- 発売日
- 2024年09月30日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 木棚照一
当事者自治の原則を国際私法の基本原則として国際私法全体を見直し、立法論としてだけではなく解釈論としても展開する研究。
目次
表紙
はしがき
目次
第1章 現代社会のグローバル化に伴う国際私法上の課題
第1節 序説
第2節 近代国民国家における国際私法原則の特徴と問題点
第3節 グローバル化された現代社会における国際私法原則
1 グローバル化と規範形成
2 ハーグ国際私法会議における活動
3 当事者自治の原則の浸透と拡張
4 当事者による非国家法指定の効力
5 公法の適用と国際私法
第4節 現代のグローバル化の下での解釈試論
第2章 国際私法の学説史における当事者意思の取り扱い
第1節 序説
第2節 バルトルス(Bartolus de Saxoferrato, 1313-1357)の理論
第3節 ディムーラン(Charles Dumoulin, 1500-1566)の理論
第4節 サヴィニー(Friedrich Carl von Savigny, 1779-1861)の理論
第5節 マンチーニ(Pasqual Stanislao Mancini, 1817-1888)の理論
1 概説
2 被相続人の国籍
3 被相続人の住所
4 遺言の有効性に関する準拠法
5 マンチーニの当事者自治論
第6節 ツィーテルマン(Ernst Zitelmann 1852-1923)の当事者自治否定論
第7節 ハウデック(Wilhelm Haudek)の当事者自治否定論批判とその理論
第8節 ヴェングラー(Wilhelm Wengler, 1907-1995)の特別連結論
第9節 まとめ
第3章 国際債権契約法における当事者自治の原則
第1節 序説
第2節 国際債権契約における当事者自治の原則
1 比較法的概観
2 当事者自治の国際的法典化
3 まとめ
第3節 当事者自治の原則を巡る論点からみた整理
1 当事者の明示的準拠法選択がある場合
2 当事者の黙示的な選択がある場合
3 当事者の準拠法選択がない場合
4 まとめ
第4節 当事者自治の理論的、実際的根拠の再検討
1 はじめに
2 当事者自治の原則に対する反対論ないし懐疑論
3 当事者自治の原則の理論的根拠の再検討
第4章 国際的な契約外債権に関する当事者自治の原則
第1節 国際不法行為法の発展
1 概観
2 コモン・ロー諸国における国際不法行為法の展開
第2節 国際不法行為法における当事者自治の原則
1 概説
2 事後的な準拠法選択
3 事前の直接的準拠法選択
4 事前の直接的法選択:ローマⅡ規則
5 特殊な不法行為についての当事者自治の原則の制限
6 ローマⅡ規則における当事者による準拠法選択の時期、方法、強行規定との関係の整理
第3節 不法行為の準拠法における当事者自治の原則の是非及び正当化理由
第4節 不当利得及び事務管理の準拠法と当事者自治の原則
第5節 まとめ
第5章 当事者自治の原則が新しく拡張して適用されている分野――財産法を中心に
第1節 人に適用される法と当事者自治の原則の導入の可能性
1 人に関する法とその適用範囲
2 地域的不統一法国法の指定
3 能力及び能力を欠く成人の保護
4 性の配分と名前の選択
第2節 契約の第三者に関する関係
1 はじめに
2 代理
3 債権譲渡
第3節 財産権の準拠法と当事者自治の原則の許容性及び範囲
1 はじめに
2 所在地法への展開と問題点
3 解決策の一つとしての当事者自治の原則の導入
4 流通証券
5 知的財産権
6 信託
第4節 まとめ
第6章 家族法における当事者自治
第1節 国際家族法序説
第2節 夫婦財産制及び登録パートナーシップの財産制
1 夫婦財産制
2 登録パートナーシップの財産関係
第3節 離婚
1 婚姻及び離婚の意義の社会的変化
2 抵触法上の3つの類型とその後の展開
3 離婚準拠法における当事者自治の原則の導入
4 ローマⅢ規則
第4節 扶養
1 親族間扶養の諸類型
2 扶養に関する法選択規則の諸類型
3 EU扶養規則とハーグ改正議定書
第5節 個人の姓名
1 個人の姓名に関する法選択規則の諸類型
2 ドイツ国際私法における個人の姓名
3 ドイツ及びスイスの草案の討論のためのローザンヌ会議
4 ドイツ民法施行法における個人の姓名の準拠法
5 個人の姓名の準拠法に関するEU 試案
6 今後の展望
第6節 相続
1 相続法の歴史的変遷
2 当事者自治への傾向
3 当事者自治と強行的な相続権による制限
4 欧州相続証明書の創設
5 考察
第7節 当事者自治の拡張的推進とその検討
第7章 わが国の法適用通則法7条の意義の再検討と解釈試論
第1節 はじめに
第2節 法適用通則法7条の立法史的考察
第3節 学説における解釈
第4節 比較法的考察から生じる暫定的結論
第5節 試論としての解釈論
人名索引
事項索引
著者略歴・主要業績
奥付