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カントの批判的法哲学

発売日
2018年08月23日
出版社
慶應義塾大学出版会
編著等
松本 和彦

新カント学派によって構想された批判的法哲学ないし純粋法学ではなく、カント自身の「批判的法哲学」を解明しその現代的意義を構築するとともに、その復権を試みる。過去のものとなったとされる新カント学派の法哲学の欠陥およびその積極的意義をあらためて問い直し、今日の法哲学研究に対する示唆を提示する大作。

目次

表紙

はしがき

目次

凡例

序論

はじめに

一 カント法哲学研究の現状

1 生成論的方向性

2 体系内在的方向性

3 道徳哲学と法哲学との関連をめぐる方向性

二 カント法哲学研究の3つの方向性

三 カント法哲学の批判哲学における体系的位置

第一部 カント法哲学の継受史、影響史、解釈史および批判哲学における法論の体系的位置づけ

Ⅰ 新カント学派の解釈

はじめに

一 新カント学派における法論の方法的規定

二 法実践と社会主義の倫理的基礎づけ

三 J・エビングハウスによる新カント学派法哲学に対する批判

四 新カント学派の研究およびその批判の成果

Ⅱ Chr・リッターの所論

はじめに

一 リッターの研究の目的

二 方法上の前置き

三 カント法哲学の源泉および発展に関する文献

四 リッターの所論の総括

五 R・ブラントの反論に対するリッターの再反論

六 W・ケアスティングの反論

Ⅲ R・ブラントの所論

はじめに

一 暫定的占有と決定的占有との区別

二 知性(intelligibilia)と感性(sensibilia)との区別

三 実践哲学の体系性に対するカテゴリー表の重要性

四 労 働所有権論と最初の先占(prima occupatio)理論(根源的共同占有および実践理性の法的要請(許容法則)による体系的統一)

五 レフレクシオーンの日付確定の問題

六 ブラント説に対するChr・リッターの反論

Ⅳ W・ブッシュの所論

はじめに

一 カントの「批判的」法哲学は存在するのか

二 ブッシュの研究についての考察

Ⅴ K・H・イルティングの所論

はじめに

一 「批判的」ということばの3つの定義

二 法論の非批判的性格についてのテーゼ

三 H・オーバラーの反論

Ⅵ H・オーバラーの所論

はじめに

一 K・H・イルティングによるW・ブッシュ批判およびJ・シュムッカーの功績

二 「批判的」の定義およびその検討

三 オーバラーによる「批判的」の6つの定義およびその検討

四 批判の体系的関連

五 批判的実践哲学とは何か

Ⅶ M・ゼンガーの所論

はじめに

一 純粋理性の建築術

二 法論の批判的性格としてのア・プリオリ性、体系性および完全性

三 カテゴリー上の体系性についての問題点

Ⅷ F・カウルバッハの所論

はじめに

一 カウルバッハの法論解釈の独自性

二 コペルニクス的転回の解釈

三 超越論的演繹の法哲学的ヴァージョン

Ⅸ W・ケアスティングの所論

はじめに

一 法論の批判的・超越論的性格をめぐる解釈論争

二 カントの占有・所有権論

三 カントの自然状態論

四 W・ケアスティングの所論の評価

Ⅹ M・ブロッカーの所論

はじめに

一 ブロッカーの研究についての総体的考察

二 ブロッカーの研究目的

三 『法論』の継受史および研究状況

四 ブロッカーの研究方法および立場

Ⅺ G・W・キュスタースの所論

はじめに

一 カント法哲学の研究状況

二 カント法論の研究上の問題点

三 『法論』の継受

四 カント法哲学の批判的性格をめぐる論争

五 カント法哲学研究の残された課題

Ⅻ P・ウンルーの所論

はじめに

一 『法論』と批判哲学との整合性

二 整合性論争の成果

第二部 カント法哲学の超越論的・批判的性格

第一章 カント法哲学の批判的・超越論的性格――その解釈論争をめぐって

Ⅰ はじめに―問題提起

Ⅱ カント法哲学の批判的・超越論的性格をめぐる我が国での近年の研究状況

Ⅲ 継受史および研究状況

Ⅳ 「批判的」法哲学は存在するのか

Ⅴ むすびにかえて

第二章 F・カウルバッハの所論を中心として

Ⅰ 『法論』の解釈の系譜および現在の解釈論争

Ⅱ カント法哲学の超越論的性格

Ⅲ むすびにかえて

第三章 K・H・イルティングの所論を中心として

Ⅰ はじめに

Ⅱ K・H・イルティングの所論

Ⅲ むすびにかえて―イルティングの所論の問題点

第四章 H・オーバラーの所論を中心として

Ⅰ はじめに―カント法哲学における超越論的哲学(超越論的方法)の放棄および伝統的自然法論の独断主義への逆戻り

Ⅱ 方法論的新カント主義および法実証主義のカント観・カント批判の影響

Ⅲ Chr・リッターの所論の総括

Ⅳ カントの批判主義と法論との相互依存性

Ⅴ 法論の解釈における積極的自由概念の意義

Ⅵ 伝統的自然法論と同時代の自然法論との連続性におけるカント法論の直線的発展

Ⅶ 新カント学派および法実証主義のカント哲学解釈

Ⅷ 『純粋理性批判』における超越論的観念論と法哲学との相互依存性

Ⅸ 理論的批判主義と実践的批判主義における超越論的観念論

Ⅹ 体系統一という意味における相互依存性

Ⅺ カントの法思想と理論哲学・実践哲学との発展史的関連

Ⅻ 『法論』の批判的性格をめぐる議論について―Chr・リッターの2つのテーゼ

ⅩⅢ W・ブッシュによるリッター批判の検討

ⅩⅣ K・H・イルティングによるブッシュ批判およびJ・シュムッカーの功績

ⅩⅤ 「批判的」の定義およびその検討

ⅩⅥ H・オーバラーによる「批判的」の6つの定義およびその検討

ⅩⅦ おわりに―批判的実践哲学とは何か

第五章 W・ケアスティングの所論を中心として

Ⅰ はじめに

Ⅱ 所有権論の超越論的性格

Ⅲ むすびにかえて

第六章 所有権論の超越論哲学的基礎づけ

Ⅰ はじめに

Ⅱ カントの所有権論に対するA・ショーペンハウアーの批判の検討

Ⅲ J・ロックの労働所有権論との対比

Ⅳ H・グロティウスおよびS・プーフェンドルフによる契約主義的所有権論―カントおよびロックとの対比

Ⅴ むすびにかえて

あとがき

初出一覧

人名略称一覧

奥付

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