化
4.1 オンライン求人を活用した可視化への取組
4.2 「人材不足」の要因分析に向けて
4.3 「スキル不足」の可視化に向けて
5. 「人材不足」に対応した政策の方向性
5.1 欧州における人材政策の今後の方向性
5.2 スキル・ファースト・アプローチ
6. まとめ
第8章 セーフティーネットとしての再就職支援─スウェーデンからの示唆
1. はじめに
2. スウェーデン・モデルと労使当事者
3. スウェーデン労使関係の概要
3.1 歴史的経緯
3.2 交渉当事者
4. 再就職支援
4.1 整理解雇時の人選のルール
4.2 労使による自主的な再就職支援サービス
4.3 TSLシステム
4.4 TRRシステム
5. 雇用仲介庁と雇用保障協議会の関係性
5.1 対象とする層の棲み分け
5.2 2022年10月改革
6. おわりに
第9章 地域レベルでの訓練施策の取組
1. 公的職業訓練における実施主体別の体制
2. 公共職業訓練に係る体制
3. 実施主体別にみた公的職業訓練の実施状況
3.1 離職者向け訓練(ハロートレーニング)
3.2 在職者向け訓練
4. 都道府県単位における訓練施策の枠組みと地域における連携の取組の強化
4.1 訓練施策の枠組み
4.2 地域職業能力開発促進協議会の設置による連携の取組の強化
5. 地域における効果的な職業訓練のための新たな取組
6. 教育訓練給付制度における地域のニーズの把握による講座数拡大の取組
7. まとめ
第10章 社会人の学び直しを阻む要因と求められる政策対応
1. はじめに
2. 社会人の学び直しを阻む要因
2.1 繁忙
2.2 高コスト
2.3 情報不足
3. 対応策
3.1 長時間労働の是正
3.2 job tagにおける賃金情報の拡充と教育訓練給付金講座情報の紐づけ
3.3 教育訓練給付金制度と国公立大学の連携
3.4 成長分野について助言できるキャリアコンサルタントの育成と活用
4. 企業に求められる人的資本投資の積極化
5. おわりに
索引
執筆者紹介
奥付