- 発売日
- 2025年09月25日
- 出版社
- 法律文化社
- 編著等
- 尾藤司
建設アスベスト訴訟等、複数の原因が関与する事例において、損害賠償責任の主体となり得るのは誰か。理論史研究やドイツ法との比較法研究をふまえた上で、因果関係の推定の正当化根拠を明らかにし、民法719条1項後段の意義や適用射程について考察を深める一冊。
目次
表紙
はしがき
目次
初出一覧
第1章 序論
第1節 問題の所在
第2節 択一的競合における因果関係の推定とその正当化根拠
1 近時の議論状況
2 残された課題
第3節 「累積的競合」における因果関係の推定とその正当化根拠
1 近時の議論状況
2 残された課題
第4節 小括―本書の検討課題および分析方法
1 ここまでの整理と検討課題の提示
2 研究方法
3 基礎とする競合類型
4 検討の順序
第2章 複数行為者の不法行為責任に関する従来の議論
第1節 民法典起草段階から山王川事件判決の直前まで(【1】期)
1 旧民法における議論
2 民法典の起草者の見解と起草直後の議論状況
3 客観的共同説の形成
4 主観的共同説からの批判
5 客観的共同説の通説化と新たな動向
6 裁判例の動向
7 【1】期の小括
第2節 山王川事件判決から1980年代後半まで(【2】期)
1 学説における新たな傾向
2 複数行為者の不法行為責任に関する理論枠組みの再考
3 【2】期の小括
第3節 1990年から2010年まで(【3】期)
1 実務の動向
2 学説の動向
3 【3】期の小括
第4節 従来の議論における問題点と比較法研究を行う趣旨
1 従来の議論における問題点
2 比較法研究を行う趣旨
第3章 ドイツ民法830条1項2文の責任根拠および責任構造
第1節 はじめに
第2節 ドイツ民法830条1項2文の趣旨および正当化根拠に関する議論
1 はじめに
2 行為者側からのアプローチ
3 被害者側からのアプローチ
第3節 判例および学説による関与者概念の理解
1 判例による関与者概念の理解
2 学説による関与者概念の理解
第4節 具体的危険性
1 はじめに
2 具体的危険性の基準
3 行為の具体的危険性を要求する意義
第5節 検討
1 賠償請求権の確定性と1項2文の趣旨
2 関与者概念および行為の具体的危険性
3 次章への架橋
第4章 ドイツ法における寄与度不明事例の取扱いについて
第1節 はじめに
第2節 略奪事例と寄与度不明
1 はじめに
2 裁判実務の動向
3 学説の動向
第3節 環境責任の事例と寄与度不明
1 はじめに
2 水管理法89条1項2文の事例に関する議論
3 環境責任の事例一般に関する議論
4 小括
第4節 検討
第5章 「1項後段責任」の意義と限界
第1節 比較法研究の成果
1 ドイツ民法830条1項2文の特質
2 寄与度不明の事例に対する対応
3 日本法への示唆
第2節 複数行為者の不法行為責任に関する従来の議論
1 【1】期の議論状況
2 【2】期および【3】期の議論状況
第3節 建設アスベストの事例に関する近時の動向
1 建設アスベスト訴訟に関する最高裁判決
2 学説の議論
第4節 「1項後段責任」の基礎理論
1 複数行為者の不法行為責任における1項後段の意義
2 1項後段の趣旨および適用要件
3 1項後段の類推適用
第6章 結語
結語
1 本書が獲得した知見
2 残された課題
判例索引
事項索引
著者紹介
奥付