- 発売日
- 2022年10月04日
- 出版社
- 経営書院(産労総合研究所)
- 編著等
- 布施直春
全国各地にある労働基準監督署の労働基準監督官は、企業の事業場に対して臨検監督(強制的な立入調査)または呼び出し監督を行い、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法等への法違反があれば是正勧告書を交付して改善を促しています。しかし、税務調査などと比べると、労基署当の調査については、ほとんど理解されていないといってよいのではないでしょうか。本書では、労基署の調査の実際と企業の対応ポイントをわかりやすく解説しています。
目次
表紙
まえがき
凡例
目次
序章 労働法と労働行政機関のあらまし
はじめに
1 労働法の目的、種類、規定内容
1 労働法とその目的は
2 労働法の種類、規定内容は
3 法令・告示・通達・判例の違い、相互の優劣関係は
4 法律の制定、施行の手続きは
5 強行規定と努力義務規定の違いは
6 裁判例(判例)とは
7 法令・労働協約・就業規則・労働契約・労働慣行等の優劣関係は
2 労働行政機関の組織構成、名称、役割分担、権限
1 労働行政機関の組織構成は
2 労働行政機関の役割分担は
3 労働法違反企業に対する罰則・行政処分等の種類・内容は
4 個別労働関係紛争解決制度(システム)とは―裁判外紛争解決制度―
第1章 労働基準監督署と労働基準監督官の業務内容、権限及び労基法・最賃法・安衛法等の両罰規定等の特色
1 労働基準監督署の業務内容、内部のしくみ、特色
1 労働基準監督機関とその目的は
2 全国約300カ所の労基署の業務内容は
3 労基署の組織内部のしくみは
2 労基署(労働基準監督官)の強い権限と臨検監督を担当する労基法・最賃法・安衛法等の両罰規定等の特色
3 労基法、最賃法、安衛法は事業場単位で適用される
4 労働基準監督官の職務(担当業務内容、権限)
1 労基監督官の任用・配置・職務は
2 労基監督官の権限は
3 労基監督官の特別司法警察職員としての権限は
4 業務監察制度とは
第2章 臨検監督(立入調査)の強化・多様化と企業の対応のしかた
Ⅰ 最近の過重労働企業の摘発をめぐる動き
1 通称「かとく」の設置による「過重労働撲滅」の取組み強化とは
1 1カ月残業100時間超から80時間超へ重点監督対象を拡大―過労死認定基準超の事業場を重点監督―
2 監督指導・捜査体制を強化し、全国展開―「かとく」の機能を全国に展開―
2 いわゆる「ブラック企業」に対する都道府県労働局長・労基署長による是正指導と企業名の公表措置とは
3 直接、企業の監督指導を行う全国の労基署・労働局の当面の重点項目は
Ⅱ 臨検監督(立入調査)
1 臨検監督とその種類
1 会社の事業場を臨検監督する目的は
2 臨検監督を行う際の事業場への通知の有無・通知内容は
2 定期監督
1 定期監督とその対象業種、対象事業場は
2 定期監督の実施状況・法違反の状況は
3 定期監督の該当事業場は、臨検監督を拒否、延期をできるか
3 申告監督
1 申告監督とは
2 労働者からの法違反の申告と申告監督の実施状況は
3 「申告労働者の不利益取扱いの禁止規定」とは
4 定期監督・申告監督の実施手順
1 定期監督・申告監督の実施手順は
2 定期監督・申告監督時の主なチェックポイントは
5 災害調査・災害時監督
1 労働災害・爆発火災発生時に求められる会社の対応は
2 災害調査、災害時監督とは
6 法違反等の事業場への是正勧告書・指導票・施設設備の使用停止処分等命令書の交付
1 臨検監督にもとづいて行われる是正勧告・指導・命令の内容は
7 再監督
8 法違反事業場からの是正報告書の提出
1 法違反事業場が作成・提出する是正報告書とは
2 法違反事業場が是正期日までに改善できない場合・放置していた場合は
