- 発売日
- 2025年09月30日
- 出版社
- 日本評論社
- 編著等
- 千葉惠美子、川上良、高原知明
民事紛争を解決するために欠かせない法的思考方法が手に取るようにわかるケースメソッド方式の教科書。全4巻シリーズの第3巻。
目次
表紙
第3巻の刊行によせて
目次
第26章 債権者代位権・詐害行為取消権の骨格[基礎編・発展編]―金銭債権についての強制執行の準備を目的とする利用場面を中心に
1 出題の趣旨
2 Xはどのような請求をするのか
3 本件不動産に対する強制執行の準備①―Bの登記請求権の代位行使
1. 訴訟物・請求原因・請求原因事実
2. XのCに対する登記請求をめぐる攻防
4 本件不動産に対する強制執行の準備②―Cに対する詐害行為取消権の行使
1. 訴訟物・請求原因・請求原因事実
2. XのCに対する詐害行為取消請求等をめぐる攻防
5 BがCに対して有する売買代金債権からの回収―債権者代位権
1. 訴訟物・請求原因・請求原因事実
2. XのCに対するB・C間売買に基づく代金請求をめぐる攻防
第27章 金銭債権についての強制執行の準備を目的としない債権者代位権[発展編]―被保全債権である金銭債権および賃借権自体の実現を目的とする利用場面を素材として
1 出題の趣旨
2 金銭債権を被保全債権とする登記請求権の代位行使
1. CがBから承継した売買代金債権の履行を確保する手段
2. 423条の7前段における債権者代位権の正当化根拠
3. 金銭債権を被保全債権とする場合と債務者の無資力要件の必要性
3 賃借権を被保全権利とする所有権に基づく返還請求権の代位行使
1. E社が考えるべきこと
2. 土地賃借権を実現するための手段
4 個別の債権の実現と「保全の必要性」の要件
1. 423条1項と423条の7前段との関係
2. 【例題】の場合はどうか
第28章 債権者代位権の利用とその限界[応用編]―抵当権の保全および建物賃借権の保全が問題となる紛争事例を素材として
1 出題の趣旨
2 抵当権の保全と債権者代位権の利用可能性
1. 甲土地をめぐる利害関係人間の法律関係
2. 抵当権に基づく直接の妨害排除請求の可否
3. 債権者代位権の利用
3 建物賃借権の保全と債権者代位権利用の限界
1. 建物賃借人による建物買取請求権の代位行使に基づく反論
2. 建物買取請求権を被代位権利とする建物賃借人による債権者代位権行使の可否
4 債権者代位権の適用範囲
第29章 詐害行為取消権の利用とその限界[応用編]―いわゆる偏頗行為に属する紛争事例を素材として
1 出題の趣旨
2 Xは誰に対してどのような請求をしたらよいか
1. A社からの債権回収
2. X以外のA社の債権者
3. 何が詐害行為なのか
3 受益者Bに対する詐害行為取消請求に係る訴訟
1. 甲土地の売却行為
2. 債権譲渡行為と対抗要件具備行為
3. 受益者Bの反論可能性
4 転得者Dに対する詐害行為取消請求に係る訴訟
第30章 詐害行為取消権と家族法の交錯[応用編]―離婚に伴って責任財産が保全されなくなっている事例を素材として
1 出題の趣旨
2 債権者はどのような請求をするか
1. BからAへの財産的給付は離婚に伴う財産分与といえるか
2. 離婚に伴う財産分与と424条2項との関係
3 離婚に伴う財産分与と詐害行為取消権の発生要件
1. 424条1項本文と特則規定の関係
2. 例題の場合における訴訟物と請求原因
3. Aからの反論
第31章 保証契約について考える[基礎編・発展編]―事業のために個人が締結した根保証契約を素材として
1 出題の趣旨
2 X社は誰にどのような請求をしたのか
1. 保証契約の成立要件と根保証―訴訟物・請求原因・請求原因事実
2. 保証債務の範囲
3 保証意思宣明公正証書の作成の要否をめぐる攻防
1. C・Dからの反論
2. Cの反論に対するX社からの再反論
3. Dからの反論に対するX社からの再反論
4 保証契約の締結時の情報提供義務違反をめぐる攻防
1. 465条の10第2項に基づく取消権の位置づけ
2. Dからの反論とX社からの再反論
5 主たる債務者の有する反対債権に基づく相殺の主張をめぐる攻防
第32章 求償と代位について考える[発展編]―抵当権を実行された物上保証人が保証人に求償した事例を素材として
1 出題の趣旨
2 Xはどのような権利があると主張すべきか
1. XはYにどのような権利があると主張しているのか
2. 求償権と原債権との関係
3. Xの請求の訴訟物
3 Xはどのような事実を主張したらよいのか
1. 請求原因
2. 請求原因事実
4 Yはどのような反論が可能か
1. Yからの反論①―連帯保証債務の消滅
2. Yからの反論②―主たる債務の消滅時効
第33章 親権者による利益相反行為と法定代理権の濫用[発展編]―信用保証協会を債権者とする子の不動産への根抵当権の設定を素材として
1 出題の趣旨
2 誰に対してどのような権利を主張するか
1. 関係者の利害関係
2. 訴訟物・請求原因・抗弁
3 Xからの再反論①―利益相反行為を理由とする法定代理権の制限
1. 826条と108条との関係
2. 利益相反行為の要件
4 Xからの再反論②―親権者による法定代理権の濫用
