- 発売日
- 2022年03月26日
- 出版社
- 有斐閣
- 編著等
- 山野目 章夫
民法財産編全体を概説するシリーズの総則編。簡潔な体系的叙述を基調としつつ、民法の理解を深め、民法への関心を高めることに資する題材を展開する。初版刊行後の法改正(成年年齢、相続関係、特別養子縁組、共有や相隣関係)等を受けて改訂。
目次
表紙
第2版はしがき
初版はしがき
凡例
目次
第1章 序説ーー民法とは何か?そこから考える
第1節 民法の意義/近代日本を生きた一人の女性の肖像
1 民法の意義
2 民法という法律の編成
3 民法という法律の沿革
第2節 民法の頭書規定ーー1条・2条の解釈/貧しさに苛まれる現代の子どもたち
4 民法の基本理念/個人の尊厳
5 民法による権利保障と政治的秩序/私権の公共性
6 民法に基づく権利義務関係の基本原則/信義誠実の原則
7 民法に基づく権利義務関係の例外的な規律/権利濫用の禁止
8 権利の体系としての民法
第2章 人—個人ーー法人にも個人にも認められるもの,なぁに?
9 民法における個人の権利保障
10 権利能力の概念
11 権利能力の享有
12 権利能力の始期
13 権利能力の終期
14 同時死亡の推定
15 不在者財産管理
16 失踪宣告
17 意思能力
第3章 制限行為能力者ーー成年被後見人とされる者は成年者である,ってホント?
18 制限行為能力者の意義
19 未成年者
20 後見
21 保佐
22 補助
23 任意後見の制度
24 制限行為能力者の相手方の保護
第4章 法人ーー法人,会社,財団などの言葉があるけれど,いちばん大きな概念は,どれ?
25 法人の意義
26 法人の設立
27 一般社団法人の概要
28 一般社団法人の機関
29 一般社団法人の活動
30 一般財団法人の概要
31 一般財団法人の機関
32 一般財団法人の活動
33 公益社団法人および公益財団法人
34 特定非営利活動法人
35 法人の権利能力
36 法人の活動と損害賠償
37 法人の解散
38 権利能力のない社団
39 附説/権利能力のない財団法人?
第5章 物ーー海面下の土地は土地であるか,って,そもそも問いがヘン?
40 権利の客体という観点
41 物の概念
42 不動産と動産
43 主物と従物
44 元物と果実
第6章 法律行為ーー民法総則の法文が読みにくい理由を知る
第1節 法律行為の概念ーー婚姻,遺言,解除,どれも法律行為って本当?
45 法律行為の概念
46 法律行為の解釈
第2節 公序良俗違反の無効ーー内容の適正でない場合のカタログを作る
47 公序良俗違反という無効原因
48 公序良俗違反の概念/「公の秩序又は善良の風俗」の概念
49 公序良俗違反という無効原因/効果は「無効」
第3節 消費者契約法による不当条項規制ーー前段審査と後段審査という概念などを知る
50 消費者契約法に基づく不当条項の無効
第7章 意思表示ーー民法総則の勉強のメイン・ストリート
第1節 意思表示の概念ーー「売りたい」なら「買うよ」,代金を払って欲しい,代金を待って欲しい,意思表示はどれ?
51 意思表示とは何か
52 どこが意思の通知と異なるか
53 どこが観念の通知と異なるか
54 意思表示の構造/一個の意思表示を解剖してみると
55 意思表示の効力否定と第三者の保護
第2節 心裡留保ーー心裡って,心理のまちがいではないの?
56 心裡留保の意義
57 心裡留保の当事者間における効果
58 心裡留保の第三者に対する効果主張
第3節 虚偽表示ーー登記をする合意なるものの怪
59 虚偽表示の概念
60 虚偽表示の効果
61 虚偽表示でない虚偽の容態/民法94 条2 項の類推解釈の考察
第4節 錯誤ーー二つの種類の錯誤を学ぶ
62 錯誤の意義
63 意思不存在の錯誤
64 基礎事情の錯誤
65 錯誤取消しの阻却事由/重大な過失
66 錯誤の効果
第5節 詐欺および強迫ーー詐欺と強迫の同じ点と異なるところ
67 瑕疵ある意思表示
68 強迫による意思表示
69 詐欺による意思表示
第6節 消費者契約法に基づく取消しーーなぜ詐欺・強迫では足りないか?