3 法違反事業場が虚偽の是正報告書を提出した場合は
4 是正勧告書の記載内容に誤りや不服のあるときの事業場の対応方法は
第3章 労働基準法の規定内容、違反例、
1 労基法の総則的事項(共通知識)
1 労基法の規定内容は
2 平成30年改正労基法の概要は
3 現行労基法の労働時間・割増賃金制度の全体像と平成30年法改正事項の位置づけ
4 労基法等でいう「労働者」とは
5 労基法等でいう「使用者」とは
2 就業規則・法定書類の整備義務等―就業規則・労使協定・労働者名簿・賃金台帳の整備義務、労働条件の明示義務等
1 就業規則の作成・変更・届出・周知の義務違反例と対応ポイントは
2 労使協定の締結・届出・周知の義務違反例と対応ポイントは
3 労働者名簿作成義務違反例と対応ポイントは
4 賃金台帳作成・記入の義務違反例と対応ポイントは
5 労働条件の明示義務違反例と対応ポイントは
6 労働関係法令・労働協約・就業規則・労働契約・労働慣行等の優劣関係は
3 法定の労働時間、時間外・休日労働時間、休憩時間、休日
1 長時間労働防止のための10のハードル(法規制)とは
2 労働時間の注意点
3 新たな「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」とは
4 法定労働時間、時間外・休日労働時間の上限についての違反例と対応ポイントは
5 新設された「三六協定に特別条項を設けた場合の時間外・休日労働の罰則つき上限規制」とは
6 新しい「36協定書(兼届出書)」の様式・記載例は
7 会社が従業員に時間外・休日・深夜労働を命ずるには「就業規則の根拠規定」が必要
8 休憩時間付与義務違反例と対応ポイントは
9 法定休日の付与義務違反例と対応ポイントは
4 時間外・休日・深夜労働の割増賃金
1 割増賃金支払義務違反例と対応ポイントは
2 残業手当の定額払い(固定残業代)は認められるか
5 労基法41条の管理監督者その他の者についての労働時間・割増賃金等の規定の適用除外
1 適用除外の対象労働者は
2 自社の部課長等の割増賃金支払義務違反例と対応ポイントは
第4章 労働基準法の規定内容、違反例、
1 変形労働時間制
1 変形制の種類・比較
2 1カ月変形制
3 1年変形制
4 1週間変形制
2 改正フレックスタイム制
1 平成30年改正労基法の規定内容
2 改正フレックスタイム制の作り方
3 改正フレックスタイム制の就業規則、労使協定のモデル例
4 改正フレックスタイム制における時間外労働時間、勤務管理
3 みなし労働時間制
1 みなし労働時間制とその種類
2 事業場外労働のみなし制
3 専門業務型裁量労働制
4 企画業務型裁量労働制
第5章 労働基準法の規定内容、違反例、
1 高度プロフェッショナル制度(特定高度専門業務・成果型労働制)とは
1 新設された高度プロフェッショナル制度(特定高度専門業務・成果型労働制)のあらましは
2 高度プロフェッショナル制度新設のねらいは
3 高度プロフェッショナル制度の実施要件は
2 高度プロ社員に対する労働時間・割増賃金支払義務等の法規定の適用除外とは
1 高度プロフェッショナル制度で適用除外になる労基法の規定は
2 管理監督者等と高度プロ社員との適用除外規定の範囲の違いは
3 長時間労働の高度プロ社員に対する面接指導の義務づけ(安衛法)とは
4 高度プロ制度実施のための労使委員会決議とそのモデル(例)は
1 労使委員会の決議が必要な事項は
2 労使委員会の議事録の作成、保存、周知義務は
第6章 労働基準法の規定内容、違反例、
1 年次有給休暇
1 年次有給休暇の取得要件・日数、違反例等は
2 新設された「年5日の年次有給休暇についての使用者の時季指定の義務づけ」とは―年休を年5日以上取得させる仕組みを導入
3 年休付与の注意点は
