- 発売日
- 2020年07月18日
- 出版社
- 日本法令
- 編著等
- 大内伸哉
これから到来する「コロナ後」の世界――「21世紀型社会」について、これがどのような社会なのか、そこでは人々の労働はどのように位置づけられているのか、また法はそこでどのような役割を果たすのか、労働法学界の第一人者が模索しています。未来の予測を単なる空想に終わらせないようにするため、未来の労働を考えるうえで重要と思われる歴史的な出来事・文献も逐次取り上げながら、新たな社会に生じる労働に関する法的課題を検討しています。
目次
表紙
はしがき
法律の略語一覧
目次
序章 変わる企業と労働
1 三つのメッセージ
経団連会長のメッセージ
グレタのメッセージ
ウーバーイーツユニオンのメッセージ
三つのメーセージの底流に流れているもの
2 デジタル経済と日本型雇用システム
技術革新と雇用
日本企業の適応力
社会課題の解決方法としての日本型雇用システム
新卒定期一括採用の見直し
変わる年功型賃金
黒字リストラ
グローバル時代に「日本型」は生き残れない
3 環境問題と労働
不都合な真実
社会の持続可能性
資本主義は死んだ?
弥縫策では乗り切れない
新しい資本主義に労働者はどう立ち向かうべきか
4 自営業者と労働法
労働者概念の整理
コンビニの加盟店オーナーは労働者?
労働法から経済法へ?
5 本書の内容
第1編 20世紀型社会とは何か−産業資本主義における企業と労働−
第1章 資本主義と労働・法
1 人はなぜ働くのか?
2 労働の歴史
3 労働法はどのように生まれたのか?
補論 西欧における労働観の変遷
第2章 企業はなぜ営利を追求するのか?
1 会社とは何か?
2 営利の追求は善か悪か?
3 法人とは何か?
4 コーポレート・ガバナンス
補論 会社はなぜ存在するのか
第3章 日本型雇用システムと日本型労働法
1 日本型雇用システムとは何か?
2 日本型雇用システムと労働法
3 正社員の働き方をオーソライズした労働法
4 見直される正社員の働き方
5 「働き方改革」のインパクト?
補論 日本の人材育成システムのどこが「日本型」か?
第2編 21世紀型社会の到来−デジタル技術の時代−
第4章 デジタル技術が社会を変える
1 産業資本主義の終焉
補論 情報概念の整理
2 変わるビジネスモデル
3 企業のスマート化
4 社会課題解決のためのデジタル技術
5 高齢化問題
第5章 デジタル技術が働き方を変える
1 ムーブレス・ワーク
2 シェアリング・エコノミーの可能性
3 人材のプロ化
4 個人はテックで起業する
第3編 21世紀型社会の課題−新たな規制をめざして−
第6章 デジタル技術が労働規制を変える
1 デジタル化がもたらす法的課題
2 新たな規制手法 ー ナッジの活用
3 分断なき労働とセーフティネット
4 デジタル技術を活用した規制
補論 独占禁止法と労働組合
第7章 デジタル技術がもたらす新たな政策課題
1 個人情報の保護
2 プライバシーと差別
3 格差
4 教育
補論 教育を受ける権利
終章 まとめにかえて− 21世紀型社会と労働−
ネット社会は遮断できない
20世紀型社会とは,何だったのか?
社会問題としての労働問題
20世紀型社会の行き詰まり
情報化の流れは必然
これから労働はどうなるのか?
ムーブレスな社会の意義
テレワークの本当の価値は労働の原点に返ること
新たな労働のルールと規制手法
補論 労働の商品性
AI・ロボットと共生する社会
判例索引
労働委員会命令索引
人名索引
事項索引
COLUMN
(第1次)産業革命
資本主義の発展ー商業資本主義,産業資本主義,独占資本主義ー
アメリカにもあった日本型コーポレート・ガバナンス
日本型雇用システムと日本社会
長澤運輸事件が問いかけたもの
テレワークと労働組合の活動
紛争のない社会は理想的か?
情報の価格はどのように決まるか?
著者略歴
奥付