70 消費者契約法に基づく取消し
71 誤認による取消し
72 困惑による取消し
73 諸種の不当な勧誘による取消し
第7節 意思表示の到達ーー子どもに託した手紙,子どもが受け取った手紙
74 意思表示の効力発生時期
75 公示による意思表示
76 意思表示の受領能力
第8章 無効および取消しーー不成立,無効,取消し,そして撤回,みんな同じにみえるけれど……
77 無効および取消しの意義
78 無効の原因
79 無効の効果
80 取消しの原因
81 取消権の行使
82 取消しの効果
83 取消原因と無効原因または他の取消原因の重複
第9章 代理ーー代理行為,代理権授与行為,代理権授与表示,法律行為でないのはどれ?
84 代理の意義
85 代理の基本的法律関係
86 無権代理
87 表見代理
第10章 条件と期限ーーボクが死んだら君に宝石をあげよう。これは条件?それとも期限?
88 附款の概念
89 条件の概念
90 条件の効果
91 期限の概念
92 期限の効果
第11章 期間の計算ーー年・月・日・時・分・秒の数え方
93 期間の意義
94 期間の計算
95 期間の規定の法的性質
第12章 時効ーー時を経ると権利が消える,って,ほんとう?
第1節 時効の通則ーー時効とは,どのような制度で,どのような種類があるか
96 時効という制度
97 時効の援用
98 時効の法的構成
第2節 取得時効ーー時を経ると,どんな権利を取得するか,そこに注目して考える
99 取得時効の意義
100 所有権の取得時効
101 所有権でない権利の取得時効
102 取得時効の効果
第3節 消滅時効ーー起算点と時効期間,その組み合わせにより時効の成否が決まる
103 消滅時効の概観
104 債権の消滅時効の標準的なルール
105 生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効
106 債権でない権利の消滅時効
107 判決で確定した権利
108 消滅時効の効果
第4節 時効障害ーー時効の完成を座して待たなければならないか?
109 時効障害の意義
110 時効障害の適用事例
111 時効制度の存在理由
民法条文索引
事項索引
判例索引
一覧
民法制定前夜の開化期の日本
民法を学び始める人たちへの読書案内
性労働の自由をめぐる論争
個人の尊厳
公共の福祉
信義誠実の原則
権利濫用の法理
人を認識するための基本要素
人格権
胎児の権利能力
不在者がしていた委任契約と不在者財産管理との関係
失踪宣告
認定死亡
意思無能力無効の体系的位置
いわゆる二重効
未成年後見
成年後見制度の実情と課題
保佐人の不同意による取消しの効果
詐術を理由とする取消権の排除と他の相手方保護との関係
国家・団体・個人
外国法人
法人の目的の考え方
公益法人制度改革
社団法人のガバナンス
財団法人のガバナンス
代表権の濫用
特定非営利活動法人の現在と未来
法人の活動の目的による制限
物の概念
土地の概念
建物の概念
身体および身体の一部
金銭の法律的性質
単独行為と合同行為
民法の体系と法律行為の概念
法律行為の要素としての意思表示
任意規定と異なる慣習の効力
公序良俗違反というルールの体系的な位置
公序良俗違反の類型
暴利行為
消費者契約法などによる不当条項規制
意思表示の規定の意思表示でないものへの準用
意思表示の概念とその機能
意思表示の無効の転得者に対する主張
心裡留保に関する現行規定の起草の際の論議
心裡留保と労働事件の実務
民法94条2項の類推解釈
虚偽表示の構造の可視的な観察
基礎事情の錯誤
欺罔の故意
消費者契約法に基づく取消し
到達主義
法律行為の成立と無効の関係
内容の不確定は無効原因であるか
いわゆる無効行為の転換
撤回
代理行為における顕名
代理人の行為能力
使者
相手方の善意悪意と無権代理人の責任
無権代理と相続
いわゆる白紙委任状をめぐる紛争
110条の表見代理における基本代理権の性格
夫婦の日常家事代理権と表見代理
制限行為能力者の法定代理への表見代理法理の適用関係
法定条件
停止期限と履行期限
死んだらあげよう,死んだら払おう
分割期間の合算ーー年・月・日・時などの考察
いわゆる時効援用の相対効
いわゆる自己の物の時効取得
客観的起算点の理解
割賦元払債権の消滅時効の起算点
定期金の債権の消滅時効
契約を解除する権利の消滅時効
一部請求により時効障害が生ずる範囲
時効完成後の債務承認
時効障害の相対効
歴史と裁判
奥付