4 年休の計画的付与(計画年休)とは
2 賃金
1 賃金支払いの5原則違反例と対応ポイントは
2 ノーワーク・ノーペイの原則と例外は
3 休業手当支払義務違反例と対応ポイントは
4 毎年、引き上げられる最低賃金についての違反例と対応ポイントは
5 労働者の賃金請求権の消滅時効、使用者の付加金の支払い義務は
6 国の労働者に対する「未払賃金立替払い事業」とは
3 退職・解雇
1 退職・解雇ルールのうち労基監督官が担当する分野は
2 普通解雇ルールのうち労基監督官が担当する分野は
3 整理解雇のルールは
4 従業員の退職・解雇時の手続きは
5 解雇規制の違反例と対応ポイントは
4 女性労働者
1 女性労働者に関係する主な法規定は
2 女性の母性保護規定違反例と対応ポイントは
3 女性活躍推進法8条に基づく一般事業主(従業員301人以上の企業)の「男女の賃金の差異」の公表とは
5 年少者(18歳未満の男女)
6 外国人労働者・外国人技能実習生
1 外国人労働者・技能実習生、不法就労外国人への労基法、最賃法等の適用は
2 外国人技能実習生とその使用者に対する労基法、最賃法等の適用は
第7章 労働安全衛生法の実務
1 労働安全衛生法の目的、規定事項、関係規則の名称、罰則、法違反の内容別件数
1 安衛法の目的と主な規定内容は
2 事業者とは
3 安衛法に基づく諸規則は
4 安衛法違反事業者に対する罰則は
5 安衛法違反の内容別件数は
2 安衛法に基づく事業者の主要な義務
1 安全衛生管理体制とは
2 元請・下請間の安全管理体制とは
3 事業者の労働災害防止のための具体的措置義務とは
4 資格による就業制限とは
5 労働者の健康診断は
6 リスクアセスメント実施の努力義務とは
7 メンタルヘルス対策実施の努力義務とは
3 ストレスチェックの実施のしかた
第8章 労基法・最賃法・安衛法等違反企
1 どのような経営者、管理監督者が送検されるのか
1 労基監督官が行う司法処分(送検)の状況は
2 どのような法違反事件の使用者が送検されるのか
2 事情聴取から有罪確定までの刑事訴訟法の手続き
1 労基監督官が行う送検の手順は
2 労基署からの呼び出しへの対応方法は
3 労基監督官から送検された事件の検察官・裁判官の取扱いは
3 経営者・管理監督者が送検されないための対応のしかた
1 労働基準関係法令違反が自社経営に及ぼす影響と対策は
2 経営者・経営幹部に強く求められることは
3 経営者、管理監督者が、労基監督官から送検されないための対応策は
4 労働行政機関・外部専門家の上手な活用法
1 労基署などの労働行政機関の相談・利用ポイントは
2 弁護士、社労士など外部専門家への相談・業務委託は
第9章 労働災害(業務上疾病を含む)発
1 労災事故の発生時の緊急対応のしかた
1 事業場における労災事故の発生状況は
2 労災事故発生時の事業場における緊急対応のしかたは
3 事業者に労働者死傷病報告書の提出義務があるのはどんな場合か
4 会社が「労災かくし」をした場合の被災労働者の労災補償給付は
2 労働災害発生企業に対する4つの法的責任追及と対応策
1 労災(業務災害)が発生した場合の4つの企業責任とは
2 業務災害発生により企業責任を負うのは誰か
3 業務上疾病発生企業に対する法的責任追及―過重、違法な長時間労働による従業員の死亡・自殺・精神疾患の場合―
4 業務上過失致死傷罪による刑事責任の追及
1 業務上過失致死傷罪の規定の趣旨は
2 会社で嫌疑のかかる役職員は
3 「業務」とは
4 「業務上必要な注意」とは
5 安衛法・社内規則等に違反した場合は
6 「業務上過失致死傷罪は管理監督者個人の責任を追及」とは
5 被災労働者・遺族からの損害賠償請求と安全配慮義務(企業の従業員についての安全措置の実施・健康管理・就業環境整備の義務)
