- 発売日
- 2022年02月25日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 角松生史、山本顯治、小田中直樹、窪田亜矢
法学、経済学、歴史学、心理学、都市計画学といった専門家が集い、都市と空間の変容を踏まえたこれからの制度設計を語る。
目次
表紙
目次
序章
第1部 空間と法の相互規定性
第1章 空間利用の公─私境界:縮小社会における変容
1 はじめに
2 都市型社会・縮小社会における公共性
3 ミクロレベルの地域空間の法的管理
4 むすびにかえて
第2章 日本の都市においてジェントリフィケーションを理解するために──公共空間からのアプローチ
1 はじめに
2 ジェントリフィケーション論の射程
3 ジェントリフィケーションの定義──地代格差と立ち退き
4 日本におけるジェントリフィケーション
5 おわりに──ジェントリフィケーションと公共空間への問い
第3章 交渉促進規範としての解除権とオプション権──縮小社会におけるホールドアウト問題の私法的規律
1 はじめに──縮小社会における都市空間の再編
2 数値例によるホールドアウト問題の概観
3 二区画モデルによる検討
4 解除権による対応
5 オプション権による対応
6 おわりに──逐次契約の不完備性とその契約的規律
第4章 コービン労働党とBrexit──社会空間のTPSN図式による一考察
はじめに
1 COVID-19パンデミックと社会空間──自粛、貧困、連帯
2 社会空間のTPSN図式
3 「コービン労働党とBrexit」の政治──空間分析
4 「コービン労働党とBrexit」問題への補助線──スペイン政治
おわりに
第5章 内心の自由の輪郭素描の試み──人の生活空間における内心の憲法的保護
1 はじめに
2 憲法19条解釈論と憲法14条解釈論
3 憲法19条解釈論と憲法38条1項解釈論
4 おわりに
第6章 学級という空間の融解、あるいは、子どもの欲求の不可視化
1 はじめに
2 学級の学校制度的意義と教育的意義
3 Ed Techの新しい産業政策における位置
4 「何ができるのか」教育の反発達保障的性格
5 おわりに
第2部 ケアと包摂
第7章 社会保障の法理念と規範理論──ケアの倫理との関係を中心に
1 社会保障における法理念の必要性
2 社会保障法学における法理念論
3 人間像及び規範理論との関係
4 関係論と法思想
5 ケアの倫理論
6 ケアの倫理論の社会保障の実定法への含意
7 課題
第8章 心理療法の多元的アプローチと個別化されたケア──ケアの受け手が与え手と共創するケアのあり方
1 はじめに
2 臨床心理学における四大理論と心理療法
3 ナラティヴ・セラピストによる従来の心理療法に対する批判
4 心理療法理論の文化拘束性
5 心理療法の効果
6 心理療法への多元的アプローチ
7 協働と来談者の選好(preference)の尊重
8 終わりに──ケアの受け手が与え手と共創するケアを目指して
第9章 ケアリングとしての歴史学へ
1 歴史認識の過剰化、歴史学の過少化
2 ポスト近代型社会、メタ知識とスキル、そして歴史学
3 「聴くことの力」からケアリングへ
第10章 縮小社会における子ども・子育て支援と学校教育──選択の保障と子ども及び保護者の法的地位
1 問題
2 保育所廃止・民営化と学校統廃合
3 子ども・子育て支援法と児童福祉法
4 特別支援教育システム、そして教育機会確保法
5 まとめ
第11章 持続可能な発展
1 本稿の目的
2 「持続可能な発展」の一般的な理解
3 ヨハネスブルク宣言前後のドイツにおける三本柱モデルと批判
4 「持続可能性原則」の法的根拠
5 持続可能性原則の意義と法的性質
6 持続可能性原則の統制機能
7 結びに代えて
第12章 不可能で必要な責務としての空間計画──原発被災地域の自然(じねん)的実践として現れる「選びようがない共生」
1 本章の背景と意図
2 個人の問題──連担する空間において個人を如何に尊重できるか
3 環境の問題──地球上に存在する物体間はどのような共存関係を構築できるか
4 「選びようがない共生」のための空間計画
第13章 包摂と排除の機制における二者性の問題──共同する他者から触発する他者へ
1 問題の所在:つながりすぎ社会の相対化
2 最首悟の二者性論
3 二者性から複数性へ
4 触発する他者とは誰か?──政治的なるものの方へ
5 おわりに
第14章 コミュニティ・アクションの誕生──1970年代の危機と福祉国家史の再検討
1 はじめに
2 コミュニティ・アクションの誕生
3 ロンドンのコミュニティ・アクション
4 おわりに
執筆者
奥付