BUSINESS LAWYERS LIBRARY

日本的雇用を問い直す

発売日
2024年11月30日
出版社
日本評論社
編著等
國武英生、沼田雅之、山川和義、山下昇

今までの働き方や労働法上のルールは、これからも妥当するのか。身近な事例や素朴な疑問を出発点に、「日本的雇用」を問い直す。

目次

表紙

目次

はしがき

第Ⅰ部 雇用慣行を問い直す

第1章 どうして就業規則に従わなければならないのか―就業規則法理について問い直す

1 はじめに―素朴な疑問

2 本稿における検討の前提

3 なぜ就業規則で転勤等の命令権が使用者に与えられるのか―就業規則法理の射程

4 読んでいない、あるいは、同意をしていない就業規則になぜ拘束されるのか―就業規則の拘束力の根拠

5 嫌だと言ったのにどうして不利益に変更されるのか―就業規則の不利益変更法理への影響

6 おわりに

第2章 年功型賃金と定年の合理性―日本的年功制度の法的意義を問い直す

1 年功制度に対する疑問と不満

2 日本的年功制度の起源と定着

3 制度的な合理性とメリット

4 成果主義の台頭と形骸化

5 定年制度の変容

6 疑問への回答

7 人生100年時代のライフコース

第3章 労働法が保護の対象としているのは「会社員」だけなのか?―労働法の適用範囲のあり方を問い直す

1 労働法の適用範囲についてどう考えるべきか―プラットフォームワーカーをめぐっての疑問

2 就労形態の多様化

3 日本における雇用・就労形態の変化と「労働者」概念の再検討

4 おわりに―労働法の適用対象の「相対化」の可能性

第4章 解雇規制は厳しすぎるか―解雇規制の在り方を問い直す

1 解雇規制はどうあるべきか

2 解雇規制と日本的雇用

3 わが国の解雇規制の現状と課題

4 解雇規制改革の方向性

5 おわりに

第Ⅱ部 労働条件を問い直す

第1章 合意による労働契約内容決定の行方―「成立」と「内容」の結びつきを問い直す

1 はじめに

2 日本的雇用の下での「成立」と「内容」の結合

3 雇用実態の変化と労働条件明示に係る規制の展開

4 判例における模索

5 おわりに―結びつきの見直しと多様な雇用に応じる契約解釈の法理の必要性

第2章 これからの働き方と労働時間規制―裁量労働制を問い直す

1 裁量的な働き方と労働時間の法規制

2 裁量労働制は何のための制度か

3 裁量労働制の適正な運用を問い直す

4 裁量労働制の展望

第3章 賞与と労基法―賞与の意味を問い直す

1 はじめに

2 労基法37条の割増賃金と賞与

3 労基法12条の平均賃金と賞与

4 違法な解雇の期間中の賃金請求権と賞与

5 労基法24条1項の全額払い原則と賞与

6 おわりに

第4章 退職金は永年勤続のご褒美か― 退職金の賃金性と不支給・減額措置の有効性を問い直す

1 退職金の支給・不支給は使用者の自由裁量で決まるのか

2 退職金制度の沿革と発展

3 現在何が問題となっているのか

4 どう考えるか

5 まとめ

第Ⅲ部 業務命令を問い直す

第1章 転勤命令を受けた夫とその妻のこと―ジェンダー平等と日本型福祉社会を問い直す

1 はじめに

2 転勤命令をめぐる法理論の現在と再生産される不平等

3 問い直しの視点

第2章 在宅勤務できるのに出社しなくてはならないのか―勤務場所の決定・変更の法理を問い直す

はじめに

1 在宅勤務の分類

2 在宅勤務のメリット・デメリット

3 使用者の在宅勤務命令

4 労働者の在宅勤務請求

5 合意による在宅勤務の実施

むすびにかえて

第3章 職場におけるワクチン接種強制は可能か― 職場における労働者の健康保護のあり方を問い直す

1 はじめに

2 問題の遠因としての日本的雇用慣行?

3 間接的ワクチン接種強制は許されるのか?

4 まとめに代えて

第Ⅳ部 雇用平等を問い直す

第1章 均衡・均等処遇規定で、正規・非正規間の労働条件格差は縮小するのか?― 日本的処遇のあり方について問い直す

1 はじめに

2 日本的雇用慣行と非正規労働者

3 非正規労働者に関する法政策の進展

4 判例・裁判例の判断傾向

5 正社員間、非正規社員間の労働条件相違について

6 「問い」に関する回答

第2章 私傷病時の短時間・有期雇用労働者の生活保障は、如何なる主体が担うべきか?― 私傷病休暇・休職時の雇用保障・所得保障のあり方を問い直す

1 はじめに―私傷病欠勤・休職制度をめぐる素朴な疑問

2 私傷病休暇・休職制度および傷病手当金の沿革と展開

3 私傷病休職時の新たな課題について

4 どう考えるか

5 さいごに

第3章 ガラスの天井を割るのは誰か?―女性の管理職登用の視点からコース制を問い直す

1 女性の管理職登用とコース制

2 コース制と均等法の歴史的沿革

3 コース制の現状

4 コース制と均等法

5 コース制と女性活躍推進法

6 まとめ―ガラスの天井を割るために

第4章 公務員は民間労働者より優遇されている?―非正規問題から公務員に関する法制度を問い直す

1 はじめに

2 「非正規」公務員という存在

3 問題の背景―なぜ公務員には労働関係法令の全部または一部が適用されないのか?

4 「非正規」公務員問題の検討

5 おわりに

第Ⅴ部 労働組合を問い直す

第1章 「組合に入る意味はあるか」という労働者の問いが投げかける意味とは―労働組合の組織の在り方を問い直す

1 労働組合の在り方を考える視点

2 労働社会の変化と労働組合運動

3 法的課題

4 労働者の利益の同質性の探求

5 まとめ

第2章 ストライキ(団体行動)は現代の社会で何の意味があるのか―団体行動権を問い直す

1 はじめに

2 日本的雇用慣行と団体行動

3 団体行動法理の見直しに向けて

4 むすびに

執筆者紹介

奥付

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