1 業務災害(業務上疾病を含む)の被災者等からの損害賠償請求とは
2 使用者の安全配慮義務とは
3 安全配慮義務についての判例のポイントは
4 安全配慮義務を果たすための企業の対応は
5 安全配慮義務不履行による損害賠償請求で使用者が不利な点は
第10章 労働者派遣法と業務処理請負・
Ⅰ 労働者派遣法と業務処理請負の実務
1 労働者派遣法のあらまし
1 労働者派遣法の全体像・担当労働行政機関は
2 労働者派遣事業・派遣労働者とは
3 労働者の派遣と派遣労働者の受入れ使用が禁止される業務は
4 現行法の派遣期間制限のしくみは
5 労働契約申込みみなし制度とは
2 派遣元会社と派遣先会社との労基法・安衛法等に関する義務分担
1 派遣元会社と派遣先会社の労基法・安衛法等の義務分担は
2 特例規定による派遣元事業主と派遣先の義務は
3 派遣元使用者と派遣先使用者との労基法上の義務・責任は
4 派遣先に必要な派遣労働者の労働時間管理は
5 派遣先が、適法に、派遣労働者に時間外・休日労働を行わせるための要件は
6 派遣先が派遣労働者を使用する際の労務管理上の注意点は
7 派遣労働者の労働・社会保険の取扱いは
3 適法な業務処理請負と偽装請負との違い
1 労働者派遣と適法な業務処理請負との違い、偽装請負とは
2 いわゆる「構造的多重派遣」の実態、問題点は
Ⅱ テレワーク(在宅勤務と在宅就業)の実務
1 テレワーク(在宅勤務と在宅就業)
2 在宅勤務
1 在宅勤務は、雇用労働者の勤務形態の一種
2 在宅勤務の形態は主に3タイプ
3 在宅就業―在宅就業者には労働関係法令が適用されない―
1 在宅就業者は、雇用労働者ではない
2 募集から業務委託等の契約までの手順
第11章 正規社員とパート・契約・派遣社員との不合理な待遇差の禁止ルール― 改正パート・有期雇用労働者法、労働者派遣法の関係規定
第12章 労災保険法の実務
1 各労働・社会保険の強制適用と従業員の加入要件の比較
2 労災保険法の実務
1 労災保険法の目的、規定内容、労災保険の強制適用とは
2 従業員ではない者の労災保険への特別加入とは
3 業務災害とは
4 「過労死」についての新たな労災認定基準の内容は
5 「業務による精神疾患、過労自殺」についての新たな労災認定基準の内容は
6 通勤災害とは
7 労災保険給付の種類、内容は
8 労災保険給付の請求のしかたは
9 その他の要注意事項
3 新たな「複数事業労働者」についての「複数業務要因災害」に関する労災保険給付(2020年9月1日から実施)
1 制度新設のねらいは
2 複数事業労働者とは
3 改正内容(賃金額の合算と負荷の総合的評価)
4 複数業務要因災害等の新しい様式・請求手続
5 複数事業労働者の労災保険給付の請求に当たって注意すべきポイント
6 実際の請求手続のしかた
第13章 労働契約法・雇止め(契約不更新)等に関する基準告示の実務
Ⅰ 労働契約法の実務
1 労契法の目的、適用範囲、全体構成は
1 労契法の目的は
2 労契法の適用範囲は
3 労契法の全体構成は
2 労契法の特色、労基法との違い、担当労基署等の役割は
1 労契法の特色は
2 労契法と労基法との共通点、違う点は
3 労働契約の原則に関する法規定のポイントは
4 労働契約の成立・変更に関する法規定のポイントは
5 就業規則の不利益変更の問題とは
6 労働契約の継続・終了に関する法規定のポイントは
7 期間の定めのある労働契約に関する法規定は
8 有期契約労働者の無期契約への転換ルール(労契法18条)
9 有期労働契約のみなし更新等(「雇止め法理」の条文化)(労契法19条)
Ⅱ 有期労働契約の締結・更新・雇止めに関する基準告示の実務
1 使用者の30日以上前の「雇止め予告」の義務
2 使用者の「雇止め理由証明書」の交付義務
3 契約期間長期化についての使用者の努力義務
あとがき
著者略歴
奥付