1. 判例理論にみる「親権者による法定代理権の濫用法理」の考え方
2. 107条の新設と親権に基づく法定代理権の濫用の要件
第34章 相続財産の帰属をめぐる紛争を考える[基礎編]―不動産・現金・株式・預金債権・賃料債権・契約上の地位・債務の相続を素材として
1 出題の趣旨
2 被相続人Lをめぐる法律関係
1. Lが所有していた不動産と株式・現金
2. K社との間の法律関係―株主権、土地賃借権(借地権)
3. Aとの間の法律関係―甲土地の使用貸借
4. S銀行およびゆうちょ銀行との間の法律関係―普通預金契約・通常貯金契約
5. 保険会社との間の法律関係―生命保険契約
6. U銀行との間の法律関係:その1―連帯根保証、丙土地を目的物とする抵当権設定
7. U銀行との間の法律関係:その2―定期預金契約
3 相続財産の帰属①―不動産と現金
1. 不動産(甲土地、乙土地および丙土地ならびに丁建物)
2. 現金
4 相続財産の帰属②―K社の株式
5 相続財産の帰属③―債権と契約関係
1. S銀行・ゆうちょ銀行・U銀行に対する預貯金債権
2. K社に対する賃貸人たる地位、賃料債権
3. Aに対する使用貸主としての権利義務
6 相続財産の帰属④―相続債務(連帯根保証債務)
7 保証債務の履行と相続人間の調整
第35章 共有不動産の管理・処分について学ぶ[発展編]―遺産共有されている不動産をめぐる紛争を素材として
1 出題の趣旨
2 被相続人の配偶者は他の共同相続人に対して共有建物の明渡しを求める権利があるか
1. 共有持分権に基づく請求
2. 配偶者短期居住権に基づく請求
3 共同相続人の1人は他の共同相続人に対して共有建物の明渡しを求める権利があるか
4 第三者は共有者の1人に対して共有地の明渡しを求める権利があるか
5 共同相続人の1人は第三者に対して登記手続への協力を求める権利があるか
1. 保存行為構成の限界
2. 持分権に基づく単独請求権構成
第36章 共有関係の解消について学ぶ[応用編]―通常共有と遺産共有が併存し二次相続が発生している事例を素材として
1 出題の趣旨
2 二次相続の発生と相続財産の帰属
3 遺産共有と通常共有の併存状態の解消方法―甲土地・乙建物
1. 共有物の分割請求か遺産分割請求か
2. 分割の方法
4 遺産共有の解消方法
1. 共同相続人に所在不明者がいる場合の遺産共有状態の解消方法
2. 所在等不明共有者の持分取得か持分譲渡権限の取得か
5 おわりに
第37章 共同相続・遺産分割と登記[基礎編・発展編]―相続財産を構成する不動産の処分と取引の安全①
1 出題の趣旨
2 誰が誰に対してどのような権利があると主張するか
3 丙土地をめぐるB・F銀行間の紛争―遺産分割前の抵当権設定
1. BからCに対する請求
2. BからF銀行に対する請求①(承諾請求)
3. BからF銀行に対する請求②(抵当権設定登記の抹消登記請求)
4 甲土地および乙建物をめぐるB・G間の紛争―遺産分割後の代物弁済
1. 前提―甲土地の所有権の来歴
2. 訴訟物・請求原因・請求原因事実
3. Gの反論①(遺産分割3を原因とする所有権喪失の抗弁)とBの再反論
4. Gの反論②(対抗要件具備による所有権喪失の抗弁)
5. Gの反論③(94条2項類推構成による所有権喪失の抗弁)
5 899条の2第1項の意義―177条、909条との関係
1. 立案担当者の見解
2. 有力説の見解
第38章 特定財産承継遺言と登記[発展編]―相続財産を構成する不動産の処分と取引の安全②
1 出題の趣旨
2 誰が誰に対してどのような権利があると主張するか
1. 遺言に基づく相続財産の帰属
2. 誰が誰に対してどのような請求をするか
3 甲土地をめぐる請求―特定財産承継遺言
1. 訴訟物・請求原因・請求原因事実
2. R社からの反論―Cの持分権喪失(899条の2第1項)
4 M銀行の普通預金債権をめぐる請求―899条の2第2項
1. M銀行に対する請求
2. 差押債権者Qに対する第三者異議の訴え
第39章 相続分の指定・遺贈と登記[発展編]―相続財産を構成する不動産の処分と取引の安全③
1 出題の趣旨
2 遺言と相続財産
1. 積極財産
2. 消極財産
3 相続分の指定と登記―乙土地をめぐる請求
1. どのような権利があると主張できるか
2. H社からの反論―899条の2第1項
4 遺贈と登記
1. 相続人以外の第三者への遺贈―甲土地
2. 配偶者居住権の遺贈―Aの自宅
第40章 包括遺贈・相続分指定と遺言執行者の職務権限[応用編]―不動産登記請求訴訟を素材として
1 出題の趣旨
2 誰に対してどのような権利があると主張するか
1. Bによる遺言の内容
2. 割合的包括遺贈の放棄と財産帰属
3. 甲不動産の帰属主体
3 相続人ではない者に対する包括遺贈と遺言執行者の職務権限
1. 遺贈と登記訴訟における当事者適格に関する改正前までの考え方
2. 相続法改正、民法・不動産登記法等改正によって修正が必要か
4 相続分の指定と遺言執行者の職務権限
1. 改正前の考え方
2. 特定財産承継遺言に関する改正をふまえた考え方
5 XからCおよびYに対する請求の当否
判例索引
事項索引
著者紹介
奥付